ガールズ&パンツァー~黒森峰からやってきた狼~   作:疾風海軍陸戦隊

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初戦の戦い、地獄のホットライン

試合開始の合図とともに両校の戦車は動き出した。そしてそれを観客席で見ている者たちがいた。普通観客席の後ろにある丘の上にジャーマングレーの制服を着た二人の少女が試合画面のモニターを見ていた。その二人とは黒森峰隊長でありみほの姉である西住まほと義弘とみほの親友であり現代黒森峰副隊長である逸見エリカであった。

 

「始まりましたね…………」

 

「ああ、そうだな…………」

 

エリカの言葉にまほは頷く

 

「どちらが勝つと思いますか?」

 

「わからない・・・・・勝負とはいつどんな事が起きるかわからない。自分より数の多い相手が絶対に勝つとは限らない。それはお前自身がよく知っているはずだ」

 

「はい・・・・・」

 

そう言い二人はモニターを再び見る。そこにはみほとそしてその隣にいるパンターのキューポラから体を乗り出している義弘の姿があった

 

「(みほ・・・・・義弘・・・・)」

 

その様子をエリカは複雑そうなそして心配そうな目で見るのであった。そしてまほもモニターに映っている自分の妹の姿を見て無表情ながらも心配そうな顔で見るのであった。

 

一方、まほたちがいる丘とは別の所では

 

「始まりましたねダージリン様」

 

「ええ、そうねペコ」

 

と、ダージリンとペコが紅茶を飲んでモニター画面を見る

 

「さて・・・義弘さん。みほさん・・・・どんな戦いをしてくれるのでしょうか・・・」

 

と、ダージリンは紅茶を一口飲み試合を写すモニター画面を見るのであった。

 

 

 

とうとうこの時が来た。戦車道全国大会一回戦。相手はサンダース大付属のケイ率いるシャーマン軍団だ。シャーマンは第二次大戦の時で連合軍を支えた故障率の少ない信頼性の高い戦車で戦後でも改良され中東戦争まで戦い抜いたまさに名戦車の一つだ。いくら攻撃力の高い三突やパンターがいてもまともに真正面で戦えばまず勝てない。しかも相手は10輌。大してこちらは6輌。数や性能的バランスはサンダースの方が勝っている。

だが、勝負って言うのは数や戦車の性能で決まるものではない。勝敗の決め手は指揮官の能力もそうだがやはり戦車を操る技量と何よりみんなで連携するチームワークだ。一人だけ技術の高いものがいてもチームワークが取れてなければ絶対に試合には勝てないしそれどころかかえって大きなミスをしたり士気が下がったりするときがある。

まあ、とにかく勝負の勝敗は数や性能だけじゃないってことだ。

 

『説明した通り、相手のフラッグ車を戦闘不能にした方が勝ちです。サンダースの戦車は攻守共に私たちより上ですが落ち着いて戦いましょう! 機能性を活かして常に動き続け敵を分散させてカバさんチームⅢ突またはオオカミさんチームのパンターの前に引きずり込んでください』

 

『はいっ!!』

 

と、みほが無線でそう言いみんなが元気よく返事をする。因みにオオカミさんチームって言うのは俺たち黒狼のことだ。てか、みほもだんだん昔のように凛々しい感じになって来たな・・・なんか久しぶりに見る。そして俺は黒狼の基ドイツ式軍帽を深くかぶり

 

「さて・・・・・敵さん。どう動くかな?」

 

 

 

 

 

 

「前進前進!ガンッガン行くよ~~!でもパンターの狙撃には気を付けてね」

 

一方その頃ケイ率いる10両のシャーマン軍団は荒野地帯を文字通りガンガン進んで敵の索敵をしていた。そして別の場所で前進する大洗女子も同じく相手の動きを探っている。するとみほが

 

「ウサギさんチームは、右方向の偵察をお願いします。アヒルさんチームは左方向を」

 

『了解しました!』

 

『此方も了解!』

 

みほが言うと、澤や磯部さんが返事をする

 

「我々あんこうとカバさんチームそしてオオカミさんチームはフラッグ車であるカメさんチームを守りながら前進します!」

 

「了解!」

 

「あのチーム名は何とかならなかったのか?」

 

そう言いみんなが返事をする中カメさんチーム言38tに乗っている河嶋さんはどこか不満げだった。どうやらみほの名付けたチーム名が気に入らないらしい。俺はというとみほらしくて可愛いと思う。すると角谷さんが

 

「良いじゃん、可愛いし」

 

とそう言ってフォローする。。そして・・・・

 

「それではみなさん。パンツァー・フォー!!」

 

みほの号令によりアヒルさんとウサギさんが左右に分かれ相手の斥候に行った。果たしてうまく相手を見つけられるか・・・・・

 

 

八九式が左方向を偵察している中、右方向の偵察に行ったうさぎさんチームの乗るM3は森の中を進んでいた

 

「ムシムシするぅ~」

 

「暑い~クーラー欲しいよ~」

 

と、優季と坂口がそう言う。まあ二人がそう言うのもわかる。今この会場の気温は真夏と同じ、しかも湿気が高いからまるでサウナに入っているような感覚だ。だが、もちろん戦車の中には空調なんて便利な代物はない。現代の戦車はどうだかは知らないがな。まあとにかく、真夏同様の暑い気候の上に鉄の装甲に覆われた戦車の中はサウナ風呂と同じだ。そんな中、車長である澤はキューポラから顔を出してあたりを見渡す。すると・・・・

 

「静かに!」

 

と、沙和がそう言うとM3は止まり、双眼鏡で周囲を見回す。すると森の向こうから二両のシャーマンがいた。それを見た梓は無線で連絡する

 

「此方、B085S地点にて、シャーマン2輌を発見。これから誘き出します」

 

そう言い誘いだそうと動き出した瞬間、すぐ真横の砲弾が着弾する。梓が慌てて砲弾が飛んできた方を見るとそこには4両のシャーマンがこちらに迫って来た。それを見た澤はすぐに無線を取り

 

「シャーマン6輌に包囲されました!」

 

と、そう叫ぶと無線からみほがまず澤を落ち着かせ、そして指示を出す。

 

『ウサギさんチーム、南西から援軍を送ります! アヒルさんチーム、オオカミさんチーム!ついてきてください!』

 

「はい。了解しました!桂里奈!」

 

「あいっ!」

 

梓の指示で、坂口がM3を急発進させその場を脱出しようとするのであった。

 

 

 

 

 

 

『シャーマン6輌に包囲されました!!』

 

『わかりました。ウサギさんチーム、南西から援軍を送ります! アヒルさんチーム、オオカミさんチームついてきてください!』

 

『はい!了解しました!桂里奈!』

 

『あいっ!』 

 

そう言うと梓からの無線が切れた。すると・・・・

 

「ねえ、義弘。これちょっとおかしいと思わない?」

 

「篠原もそう思うか?」

 

「ええ、いくら何でも澤が見つけてすぐに相手の車輌4両来るのはいくらなんでも早すぎる。まさか相手の斥候が先に私たちを見つけていて待ち構えてたのかしら?」

 

「わからない。とにかくウサギさんチームが危ない。服部さん!」

 

「はい。わかりました!」

 

俺の言葉に操縦手の服部さんが頷き俺とみほとアヒルさんチームはウサギさんチームのいるエリアへと向かうのであった。一方6両のシャーマンに追いかけられているウサギさんチームは必死に逃げていた。そして37㎜砲塔を相手側に回転させた

 

「ちょっと!付いてこないでよー!」

 

「エッチ!」

 

「ストーカー!」

 

「これでも喰らえ!」

 

そう言い37ミリ砲弾を放つが砲弾はシャーマンに当たらず大きくそれた。まあ仮に当たったとしても37ミリ砲弾じゃあ、シャーマンの前面装甲は抜けない。そして先頭のシャーマンに乗っていたケイは

 

「アハハハハッ!全然当たらないよー!」

 

と、両手を大きく振り笑いながらそう言う。すると6両のシャーマンがさっきのお返しとばかりに一斉砲撃をする。 

 

 

 

一方、陸の上で見ていた。聖グロリアーナ女学園のダージリンとオレンジペコは

 

「さすがはサンダース、数にものを言わせた戦い方をしていますね」

 

と、ペコが真剣な顔でそう言うと紅茶を飲んでいたダージリンが

 

「ペコ。こんなジョークを知っていて?アメリカ大統領が自慢したそうよ、我が国には何でもあるって、そうしたら、外国の記者が質問したんですって」

 

「・・・・・なんて質問したのですか?」

 

「ええ、その記者はこう言ったのよ。…………『地獄のホットラインもですか?』ってね」 

 

「は、はい?」

 

ペコが首をかしげる中ダージリンはまた紅茶を飲み、

 

「(さて、みほさんと義弘さんはサンダースの怪しい行動に気付くのか・・・・・見ものですわね・・・・・いえ、絶対に気付くでしょうね。狼の嗅覚は鋭いですから・・・・・・)」

 

そう言いダージリンは再び画面を見る。一方、黒森峰側もその様子を見ていた。

 

「・・・・・・・」

 

「どうかしたんですか隊長?」

 

映像を見てまほは真剣ながらも少し険しい顔をしていた

 

「エリカ・・・・・サンダースの動き、どう見る?」

 

「え?サンダースの動きですか?そうですね…少し動きが変だと思います。まるで大洗の動きを知っていたかのような・・・・・・・・まさか隊長!」

 

「ああ、そのまさかだと思う。それにエリカ。あそこの方向を見てみろ」

 

ッそう言いまほはある方向を指さす。逸見はまほが指さした方向を見る。するとそこには何かがあった。それを見た逸見は

 

「隊長・・・あれは・・・」

 

「ああ、おそらくあれがサンダースの動きのもとだろう・・・・これを見破れなければ大洗に勝機はない・・・・」

 

と、そう言いまほは画面に映る自分の妹であるみほを見守るのであった。そして逸見も画面に映る幼馴染二人の姿を見て

 

「(・・・・みほ。義弘・・・・頑張りなさい)」

 

そう心でつぶやき彼女もまほと同じくこの試合を見守るのであった。

 

 

ダージリンたちやまほや逸見が見守る中、みほや義弘たちの援軍は周囲を警戒しながらウサギさんチームのいる場へと急いで向かう。しかし、義弘たちが救援に向かう最中、森の奥から3両のシャーマンが現れ、義弘たちも追われる形となっていた。義弘は地図を見て

 

「北東から6輌、南南西から3輌…………この森だけで10輌中9輌を投入か・・・・・ケイも大胆な手に出たな。このまま進むと包囲されるな・・・」

 

と、俺は地図を見ながらそう呟く。すると服部さんが味方の通信を聞き目を丸くし、

 

「武藤さん!先ほどウサギさんチームから6輌から集中砲火を浴びてるとのことです」

 

「回避は?」

 

「包囲されているから停車することも回避することもできないそうです」

 

「と、なるとますますやばいな・・・・・」

 

今の状況、フラッグ車と護衛である38tと三突を除き今の俺たちは敵に包囲されつつある。このままだと本当にまずい。すると

 

『もうすぐうさぎさんチームと合流します!合流した後は南東に向かってください!』

 

「了解!服部さん。南東方向へ進路を変えてくれ!」

 

「了解!」

 

俺がそう指示すると服部さんは頷き進路を南東方向に変えた。そして俺たちは進路を変えて進む。そしてしばらくすると正面にうさぎさんチームのM3の姿が見える。そして向こうも俺たちを見つけると

 

「あっ、せんぱーい!」

 

「はい! 落ち着いて!!」

 

梓がみほたちにそう言うとみほは彼女を安心させるようにそう言う。そして俺たちはすぐさまこのエリアを脱出するべく左方向へと進路を変えた。すると、戦車を操縦していた服部が

 

「武藤さん!左方向に敵戦車二輌接近!!」

 

「なに!?」

 

俺は服部さんの言葉を聞いてその方角を見ると向こう側から2輌のシャーマンが向かってきていた。

 

「回り込んできた!」

 

「どうする!?」

 

「撃っちゃう?」

 

と、梓たち一年生たちやバレー部チームの磯部さんたちがそう驚く中、俺は四方左右囲まれた状態に少し慌てた

 

「おい、おい・・・・嘘だろ?サンダースの連中いつの間に・・・・・いいや、考えるのはあとだ・・・今はこの状況を何とかするのが先決だな」

 

俺がそう呟くとみほから無線が入る

 

『このまま全力で進んでください! 敵戦車と混ざって!!』

 

と、みほがそう言う。つまり敵の砲弾を躱しつつ、敵中突破するっという下手をすれば敵の集中砲火を受けるというリスクもあるが今の状況この方法しか突破口はない。

 

『まじですか!?』

 

『了解です! リベロ並みのフットワークで……!!』

 

それを聞いた坂口は驚きの声をあげたがアヒルさんチーム操縦手の河西は覚悟を決めたのか冷静にそう言う。そして俺は

 

「服部!全速力!!あんこうを守る形で進め!」

 

「はい!」

 

「篠原!機銃掃射で、弾幕を張れ!」

 

「了解!パンターの7・92ミリ弾を喰らえ!!」

 

俺の言葉に篠原と服部は頷き、俺の乗るパンターはみほたちの乗るⅣ号の楯になる形で前に出る。パンターの前面装甲は中戦車ながらもティーガー重戦車と同じ100㎜装甲。しかもT34と同じ傾斜装甲のため無印しかも初期型のシャーマンの75㎜砲じゃあ、そう簡単に貫けない。そして篠原が砲塔についていた機銃を撃って相手の砲撃されないように弾幕を張る。そしてその機銃攻撃で相手が少し驚いたのをみほや俺は見逃さずその隙をついてなんとか相手の包囲網を抜けることが出来た。

 

「何とか抜け出せたね。義弘」

 

「ああ・・・・・それにしてもサンダースの行動・・・・やっぱりおかしい。あの動き斥候とかでの知らせで動いているにしては早すぎる。まるで初めから俺たちの動きを知っていたみたいな動きだったな・・・・」

 

「そう言えば確かに変ね・・・・どこかで盗み聞きでも・・・・・・」

 

俺と篠原がそう言うと二人の脳裏にあることが浮かぶ・・・・

 

「おい、篠原まさかと思うが・・・・」

 

「そのまさかと思うわね・・・・・」

 

そう言い俺はパンターのキューポラから顔をのぞかせ上空を見渡す。すると空の上に小型の気球が浮かんでいた。それを見た俺はキューポラから顔を戻し席に座る

 

「どうだった?」

 

「ああ、予想通りだ。通りでこっちの動きがわかるわけだよ・・・・」

 

「ケイの指示かしら?」

 

「いや、あのフェアプレー精神の塊の彼女がこんな卑劣な指示を出すわけがない。恐らく誰かの独断の行動だろう」

 

「そう・・・・・確かににそうね・・・・で、どうする?このことをケイに抗議する?」

 

「いや・・・・・まずこのことをみほに報告しよう。いいことを思いついた」

 

そう言い俺は無線機ではなく携帯電話を取りみほの携帯番号をかける。すると

 

『もしもし?』

 

「ああ、みほ。聞こえるか?」

 

『え?義弘君。どうかしたの?もしかしてサンダースの動きに気付いたの?』

 

「ああ、さっきまでは向こうの斥候が優秀だと思っていたが、あまりにも動きが速すぎるから変だと思ってな。それで上を見たら案の定無線傍受機が打ち上げているのに気が付いてな・・・・で、そのことについてだが、ちょっと作戦会議できないか?」

 

「え?うん。いいけど』

 

と、その後、俺の乗るパンターとみほの乗るⅣ号はすぐそばにあった茂みの中に入りサンダースが打ち上げた傍受機についての対策会議をするのであった。

 

 

 

義弘は生存させる?

  • 生存しない
  • 生存させる
  • 生存するが長くは持たない
  • 死ぬが転生する
  • どっちでもいい
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