ガールズ&パンツァー~黒森峰からやってきた狼~   作:疾風海軍陸戦隊

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勧誘です

「君には戦車道を取ってもらいたいんだよ。武藤義弘君?。いや、この場合、元黒森峰中等部戦車道のエース。「黒狼」って呼べばいいのかな?」

 

「っ!?」

 

義弘は自分のかつて黒森峰でのあだ名を目の前にいる角谷杏に言われて驚くのだった。

 

「それにしても驚いたよ。君があの伝説の戦車乗りだったなんて。調べるの大変だったんだよ。名字も変わっていたし新聞や学園内でも名字で呼ばせていたから名前を調べて知った時は驚いたよ。まさかあの黒狼が男だったんだからね~」

 

と、角谷は淡々と言うが

 

「失礼ですが、人違いではないでしょうか?私はそのようなもの知りませんし、それに、黒森峰は確か女子高だったはずでしょ?それに俺は男ですよ?なぜ男である俺が黒狼なんですか?」

 

義弘はとぼける

 

「なっ!貴様嘘を言っても無駄だぞ!この写真が何よりの証拠だ!」

 

と、河嶋は義弘の前に新聞を出す。その一面には「黒森峰最強神話誕生!!」と書かれていた。その見出しの写真にはその隊長である西住まほが写っていた。その後ろに少女と話し合っている自分も写っていた

 

「この写真が何ですか?この写真に写っている人は私と別人でしょう。いわゆる他人の空似です」

 

なおもとぼける義弘。その言葉に河嶋は・・・・

 

「なっ!貴様。まだとぼけるか!」

 

「とぼけるも何も。それに仮にその伝説の戦車乗りが俺だとして、戦車道にいれてどうする気ですか?それになぜ、いきなり戦車道を?会長が祭り好きなのは知っていますが、なぜ戦車道を復活させるのですか?」

 

「それは、言えないんだよな~。でも君が戦車道に入ってくれたらうれしんだよね~」

 

「なぜですか?戦車道は女性の武道・・・」

 

「でも、男性がやってはいけないというルールはないんだよね~それに君があの伝説の戦車乗り「黒狼」こと”高杉義弘”っという人物が大洗にいるという情報、黒森峰の中学の時の知り合いから聞いているんだよね~。だからどうとぼけても無駄だよ高杉君。」

 

この時、義弘はこう思った「この会長・・・・何をとぼけても無駄だと」。義弘はため息をつきそして

 

「・・・・確かに会長のおっしゃる通り、俺は黒森峰にいました。それとその名字で呼ぶのはやめてください。その名は3年前に捨てたので、今は武藤でお願いします」

 

「そうか。じゃあ、改めて武藤君。君には戦車道を取ってくれないかな?」

 

「お断りします」

 

「なっ!貴様!!」

 

義弘が角谷の申し出を断り、それを見た河嶋は義弘に怒鳴ろうとしたが・・・

 

「まあ、まあ、河嶋落ち着いて。ごめんね~河嶋はちょっと気が短いんだよ」

 

と、角谷が河嶋を抑える

 

「・・・で、なんでいやなの?戦車道を取ればいろいろと特典が付くんだよ?」

 

「その特典当てましょうか?干し芋三日分ですか?」

 

「あれ?君ってエスパー?」

 

本当に干し芋三日分かよ!

 

「会長が干し芋好きなのは知っていますから。それに今会長が食べている干し芋は巷ではなかなか食べられない最高級干し芋でしょ?」

 

「君はシャーロックホームズかな?それはともかく特典は干し芋だけじゃないんだよ。他にも200日間連続で遅刻しても全部パーにしてもらえるし、単位は普通授業の3倍貰えるし、極め付きには学食の食券100枚プレゼントする予定だよ~」

 

「随分と無理に出しましたね。会長‥‥何か隠していませんか?あなたともあろう人がこんな無茶な特典を付けてまで戦車道の履修者を集めようとする。これはただ事じゃないと思いますが・・・・」

 

義弘は目を細め角谷を凝視する。

 

「いや~先ほども言った通りこればっかりは言えないんだよね~ここは上の事情ってことで、取り敢えずここは、納得してもらえないかな?」

 

と頬を掻きながら角谷はそう言う。その時、義弘は角谷は笑ってごまかしているがその眼は何か真剣というか何か大事なことを抱え込んでいるというのに気が付く。

 

「・・・・・分かりました。これ以上の詮索はしません。ただ、戦車道を取るか否かもう少し考えさせてくれませんか?こっちもいろいろと混乱していますし」

 

「うん。いいよ。無理言ってごめんね武藤君」

 

「いいえ、こちらこそありがとうございました会長。では失礼します。副会長さん。お茶美味しかったです」

 

そういって、義弘は部屋を出ようとしたが何か思い出したのか立ち止まる

 

「どうしたの武藤君?」

 

副会長である柚子が心配そうに見る。

 

「あ、あの・・・・すみません。授業さぼりの始末書ってどこですか?」

 

義弘がそういうと角谷除く2人が少しコケて苦笑する。すると角谷は干し芋を食べながら

 

「ああ、そのことは良いよ。今回は見逃してあげるから。それじゃあ、武藤君。先生に見つからないように頑張ってね~」

 

「・・・・・感謝します会長」

 

そう言って義弘は生徒会屋を出たのだった。

 

「会長。いいんですか?言わなくて。もしいえば彼は協力してくれたかもしれないんですよ?」

 

「うん。そういう手もあったよ。でもね河嶋。私はそんな手をしてまで彼に戦車道を取ってほしくないし、逆に彼に重い責任を背負わせてしまう。そんなこと私はさせたくないよ」

 

「ですが、彼が協力してくれなければ私たちの学校が・・・」

 

「気持ちはわかるよ河嶋。でも彼にはのびのびとやってもらいたいからね」

 

「でも会長。彼は協力してくれるんでしょうか?」

 

「大丈夫だよ。小山・・・・彼はきっと協力してくれるはずだよ・・・・」

 

そう願う角谷であった。

 

 

 

 

 

「・・・・・・・戦車道っか・・・・」

 

一方授業も終わり学校から帰ってきた義弘は私服に着替え、机に座り物思いにふけっていた。そして、かつて黒森峰時代の写真を見て、

 

「俺なんかが、またあの世界に踏み込んでいいのか・・・・」

 

そう悩むのであった。そして義弘は壁に掛けてある襟に白い文字でssと書かれたかつて自分が着ていた黒森峰の戦車服を見るのだった。

 

 

 

 

 

そしてそれから数日後、彼はこの後思いもよらぬ相手と再会するのだった。

 

 

 

 

 

 

義弘は生存させる?

  • 生存しない
  • 生存させる
  • 生存するが長くは持たない
  • 死ぬが転生する
  • どっちでもいい

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