ガールズ&パンツァー~黒森峰からやってきた狼~   作:疾風海軍陸戦隊

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追いかけっこです!

ケイたちがアリサの所に向かっている最中、アリサたちの乗るM4A1戦車はみほたちの乗る大洗チーム本隊に追われていた。そして激しい砲撃音の中、その様子を観客席で見ていたまほとエリカは

 

「どうやら状況が変わったな」

 

「はい。いろんな意味で予想外です。それに、義弘の陽動に攻撃の腕、昔のまんまです」

 

「ああ、義弘は隠密奇襲戦法が得意だったからな・・・・・」

 

とエリカとまほは無表情で試合を見ていた。

 

 

 

 

まほたちが試合を見る中、別の観客席では

 

「はい。まさかこんなことになるなんて。これはある意味、予想外の展開ですねダージリン様?」

 

「ええ、そうねペコ。ふふ・・・それにしてもまるで鬼ごっこね・・・でもこれが勝負の面白い所ね」

 

と、紅茶を飲み微笑むダージリン。そしてまた別の場所では

 

「アッハハハハハハッ!新鮮で良いわ!こんな追いかけっこは初めて見るわね!」

 

と、戦車道大会運営会場の広場で日本陸上自衛隊最新鋭戦車10式戦車のキューボラの上で胡座をかいて座る蝶野が、豪快に笑いながら言った。そして

 

「それにしても武藤君と篠原さん。腕は昔と変わらないわね。・・・・」

 

と、微笑んでその試合を見るのであった。

 

 

 

 

 

一方、大洗本隊に追われるサンダースフラッグ車であるM4a1の車内では・・・・・

 

「こ、このタフなシャーマンがやられる訳がないわ!」

 

と激しい砲撃音と揺れの中アリサがそう言い

 

「な、何せ!5万輌も造られたと言う大ベストセラーよ!丈夫で壊れにくいし、おまけに居住性も高い!馬鹿でも扱える程操縦が簡単で、馬鹿でも分かるマニュアル付きよ!そして戦後でも使い続けられてきたまさに名戦車なのよ!!」

 

と、完全にパ二クッてなぜだか自分の乗る戦車のプロフィールをしゃべり始める。確かにM4は戦後しばらく使われた戦車だが、今は試合とはなんも関係ない

 

「あ、あのアリサさん!お言葉ですがそれ自慢になっていません!!」

 

「うるさいわよ!ちょっとあなた!早く装填して!!」

 

「は、はい!?」

 

と、砲手の子がそう突っ込むがアリサが怒鳴り返し、そして装填手の子に装填を急がせるように言う。そしてアリサはスコープで追いかけてくる大洗の戦車を睨み

 

「なんで私たちがあんなド素人集団に追いかけられなければならないのよ!其所、右!私達の学校は、アンタ達のような連中とは格が違うのよ!撃てぇ!!」

 

と、そう指示しM4から砲弾が放たれるがあっさりと躱されてしまう。それを見たアリサは

 

「なんなのよ、あの戦車!的にすらならないじゃない!当たればイチコロなのに!修正、右に3度!!それと装填急いで!!」

 

と、砲手の子に指示し装填手の子は何やら落ち込みため息をつきながら砲弾を取る。

 

「ホントに何なのよあの子達は!?こんな場所にノコノコやって来て、どうせ直ぐ廃校になる癖に!さっさと潰れちゃえば良いのよ!それに何なのよ!あの男女!あいつが黒狼って黒狼てもう過去の戦車道伝説に出てくる人間でしょ!?過去の人間なら過去の人間らしく、復活しないで隠居生活を楽しみなさいよ!!」

 

と、まるで子供みたいに喚き散らすアリサに車内の乗員は深いため息をするのであった。そしてアリサの乗るシャーマンを追いかけるみほたちは、M4A1の砲塔のハッチから、アリサが自分達に向かって何かを叫んでいるのを見ていた。

 

「何か喚きながら逃げてます?」

 

「う、うん・・・・・・沙織さん。オオカミさんチームの方はどうですか?」

 

「うん。さっき静ちゃんからメール来たけど。相手の車両を1両撃破したって。それで相手を振り切って今こっちに向かってるそうだよ」

 

「わかりました」

 

と、そう言いみほは無線を取り

 

「敵フラッグ車との距離、徐々に縮まっています!現在の距離は、約600メートルです!60秒後、順次発砲を許可します!前方に上り坂。迂回しながら目標に接近してください」

 

と、そうみんなに指示すると無線から返事が聞こえ、全車フラッグ車であるM4に狙いを定めるのであった。

 

 

 

 

そして、アリサの方は・・・・

 

「なんでタカシはあの子が好きなの?どうして私の気持ちに、気づかないのよぉーっ!!」

 

と、完全に精神崩壊を起こし、試合とは関係のないことを口走っていた。そして車内でも乗員たちは最早諦めムードとなっていた。すると、その時試合会場である野原に激しい砲撃音が鳴り響いた。それはアリサたちを追いかけている大洗の車両の砲撃音ではない。その音を聞いたみほは

 

「この音・・・・・・もしかして」

 

「はい、ファイアフライの17ポンド砲の音です!」

 

秋山の言葉にみほは頷きキューポラから顔を出して、小高い丘の上で砲口から白煙を上げているファイアフライと、此方に向かってくる5輌のシャーマンの姿があった。

 

「なんかやばい音だったけど大丈夫なの?」

 

「大丈夫、距離は約5000メートル。ファイアフライの有効射程は3000メートル、まだ余裕があります!」

 

と、みんなにそう無線で言うが、サンダース1の狙撃手が到着したことにより大洗はこれから苦戦することになるのであった。そして味方が到着したことを知ったアリサは

 

「来たぁぁぁぁーーーーッ!!!」

 

と、歓喜の声をあげそして今まで落ち込んでいた砲手や装填手の子たちとハイタッチをする。そして

 

「よおぉーし!!こうなったら百倍返しで反撃よ!!」

 

味方の到着によりアリサたちは元気を取り戻し大洗へ砲撃を始める。そして後ろではサンダース本隊も砲撃し挟まれた状態になっていた

 

「どうする?みぽりん!」

 

武部が声を上げるとみほは他のチームへと指示を飛ばした。

 

 「ウサギさんとアヒルさんチームは、カメさんを守りながら後方の相手をお願いします!我々あんこうとカバさんでフラッグ車を狙います!」

 

その指示を受け、カメさんチームの38tを中心とし他の4両が守る輪形陣の形となる

 

「今度は逃げないから!」

 

「「「「「うん!」」」」」

 

M3車長の梓が言うと、他のメンバーも一斉に返事を返す。そして三突ことカバさんチームでは

 

「この戦いは、まるでアラスの戦いに似ている!」

 

「いやいや、甲州勝沼の戦いだろう」

 

「いや、天王寺の戦いで決まりだな」

 

「「「それだぁッ!!」」」

 

と歴史上有名な戦いをたとえ話をしている。そしてフラッグ車である38tことカメさんチームでは

 

「ここで負けるわけにはいかんのだ!」

 

と、砲手の河嶋さんがそう言い発砲するが砲弾は大きくそれて着弾する

 

「モモちゃん・・・当たってないよ」

 

「うるさい!!」

 

小山さんが苦笑してそう突っ込むが河嶋さんはそう言う。そして角谷さんは

 

「いや~壮絶な撃ち合いだね~」

 

と、干し芋を頬張りながら呑気にそう言うのであった。

 

 

 

 

そして義弘たちはというと

 

「車長!サンダースの本隊が味方本隊に合流した模様です!」

 

「まずいな・・・・・相手に進路をばれないように迂回しすぎたのが仇になったか。服部さん。本体とあと何分で着ける?」

 

「はい。今の速度だと10分くらいで着きます」

 

「全速力だとどのくらいだ?」

 

「はい。大体5分くらいかと。でもエンジンが・・・・・」

 

「かまわない。責任は俺が取るからエンジンぶっ壊れる覚悟で全速力で頼む!」

 

「了解しました!」

 

と、そう言い義弘の乗るパンターは全速力で大洗の皆のいる地点へと向かうのであった。

 

 

 

そして一方、試合勘席では

 

「大洗ピンチですね。黒狼がいてもきついかもしれません」

 

とペコが真剣そうにそう言うとダージリンが

 

「ねえ、ペコ知っているかしら?サンドイッチはね、パンよりもキュウリの方が美味しいの」

 

「はい?それはどういう意味ですか?」

 

「挟まれている方が、良い味出すのよ。それにまだ彼女たちは終わっていないわ。彼女ならきっとこのピンチを乗り切ることが出来ますわ。それに大洗にはまだ狼が遠吠えの声をあげていませんし」

 

「え?それは・・・・・・」

 

と、ダージリンの言葉にペコは首をかしげるのであった。

 

 

 

 

 

一方、大洗女子ではナオミの乗るファイアフライの狙撃によりフラッグ車の防衛に当たっていた八九式とM3リーが撃破されていた。そして、だんだんとサンダースの砲撃が激しくなり、大洗が全滅するのはもはや時間の問題となっていた。それを見たアリサは

 

「ほ~らやっぱりみなさい!あんたたちは蟻よ蟻!!あっさりと像に踏みつぶされるのが運命なのよ!!」

 

と、完全に調子づいてそう言うアリサ。そして大洗チームはこの状況の中あきらめムードとなっていて三突では

 

「まるで、弁慶の立ち往生だな…………」

 

「どんなに足掻いても、最早これまでか…………」

 

「蜂の巣に、されてボコボコ、さようなら」

 

「辞世の句を詠むな!」

 

 と、そう言いすっかり織り込みそしてフラッグ車である38tでは

 

「もう、ダメだ…………何もかもが終わりだ…………」

 

と、河嶋さんが顔を青くし絶望した表情でそう言う。激しい砲撃音と衝撃が大洗の士気をどんどん落としていく。そんな中、Ⅳ号の中にいる無意識のうちに震えていた左手を右手で握る。そして・・・・

 

「(どうすればこの状況を打開できるの・・・・どうすれば・・・)」

 

みほがそう考えている中

 

「もらった!」

 

と、ナオミの乗るファイアフライが38tに向かって17ポンド砲を発射した。そして砲弾はどんどん38tに迫ってくる

 

「しまっ!?」

 

それを見たみほは目を見開いた。これで38tが撃破され試合は終わった。その場にいたみんながそう思った時、ファイアフライの砲弾は38tに当たる前につんざくような音とともに爆発を起こした。そして38tは砲弾が当たることもなく無事に走るのだった。

 

「なっ!?」

 

「ホワイッ!?」

 

砲弾が空中爆発を起こしそれを見たケイはもちろん17ポンド砲を発射したナオミも驚いていた。そしてみほたちも

 

「あの風を斬り裂くような砲撃音は・・・・・・・」

 

「はい!この音はパンターです!!」

 

と秋山がそう言った瞬間、通信が入ってきた。

 

『どうやら間に合ったみたいだな』

 

「義弘君!」

 

と、その声とともに義弘の乗るパンターが現れるのであった。

 

義弘は生存させる?

  • 生存しない
  • 生存させる
  • 生存するが長くは持たない
  • 死ぬが転生する
  • どっちでもいい
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