ガールズ&パンツァー~黒森峰からやってきた狼~ 作:疾風海軍陸戦隊
抽選会が終わり俺は今戦車喫茶「ルクレール」にいた。店の中を見ると同じく抽選会にいた多くの他校の戦車道部の女子たちがお茶会なんかをしてくつろいでいた。で、俺はというと・・・・
「いいのか?俺なんかがみほたちと相席で?」
「いいの。いいの。武藤なら別に相席になってもかまわないよ」
と、武部がそう言う。そう今俺はみほたちと相席の状態で席に座っている。事の発端は数分前、久しぶりにうまいコーヒーでも飲もうかと、この喫茶に入った。この店はケーキもうまいが何よりコーヒーもうまいって評判の店だからな。しかし、あいにく席は満員だったので相席っということになった。で、その相席場所がみほたちの席だった。俺は断ろうとしたがみほたちがいいって言ってくれたので、今こうして座っている。そしてみんな注文の品が決まると秋山が注文呼び出しボタンを押す。すると
ドォーン
戦車砲の音がして、店員さんがやってっ来た。
「ご注文はお決まりですか?」
「はい。ケーキセットでチョコレートケーキ2つとイチゴタルト、レモンパイにニューヨークチーズケーキひとつづつお願いします」
「後、俺は特製コーヒーセットを頼む」
と、注文すると店員さんはメモ帳にすらすらと注文の品をかき
「承りました。少々お待ちください」
と、敬礼して厨房へと行った。
「このボタン。主砲の音になってるんだ」
「この音は90式ですね」
さすが秋山。砲の音だけで種類がわかるとは・・・
「さすが戦車喫茶ですね」
と、五十鈴さんがそう言った時あっちこっちから主砲の音がする。どの音も似ているようだが一つずつ微妙に違う。
「あ~もはやこの音を聞くと快感になっている自分が恐い♪」
と、顔を赤くしてそういう武部、その言葉を聞くとどこの機関銃を持ったセーラ服少女を連想してしまう。そしてしばらくしてラジコントラックが荷台に乗ったケーキを運んでやって来た。
「あっ!?なにこれ?」
「これ、ドラゴンワゴンですよ」
「かわいい~」
「ケーキも可愛いですね~」
とみんな運ばれてきたケーキを取り始める。俺のはまだ来てないか。まあ、良いか。品が来るのを楽しむ時間って言うのも悪くない。そう思い俺は席を立つ
「あれ?義弘君どこに行くの?」
「ん?ああ、まだ注文の品が来てないから、その間に少しね」
といいトイレの方をくいッと指さし、俺はトイレの方へと向かったのだった。そして俺がいない間みほたちはケーキを食べ始める。すると・・・・
「ごめんね……、一回戦から強いとこと当たっちゃって」
と、みほが申し訳なさそうに言う。
「サンダース大付属ってそんなに強いんですか?」
「強いっていうかすごくリッチな学校で、戦車保有台数が全国一なんです!チーム数も一軍から三軍まであって」
「公式戦の一回戦は戦車の数は10両までって決まってるから、砲弾の総数も決まってるし」
そう、今大会では戦車道の数は一回~二回戦までは10両、準決勝では15、決勝では20輌で勝敗決めは指定された相手チームのフラッグ車を先に撃破した方が勝利のフラッグ戦となている。つまり弱将校でも強豪校相手に勝てるチャンスがあるって言うことだ。
「でも十両って……うちの倍じゃん!それって勝てないんじゃ……」
「単位は?」
「負けたらもらえないんじゃない?」
と、冷泉がそう言い武部がそう返すと冷泉は少し不機嫌になり手に持っていたフォークを思いっきりケーキにぶっさす。そしてそれを見たみほは少しびっくりするのであった。
「それより全国大会はテレビ中継されるんでしょ? ファンレターとか来たらどうしよう~」
「生中継は決勝だけですよ?」
「うんじゃあ、決勝に行けるようガンバロ~ほら、みほも食べて食べて!」
「あ、うん」
そう言い、みほがケーキを食べ始めた時
「み・・・・副隊長?」
と、誰かがみほを呼ぶ声が聞こえ、振り返るとそこにはジャーマングレーの制服を着た銀髪の少女と目のきりっとした少女がいた
「・・・・お姉ちゃん」
と、みほがそう言うと武部たちの視線がみほの方へ向く。。そう。この二人のうち一人の目が吊り上がった人がみほの姉、まほさんだ。
すると・・・・
「まだ戦車道をしているとは思わなかった・・・・」
と、無表情でそう答える。すると秋山が立ち上がり
「お言葉ですが!あの試合でのみほさんの判断は間違ってませんでした!!」
声をあげる。すると
「部外者は口を出さないで欲しいわね」
「…すいません」
と、銀髪少女が鋭い目つきでそう言うと秋山はその目を見て戦意を消失し、大人しく座る。すると・・・・
「おっ!?お前エリカじゃないかよ」
「「っ!?」」
と、そこへトイレから戻った俺がそう言う。そしてエリカとまほさんは俺の顔を見て目を見開く
「よ、義弘?」
「お久しぶりです。かれこれ3年ぶりでしょうかまほさん」
「あ、ああ・・・・」
と、まほさんは相変わらず無表情な顔でそういうが若干動揺しているようにも見えた。
「あ、あんた本当に義弘なの!?」
と、逸見が驚いてそう言う
「ああ、久しぶりエリカ。元気にしてたか?」
「ええ…‥て、そうじゃなくて。なんであんたがここにいるのよ!?」
「なんでって、ここでお茶を飲みに決まってるじゃないかよ」
「そんなことわかってるわ!なんであんたが大洗学園の連中といるのよ」
と、興奮して言うエリカに対し俺は
「まあ、成り行きだよ。成り行き~それに細かいことは気にするなよ」
と、笑いながら言う。するとエリカは・・・
「・・・・・まったくあんたは昔から変わらないのね・・・・もう怒る気が失せたわ・・・」
と、ため息をつく。すると
「エリカ・・・・行くぞ」
「は、はい隊長・・・・」
と、二人はその場から離れようとするするとエリカが
「そうそう、一回戦はサンダース大付属と当たるんでしょ?無様な戦いをして、西住流の名を汚さない事ね」
と、皮肉を込めた言葉をみほに言うと俺はため息をつく。すると
「何よその言い方!!」
「あまりにも失礼じゃ…」
武部と五十鈴さんが立ち上がって抗議するが、エリカが冷たい目で
「あなた達こそ、戦車道に対して失礼じゃない?まだ無名校なのに。この大会はね、戦車道のイメージダウンになるような学校は参加しないのが暗黙のルールよ」
と、そう言うが、
「強豪校が有利になるように、示し合わせて作った暗黙のルールとやらで負けたら恥ずかしいな」
と、冷泉がケーキを食べながら静かにそう反論する。
「もし、あんたたちと戦ったら絶対に負けないんだから!」
と、武部がそう言うと
「ふっ・・・頑張りなさい」
エリカはそう言い立ち去ろうとするが
「あと、サンダースが一回戦でファイアフライを出してくるかどうかは分からないけど、可能性は十分に有り得るわ気を引き締めなさい。みほ」
「え?」
みほはエリカの言った言葉にきょとんとする。
「ただの独り言よ。じゃあね」
と、そう言いエリカはまほさんを追って店を出たのであった。まったくあいつは素直じゃないな・・・・俺がそう思っていると
「何あれ、ものすごい失礼なやつね!」
「嫌な感じですわ…」
と、武部と五十鈴さんが言う中、秋山が説明した。
「あの、今の黒森峰は去年の準優勝校ですよ、それまでは九連覇してて…」
「えっ!?そうなの!?そう言えば武藤。あいつと知り合いなの!?」
「ああ、あいつは逸見エリカ。同じ釜の飯を食べた親友だよ。なあ、みほ」
「う、うん・・・・」
「逸見って・・・さっきのあの人があの逸見エリカ殿ですか!?黒森峰中等部の三羽烏の一人の!?」
「ああ、その逸見エリカだ。」
「ゆかりん。何その三羽烏って?」
と、秋山の言葉に武部が首をかしげる
「黒森峰中等部の三羽烏って言うのは3年前に黒森峰戦車道部の中で仲が良く、西住まほ殿を除いた中でトップクラスだった三人組がそう呼ばれていたんです。その一人がさっきの逸見エリカ殿ですよ」
「へ~で、ほかの二人は誰なの?」
「俺と、みほだ。あいつとは小学生のころからの仲でな中学でもよく三人で遊んだり、ショッピングしたりしたな」
「えっ!?ほんとなのみほ!?」
「う、うん・・・・」
と、武部が驚いてみほにそう訊くとみほは頷く。
「でもさ、いくら友人だったみほにあの言い方はひどくない?」
「ああ、あの言い方か・・・・まあ、気にするな。あいつああ見えて根は優しいんだ。けどその優しさがちょっと不器用でついあんな言い方になっちまうんだよ。だからさここは俺に免じて許してくれないか?ケーキ奢るからさ」
「む~わかった。武藤がそう言うんなら」
「みほ・・・わかってると思うけど・・・」
「うん。私も逸見さんのことはよく知ってるから気にしてないよ義弘君」
その後俺たちはケーキを楽しんだ因みに俺のコーヒーは冷泉がケーキのお代わりをしたときに来た。そして武部たちの頼んだケーキの代金を俺が支払い財布が軽くなったのは言うまでもなかった。
そして帰る際、みほと別れた後・・・
「さて・・・まだ時間あるな。ゲーセンでも行こうかな?」
と、そう言った時
「義弘」
と、後ろから声がして振り向くとそこにはエリカがいた
「おう、エリカか3年ぶり」
「・・・・ええ、そうね。3年ぶりね」
と、いつもとは違った雰囲気でそういう
「それよりもすまないな」
「何がよ」
「お前がみほたちに言った言葉。あれ演技だろ?」
「・・・・・・何を根拠に?」
「簡単さ。お前の言葉には思いがなくただ用意していたセリフを読むような言い方だっからな。だからあの言葉は本心じゃないってわかったのさ」
「・・・・・よくわかったわね」
「あれを言った理由はやっぱりまほさんか?」
「ええ・・・隊長は誤解されやすい人だから・・・・・」
俺がそう言うとエリカは頷くやっぱりな・・・・・まほさんって昔から無表情で怖そうな感じだからよくみんなに変な誤解と化されていたもんな。その時は俺とエリカがフォローしていたけど。
「なるほどな・・・・だから矛先をまほさんではなく自分に向けるためにあんなこと言ったと?」
「ええ。でもみほにはわかってたみたいだけどね・・・・・」
「相変わらず相手をフォローとかするの得意だなフォロ見フォローカ」
「そのあだ名はやめなさいよ・・・・・というより統一しなさい。それよりも義弘」
エリカがそう言うと急に頭を下げる
「ごめんなさい・・・・・みほを守れなくて3年前約束したのに・・・・」
「・・・・・エリカ・・・・・俺がいない3年間・・・・何があったんだよ?」
と、俺がそう言訊くと、エリカは悲しい顔をしながら俺がいない間の3年間、黒森峰がどうなったか教えてくれた。そしてみほがなぜ黒森峰を去ったことも・・・・
「・・・・なるほど・・・・俺がいなくなって黒森峰はそんなことがあったのか」
「ええ。あなたが去った後の黒森峰は大きく曲がり変わってしまったわ・・・・私と隊長がいながら、みほを追い詰めた挙句、苦しめてしまった・・・・情けない話ね・・・・」
「そうか・・・・」
それで、みほは戦車道のない
「ごめんなさい義弘」
「いいや。お前が謝ることなんてないよ・・・・立場上大変だったんだろ?」
そう言うと、エリカは頷く。するとエリカは何か思い出したような顔をし、
「・・・・・それよりも義弘。あなた・・・・大洗で戦車道をしているらしいわね・・・篠原からメールで聞いたわ」
「ああ。そうだよ」
「じゃあ、もう
「っ!?」
エリカの言葉に俺はおどろき目をそらす。するとエリカは俺の襟をグイっと引っ張り
「大丈夫なのよね?」
「あはは・・・・」
と、ジーと俺の目を見る。すると俺はさらに目をそらし笑って誤魔化す
「目をそらさないで義弘!・・・まさか。
「・・・・ああ・・残念ながら」
と、俺は苦笑して答えると・・・・・
「なら、なんで戦車道を始めたのよ!? 3年前あなたが戦車道を辞めたのはそれを治すためにやめたんじゃないの!!それを治して大好きだった戦車道をもう一度始めるんじゃなかったの!?」
と、エリカがすごい剣幕でそういう。そう言えばこの話をしたのはエリカと蝶野さんだけだっけな・・・・
「じ、実はな・・・・エリカ。それなんだが、もう無理なんだと・・・・もう手の施しようがないって言われてな・・・・」
「っ!?」
「だから俺はこの3年間、ひっそり静かに大洗で暮らしてたんだけどな・・・・どうも運命ってやつは俺に戦車道をさせたいらしい」
「・・・・・あとどれくらいなの?」
「そうだね・・・・・聞いた話では長くて3年くらいだとよ。だからさ。本当に残り時間が短いんなら静かに暮らすのを止めて好きなことをしようと思ったのさ。じゃあそろそろ行くぜ」
そう言い俺は後ろを向き歩き始める。すると・・・・
「待って義弘・・・・・」
「ん?なんだエリカ?」
「・・・・・・・・みほのこと頼むわよ。それと無茶はしないでね・・・・黒狼」
エリカがそう言うと俺は二っと軽い笑みをし
「ああ、任せとけ。じゃあエリカ。公式戦でまた会おうな」
とそう言い俺はその場を去りエリカは・・・・
「・・・・・バカ」
と、少し涙をためて立ち尽くしているのであった。
義弘は生存させる?
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生存しない
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生存させる
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生存するが長くは持たない
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死ぬが転生する
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どっちでもいい