ガールズ&パンツァー~黒森峰からやってきた狼~   作:疾風海軍陸戦隊

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プロローグ

このガールズ&パンツァーという物語が始まる3年前・・・黒森峰中等部戦車道に「黒狼」と恐れられた戦車乗りがいた。修羅さながらに敵戦車を狩り敵からは「黒森峰の悪魔」とも呼ばれたその戦車乗りは突如その姿を消すのだった・・・・・だがその者の功績は後の黒森峰無敗神話の歴史の基礎を完全に固めその名を歴史に刻み、戦車道を志す者には伝説的な存在となっていた。

だが、なぜ「黒狼」は忽然と姿を消したのかそれは誰も知らない。

 

 

 

 

 

それから3年後の4月・・・・・

 

ピピピピー

 

とある部屋の中で目覚ましのアラームが鳴る。

 

「う、う~ん・・・・」

 

その音に目覚め布団から少年が起き、アラームのスイッチを切る。そして少年は布団から出て目覚まし時計の時刻を見る

 

「・・・・・・7時か。まあ、ちょうどいい時間だな」

 

少年はそう言い、目覚ましを机に置くと、起き上がり、まだ眠たそうにあくびをし洗面所に向かう。

その少年の姿は、まるで女性のように細長く、黒い長い髪を後ろに束その眼はまるで血のように赤かった・・・

 

ジャブジャブジャブ

 

彼は洗面所に水をためそして溜めた水で自分の顔を洗う。その時、彼の額には小さな切り傷があった。少年はその傷を眺め

 

「・・・・・あれからもう3年たつのか。まあ、もう昔の話だな」

 

そういうと彼はタオルで自分の顔を拭き、そして、冷蔵庫からパンと牛乳をとりだし、それを食べる。

 

「ここの生活も慣れてきたな・・・・・みんな怒ってるのかな・・・勝手にいなくなって」

 

そういい少年は目の前にある写真立ての中にある写真を見る。その写真には黒い戦車服を着た自分と、茶髪で引っ込み思案そうな少女、長い銀髪で目がきりっとしている少女が肩を組んでピースサインしている写真だった。

 

「おっと、いけね。急がねえと遅刻するな」

 

そういって少年は、朝食を終え、学生服へと着替え、、自分の向かう学校へと向かう。

 

 

 

 

大洗学園。もとは女子高だったが、近ごろは男子と共学すべしという学園長の発案により実験的にだが、共学となった学校なのだが・・・・

 

「はぁ~やっぱ男俺一人は結構つらい。」

 

今、大洗にいる男子生徒は彼だけなのだ。よってクラスにいる女子たちはみんな珍獣を見るような眼で見てくるので、少年はさすがに堪えるのだった。

すると、誰かにぶつかる

 

「あ、すいません」

 

「いえ、こちらこそ・・・・・・」

 

少年にぶつかってきたのは自分より少し身長の低い長い髪の女性で何か眠たそうにふらふらとしていた。

 

「おい。大丈夫か?今にも倒れそうだぞ」

 

「・・・・・・辛い」

 

「はぁ?何が?」

 

「朝、起きるのが辛い・・・・朝なんて来なければいいのに・・・そうすれば一生夢を見ていられる」

 

「あ~その気持ちわからなくもないな。だけど今は昼だシャンとしないと今度は階段とか落っこちるぞ・・・・・あ、そうだ」

 

そういい少年はポケットから飲み物を出す

 

「なんだ。それは?」

 

「俺も朝に少し弱くてな。眠い時これ飲んで何とか耐えている。やるよ」

 

そういい少年は少女に飲み物の瓶を渡すその瓶にはリゲ〇ンと書かれていた。

 

「すまない・・・・・借りができたな」

 

「借りってモノじゃないよ」

 

「それで…お前ここで何をしているんだ?たしかまだ授業中だぞ」

 

「そのセリフそのまま返すよ。君も授業中なはずだろ?」

 

「点数取ってるから、大丈夫」

 

「そうか・・・俺もだ」

 

そういい二人は苦笑しあう。

 

「実はな、どこかいい昼寝場所を探していたんだ。」

 

と少女は、また眠たそうに言う。すると少年は腕を組んで何かを考えそして・・・

 

「昼寝場所か・・・・・そうだ。校舎の森にあるつり橋がある広場知っているか?」

 

「ああ、知っている。行ったことはないがな」

 

「そこに大きな切り株がある。あそこは今の時期は夕方まで気持ちいい風が吹いて昼寝の場所には最適な場所だ。」

 

「本当か?」

 

「ああ。本当だ」

 

「わかった・・・・・また借りができたな。それじゃあ、私はそこに行く。ありがとう」

 

そういい、彼女はふらふらと歩きだし、その場からいなくなった。

 

「やれやれ。別に借りとか、そういうのは良いのに、律儀な子だな・・・」

 

少年はそうつぶやくと。また、廊下を歩きだそうとすると・・・・

 

「ちょっと、君~」

 

急に後ろから声をかけられた。少年は声のするほうへと顔を向けるとそこには3人の女子がいた。一人は背の高いポニーテイルな子ともう一人はドイツ軍の参謀がかけそうな方眼鏡をした子。そしてその真ん中には中学生ぐらいの身長の干し芋を食べているツインテールの少女がいた。その三人組のことを少年は知っていた。

 

「これは、これは。誰かと思ったら、生徒会長様と副会長様。それと・・・・・誰でしたっけ?」

 

「なっ!私を忘れるな!広報の河嶋桃だ!!」

 

「あっ!モモちゃん先輩でしたか。それは失礼しました」

 

「モモちゃん言うな!!」

 

「まあまあ河嶋落ち着いて。」

 

河嶋は少年に名前を忘れられて怒るが、生徒会長である角谷杏に諌められる。

 

「で、何か御用ですか?もしかして授業さぼりの件でしたら、直ぐに始末書でも書きますが」

 

「それもそうなんだけどさ。まあ、それは置いといて君に話があるんだよ」

 

「話?」

 

「うん。ここじゃあ、何だし。ちょっと生徒会室まで来てくんない?」

 

「・・・・・・分かりました」

 

そういい、少年は素直に3人についていくのだった。

 

 

 

 

 

 

              生徒会室

 

 

「お茶どうぞ」

 

「・・・ありがとうございます」

 

生徒会室に連れてこられた少年は副会長の小山柚子に出されたお茶を飲んで今ソファーに座っている。

 

「きみ。もうここの生活とか慣れた?うちの学校元女子学校だったから騒がしかったでしょ?」

 

「はい。最初は大変でしたが、一年半もいればなれますし、それなりに楽しくやっています。それに女子が騒がしいのは元気な証拠ですから」

 

「そうか…それはよかった。」

 

そういい生徒会長の角谷は干し芋をほおばる

 

「で・・・・あの要件は何ですか?」

 

「ああ、そうだっったね。単刀直入に言わせてもらっていいかな?」

 

「いいですよ。そのほうが俺にとっても都合がいいし、へたに遠回りされた言葉は嫌いなので」

 

「そうか。じゃあ言うよ。君には戦車道を取ってもらいたいんだよ。武藤義弘君。いや、この場合、元黒森峰中等部戦車道のエース。「黒狼」って呼べばいいのかな?」

 

「っ!?」

 

少年こと義弘は自分のかつて黒森峰でのあだ名を目の前にいる角谷杏に言われて驚くのだった。

 

 

 

義弘は生存させる?

  • 生存しない
  • 生存させる
  • 生存するが長くは持たない
  • 死ぬが転生する
  • どっちでもいい

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