てんせいぐらし! ~キチガイ二人は地獄を往く~   作:青の細道

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大奥イベントは強敵でしたね……(主にロード時間
カーマも引けなかったし星5礼装すら引けなかったので初投稿です(やけくそ


せっしょく

「ここが……聖イシドロス大学……」

厳重に封鎖された正門の前に立ち、異様な雰囲気を放つ大学施設にごくりと生唾を飲む一同。出発し秀と別れて丸一日掛け、翌日正午には到着することができた。道中で何度か感染者との遭遇戦を挟んだがいつも通り損害はゼロ。

 

 

そんな訳でやってきました聖イシドロス大学。入る前に再度段取りを再確認する。

 

 

「いいか、オレら以外の存在を悟らせるなよ」

今はもう装備のほとんどを車に置いてきたが、早朝には秀との通信があり既に大学付近に潜伏しているらしい。恐らく現時点でも何処からか監視している事だろう。

 

 

変に周囲を意識しすぎて感づかれる訳にはいかないし。

 

 

「危ないと思ったらすぐに戻ってくるのよ?」

五十鈴のアネサンと一緒に車で待機するように佐倉センセーも即発進できるようエンジンを掛けたまま窓から身を乗り出す勢いで何度も注意してくる。

 

 

「うーっす」

んじゃ行くべと他の連中を連れ、早速塀を……。

 

 

……塀をォ。

 

 

背中に突き刺さる視線。2m以上はある高さ、振り替えると全員がオレをジッと見ている。

 

 

「…………」

溜め息を一つ吐き塀に手を押し付けながらしゃがみ込む。後ろで「よし」という恵飛須沢の声が聞こえ、容赦なく肩に足を乗せてきた。いやお前普通に外壁の段差とか利用して登ってただろ原作で。とツッコミたかったが黙っておこう。

 

 

「上見んなよ」

 

 

「見ねぇから早く行けっ──痛っ、てンめっ!」

登りきる瞬間、爪先で後頭部を蹴られる。いつか思い知らせてやるからなお前ェ……。

 

 

「おら、次あくしろ」

もう一度しゃがみ、一人……また一人と登り。全員が登り終えたところで最後にオレが残るわけだ。

 

 

「ほら、捕まれ」

そう言って手を伸ばす恵飛須沢だがいくらなんでもオレを持ち上げるのは無理だろその細腕じゃァ。

シッシと手で払い、少し離れたところまで後退する。何をするつもりだと首を傾げるメンバーを尻目にオレは歩幅と高さと距離を計りながら一気に足へ力を込め──。

 

 

「よっ──!」

外壁の僅かな段差に足を掛け壁を蹴るように、駆け上がり勢いのまま飛び越える。

 

 

ズドンと拳、両足の三点着地……俗に言う『スーパーヒーロー着地』を試したが……なるほど、たしかに膝に悪い。

 

 

「ふー……っ!」

全身を駆け抜けた衝撃に耐え、ゆっくり立ち上がり唖然とする他のメンバーに振り替える。「大丈夫ですか?」眉を潜め、どこか哀れんだような目をする直樹に何がと訪ねても「いえ別に」と目を背けられた。強がってねェし……ちょっと思ってたより痛かっただけだし。グローブとニーパッドがあれば余裕だったし……。

 

 

スタイリッシュに降りたオレとは対照的に、内側に立て掛けられていた梯子を渡って降りてくる女子メンバー。

その間に軽く周囲を見渡すと……居る。思いっきり、隠れてるつもりなんだろうが尻隠して頭隠さずって感じでニット帽がはみ出ている。

 

 

これは気づかないフリをしてやった方がいいのか?

 

 

などと考えている内に降りてきた面子が少し進んだところで拡声器を利用した男の声が響き渡る。

 

 

「全員持っているものを捨てて手を上げろ!」

ビクリと肩を震わせ表情を強張らせる恵飛須沢と直樹を制止させ、背負っていたリュックサックを地面に置くと他のメンバーも続くように荷物を置く。

 

 

「へいへ~い、ジュネーヴ条約と赤十字を忘れるなァ」

両手を上げ前に出ると植樹帯に隠れていた人影が飛び出してくる。ニット帽に眼鏡を掛けたちっこい男、その手には拡声器とピストル型のクロスボウが握られている。緊張しているのか額や頬には汗が滲み、手は微かに震えている。

 

 

「お前ら何しに来たんだ!」

 

 

「慌てんな、こっちは全員丸腰だ」

 

 

敵意がない事を証明させるために恵飛須沢たちにも手を上げるように促す。そんなオレ達の様子を見て少し落ち着いたのかニット帽の眼鏡はクロスボウのトリガーから指を外す。

これで誤射されることはないだろう。

 

 

「私達は巡ヶ丘高校から来ました。安全なところを探し──」「動くなっ!」

 

 

「っ──!」

説明口調で前に乗り出した直樹に驚き、咄嗟にボウガンを構えた眼鏡。その指が引き金に懸かり僅かな力みの弾みで矢が発射されてしまう。

 

 

狙って撃ったわけでなくとも横並びになっていたオレ達に向かって射出されたそれは真っ直ぐと若狭へと飛んで行く。だが反射的に手を翳した事によって矢はオレの掌に突き刺さった。

 

 

「田所っ!」

恵飛須沢が声を上げる。大丈夫だと引き抜いた矢を放り捨て眼鏡へと視線を向ける。微かに表情を歪めつつもすぐに睨みを聞かせもう一度大声で叫ぶ。

 

 

「っ──動くなって言っただろ!」

 

 

ビキリと顳顬が音を発てる。秀からは交戦は避けろって言われてたがどうにも沸き上がる怒りが押さえきれそうにねェ。半殺しに程度なら構わないだろう。

 

 

「テメェ……」

 

 

「たっくんダメ!」

流れる鮮血を省みず拳を握り締め、目の前の馬鹿をぶん殴るために踏み出したオレを止めたのは丈槍だった。目を瞑り出来うる限りの力でオレの腕を抱き止めている、振りほどくのは容易い事だ。

 

 

「……──チッ」

頭の中を埋め尽くしていた感情が晴れ、舌打ちをしながらも全身の力を抜くと抱き止めていた腕が解放される。すぐに傷を塞ぐようにハンカチを取り出した直樹、大丈夫かとオレを庇うようにして恵飛須沢。

 

 

うーむ端から見れば女子に庇われている情けない奴みたいだ。

 

 

応急手当をしてくれた直樹に軽く感謝し、少しだけ冷えた頭を整理しつつ再度眼鏡野郎に声を掛ける。

 

 

「オレ達に敵意はねェ、だが出てけってんなら従うさ」

それでいいだろ、と尋ねれば黙って頷くがボウガンの照準はこちらに向けたままだ。

 

 

撤収の旨を伝え、持ってきた荷物を担ぎ梯子を登らせる。最後まで眼鏡野郎を監視しながら周囲へ目配せする。他の生き残りの姿は無し……入ってきた時点で囲んで捕縛するって考えはなかったんだろうか。

 

 

バンディット行為が目的じゃねェとは思ってたが、だがこっちが姿を見せた以上は何かしら行動に出るはずだ。

 

 

「やっぱり警戒されましたね」

しょんぼりと顔を伏せる直樹。まぁ仕方ない……こんなご時世だ。侵入してくる人間が善良とは限らないから警戒されるのも当然だと諭す。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「結局こうなンのかよ!」

 

 

「言ってる場合か! めぐねえ早く!」

 

 

「せ、急かさないでよぉ!」

車まで引き返し、これからどうするかと秀に連絡しようとした矢先に二人組の男がバットと角材を持ちバイク用のフルフェイスヘルメットを被った奴がこちらへ走ってくるのが見えたオレはすぐに全員へ車に乗るように叫ぶ。状況を把握し切れなかった佐倉センセーを急がせ、車を出させるがすぐに乗用車へ乗り移った追っ手が迫ってくる。

 

 

下手な真似はしないだろうが背に腹は代えられない。こうなったらオレが囮になってでも──。

 

 

『拓三、そのまま先導して大学の裏門へ行け!』

ノイズが走ったトランシーバーから秀の声が聞こえる。

 

 

「わかった!」

ハンドルを回し、車の前へ出てハンドサインを送る。

 

 

『二つ目の十字路を左、その先のT字路を右だ』

指示を受けながら駆け抜ける。やがて視線の先に三名の人影がこっちへ手を振りながら誘導する素振りを見せている姿が見えた。

 

 

滑るように門をくぐり抜け、驚きつつも全員が門を抜けたところで閉ざされた後は追っ手の車が引き返していくのを見送る。

走り去っていった車を見届け、車から降りてきた恵飛須沢たちに合わせて三人の女が歩み寄ってきた。

 

 

「お疲れ様、大変だったっしょ?」

プリン頭の女が迎えるように声を掛けてくる。

 

 

「あの……あなた方は?」

若狭の問いに「えっと、生き残り?」と小首を傾げる小柄の眼鏡女に「違うっしょ、アタシらさっきの車の連中とは別のグループだよ」と苦笑いを浮かべるプリン頭、一人沈黙を続ける黒髪の女がこくりと頷く。

 

 

名前は……あーっとなんだったかな。とにかくこいつらも原作に出てくる生き残りだってのは覚えてる。

 

 

「そんなわけでまぁ、聖イシドロス大学へ!」

こうしてオレ達は目的の大学へと到着した。

 

 

握手を交わす大学メンバーと生活部メンバーを尻目に、トランシーバーを片手に周囲へ目配せするオレへ黒髪の女がどうかしたのかと訪ねてくる。

 

 

「ああ、いや。あと一人仲間がいるんだ」

通話ボタンを押していまどこに居るのか秀に問いかけると「もう着く」と短い返答と共に門の隙間から人影が走ってくるのが見えた。

 

 

遠目からでも分かるほど異様に速いスピードでどんどん輪郭が大きくなっていく、背中にライフルやナイフを体に取り付けているにも関わらずオリンピックの短距離走選手バリの速度で疾走する秀はトップギアのままさっきオレがやったように外壁の段差を踏み、一息で壁の高さを飛び越えた。

 

 

オレが言うのもなんだが軽く人間辞めてるよな。

 

 

「うわっ、びっくりした! だっ誰!?」

突然現れた黒ずくめの男に驚いた三人が身構え、恵飛須沢と直樹が呆れたような顔をし、若狭と佐倉センセーは苦笑。ひーくんだと笑みを浮かべ駆け寄る丈槍と若狭妹。まだグループに入って間もない五十鈴のアネサンは口をあんぐりと開いて驚愕している。

 

 

「心配するな、敵じゃない」

被っていたガスマスクを外し、両手を上げ害意がないというジェスチャーを送る。

 

 

「お、おぅ……じゃあ、改めてよろしくね」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

大学メンバーの穏健派と合流した俺達は軽い自己紹介を済ませ、移住を快く迎え入れてくれた彼女たち『サークル』の代表者である小柄で眼鏡を掛けた『出口 桐子(でぐち とうこ)』と僅かに残った黒い根元と茶色に染めた髪を一纏めにした『光里 晶(ひかりざと あき)』、黒のセミロングにメンバーの中でも控えめな性格と変化が少ない表情の『喜来 比嘉子(きらい ひかこ)』に案内される形で大学内を歩く俺達一同。

 

 

「へー、いままで高校に居たんだ。スゴいね」

軽いコミュニケーションは丈槍たちに任せ、最後尾で周囲の状態を観察する。施設内はある程度清潔を保たれているようだが、やはり割れた窓ガラスの多さが気になる。空気感染もそうだが今後の気象変化に対応するためにも出来るだけ雨風を防げるようにしておく必要がありそうだ。

 

 

「どうか……した?」

ふと先頭にいた筈の喜来センパイが辺りを見渡す俺に声を掛けてきた。正直驚いた、まさか声を掛けてくるとは思っていなかった俺が僅かに口をどもらせる。

 

 

「あっ……ええ、まぁ」

こほんと軽く咳をし誤魔化すような仕草をする。ふーんと特に深く追求するでもなく、彼女はすぐに俺が背負っているM14EBRへ指を指しながら「それ本物?」と訪ねてきた。

 

 

「どこで手に入れたの?」

何か探りを入れるような目でジッと見つめてくる。

 

 

「その辺の詳細は後で説明しますよ」

 

 

「さ、僕たちのサークルへようこそ!」

両手を広げ、けらりとした笑みをする出口センパイ、若狭がサークルについて疑問の声を上げる。彼女たち三人は他の生き残り──武闘派とは別に、世紀末な現状の中でも緩く娯楽に自堕落することを心情に生きている。

 

 

端から見るとあまりにも弛みすぎだろう……と思うがまぁ彼女たちの生き方までどうこう言う権利は俺にはない。少なくとも後ろ向きな生き方ではないことは事実だし。

 

 

「お─────!」

案内された部屋『桐子』と書かれた一室に招き入れられた俺達。部屋の中は娯楽用品……ゲームや漫画、映画のBlu-rayなどが満載でそこら中に空のインスタント麺のカップやらで散らかり放題だった。

 

 

仮にも女子の部屋がこれでいいのか?

 

 

ゲーム機に興味を引かれた恵飛須沢が出口センパイと遊び始め、直樹と祠堂は棚に飾ってあるBlu-rayに目線を奪われている。

 

 

やがて光里センパイによってゲームは中断され、ブー垂れる二人を言い聞かせ俺達は互いの状況やこれまでの経緯の情報共有をするために別の部屋へと移った。

 

 

「狭くてごめんねー」

流石に13人+1匹が一人用の部屋に入るには人口密度が高すぎる。俺と拓三……そして太郎丸はドアの外に立ち、話し合いは女子メンバーに任せることにした。

 

 

「はい、お二人さんも」

光里センパイから紙コップに注がれたお茶を受け取り軽く会釈をする。太郎丸には紙皿へ注いだ牛乳を与えてくれた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「──うわっ大変だったんだねぇアンタたち」

 

 

「設備が良すぎると思った……」

緊急避難マニュアルを眺めるサークルメンバー。事の発端である細菌の存在やランダル・コーポレーション、巡ヶ丘やこの大学について、そして学院で生活していた俺達を襲った連中などの説明を一通り終える。

 

 

襲撃後にメンバー入りした五十鈴さんは改めて大変だったねぇと揉みしだくように丈槍を抱き寄せる。

 

 

「うっひゃー、外じゃ本当にとんでもないことになってるんだね……」

 

 

「銃で武装した連中に襲われるなんて……よく生きてたね」

 

 

「二人のおかげです」

若狭が微笑み、俺と拓三に視線を向ける。ほほうと眼鏡を光らせ「まるで映画の中のヒーローみたいでカッコいいじゃん。さっすが男の子」と絶賛されるが別にそんな大層なものじゃないと溜め息を吐く。

 

 

「あの、桐子先輩たちと武闘派という人達とはどういった関係なんですか?」

武闘派、というフレーズにピクリと微かに反応を示す。出口センパイはやんわりとした表現で武闘派による爪弾きを受けて現在に至る事を説明していく。戦えないものに価値はないと切り捨てたという武闘派。彼女たち以外の生存者も多く居たが、ほとんどが独自に生き残る術を持たなかったが故に犠牲となった。生活するにも物資は限られ、人数が多ければ多いほどに消費速度は増していく。

 

 

働かざる者食うべからず、とはよく言ったものだ。つまるところ間引き、生き残るためには何かを犠牲にしなければならない。自身の存在価値を証明できなければ弾かれる。

弱者にこの世を生きる資格はないと。合理的ではあるんだろう、俺達も恐らく似たような状況になっていれば同じ様にしていたかもしれない。

 

 

「ま、とにかくゆっくりしていきなよ。ここに居る分は安全だからさ」

話は程々に、空いている部屋を皆に提供してくれると言うことで荷物を纏めそれぞれに与えられた部屋へ運んでいく。

 

 

「出口センパイ」

 

 

「んー? どったん」

ドアをノックし、出てきたセンパイへ俺は一つ『お願い』をすることにした。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「……驚いたな」

場所は変わり、穏健派と武闘派が唯一共有する会議室へ呼び出しをされた出口センパイと光里センパイと共に現れた俺を見て会合一番にそう呟いたのは武闘派リーダーの『頭護 貴人(とうご たかひと)』。金の染め髪にライダースを纏った顔立ちのいい男。拓三たちを車で追いかけてきた内の一人。

 

 

他にはクロスボウガ持っていたニット帽に眼鏡の小柄な『高上 聯弥(こうがみ れんや)』と、そのガールフレンドであるサイドテールの『右原 篠生(みぎはら しのう)』、メンバーの中で一番大柄でキャップ帽を被り無精髭を生やした『城下 隆茂(じょうか たかしげ)』が煙草を吹かし、窓際には長い髪にどこか妖艶さのある『神持 朱夏(かみもち あやか)』の計5名が会議室に集まっていた。

 

 

原作ではリーダーの頭護と右原、そして神持の三名だけだったはずだが……まぁ好都合だと考えよう。

 

 

「部外者を連れてくるなんて聞いてないわよ」

目を細め、出口センパイを睨む神持。自分が無理を言って同行させてくれと頼んだので彼女たちに非はないと手で制する。ジロリと爪先から頭までを値踏みするような視線で見てくると「そう」と鼻で笑う。

 

 

「で、よそ者がなんのようだよ」

見るからに苛立っている城下が吸っていた煙草を灰皿に押し付け、ガタリと立ち上がると俺の前に立つ。秀並の180を越える身長で俺を威圧するように見下ろしてくる。

 

 

「一つ交渉しようと思ってな」

 

 

「交渉?」

俺の提案に眉間に皺を寄せる武闘派メンバー。

 

 

「お前立場分かってんのか?」

胸ぐらを捕まれ至近距離で睨みつけられる。止めようとするセンパイを抑え特に表情を崩さないまま言葉を続ける。

 

 

「俺達が持ってきた物資と情報の提供、それが対価だ」

 

 

 

「ほう、で。俺達は何を提供すればいいんだ?」

机に肘を立て、笑みを浮かべる頭護。俺は「それはこれから品定めさせて貰うさ」と口角を上げると煮えを切らせた城下が殴り掛かろうと振り上げた拳を住んでで受け流し胸ぐらを掴んでいた方の手首を握る。言葉を放つよりも先にグンと外側へ力を込める事で姿勢を崩した足を払い、体重によって僅かに浮いた体をそのまま一回転させる。

 

 

「ぐへっ!」

べしゃりと情けない声を出しながら地面に沈む。

 

 

「て、テメ──」

起き上がろうとした城下の目前へ袖に忍ばせていたナイフを突き出す。ザワリとした緊張が会議室に流れ、武闘派だけでなく穏健派の二人も一斉に身構えた。

 

 

「言ったはずだ、俺は『交渉』をしに来たってな」

手荒な真似はさせるなとナイフを引っ込ませ、再度頭護に視線を向ける。俺と目があった瞬間に肩を微かに震わせ頬に汗を滲ませるがそれでも偏った笑みだけは崩さない。

 

 

「……いいだろう、聞くだけ聞いてやる」

城下に下がるよう促す頭護に「話が早くて助かる」と一歩前に出た俺は肩に担いでいた簀巻きにされていた物を中央の机へと置く。ガチャリと重厚な音を立てたそれが何か検討もつかない大学メンバー一同。紐解いた毛布から姿を表したのは弾倉だけ取り外された6丁の銃器。

 

 

「なっ──」

更に戦慄した空気が漂う。

 

 

「さっき言った俺達が提供できる物の一つだ」

マジかよ……と生唾を飲み、手短にあったKSGへ手を伸ばす城下。オモチャのそれとは違うズッシリとした重さを肌で感じ、額に汗が滲む。

 

 

「本物なのか?」

 

 

「弾も後で渡そう」

ただし、と言葉に釘を刺す。銃を与えるとは言ってもそう簡単に渡すわけにはいかない。銃を手に入れたことで感情の高ぶりから暴走する危険性が高い。ただの一般人である連中が銃という強力な武器を手に入れ舞い上がった挙げ句に──なんて展開は笑い話にもならない。

 

 

「これらを使うにはそれ相応の覚悟を持って貰う」

 

 

「覚悟だと?」

 

 

「戦う覚悟だよ」

俺の言葉に今一ピンと来ないのか、全員が疑問符を浮かべる。




FGOのイベントにかまけて週一投稿を早速破る屑の鑑。

そんなことはどうでもいい!
それよりもついに始まったアニメ鬼滅の刃。リアルタイムで見れないからニコ生を待つしかないのだ……。
「なんぞそれ知らんわ」って人もぜひ見てほしい作品です、ついでに漫画も全巻買って(ハート

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