ガールズ&パンツァー~黒森峰からやってきた狼~ 作:疾風海軍陸戦隊
そして、土曜日のその日生花の展示会があり、五十鈴さんの作品が出るという事で皆で行くことになった。
「わぁー、素敵」
「お花の香り」
「いつも鉄と油の匂いだからり嗅いでますからね、私達」
「華さんのお花は・・・」
「ん?あ!あれじゃない!?」
五十鈴の作品を探していると武部がそれらしい物に指を指した。色とりどりの生花が並ぶ中、五十鈴の作品は戦車を象った花瓶に生けられていた。
「すご〜い」
「戦車にお花が」
みんなが五十鈴の作品を見て感激している。義弘自身も華道は詳しくはないがその生け花の作品は輝いて見えた
「来てくれてありがとう」
「華さん!」
着物姿の五十鈴さんが出迎えてくれた。義弘は五十鈴を見る。生け花の展示会にあわせてだろう、普段は大洗の制服姿かパンツァージャケットくらいしか見たことがなかったから、なんとなく見てしまった。前々から思ってたが本当に和風美人だな思っていたが本当に大和撫子と呼ぶに相応しい。
「あの…武藤さん……?」
「ん?あぁ、ちょっと着物姿を見るのは初めてだったんで、不快な気持ちにさせてしまったなら、すまん」
「い、いえ。そうではないのですけど……。その…似合ってるでしょうか?」
「似合ってる、可愛いよ」
「…っあ、あ、ありがとうございます」
と義弘は思った事を素直に五十鈴の着物姿を褒めた。どうやら五十鈴には伝わったらしい。しかし、なんか少し変な空気になってしまった、みほたちはなんか複雑そうな表情を浮かべてしまった。なんか変なことをしてしまったかと思う義弘だったが、
みほは気を取り直して華の作品を見る
「・・・・・この凄く素敵です。力強くてでも、優しい感じがする。まるで、華さんみたいに」
「この花はみなさんが、生けさせてくれたんです」
そう言って五十鈴の母が俺たちに近寄ってくる。
「そうなんですよ!!この子が生ける花は、纏まってはいるけれど個性と新しさに欠ける花でした・・・・・・」
五十鈴の母親はそのまま五十鈴の隣まで来ると少しだけ言葉を溜める。
「こんなに大胆で力強い作品が出来たのは、戦車道のおかげかも知れないわね?それとも・・・」
「!?お母様・・・」
「私とは違う…、あなたの新境地ね」
「…はい!!」
五十鈴の母親が微笑むと五十鈴も嬉しそうに微笑んだ、こうして見てると親子で良く似ているな。
「それにしても、あの戦車型の花器には驚いたわ」
「特別に頼んで作って貰ったんです」
「まぁ!ふふふっ…」
五十鈴も自分の納得のいく作品を作り、母親もそれを認めた。…これで五十鈴家のお家騒動も無事解決、って所だろうか。
「…華さん、良かった」
ふと横を見ると、西住がなんとも言えない表情で楽しそうに会話する五十鈴と母親を見つめていた。まだ、しほさんと仲直りできていないことは義弘も知っていた
できれば何とか仲直りできるように力になってあげたいが・・・・・
義弘は複雑な感情を抱いたのだった
すると
「武藤さん」
急に、五十鈴のお母さん・・・・百合に呼び出される義弘
「はいなんでしょう?」
「華さんの作品は見たかしら?」
「はい」
「どうかしら?」
華の作品の感想を聞いて来た。義弘は思った感想を述べた。
「自分は生け花については素人ですが、これだけは言えます。儚く美しく、それでいてまたらなく愛おしく尊いです。五十鈴さんらしさが出ています」
「そう、あなたがそういうのなら間違いないのでしょう」
「え?」
「この作品が出来たのは、貴方のおかげかしら?」
「俺は、大層な事はしていません」
「いえ、あなたにはお礼を言わないといけないわ。もし、あの時貴方が割って入らなかったら、あなたの言う通り華さんを失っていたかもしれませんでした」
と百合が頭を下げてきたので、義弘も頭を下げた。
「謝らないで下さい。俺の方こそ、あの時、下手に首を突っ込んでしまったのですからお互い様ってことで」
「・・・・そう。なら、この話はこれで終わりね。・・・・華さん」
「・・・・はい、お母様」
「いつでも家に戻ってらっしゃい。待っているわ」
「!?・・・・はい!!」
その言葉に五十鈴だけでなく、その場にいたみほ達を喜んだ。
「よかったですね!五十鈴殿!!」
「華!やったね!」
「おめでとう、五十鈴さん」
とみほ達が華をよかったねと喜びの言葉を贈る。
「それと華さん、ちょっと」
「お母様?」
すると華は、百合に連れられてみほ達から少し離れた場所で話を始めた。みほ達は、遠くから眺めていた。
「それで、彼とはどこまでいったの?」
「えっと…なにがでしょう?」
「彼はいつ、五十鈴家に婿入りに来るのかと聞いているのよ?」
と突然五十鈴母はそんなことを言ってきたので、五十鈴は動揺した。
「お、お母様!?私と武藤さんはまだそういう関係では…っ!」
「『まだ』ということは、彼とはいずれそういう関係になりたいと?」
「ーーーっ///!」
どうしようもなく、五十鈴は顔が赤くなっているのを自覚する。心臓の鼓動は早くなって、少し動悸が激しくなる。
「華さん、隠し事はせずに正直に言って。華さんは、彼が、武藤さんことが好きなのよね?」
「……はい」
そんな、娘に義弘の事が好きかどうか確認し、Yesの言葉を聞いて五十鈴母は確信した。
「やっぱりそうなのね」
「あ、あの…その…」
「華さん。あなたには、そろそろお見合い話をと思ってましたが、それも必要はなさそうね」
華も既に16歳、日本の民法での結婚適齢であり、跡取りの為娘に見合い話をと考えていたが華には既に意中の相手が居たようだった。華が好きになった相手なら親として認めてあげるのがいいだろう。
「気立てよし、器量よし、言ってる意味はわかりますね?」
「……はい」
「彼になら、あなたを任せることが出来るわ。だから、華さん。頑張りなさい」
「はい!恋も戦車も一発必中です!!負けるつもりはありません」
と娘にエールを送る母百合。恋のライバルが多い中五十鈴も負ける気はないと強く誓うのだった。そして華がみんなの元に戻る中、百合は
「ふふ・・・・」
と微笑ましそうに見ると
「子供の成長は見ていて楽しいものね百合・・・・」
「ええ…そうです・・・・・・」
誰かに声を掛けられ返事しようと振り向いた瞬間。彼女の表情は固まった
「あ・・・・あなたは」
「お久しぶりね百合さん。最後に会ったのは私が高校を卒業して以来かしら?」
「ロ、ロ、ロ、ロスマン先輩!?」
驚いた表情をする百合。そこには義弘の師匠、エディータ・ロスマンがいたのだった
「そんなに驚かなくてもいいわよ」
「いや…先輩はドイツに帰ったのでは…何でここに?」
「今まで仕事で溜まっていた休暇を利用して、久しぶりに日本に帰っただけです。今は母校大洗女子・・・・今は大洗学園だったわね。戦車道部の特別講師をしているのよ」
「華さんや戦車道の人たちがお可哀想ね・・・・」
「何か言ったかしら?」
「い、いいえ・・・・なんでもございません」
と、気まずそうに顔をそむける百合にロスマンは
「それよりもあなた変わったわね・・・・昔は結構突っ張っていたのに」
「・・・・な、何のことでしょうか?」
「昔のあなたは、自分の作る華道の作品に自信が持てず常に何か新しい刺激あるものを求めていたじゃない。たとえば…モヒカンとポンパドールみたいな髪形をしてヘビメタとかロックンロールとか・・・・・」
「セ、先輩!それはほんの若気の至りで・・・・・あのそのことは華には・・・」
「言わないわよ・・・・・安心なさい」
ロスマンに言われ、ほっとする百合
「それよりも・・・・・あなたの娘も砲手だなんて、血は争えないところね‥‥かつてのあなたも戦車道で砲手だったから」
「そうね・・・・あの子が戦車道に入ったのも運命だったのかもしれませんね・・・・」
と、遠目で華を見る。百合とロスマン
「・・・・・」
「…思い出すの?」
「ええ・・・・・武藤さんから聞きました。翔子さん…亡くなられたのですね」
「ええ・・・・朝子と同じ・・・・惜しい人を失ったわ。それはしほさんも同じ思いよ」
「しほさんは今でも?」
「ええ・・・・・今でも西住流という重い看板を背負いつつ頑張っているわ」
「そう・・・・・」
「いい加減会いに行ったら?」
「あんな別れ方をしてしまいましたので会いに会えず・・・・」
「しほと同じこと言って・・・・・まあ、機会があれば会いに行きなさい。決勝戦では見に来ると言っていましたしその時に軽く話せばいいわ」
「そうですか・・・・・」
「それより、さっきちょこっと耳に入ったのだけれども。貴方の娘・・・華さんは義弘のこと好きみたいね・・・・」
「そのようですね・・・・先輩は義弘さんが翔子さんの息子と知っていて?」
「ええ・・・・もちろん。それと私の弟子でもあり、私の養子・・・・・義理息子でもあるわ」
「っ!?」
ロスマンのさりげない言葉に百合は驚いた表情をする
「あとあの愚息に思いを寄せているのはあなたの娘だけではないわ。誰を伴侶とするのはあの子次第・・・・でもその彼の心を射止めるのはその人の腕次第・・・よ♪」
と、軽くウィンクをし、その場を去るロスマン。そして百合は
「華さん‥‥頑張って・・・・・いろいろと」
と、小さくそうつぶやくのであった
義弘は生存させる?
-
生存しない
-
生存させる
-
生存するが長くは持たない
-
死ぬが転生する
-
どっちでもいい