ガールズ&パンツァー~黒森峰からやってきた狼~   作:疾風海軍陸戦隊

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船上での決意

あれから数時間後、俺は今、学園艦に向かう連絡船の手すりのところに立って夕日を眺めていた。すると・・・

 

「あれ?義弘君?」

 

と、みほがやって来た。

 

「ああ、みほか。ただ夕日を眺めていただけだよ。そう言うみほも夕日を見に来たのか?」

 

「え?う、うん・・・」

 

と、なにやら悩みを抱えた顔でそう言う。もしかしてさっき喫茶店でのことを気にしているのか?

 

「奇麗な夕日だな・・・・陸じゃ見られねえなっこの景色は」

 

「うん・・・・」

 

と俺とみほは夕日を眺めた。

 

「みほ・・・・エリカのことだがあいつさっきあんなこと言ってたが・・・・」

 

「うん・・・・わかってるよ義弘君。あれが逸見さんの本心じゃないってこと・・・・」

 

「そうか・・・・」

 

と、みほが苦笑してそう言う。やっぱりみほもわかっていたのか。

 

「なあ、覚えているかみほ。俺たちとエリカが出会った時のこと。たしかであったのは小学生のとき、田んぼで出会ったよな?」

 

「うん。あの時ってお姉ちゃんが操縦する2号戦車でドライブしていた時にあったんだよね?」

 

「そうそう。今思うと懐かしいよな・・・・」

 

と、そんな話をしていた。あの時のことは俺もよく覚えている。あの時まほさんの運転する2号戦車の砲塔に乗っている時、いきなり白ゴス少女が突っかかってきて喧嘩になりそうだったんだけど、なんか話していくうちに意気投合しちゃって気が付けが夕暮れまで遊んでいるっという結果になったんだよな。今思えばあの時がエリカと俺たちの出会いだったな。その後彼女と俺たちは同じ小学校だったことを知りそれ以来俺が黒森峰を去るまでいつもみほと一緒に行動を共にし親友っと言っていいほどの間柄になっていたんだよな・・・・・今思うと本当に懐かしい。

俺が昔のことを思い出していると・・・

 

「寒くありませんか?西住殿。武藤殿?」

 

そこへ秋山がやってきて俺たちにそう訊く。

 

「ううん…、大丈夫」

 

「俺も大丈夫だよ」

 

と、俺とみほがそう言うと秋山はみほの隣に立ち。

 

「全国大会、私は出場出来るだけで充分です、他校の戦車も見れますし・・・大切なのはベストを尽くす事です、例えそれで負けたとしても…」

 

と、秋山はいきなりそう言いだした。その顔はどことなく嬉しそうだった。まあ、戦車好きである秋山からすれば他校の戦車を見れることは夢のようなもんだしな。それはそうなんだろ。まあ、確かに今の大洗は素人の集まりだ。俺から見れば怪我しないで楽しくできればそれでいいっと思っている。俺に戦車道を教えてくれた師匠曰く

『戦車道は戦車を使うが戦争にあらず。戦車道とはみんなで力を合わせ、そして楽しくやるのが戦車道の楽しさ』と言ってたな。師匠は戦車道の指導の時は厳しかったけど、それ以外では陽気な享楽家で、毎日を楽しく生きるための努力を惜しまない人なんだよな。元気にしているかな・・・・そう俺が思っていると

 

「それじゃあ困るんだよね~」

 

「え?」

 

後ろから声が思、俺たち三人は振り返るとそこにはいつからいたのか生徒会三人組がいた。そして 

 

「絶対に勝て!我々は絶対に優勝しなければならんのだ」

 

「それまたどうしてですか?」

 

と、秋山が首をかしげてそう言うと

 

「そ、それがね・・・負けたら我が校は・・・・」

 

「し~!!」

 

小山さんが何か言おうとしたとき角谷さんが指を立てて小山さんの言葉を遮った

 

「角谷さん?」

 

「いや、なんでもないよ武藤君。それよりも全ては西住ちゃんや武藤君の肩にかかってるからね~もし、負けたらアンコウ踊りだからね~」

 

と、そう言って角谷さんたちは船内に戻っていった。先ほどから気になるが角谷さんは何を隠しているんだ?やけに勝利にこだわっている。俺やみほを戦車道に勧誘していた時もそうだが、角谷さんたち生徒会は何かを隠している。

 

「だ、大丈夫ですよ、西住殿!頑張りましょう!!」

 

と、秋山はみほを元気つけるようにそう言うが

 

「まだ初戦だからファイヤフライは出してこないと思う。でも逸見さんの言う通り出す可能性もあるし・・・・・せめて、チームの編成がわかれば・・・・」

 

みほが不安そうにそう呟いているのを見て秋山は何か決心した顔をするのであった。

 

 

あれから翌日の日曜日、俺はある所へと向かった。その場所とは床屋であったそして俺はその扉を開けるとそこには夫婦らしきエプロンをした二人がいた。そして二人は俺の顔を見る

 

「お邪魔します・・・・」

 

「ん?おおーっ!武藤君じゃないか。また散髪かい?それとも優花里に用かい?」

 

と、パンチパーマをした男の人がそう言う

 

「どうも秋山さん。まあ、両方です」

 

と、俺がそう答える。すると女の人が

 

「ごめんなさいね。優花里、今買い物を頼んで今いないのよ。もうすぐ戻ると思うんだけど・・・・」

 

「そうですか・・・・じゃあ、散髪をお願いします。結構髪も伸びたので」

 

「そうかい。それじゃあ、席に座ってくれ。すぐに準備するから。で、今回の髪型は?」

 

「ああ、髪型はいつものカットでお願いします」

 

「あいよ。えっとハサミは・・・・」

 

と、そう言い俺は椅子に座る。そう、実はこの床屋さん。秋山の実家だ。それでこの二人は秋山のお父さんとお母さんである。そして秋山の親父さんはハサミを手に俺の背中まで伸びた髪をカットする。因みに俺はここのお得意さんで髪を切るときには必ずここを通うと決めているのだ。そしてなぜか秋山のお母さんにはものすごい好意を持たれたり秋山の親父さんなんかたまに『跡取りが来た・・・・』とか、なにやらぶつぶつ呟いていることがあった。そしてしばらくして

 

「はい。終わったよ武藤君」

 

と、秋山の親父さんは手鏡を俺に渡す。俺は鏡に映った自分を見ると,、俺の髪型は肩までとなっていて少しバサバサとした感じになっていた。うん。やっぱり黒森峰時代からのこの髪型が落ち着くな俺としては・・・・

 

「どうだい?いいかんじだろう?」

 

「ええ、ありがとうございます」

 

と、俺が礼を言った瞬間に秋山が帰って来た。

 

「ただいま帰りました」

 

「おかえりなさい優花里。あなたにお客さんが来ているわよ~」

 

と、秋山のお母さんが何やら意味を含めた感じの言い方で秋山にそう言う

 

「お客?・・・・・・あっ!?む、武藤殿!?あれ?髪を切ったのですか?」

 

「ああ、今さっきな・・・・」

 

「そうなんですか・・・・・・あっ!そうだ武藤殿。丁度良かったです!。」

 

「・・・・・・へ?」

 

 

 

 

 

 

「さ、狭いところですがどうぞ。あ、あとこれお茶です」

 

「い、いただきます」

 

俺は今秋山の部屋の中で茶を飲んでいた。当たりを見渡すとそこには戦車のプラモデルやら、ポスター中には戦車の転輪までもが飾ってあった。本当に戦車が好きなんだな・・・・・秋山って

 

「・・・・・で、俺に何か用?」

 

と、俺がそう言うと秋山は急にもじもじし始めた。どうしたんだ?

 

「あ、いえ…その・・・・・非常に言いにくいのですが・・・・」

 

「なんだ?俺にできることなら協力するぞ」

 

俺がそう言うと秋山は俺の顔を見て

 

「武藤殿!私と…付き合って下さい!!」

 

「・・・・・・・・・・えっ!?」

 

俺は秋山の言葉に驚く。つ、付き合う?・・・・い、いったい何を言っているんだ?そのまんまの意味なのか?それとも別の意味の・・・・例えば買い物とかの付き合うとかそう言うのか?

 

「あ、あの・・・・・秋山。付き合うって何をだ?か、買い物とかか?」

 

「いいえ!違います!サンダース大付属への潜入偵察の手伝いをお願いしたいのです!!」

 

ああ。なるほどっそっちの意味での手伝いか・・・・・一瞬驚いたよ。てか必ず会話には主語つけないと誤解されるぞ。

 

「なるほど。潜入捜査に付き合えってか」

 

「はい。少しでも西住殿の力になれたらと思いまして・・・・・・・あの・・・・・ダメですか?」

 

と、秋山は上目遣いで俺にそう言う。秋山は優しいな・・・・・ここは協力しないとな。秋山のためにもみほの為にもな!・・・よしっ!

 

「いいや。ダメじゃないよ。むしろ大歓迎さ。・・・・・・で、いつ行くんだ?」

 

「明日の予定です。ですから今日私は明日に備えていろいろと買ってきたんですよ」

 

と、秋山はリュックからいろいろと出してきた。

 

「え・・・と・・・・コンビニ店員の制服にサンダース大付属の制服。ビデオカメラにロープに段ボール・・・・・・秋山。最後のこの段ボール何に使う気だ?」

 

「はい。隠れるための物ですよ」

 

何処のメタルギアだ秋山は・・・・・

 

「・・・・まあ、良いや。それでそうやっていくつもりだ?・・・・・・・・まさか」

 

「はい、そのまさかです。明日コンビニの定期船に潜り込んでいきます」

 

「なるほど・・・だからコンビニ店員の制服があるわけか・・・・というより秋山。この制服どっから持ってきたんだ?」

 

「ああ、それは秘密です。武藤殿」

 

「そうか・・・・それは残念だ。それとなんだが秋山。お前、その後サンダースの生徒に成りすましていく気か?」

 

「はい。もちろんです」

 

と、秋山はまるでピクニックの日の前夜のようにはしゃぐ子供みたいにうきうきしていた。だが

 

「あ、あのな・・・・・秋山。別にそんなことしなくてもものすごく簡単にサンダース大付属に入れる方法はあるぞ」

 

「・・・・・・・・え?」

 

「ちょっと待ってろ」

 

その後、俺は携帯を取り出し、あるとこに電話をかけるのであった。

 

義弘は生存させる?

  • 生存しない
  • 生存させる
  • 生存するが長くは持たない
  • 死ぬが転生する
  • どっちでもいい

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