あの後俺達はオスカーの住処を拠点にし、修行や武器の生成、レベル上げを順調に進めていった。
「……ハジメ、気持ちいい?」
「ん~、気持ちいいぞ~」
「ふふ……じゃあ、こっちは?」
「あ~、それもいいな~」
「もっと……気持ちよくしてあげる……」
現在、ユエはハジメのマッサージ中である。エロいことは今はしていない。何故、マッサージしているかというと、それはハジメの左腕が原因だ。ハジメの左腕に付けられた義手と体が馴染むように定期的にマッサージしているのである。
この義手はアーティファクトであり、魔力の直接操作で本物の腕と同じように動かすことができる。擬似的な神経機構が備わっており、魔力を通すことで触った感触もきちんと脳に伝わる様に出来ている。また、銀色の光沢を放ち黒い線が幾本も走っており、所々に魔法陣や何らかの文様が刻まれている。
実際、多数のギミックが仕込まれており、工房の宝物庫にあったオスカー作の義手にハジメのオリジナル要素を加えて作り出したものだ。生成魔法により創り出した特殊な鉱石を山ほど使っており、世に出れば間違いなく国宝級のアーティファクトとして厳重に保管されるだろう逸品である。もっとも、魔力の直接操作ができないと全く動かせないので常人には使い道がないだろうが……
「おう、飯取ってきたぞ~」
扉が開け放たれ、ライキが魚を数匹担いで帰ってくる。
「「オカエリィ♪(*・ω・人)~」」
「何で顔文字が入っているかは置いとくとして・・・義手と魔眼石の方はどうだ?」
ハジメはヒュドラとの戦いで右目を失っている。ブレスの熱で眼球の水分が蒸発していまい、神水を使う前に“欠損”してしまっていたので治癒しなかったのだ。それを気にしたユエが考案し、創られたのが“魔眼石”だ。
いくら生成魔法でも、流石に通常の“眼球”を創る事はできなかった。しかし、生成魔法を使い、神結晶に”“魔力感知”“先読”を付与することで通常とは異なる特殊な視界を得ることができる魔眼を創ることに成功した。
「そっちこそちゃんと機能してるのか?」
「おぅ、後は俺次第だな」
あれから俺のシステムに組み込まれたのも幾つかある。修行中にわかったことなのだが、MSを動かすのは簡単な事ではないらしく、おおまかな動きは何とかなるが細かい動作はかなり負担が掛かるらしく、修行中にMSの一部分がイかれてしまったのだ。元に戻せば何とかなるがこれからの戦いの中ではかなり致命的となるだろう。特に高機動戦闘型のMSにとっては何としてでも直したい。
そこで俺とハジメである考えに至ったのだ。基本的構造は揃っているのでそれを管理、制御する為の装置を組み込めばいいのでは?と。
そこでまずはコンピューターに使われている五大装置を組み込んでみたのだ。
・ 入力装置:外部からコンピュータにデータを読み込ませる装置
・ 記憶装置:データやプログラムを記憶しておく装置
・ 演算装置:四則演算や論理演算を行う装置
・ 制御装置:記憶装置から取り出した命令を読解し実行を支持する装置
・ 出力装置:処理されたデータをコンピュータの外部に出す装置
と、こんな感じである。しかしここでもっと簡単な方法に行き当たる。そう、中央処理装置(CPU)とメモリである。CPUならば戦闘中も勝手に演算処理をしてくれるし楽だからである。
閑話休題
それから十日後、遂に俺とハジメとユエは地上へ出る。
三階の魔法陣を起動させながら、ハジメが俺とユエに静かな声で告げる。
「ユエ、ライキ、俺の武器や俺達の力は地上では異端だ。聖教教会や各国が黙っているということはないだろう」
「ん……」
「おう」
「兵器類やアーティファクトを要求されたり、戦争参加を強制される可能性も極めて大きい」
「ん……」
「あぁ」
「教会や国だけならまだしも、バックの神を自称する狂人共も敵対するかもしれん」
「ん……」
「100%ぶち当たるだろうな……」
「世界を敵にまわすかもしれないヤバイ旅だ。命がいくつあっても足りないぐらいな」
「今更……」
「寧ろ望むところだよ、かかって来いってな」
「俺がユエを、ライキを、ユエが俺を、ライキをを守る。それで俺達は最強だ。全部なぎ倒して、世界を越えよう」
「なら俺はお前達の道を作る。そして・・・奴等に思い出させてやる。お前達が捨てた者が戻ってきたとな」
「・・・行こう!」
「んっ!」
「おうよ!!」
少し短いですがこれで第一章を終わりたいと思います。次回からはサイドストーリーとしてクラスメイト編をしたいと思っています。