ガールズ&パンツァー~黒森峰からやってきた狼~   作:疾風海軍陸戦隊

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試合前の格闘です

朝・・・・それはすべての始まりであり、夜が終わりを告げるときである。俺は朝の4時半に目が覚めた。まあ、寝た時間が早かったからそうなんだけどな。まあ、とにかく俺はベッドから降りてコーヒーを飲む。インスタントだが本物に負けないくらいのコクだ。まあ、それはともかく俺はコーヒーを飲み終え、制服に着替えて寮を出る。

 

「まだ少し暗いが・・・・まあ、いいか」

 

俺はそう呟き、ある場所へと向かったのだった。

 

「ここか・・・・・」

 

ついた先は、赤い壁が特徴の家だった。実はこの家。冷泉が住んでいる家だ。あと10分で起床時間だが、この時間ならもう起きている頃かな?俺はそう思い、インターホンを鳴らすが返事どころか足音すら聞こえない・・・・もしかしてまだ寝ているのかな?そう思ってると

 

「あ、武藤も来てたんだ」

 

と、武部が走りながら俺のところにやってくる

 

「ああ、昨日冷泉と約束したからな。「起こしに行く」ってだから違えは無しだ」

 

「そう、武藤って案外律儀だね。・・・・・で、麻子起きてる?」

 

「いや、インターホン鳴らしたが全然。あれは完全に寝てるな」

 

「はぁ~やっぱりか・・・・」

 

と、武部が肩を落としてそう言う。

 

「とにかく中に入らないと・・・・」

 

「中にって鍵かかってるんだぞ?どうやって入るつもり・・・・・まさか武部、お前、窓ガラス割って侵入する気じゃ!?」

 

「違う違う!それじゃあ強盗じゃん。こういう時のこともあって麻子から合鍵渡されているの」

 

「あ~なるほどな・・・・・」

 

俺が納得して、武部はポケットから合鍵を取り出し、鍵を開ける。

 

「さ、、入って。たぶん麻子なら寝室にいると思うから」

 

「お、おう・・・・」

 

俺と武部は冷泉の家に入り、武部を先頭についていくととある部屋に入る。そしてその部屋には布団にくるまった冷泉の姿があった。あ~やっぱり寝てる。武部は麻子の姿を見るとすぐさま布団を引っぺがして起こそうとする

 

「も~!麻子起きてよ~!試合なんだから!!」

 

「ねむい…」

 

「単位はいいの!?」

 

「よくない…」

 

「だったら起きてよー!」

 

「不可能なものは無理・・・・」

 

武部が思いっきり布団を引っ張ても冷泉を包んだ布団はびくともせず冷泉は眠そうに言う。てか、あんなに力強く引っ張ても剥がせないって冷泉って結構、力持ちなのかそれとも武部が力弱いのか・・・・やれやれ・・・俺は冷泉の傍に近付き腰を下ろす。

 

「冷泉・・・・起床時間だぞ。起きろ」

 

「・・・・・ん?」

 

俺がそう言うと冷泉は布団から少し顔を出し眠たそうに目をこする・・・・そして俺と目が合った。

 

「おう、起きたか?」

 

俺がそう言うと冷泉は俺の顔を見て突然顔を赤くし目を大きく見開いて

 

「うわぁっ!?」

 

「え?きゃぁ!?」

 

大声を出し飛び起きて、沙織はその声に尻もちをつく、だが幸い尻もちついた場所は座布団だったのでけがはなかった。

 

「な、なんで武藤さんがここにいるんだ!?」

 

「ん?昨日言ったじゃないか。起こしに行くって?そんなに驚くことか?」

 

「そ、そう言えばそうだったな・・・・で、でも、・・・・確かに起こしに行くのは知ってたからわかったけど・・・顔が近かったから驚いたぞ///」

 

と、ぜーはーと息をつき胸を押さえながらそう言う。其れに顔が赤い。怒らせちゃったかな?

 

「そっか・・・・それは悪かったよ」

 

俺が頭をかきながらそう言うと

 

「謝らなくていい。その代わりこのまま寝させてくれ」

 

「それはだめだ。」

 

「・・・・けち」

 

「武藤の言う通りダメだよ麻子。今日は試合なんだから」

 

「む~」

 

と、冷泉がうなると突然ラッパの音が鳴り響く。なんだろうと俺と武部が窓を開けてみるとそこには秋山がラッパを吹いていた。外も日が上がって明るくなっていた。

 

「おはようございます・・・・て、あれ?武藤殿?」

 

「おう、秋山おはよう。起床ラッパご苦労さん」

 

俺がそう言うと履帯音が聞こえたかと思うとⅣ号戦車が現れた。

 

「・・・・Ⅳ号?ということはみほか?」

 

「うん、私が携帯で呼んだんだ。たぶんてこずると思ってたから」

 

なるほど…大体わかったが、戦車で何する気なんだ?俺がそう思うとⅣ号の短砲身が上を向きそして

 

どぉーん!!!

 

いきなりの発砲。砲身から白い煙が上がる。空砲か・・・・・確かに朝に弱い冷泉相手なら置きそうだが・・・・

 

「なんだ!?」

 

「どうしたの!?」

 

と、近所の人たちが騒ぎ始めた。まあそりゃそうだろう。

 

「すいません!空砲です!」

 

と、キューポラからみほが顔を出して近所の人にそう言う。すると俺の後ろから

 

「やれやれ・・・・武藤さんに起こされた挙句、ラッパに砲撃・・・・これは起きざるを得ないな・・・・」

 

「おっ、冷泉起きたか・・・・」

 

「約束だからな・・・・」

 

と、目をこすりながらそう言う。

 

「冷泉さん。おはようございます。」

 

「「おはようございます!!」」

 

みほたちは冷泉に気付き挨拶する。そして冷泉は着替えをもってパジャマのままⅣ号に乗る。

 

「あ、義弘君。義弘君も一緒に乗っていく?」

 

みほがそう言うが俺は首を振って

 

「そんな必要はなか。こういう時のために篠原たちを呼んである」

 

「え?」

 

みほが首をかしげると。Ⅳ号の後ろからパンターがやってくる。そしてキューポラから篠原が顔をのぞかせる

 

「おう義弘。来たわよ」

 

「おう。朝からお疲れ篠原。」

 

「良いってことよ。それとおはよう。みほさん」

 

「あ、おはようございます道子さん」

 

と、みほと篠原は互いに挨拶をし俺はパンターによじ登り、操縦席の服部さんに

 

「さてと・・・・・そんじゃま服部。試合会場まで頼むよ」

 

「はい。任せてください」

 

服部さんにそう頼むと俺はパンターに乗り、Ⅳ号を先頭に試合会場へと向かうのであった。

 

「なになに?」

 

「どうしたの?」

 

朝から戦車の騒音で近所の人たちは顔を出す

 

「す、すみません」

 

と、みほが謝ると花の水やりをしていたのかおばあさんが二両の戦車を見ると

 

「あら~4号にパンター久しぶりに動いているの見たわね~」

 

と、感心したような何か懐かしそうな声でそう言い、

 

「うわぁ~戦車だ~」

 

「戦車道復活させたの本当だったのね~」

 

と小さな子供と母親がそう言い隣では

 

「試合か頑張れよ~!」

 

と、応援してくれた

 

「はい。ありがとうございます!頑張ります!」

 

と、みほが元気よく返事をし、車内では

 

「歯みがいてください」

 

「顔も洗ってくださいね」

 

「終わったら制服着替えて。あ、朝ご飯あるからね。おにぎり作っといたから」

 

と、Ⅳ号の中では冷泉が着替えをしたり、おにぎりを食べたりしていてみほがその様子を見て微笑む。一方パンターの中では

 

「zzz・・・・」

 

「車長・・・・寝てますね。篠原さん・・・」

 

「ええ、寝てるね」

 

「この振動の中、良く寝ていられますね」

 

「それが彼よ小波」

 

そう。今、義弘はパンターの中で戦車帽らしき帽子を深くかぶり寝ていた。

 

「こいつ朝が弱いのに無理をして起きたからね・・・・」

 

「どうします?起こしたほうがいいですか?」

 

「いいえ小波。今は起こさないほうがいいわよ。彼無意味に起こされるの嫌うから。港に着いたら起こしてあげて」

 

「あ、はい。」

 

じつは篠原は中学・・・・黒森峰時代、義弘が昼寝している時無理やり起こしたことがあって、その時は半日以上口を聞いてもらえなかったことがあった。まあ、翌日になったら義弘は全然気にしてなかったが、あの時以来、黒森峰では義弘が寝ている時は用事がない時は絶対に起こすなと、暗黙のルールができたりしていた。

 

「それにしても篠原さんその格好は・・・」

 

「ああこれ?中学の時のだけどね。まだ着れるなんて夢のようだわ」

 

今篠原が来ていたのは制服の上に黒いパンツァージャケットで襟に白文字のssマークがあった。そう、これは篠原が武藤同様に中等黒森峰時代に着ていた「黒狼」を意味するパンツァジャケットだった。

 

「その言い方まるでおばさんみたいですよ」

 

「何か言った?」

 

「いいえ。なんでもありません」

 

「それにしてもあの子元気にしているのかな?」

 

「あの子って。もしかして彼氏さんですか?」

 

「違うわよ。今度の対戦相手の聖グロに私の妹がいるから、それでね」

 

「なるほど。そう言うわけですか」

 

そんな話をしている中、戦車は進む。そして、しばらくして港に着いた。そして対戦相手の聖グロリアーナも到着した。その時、聖グロの学園艦を見たとき、自分たちの学園艦より二倍大きいことに武部たちが驚いたのは言うまでもなかったのだった。

 

 

義弘は生存させる?

  • 生存しない
  • 生存させる
  • 生存するが長くは持たない
  • 死ぬが転生する
  • どっちでもいい

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