ガールズ&パンツァー~黒森峰からやってきた狼~   作:疾風海軍陸戦隊

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これからのことです

五十鈴さんのお母さんの家を出て、俺たちは奉公人の新三郎さんに港まで送ってもらった。そして港につくと

 

「・・・・遅い」

 

と、冷泉が待っていた。しかも映画でよく見る港にいる男のポーズで・・・・何気に似合ってるな冷泉の奴・・・

 

「もう、夜は元気なんだからー!」

 

「おう、冷泉。待っててくれたのか。ありがとな」

 

「別に・・・・・武藤のためじゃない・・・」

 

武部が冷泉に言う中俺は冷泉に待っててくれたことに礼を言うと冷泉はそっぽを向いてそう言った。心なしか顔が赤かったようだが気のせいか。

 

「て、武藤。急いで!!」

 

「ああ、悪い悪い」

 

と、武部の声に俺は急いで階段を上がった。そして階段を上がるとそこにはおかっぱ頭印の風紀員の中のトップ風紀委員長の園さんがいた

 

「出港ギリギリよ。」

 

「ああ、悪い悪い」

 

「すみません」

 

「すまんなそど子」

 

「その名前で呼ばないでって言ってるでしょう!?」

 

と、俺たちは遅れたことを園さんに謝るが園さんは冷泉が言ったあだ名に不満の声を出す。そど子か・・・・違和感がないからそっちの方が本名に聞こえてしまうのは俺だけだろうか?そして俺たちはさらに上の階段を上がる。すると・・・・

 

「武藤さん」

 

と、五十鈴が俺に話しかけてきた

 

「ん?なんだ五十鈴さん」

 

「先ほどはありがとうございました」

 

「いいや、別に礼を言われることはしてないよ。俺はただ首を突っ込んで言いたいことを言っただけだよ。それよりも五十鈴さん」

 

「はい」

 

「頑張れな。お前の進む新しい華道を・・・そして応援してるぜ五十鈴さんが目指す『力強い花』って言うのをな」

 

と、俺が不適の笑みでそう言うと五十鈴さんは顔を赤くし

 

「はい!」

 

と、嬉しそうにそう返事した。その時みほたちは複雑そうな顔をしていたのだが、俺、変な事言ったのかな?まあ、そんなことはさておき俺たちは長い階段を登りきるとそこには先ほどの一年生チームがいた。すると車長であった澤が一歩前に出て

 

「西住隊長・・・戦車を放り出して逃げたりして、すみませんでした!!」

 

『『『すみませんでした!!』』』

 

と、彼女が謝ると、後ろにいた一年生たちも謝った。そして俺は一年生のところに歩みよる

 

「よ、義弘君・・・」

 

「大丈夫だみほ」

 

みほが心配して言うが俺は笑ってそう言い澤たちの前に出て手をそっと出す。怒られると思ったのか澤たちは目をぐっとつぶるが、俺は彼女の頭にポンっと手を置く

 

「お前たち・・・・よく、頑張ったな・・・」

 

「・・・・え?」

 

と、俺の言葉が予想外の言葉だったのか一年生たちが目を丸くする

 

「あ、あの・・・・先輩怒っていないんですか?」

 

「怒る?なぜ怒る必要があるんだ?」

 

「なぜって。私たち戦車を放り出して逃げたんですよ!?」

 

「それは仕方ないよ。今回お前たちにとっては初めての他校との戦車道の試合だったんだからな。それに逃げることは恥じゃないよ。俺だって戦車道を始めた時から強かったわけじゃない。初めて戦車道をしたときはビビッて逃げ出したもんだよ」

 

「先輩がですか?」

 

「ああ。初めて見る本格的な砲撃。あの時の恐怖は今でも忘れたことはねえよ。だから逃げても別にいいんだ。これは殺し合いとかの戦争じゃない。それでも逃げるは卑怯というやつは俺がとっ捕まえて説教してやる。それになお前たちは逃げちまったことをみほにちゃんと謝りに来た。それだけでもお前たちは立派だよ」

 

「せ、先輩・・・」

 

「次は頑張れな」

 

『はいっ!!』

 

俺がそう言うと一年生たちは元気よく答える。すると後ろで

 

「武藤って年下の扱い上手くない?」

 

「そうですね・・・・なんて言うか手慣れていると言いますか・・・・」

 

「西住殿?武藤殿って昔からあんな感じなのですか?」

 

「う、うん・・・・義弘君、面倒見がいいから、なぜか年下の子とかに好かれることがよくあるの。本人は自覚ないんだけど・・・・」

 

「天然なうえ厄介なんだな武藤さんは・・・・」

 

と、みほたちが何やら後ろでこそこそと話していた。するとそこへ角谷さんがやって来た。

 

「これから作戦は西住ちゃんにまかせるよ。で…これ」

 

そう言い、角谷さんはティーカップと紅茶の葉が箱をみほに渡した。そしてその箱にはto friend書かれている手紙が入っていたのだ。そしてみほはその手紙を読む。

 

『今日はありがとう。あなたのお姉様との試合より面白かったですわ。また公式戦で戦いましょう。』

 

と書かれていた。

 

「すごいです!聖グロリアーナは好敵手と認めた相手にしか紅茶を送らないとか」

 

と、秋山は嬉しそうに言う。どうやらダージリンはみほのことを気に入ってライバルと認めてくれたみたいだな。

 

「へ~そうなんだ」

 

「昨日の敵は今日の友ってやつだな・・・・・て、みほその手紙の下のところ何か書いてあるぞ?」

 

「え?」

 

俺の言葉にみほは手紙の下のあたりを見ると何か書かれてあった。それは

 

『追伸。みほさん。さっきも言ったようにイギリス人は恋愛と戦争では手段は選びませんので、その所心の隅に入れといてください』

 

と、書いてあった。しかも恋愛の文字の所だけ太字になっていた。どういう意味だろうか‥‥と、俺がそう言い首をひねっていると

 

「「「(もしかして・・・・ダージリンさん)」」」

 

と、女子陣は何かに気付いていたようだった。

 

「どうしたんだ?」

 

「いや、武藤君は知らなくていいことだよ。それよりも公式戦は勝たないとね~」

 

「は、はい!次は勝ちたいです!」

 

「公式戦?何それ?」

 

と、武部がそう言うと

 

「戦車道の全国大会です!」

 

と、秋山が嬉しそうに答えたのであった。そう、公式戦とは秋山の言った通り戦車道の全国大会。いわば野球の甲子園大会みたいなものだ。

そして数日後、とある場所の会館で公式戦のトーナメントを決める抽選会が始まった。そして・・・・

 

『大洗女子学園、8番!』

 

みほが番号の書かれたくじを引くとアナウンスが入るそしてそれを聞いたサンダース大学附属高校の生徒達が喜ぶ。まあ、彼女らにしてみれば無名の高校だからそれもそうか・・・・

 

「サンダースね・・・・少し厄介だわ・・・」

 

「篠原さん。サンダースって強いの?」

 

「はい。優勝候補のひとつです」

 

と、武部が篠原に訊くと秋山が答えた。すると、武部は心配そうな顔で

 

「え~?大丈夫?」

 

と、そう言うのであった。そんな中、生徒会は

 

「初戦から強豪ですね…」

 

「負けられない…負けてしまったら私たちは…」

 

と、何か意味を含めた言葉でそういうのであった。一方、俺はというとずっと後ろのところで壁によってみほの方を見ていた。

 

「サンダースか・・・・はてさて…どうなるかな・・・こほっこほっ」

 

と、俺は咳をする。その際、俺は肺のある方へそっと手を置いた。

 

「(ふっ・・・・まだもう少し持ってくれよ・・・・)」

 

と、俺はそう聞こえない声でつぶやく。そして俺は外に出て抽選会が終わるまでどこかをふらふらと歩いているのだった。

 

 

 

義弘は生存させる?

  • 生存しない
  • 生存させる
  • 生存するが長くは持たない
  • 死ぬが転生する
  • どっちでもいい

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