ガールズ&パンツァー~黒森峰からやってきた狼~ 作:疾風海軍陸戦隊
練習が終わった後、俺やみほ、それにほかの戦車長は角谷さんたちに急遽生徒会室に集まるように言われた。その理由は今週末に行われる練習試合に向けて対策会議をするというのが理由だった。
「いいか、相手の聖グロリアーナ女学院は強固な装甲と連携力を活かした浸透強襲戦術を得意としている」
河島さんがボードに張られた聖グロリアーナの主力戦車のマチルダ。そしてチャーチル歩兵戦車のスペックや聖グロリアーナの戦法を説明していた。その話を聞いていたのは車長である俺と、みほ、それにM3の車長の澤さんに三突のカエサル。彼女は車長じゃないのだが歴女たちの中ではリーダー格なのでここにいる。また名前の突込みについては諦めた。そして八九式の磯部さん通称「キャプテン」だった。
「とにかく相手の戦車は堅い、主力のマチルダⅡに対して我々の方は100メートル以内でないと通用しないと思え」
まあ、河島さんに言うことは間違いではない。マチルダの最大装甲は75㎜以上。三突かうちのパンターじゃないと遠距離からの攻撃は難しい。しかも丸みを帯びた装甲だから弾きやすいしな。その間に河嶋さんは話を続ける。
「そこで一両が囮になってこちらの有利となるキルゾーンに敵を引きずり込み、高低差を利用して残りがこれを叩く!」
その言葉にみんなは頷いたり、勝利を確信した顔になる。なるほど悪くはない作戦だ。悪くはないのだがただここで一つ問題がある。みほもそれがわかっているのか不安そうな顔をしていた。
「西住ちゃん。武藤君どうかした~?」
と、角谷さんは俺とみほに気付いたのかそう訊く。みほは遠慮して言うが
「いいから言ってみ~」
と、優しく促す。するとみほは静かにこう言った
「・・・・・聖グロリアーナ当然こちらが囮を仕掛けてくることは想定すると思います。裏をかかれ逆包囲される可能性があるので……」
「あ~確かに!」
と、みほの言葉にみんなが納得する。すると
「うるさい!私の作戦に口を挟むな!そんなに言うならお前が隊長をやれ!」
「・・・すみません」
と、みほに怒鳴った。あれ、まほさんがいたら河嶋さん確実に戦車の的にされてたな。
「いや、みほが謝る必要はないよ」
「なんだと!武藤!きさま西住の肩を持つ気か!」
と、河島さんは今度は俺に怒鳴る。前から思っていたんだが河嶋さんはクールビューティーな見た目と違い意外と短気なんだな・・・・・
「まあ、まあ、河嶋落ち着きなよ。・・・・で武藤君はどう思ってるの?この作戦じゃあ不満?」
と、角谷さんが河嶋さんをなだめて、俺にそう訊く
「まあ、河嶋さんの作戦自体は悪くはない…素人にしては」
「何か言ったか、武藤?」
「いえ、なんでもありません。とにかく最初の作戦はそれで問題ないでしょう。ただ相手は準優勝の経験のある強豪。その作戦だけでは失敗する可能性はあります。念のため2つか3つ予備の作戦を立てる必要があります」
「なるほどね~でも隊長は経験豊富な西住ちゃんがやるといいよ。」
「え?」
まあ、予想はしてたんだが角谷さんの言葉にみほが驚く
「西住ちゃんがうちのチームを引っ張てね。それと武藤君。」
「はい?」
「副隊長は河嶋がやることになったんだけどでね。武藤君はその補佐である副隊長補佐官を務めてくれないかな~河嶋だけだといろいろ心配だから」
と、干し芋を食べながらそう言う。副隊長補佐か・・・・・黒森峰でも同じ役割だったな・・・・
「‥‥ということでよろしくね二人とも」
とそう言うと笑顔で手をたたく。するとほかの子たちもにっこりと笑って手をたたく。
「頑張ってよー、勝ったら素晴らしい商品をあげるから」
「え?何ですか?」
「私がこよなく愛するこの最高級干し芋三日分!!」
と3本の指を突き出し、嬉しそうに言う。それを聞いてみんな呆れた顔をする。干し芋三日分って・・・どんだけ干し芋好きなんだよ角谷さんは・・・
「あ、あの・・・もし負けたら?」
と、磯部がそう言うと・・・
「う~ん。大納涼祭りでアンコウ踊りをやってもらおうかな~武藤君は伴奏の太鼓をお願いね♪」
なんだと・・・・角谷さんのその言葉にみんな固まってしまい中には顔を青ざめていた。みほは転校したばかりなのでアンコウ踊りがどんなのかわからず首をかしげていた。俺は抗議しようと思ったがあの会長はいったん言い出したことは引かない頑固な面があるからアンコウ踊り撤回は不可能だろう。
「じゃあ、河嶋の作戦が失敗した時のための作戦。西住ちゃんと武藤君そこのところよろしくね~」
っということで作戦会議はこれにてお開きとなった。
「あはは・・・アンコウ踊りね・・・・あのちびっこ会長もとんでもないことを言い出したわね。義弘これは勝たなきゃいけないわよ。みほさんのためにもね」
「ああ、わかってるよ篠原」
その後俺は篠原と一緒に帰宅していた。
「・・・そう言えば義弘」
「ん?なんだ?」
「お前、高校一年の時から
「ああ。そうだよ」
「じゃあ、あなたがいなくなった中学二年と3年の時はどこにいたのよ?」
「・・・・・あの時は先生のいるドイツにいた」
「先生・・・・ああ、エディータ先生のことね。」
「ああ、そこで修行のやり直しをしていた。あの時は俺が弱かったからあんなことになったんだからな・・・」
「義弘・・・・」
そう俺たちが話し合っていると・・・・
「やっと見つけたよ」
「さんざん探したのよ。全くよ~」
と、俺たちの前にこの前一年生をカツアゲしようとしたあの船舶科の不良のうちの二人が俺たちの前に立ちはだかった。
「お前たち何の用だ?」
と、篠原が警戒してそう言うと
「落ち着けよ。陸の山賊のお頭さんよ。私たちは親分の使いとしてきたのよ・・・」
とんがった頭の少女がそう言う
「お銀の?」
「ええ、この前のこと謝りたいから。ある場所に来てくれっと言われてね・・・・」
今度はスポーツヘアーの金髪少女がそう言う。あれ?そう言えばこの声どこかで聞き覚えが・・・・・気のせいかな?
「そう・・・で、場所はどこ?まさかBarドンゾコ?」
「お前行ったことあんのか?」
「ええ、あんたらの大将と縄張り決めをするときにね・・・・・」
「へ~そうかよ。でも場所はあそこじゃないわ。場所は
「へ~あいつがあそこから出るなんて珍しいわね」
と、篠原は鼻で笑いながらそう言うと、不良はむっとした顔を見せるが、すぐに冷静な顔を見せて
「ええ、親分もせっかくこのためにわざわざ陸にあがってくれたんだ。もしも断ったら・・・」
「断ったら?どうするのよ」
「少しだけ痛い目に合わせなきゃいけないわね」
と、互いににらみ合っていたが
「ふっ!安心しな。せっかく上がってくれたんだ。それに私もあいつと話をしなきゃっと思ってたしね。案内してくれる?」
「わかった。ついてきな。それとそこの男女もだ。あんたもうちの親分が会いたいって言ってるしね」
「・・・・・わかった」
そう言い俺と篠原はその不良についていくのだった。
「すまない義弘。巻き込んで・・・・」
「いや、別にいいよ。この後予定もなかったしな・・・」
まあ、あの不良の雰囲気からしてお礼参りとかそう言うのじゃないのはすぐにわかったしな。
「すまない」
「ついたぜ」
そう言いついたその場所はなんか「カラオケ喫茶テルピッツ」と書かれていたちょっとクラシックな小さな喫茶店だった。俺たちは喫茶店へ入ると中は少し薄暗く、その店には二人しかいなかった。なんか中世の海賊のようなそんな感じの曲が流れていた。そんな中、銀髪の奇麗な人がマイク片手に歌っていた。そしてBar席に当たるところに見慣れたというか先日の黒いコートの女性が何か飲んでいた。そして先ほどの二人組がその人に近づき
「お銀の親分。例の二人を連れてきました・・・・」
「ご苦労。トカタ、ババ。後は私とフリントだけで大丈夫だよ。おまえ達は帰りな。」
「「へい!」」
そう言い、不良二人組は喫茶店から出て行ったのだった。するとするとお銀と呼ばれた少女が
「・・・やあ、篠原。とこの前の少年。遠慮するな。まあ座りなよ」
と、お銀はふっと笑ってこっちに手招きをする。俺たちはバーの席に座る。
「久しぶりねお銀。最後に会ったのは半年前の縄張り決めの時ね・・・・そう言えば他の3人は見当たらないけどお供はカラオケ嬢だけ?」
「ああ、ムラカミとラムは燻製用の桜のチップや材料を買いに、カトラスは留守番さ、今いるのはあそこで歌っているフリントだけよ」
「そうか・・・・・」
「ふ~ん・・・」
なるほど、あそこで歌っている人って船舶科の人か。それにしてもいい声だ・・・・・お銀さんはグラスの中に入った飲み物をグイっと飲む。あれ酒じゃねえよな?
「篠原。先日は私の仲間が迷惑をかけてすまなかったわね」
「ええ、ちゃんと仲間の手綱くらいしっかり握っときなさい。お銀」
「すまないね・・・あんたらはうちらのシマ荒らさないのに、それなのに私たちはあんたにちょっかいを出してしまった・・・・」
「気にするなよお銀。あれはお前の意思じゃないことは知っているんだからな」
と篠原とお銀はしばらく不良の棟梁同士話合いをしていて俺はコーヒーを飲みながらゆったりとしていた。するとお銀と呼ばれた少女は俺の方へ顔を向け
「・・・・ところでまた会ったわね少年。あの時、絡まれていた一年生は無事だったか?」
「ああ、一年の連中は無事だよ。それとあの時は不良たち止めてくれてありがとな」
「いいや、ただ単にやんちゃなあいつらを止めただけだよお礼を言われることはない」
「そっか…でもお礼を言わせてくれ、ありがとうな。それと俺はもう行くよ」
「もう行くのか?」
「ああ、そろそろ戻んねえとな」
練習試合とかの対策考えなきゃいけないからな・・・・今までうっかり忘れてたけど。
「そうか・・・・そう言えば名前を聞いていなかったわね。あんた名は?」
「そう言えばそうだったな。俺の名は武藤義弘だ」
「そう・・・・武藤ね。覚えておくわ。私は竜巻のお銀よ。」
竜巻のお銀って・・・・まるで水戸黄門のかげろうのお銀みたいなネーミングだな・・・
「ああ、じゃあな。それとあそこで歌っている人に良い歌をありがとうって伝えておいてくれ」
篠原がお銀と話している中、俺はカラオケで歌っている人の歌に耳を傾けていたが、本当にいい歌声だ。将来は歌手とかになりそうだよ。てかあの人、夢中で歌ってるよ。たまにお銀さんのことちらちらと見ていたけど。
「ああ、言っとくよ」
お銀の言葉に俺は頷くと店を後にするのだった。そして二人は武藤が出て行ったドアをじっと見て
「不思議な奴だな・・・・あの男は」
「ええ、それがあいつ、武藤義弘って男よ。さて・・・・お銀。今日は遅くまで語ろうか?」
篠原がふっと微笑み、お銀にそう言うのだった。そして篠原は懐から酒瓶を取り出す。
「そうだな。・・・・・篠原なんだそれは?」
「これか?これは私特製のノンアルコールデスソースウォッカ「
「ああ、いただこう。今日は潰れるまで飲もう」
「ああ、望むところよ」
そう言い二人は店が閉まるまで、そして二日酔い?になるまで二人は飲み続けるのだった。
義弘は生存させる?
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生存しない
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生存させる
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生存するが長くは持たない
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死ぬが転生する
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どっちでもいい