ガールズ&パンツァー~黒森峰からやってきた狼~   作:疾風海軍陸戦隊

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戦車乗ります

あれから午後、戦車道の本格的な授業が始まる。そして戦車道履修者は全員戦車格納庫に集まっていた。

 

「遅かったわね義弘。何かあったのか?」

 

「ああ篠原。ちょっと朝いろいろあってな。」

 

「そう・・・」

 

「みほさん遅かったので心配しました」

 

「ちょっと寝過ごしちゃってね」

 

「教官も遅ーい。焦らすなんて大人のテクニックだよねー」

 

と、いらいらしながらそう言う武部、武部よあんま期待しないほうがいいぞ・・・・そう思っているとすごい轟音とともに上空から空自のC2改が飛んできた。きっとあれだな戦車道の教官が乗ってるのは。するとC2改の後部ハッチが開きそこから陸自の最新鋭戦車10式戦車がパラシュート降下してきた。そして10式は無事に着地成功。しかし駐車場でスライディング着陸したため、赤い車に激突した。もちろん40トン以上の巨体に耐えられるはずもなく赤い車はひっくり返る

 

「学園長の車がっ!」

 

「あ~やっちゃたね~」

 

 そんな小山さんの悲鳴が聞こえてきた。あれって学園長の車か・・・しかも学園長の車はこのままでは済まなかった。10式がバック走行で踏みつけぺしゃんこにした。

 

「あっ、あ~」

 

「ポテチ・・・・」

 

河嶋さんの言う通り、学園長の車はポテチのごとく真っ二つにぺしゃんこになった。あの車、保険入っているといいけどな。けど戦車に踏みつぶされたって言って保険とか降りるかは不明だ。

 

「派手にやったね・・・・・義弘あの戦車の車長って・・・」

 

「ああ…あのやり方は間違いないよ」

 

すると戦車は車を踏み潰したことを気にもせずにこちらに向かい停車した。そしてキュウーポラから人が出てきた。

 

「こんにちわ!」

 

挨拶をしたその人物は確かにかっこいい顔をした女性だった。やっぱり蝶野さんか・・・・それを見た武部は・・・

 

「・・・・・騙された」

 

「でも素敵そうな方ですね」

 

と落胆していた。甘いよ武部、聞けば角谷さんはかっこいい人とは言ったが男性とは言ってない。つまり武部が勝手に勘違いしただけだ。それと五十鈴さん。ナイスフォロー。

 

「特別講師の戦車教導隊、蝶野 亜美一尉だ」

 

「よろしくね!、戦車道は初めての人が多いと聞いていますが一緒に頑張りましょう!」

 

そう言い皆を見る蝶野さん。すると俺とみほに気付く。

 

「あれ?西住師範のお嬢様とロスマン先生のお弟子さんじゃありませんか!?」

 

そう言い俺とみほのほうに近づく

 

「師範や先生にはお世話になっているんです! 先生やお姉様も元気?」

 

「は、はい・・・・」

 

「先生はドイツで元気にしてますよ蝶野さん」

 

俺は返事をするがみほは少し落ち込んで言う。まほさんと何かあったのか? それにあわせて周りが騒がしくなる。

 

「西住師範って?」

 

「ロスマン先生って?」

 

「有名なの?」

 

とあたりがそう話すと

 

「西住流っていうのはね、戦車道の中でももっとも由緒のある流派なの!それとロスマン先生は世界的にも有名な戦車道教官として有名で彼女の指導を受けた人はみんな優秀な成績を残すほど有名な教官なのよ!」

 

と、蝶野さんがそう説明してくれる。すると武部が手を挙げて

 

「教官! 教官はやっぱりモテるんですか!?」

 

そう言う。おそらく周りの話声でみほが暗い顔になったのを見て話題を変えてくれたのだ。すると蝶野さんはう~んと首をひねり

 

「モテる、というより…、狙った獲物を外した事はないわ、撃破率は120%!!」

 

蝶野さんそれ答えになってません。というより撃破率って何?狙撃でもするつもりなのか?

 

「それで教官!今日はどのような訓練を行うのですか?」

 

と秋山が質問する。普通の教官なら操縦とかの基礎とか教えるんだが蝶野さんの場合じゃ、十中八九。あれだな

 

「本日は本格戦闘の練習試合、さっそくやってみましょう」

 

やっぱり・・・・

 

「え?い、いきなり実戦ですか?」

 

小山さんが驚いてそう言う。まあ当然だろう

 

「何事も実戦あるのみよ、大丈夫、戦車なんてバーッと動かしてダーッと操作してダンッと撃てばいいんだから」

 

みんな不安そうな顔をする。蝶野さんって、言葉で教えるタイプじゃなくて体で覚えさせるタイプの人だからな。俺も初めて会ってそう言われた時は動揺したよ。

 

「それじゃあ、それぞれのスタート地点に向かってね」

 

蝶野さんに指示で皆戦車に向かう。さて俺も行くか、そう思い俺はパンターに向かおうとしたが・・・・

 

「久しぶりね高杉君。」

 

蝶野さんが話しかけてきた

 

「どうも三年前の中学全国大会以来ですね蝶野さん。それと今の苗字は武藤ですので」

 

「あら?改名したの?」

 

「ええ、三年前、戦車道を辞めたときにね・・・・」

 

「三年前のことなら仕方がないわよ。あなたが悪いんじゃない。」

 

「それはあの事件のことですか?それとも・・・」

 

「両方よ。でも意外だわ。あなたがまたこの世界に戻ってきてくれて・・・」

 

「ええ・・・もう戻らないと思ってたんですけどね・・・」

 

「でも、あなたはまた戻ってきた。そのことに私はとても嬉しいわ。・・・それじゃあ、私は観察所に行ってあなたたちの試合を見てるから。話せてよかったわ。またね高杉君・・・いや武藤君」

 

そう言い蝶野さんは去っていった。俺はしばらく立ち尽くしていると

 

「・・・・・・」

 

「義弘?」

 

「ん?ああ、篠原か。どうしたんだ?」

 

「どうしたんだ?ッじゃないわよ。うちのチーム準備できたわよ」

 

「ああ…そうかで、編成は?」

 

「服部が操縦手兼通信手、小波は装填手。私が砲手。になったわ。それであなたが車長よ」

 

「え?俺か?わかった。・・・・・それじゃあ、全員乗車して発動機、噴かせるか」

 

「あいよ」

 

そう言い俺はパンターGに乗り込む。一方、他では・・・

 

「どうやって乗るのこれ~?」

 

「知ってそうな友達に訊いてみようか?」

 

「ネットで聞いたほうが早くない?」

 

戦車なんて触ったことも見いたこともない1年生たちがどう動かせばいいか悩んでいて一人がネットで調べていた。

 

「ここで頑張れば、バレー部は復活する!あの廃部を告知された屈辱を忘れるなっ!」

 

「「「はい。キャプテン!」」」

 

「ファイトー!!」

 

「「「「おぉー!!」」」」

 

八九式のチームは一致団結して士気が高かった。一方三突では

 

「初陣だぁー!」

 

「車篝の陣で・・・」

 

「いや、ここはパンツァーカイルで」

 

「一両しかないじゃん」

 

とまあ、こんな感じで練習試合が始まる。

 

「じゃあ、服部さん。エンジン発動させてくれ。やり方わかるか?」

 

「大丈夫です。パンターの教本を見ましたがチハと変わらないので」

 

そう言い服部はエンジンを始動させる。その音はまるで猛獣の吠える音みたいだ

 

「ご機嫌に吠えているわね義弘」

 

「ああ、」

 

俺がそう言うと・・・・

 

『やっほぉー!最高だぜー!!』

 

「ん?」

 

「どうしたの?義弘」

 

「いや、なんか秋山の声が聞こえたような・・・・・」

 

「え?」

 

「いや、なんでもない」

 

気のせいだよな。あの秋山があんな声出すわけない・・・・たぶん。

 

『それでは、全戦車パンツァーフォー!』

 

と、蝶野さんの号令が始まる。

 

「そんじゃま、集合地点に行きますか。じゃあ、服部、戦車前進!」

 

「わかりました。」

 

そして、俺たちの乗るパンターGは動き出し、集合地点へと向かうのであった。

 

 

 

そしてしばらくし、パンター以下戦戦車集合地点に到着した。

 

『みんな、スタート地点にについたわね?それじゃあルールを説明するわよ』

 

蝶野教官が無線にて呼び掛ける。そして試合のルールを説明する

 

『ルールは簡単。すべての車両を倒したほうが勝ち。つまりガンガン前進してバンバン撃ってやっつければいいってわけ。』

 

「相変わらずざっくりな説明だな蝶野さんは・・・・」

 

「そうね・・・」

 

蝶野さんの説明に俺と篠原は苦笑する。

 

『戦車道は礼に始まり、礼に終わるの、・・・・・一同、礼!』

 

「「「「よろしくお願いします」」」」

 

と、全員あいさつし、試合が始まる

 

「・・・で、誰を倒すの義弘?」

 

篠原に訊かれ俺は地図を見る。現在地を見て一番近いチームは向こうにある橋を渡れば出会うのは三突、八九、そしてⅣ号か・・・・とすれば簡単な選択だ。

 

「まずは、三突を狙う」

 

「Ⅳ号じゃないのか?」

 

「ああ、砲の威力的に脅威は三突だ。みほも強敵だが、今は長砲身潰さないとみほと戦っている最中に狙撃される可能性がある」

 

「なるほどね・・・・わかったわ。静。頼むわ」

 

「はい」

 

服部が操縦桿を握り動かす。こうしてパンターGは戦場へと向かうのであった。

 

 

 

 

 

 

義弘は生存させる?

  • 生存しない
  • 生存させる
  • 生存するが長くは持たない
  • 死ぬが転生する
  • どっちでもいい

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