ガールズ&パンツァー~黒森峰からやってきた狼~   作:疾風海軍陸戦隊

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肉じゃがは男子の好物か否か

みほの部屋。

 

 

「散らかっているけど、どうぞ・・・」

 

「お邪魔します。わぁークマのぬいぐるみ可愛い!」

 

「西住さんらしい部屋ですね」

 

俺たちはみほの部屋へと案内される。そう言えばみほの部屋は俺の隣だが、一度も部屋を見ていなかったな・・・まあ、当たり前だがな。

 

「みほ・・・・これってボコか?」

 

部屋にボコられグマのボコシリーズのぬいぐるみが置いてあった、そう言えばみほって根っからのボコラーだったけな。

 

「うん。そうだよ。・・・・変かな?」

 

「いいや、とってもみほらしい可愛い部屋だよ」

 

「あ、ありがと・・・///」

 

と、みほが顔を赤らめて言う。あれ?変な事言ったかな?それを見て秋山は複雑そうな顔をするなぜだ?

 

「ま、まあとにかくご飯作ろうか!華はジャガイモの皮剥いてくれる?」

 

「あ、はい」

 

「そ、そうですね。それじゃあ私ご飯炊きます」

 

秋山はそう言うと「ジョニーが凱旋するとき」の鼻歌を歌いながらリュックから飯ごうを取り出す

 

「それ、いつも持ち歩いてるの?」

 

「はい、どこでも野営出来るように」

 

と、得意げに言う秋山。てか秋山、野営の心得とかあるのか・・・・将来自衛隊員とかになりそうだな。

 

「きゃっ!」

 

するとキッチンの方で五十鈴さんの悲鳴が聞こえる。俺たちがそこに行くと五十鈴さんが包丁で小さく指を斬っちゃったのだ。

 

「すいません、花しか切った事がなくて」

 

「華、大変っ!?」

 

「うわぁ!?ま、待てて。ば、絆創膏!、どこにしまっちゃたかな?」

 

自分の部屋にもかかわらず絆創膏を探すみほ。やれやれ・・・俺はポケットから絆創膏を出す。

 

「ほら、絆創膏。それと黴菌が入るかもしれないからちゃんと治療しとけ、ジャガイモの皮むきなら俺に任せろ」

 

「ありがとうございます武藤さん」

 

五十鈴は俺に包丁をわたしみほのところへ行き治療する。俺は五十鈴から受け取った包丁でジャガイモの皮をするすると剥く。

 

「武藤って料理とかできるんだ」

 

いつの間にか眼鏡をかけた武部がそこにいて俺に話しかけた。

 

「まあな。一人暮らしが多かったから自然とな」

 

実際に俺は祖父さん死んだあとは一人で暮らしてたっけな・・・・

 

「へ~そうなんだ。じゃあ、武藤は皮むきお願い。私は出汁とか取るから」

 

「あいよ」

 

まあ、そんなこんなで無事に料理ができた。因みに作ったのは武部の要望で肉じゃがだ。

 

「「「いただきまーす!!」」」

 

料理がそろい俺たちは肉じゃがを食べる。うん。肉も柔らかくジャガイモは出汁が染み込んでいて美味い。これはいいものだ・・・・

 

「おいしい…」

 

「やっぱり男を落とすのは肉じゃがだからね〜」

 

「落とした事…あるんですか?」

 

「何事も練習でしょ!!男子にはやっぱり肉じゃが、この前の雑誌のアンケートにも書いてあったし」

 

雑誌のアンケートね・・・・・俺はただ黙って肉じゃがを食べる。すると・・・

 

「ていうか男子って肉じゃが本当に好きなんですかねー?」

 

「都市伝説ではないんですか?」

 

「そんなことないもん!あっ!そうだ武藤。武藤は肉じゃが好きだよね?」

 

「え、俺?そうだな・・・・味にもよるが好きか嫌いかどっちかと訊かれれば肉じゃがは好きな方かな?」

 

「ほら、やっぱり男子は肉じゃが好きなんだよ~」

 

「あくまで俺の意見だ。ほかの男子は好きかどうかは知らんがな。まあ、武部の料理は美味いからどんな料理でも大丈夫だと思うぞ」

 

俺がそう言うと・・・・

 

「や、やだもー武藤たら///」

 

武部が小声でそう言い武部の顔が真っ赤になる。何か気に障ること言ったのかな?俺がそう思っている中。

 

「これは・・・・・」

 

「西住殿。武藤殿って・・・・」

 

「う、うん・・・・義弘君って優しさに境界線無いから・・・」

 

と、みほたちは苦笑しながらそう言うのだった。そしてその後は食事をしながらいろんな話をした。

 

「それにしても明日楽しみだな~」

 

「なんでですか沙織さん?」

 

「だって華。明日かっこいい教官が来るんだよ。絶対にイケメンだよ~」

 

「教官?なんじゃそりゃ?」

 

「あれ?武藤殿聞いていなかったんですか?明日の戦車道の教官が来ることになってるんですよ?」

 

そう言えばそんな話あったな・・・・それにしてもかっこいい教官か・・・そんな検索ワードに出る人物。俺が知ってる中で三人いる。一人は引退し、もう一人はドイツにいる。すると残るはあの人かな?いや、かっこいいという単語が入るともうあの人しかいない・・・

 

「ん?どうしたの武藤?」

 

「え?ああなんでもない」

 

今のおだやかで楽しい雰囲気を壊したくないし、これは言わないほうがいいだろ。

 

「そう言えばさ、武藤とみほって幼馴染なんだよね?」

 

「ああ、みほとは小学校低学年からの仲だ」

 

「うん。今思うと懐かしいね。あっ!義弘君覚えてる?よく戦車で近所を走ったこと」

 

「ああ、そう言えばよくまほさんが運転してくれたっけな・・・・」

 

そう言えば逸見とあった日もその頃だったっけな。

 

「それで、それで?」

 

と、武部がぐいぐいと訊いてくる。

 

「まあ、その後は中学2年まで同じ学校・・・・黒森峰中等部でな一緒に戦車道をしていたよ。」

 

「戦車道をですか?」

 

と五十鈴さんがそう言った瞬間・・・・

 

「黒森峰・・・それに高杉・・・・・・・ああぁー!!」

 

と、秋山がいきなり声をあげる

 

「ど、どうしたの秋山さん!?」

 

「思い出しましたぁ!!武藤殿!もしかして前の名前は高杉義弘じゃなかったんですか?」

 

「ああ、そうだぞ」

 

「やっぱり、あなたがあの伝説の戦車乗りの黒狼殿でしたか!?今まで気付かなかったんですが、まさか武藤殿があの黒狼でしたとは!?」」

 

と、秋山が興奮いて俺にそう言う

 

「え?こくろう?秋山さん武藤のこと知ってるの?」

 

「もちろんです。戦車道を志す者は知らない者はいないと言われる伝説の戦車乗りです!強豪校黒森峰の最強伝説の基礎を築いた人物で聞いた話では幾度の練習試合でも一度も被弾せず勝利し、それどころか数倍ある敵戦車を総なめにしたっと言われています!そして黒狼というあだ名は彼の着る服が黒かったのと彼の乗る戦車のマークが黒い狼のマークだったのでそう呼ばれているんですよ。ですが、3年前に突如戦車道界から消えて、その後の消息不明って言われて、一説では死んだと聞きいましたが・・・・・」

 

勝手に殺すなよ秋山・・・・・てか黒い服って黒森峰の戦車服は基本的に黒だぞ。

 

「え!?何その最強伝説!?」

 

「本当ですか武藤さん!?」

 

秋山の話を聞き武部と五十鈴さんは驚いて俺に訊く。

 

「何昔の話してるんだ秋山。俺はそこまで人外じゃないよ・・・・」

 

「いや、でも義弘君。中学1年の時に練習試合の時、50両相手のしかもベテランぞろいの先輩たちの車両。無傷で全部倒したじゃない・・・・・」

 

「「「50両っ!?」」」

 

みほがそう言うと、その言葉に三人はまたも驚いたような顔をする。

 

「何それ、強すぎるでしょ・・・・」

 

「驚きです。でも、なんで武藤さんは戦車道を辞めて、戦車道もない大洗に来たんですか?」

 

「あ、それ私も気になる。そんなにすごい人がなんで戦車道辞めちゃったの?」

 

「ああ、それ戦車道界の謎の一つって言われています。武藤殿なぜ戦車道を辞めて大洗に?武藤殿の腕なら全国からスカウトされたのに・・・・?」

 

秋山がそう言うとみんな興味津々な顔でそう言う。しかし・・・

 

「すまんこればっかりは今は言えない。だが時がくれば必ず話す。だから今は聞かないでくれ」

 

「そうですか・・・・・でも必ず話してくださいね」

 

「ああ。・・・・・さて、それじゃあ、ご馳走さん。そろそろ俺は帰るぞ」

 

「え?武藤君帰っちゃうの?」

 

「私、もっと武藤殿の武勇伝が訊きたいです!」

 

「悪いな。明日のこともあるしな。じゃあ、また明日な」

 

そう言い俺は食器を持ち上げ水で洗った後、部屋を出たのだった。てか秋山は武勇伝って言ってたけど、実はあんまそのこと覚えていないんだよな・・・・俺はそう思いながら自分の部屋に入り、明日に備え寝るのだった。

 

 

 

 

 

 

 

そして翌日

 

「やべぇ!寝過ごした!!」

 

翌日目を覚ますと目覚まし時計が壊れていたらしく時刻を見たらやばい時間に起きてしまった。俺はすぐに学生服に着替え、部屋から出る。すると

 

「義弘君!?」

 

「みほ!?」

 

そこで偶然にみほに出会う。どうやら彼女も俺と同類のようだ。

 

「はぁ、はぁ!みほ。早くしないと学校遅刻するぞ!」

 

「はぁ、はぁ!待って義弘君!」

 

俺とみほは走りながら学校へと向かう。どうやらみほも寝過ごしたようだ。よしっ!このままのペースなら二人とも遅刻を免れる。そう思い俺とみほは走り続ける。すると・・・・・

 

「あ、待って義弘君」

 

「なんだみほ?」

 

「あれ・・・」

 

とみほが指さしたところにふらふらと歩いている女子生徒がいた。みほはそいつに近づく。・・・・・あれ?あいつは確か・・・

 

「あ、あの大丈夫ですか?」

 

「…ツラい・・・・生きているのが…ツラい」

 

と、倒れそうになるのを俺が受け止める

 

「やっぱり冷泉だったか」

 

「義弘君知ってるの?」

 

「まあ、たまに会う程度だ。おい、冷泉しっかりしろ!」

 

「・・・・・武藤さんか。なぜここに?」

 

「そんなことはどうでもいい。ほら、肩貸してやるから。」

 

「ああ、私も手伝うよ義弘君。」

 

「・・・・・・すまない二人とも・・・・」

 

と、まあ、この後、俺とみほは冷泉を運ぶのだが、結局は遅刻をしてしまい。風紀委員長のそど子さんに怒られるのであった。

そして冷泉は別れ際に『また武藤さんに借りを作ってしまった。それとあなたにも。だからこの借りは必ず返す』といいまたどこかふらふらと歩き行ってしまったのである。

 

本当に律義な奴だよ冷泉は・・・・

 

「義弘君!急がないと」

 

「ああ、そうだったな!それじゃ戦車道の授業で!」

 

そう言い俺とみほも別れ教室へと向かい走るのだった。

 

 

 

 

 

 

 

義弘は生存させる?

  • 生存しない
  • 生存させる
  • 生存するが長くは持たない
  • 死ぬが転生する
  • どっちでもいい

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