ガールズ&パンツァー~黒森峰からやってきた狼~   作:疾風海軍陸戦隊

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一回戦の勝利と道です!

「一同、礼!」

 

『『『『『『『『ありがとうございました!!』』』』』』』』

 

と、試合が終わり大洗、サンダースの戦車道チームは、互いに並んで礼を交わす。その次の瞬間には、観客席から盛大な拍手が上がる

 

「すごい拍手だな・・・・・」

 

「うん。私もこんなにすごい拍手初めてだわ」

 

と、義弘や篠原がそう呟く中、みほたちも

 

「す、凄い拍手ですね…………」

 

「勝った~」

 

と五十鈴さんがそう呟き武部は嬉しそうに背伸びをしてそう言う。そして秋山が

 

「シャーマン相手に勝てるなんて、夢のようです~」

 

と、うれし泣きをしていた。まあ、気持ちはわからんでもない。するとメールの着信音がなり俺はそれを取ると

 

『とりあえず一回戦の勝利おめでとう。でもこれはまだ始まりに過ぎないから次の戦いも気を引き締めてね。逸見エリカより

追伸:べ、別に心配しているわけじゃないから、そこは勘違いしないでよね』

と、書かれていた

 

「まったく。エリカは相変わらず素直じゃねえな・・・・・まっ、それがあいつらしいところなんだけどな」

 

と、そう呟くと

 

「義弘君・・・・」

 

と、みほがやってきて

 

「ありがとね、励ましてくれておかげで勝てたよ」

 

「励ます?何のことだ?」

 

「え?」

 

「俺はただ思ったことを口にしただけだ。それにあの試合で勝てたのは俺の言葉じゃない。みほたちが最後まであきらめずみんなを励ましそして一致団結してやった結果だ。だから俺はお礼を言われることは一つもしてねえし、フラッグ車を撃破したのはみほ。お前たちだ。だからお前はいつも胸を張れよ」

 

「義弘君・・・・・・ありがとう」

 

と、みほは顔を赤くし嬉しそうに微笑む。すると・・・・

 

「へい!ブラッキー!!」

 

と、そこへケイさんが手を振ってやって来た。

 

「よお、ケイ」

 

と、俺も手を振るとケイはみほの方を見て

 

「ねえ、ブラッキー?この子が大洗の隊長さん?」

 

「ああ、こいつが大洗学園戦車道隊長の西住みほだ」

 

「どうも初めまして・・・」

 

と、みほは挨拶するとケイは目を丸くし

 

「みほ・・・・・ねえ、ブラッキー。もしかして昔、私に話していたみほって・・・」

 

「ああ、あのみほだよ」

 

「Howett!?この子が!?」

 

「えっと・・・・あの?」

 

ケイが驚き、みほは何が何だかわからないという顔をするとケイが

 

「あなたの話は黒森峰時代のブラッキーからよく聞いたわよ!そっか~あなたがブラッキーのフィア・・・・・」

 

「あわわ///!」

 

「ケ、ケイさん!!」

 

と、ケイさんが何か言おうとしたとき俺とみほは慌ててケイの口をふさぎ

 

「ケイさん。それはし~!!それにもう昔の話なんで」

 

「そ、そうです!よ、義弘君とは友達ですから!!」

 

と、顔を真っ赤にしてそういう二人にケイさんは

 

「おっと、ソーリ~。確かにあまり相手の過去のことを話すのはルール違反ね。・・・・・こほん。さて、みほ、ブラッキー。さっきの戦いのことなんだけど・・・・」

 

と、そう言うとケイさんは二っと笑い

 

「エキサイティーングッ!!」

 

「はわわっ!?」

 

「おろっ!?」

 

そう言いいきなり抱き着き俺とみほは驚いて目を点にし驚く。

 

「こんな試合が出来るとは思わなかったわ~~っ!!」

 

と、嬉しそうに声をあげ、さらに強く俺たちを抱きしめる。しばらく俺たちを抱きしめた後ケイさんは腕を離しみほの肩をポンポン叩く。するとさっきまで目を点にしていたみほは我に返りそして・・・・

 

「あ、あの・・・・・」

 

「なに?」

 

「あ、あの・・・・・何で6輌残っていたのに5輌で来たんですか?」

 

「ああ、あれね一つは残り一両がブラッキーの砲撃で履帯が切れちゃったからそれを直していたからよ。でも、たとえ履帯がやられてなくても私は貴女達と同じ車両数の戦車だけ使っていたでしょうね」

 

「え?ど、どうして…………?」

 

みほがそう言うと、ケイは微笑み、そして両腕を天高く上げて

 

「That's 戦車道!これは戦争じゃない。道を外れたら、戦車が泣くでしょう?」

 

と、そう言うとみほは嬉しそうな顔をし、そしてケイは少しばつそうな顔をし

 

「無線傍受で盗み聞きなんて卑怯な手を使って悪かったわね。ごめんね」

 

そう言いケイさんは頭を掻きながら俺たちに謝る。するとみほは

 

「い、いえ。もし全車両で来られたら、間違いなく負けてました」

 

そう言うとケイは手を差し出し

 

「でも勝ったのはあなた達よ」

 

「あ…………ありがとうございます!!」

 

ケイが差し出した右手を、みほは両手で取って握手を交わす。そして手を離すと、ケイは俺のほうにも握手を求め、

 

「ブラッキー、今回も負けちゃったけど、次こそは必ずリベンジするわ」

 

「ああ、その時はまた返り討ちにするよ」

 

と、そう言い二人は笑いそして握手を交わす。

 

「あ、あのさ、ケイ」

 

「何ブラッキー?」

 

「通信傍受をした子のことなんだけどさ」

 

「アリサのこと?」

 

「ああ、できればあまりきつく叱らないでやってくれ。やり方は間違っていたけど、彼女は彼女なりにお前を勝たせたかったんだからさ」

 

と、そう言うとケイは

 

「まったく、ブラッキーは本当にお人好しね。まあ、そこがあなたのいい所なんだけどね。OKわかったわ」

 

いや、いや、人がいいってあなたほどじゃないと思うんだけど・・・・俺がそう思っているとケイは二っと笑い

 

「えいっ♪」

 

「え?うわっ!」

 

と、いきなり引っ張られ義弘は態勢を崩すとケイは義弘の頬にキスをするのであった

 

「おろ!?」

 

「なっ!?」 

 

「「あー!!」」

 

そのことに俺は目を丸くし、その場にいたみほやアンコウチームの皆は顔を赤くする。え?何?何が起きたんだ?俺が混乱していると

 

「じゃあねブラッキー♪また会いましょうね」

 

と、そう言いケイは仲間のもとへ帰るのであった。

 

「い、いったいなんだ。なあ、みほ?」

 

と俺がみほの方を向くと

 

「知らない」

 

と、なぜは頬を少し膨らましてプイッと顔を背けるのであった。あれ?なんか俺怒らせるようなことしたかな?

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

そして一方、ケイはしょげているアリサの肩に手を置き

 

「アリサ・・・・・今回はたっぷり反省会っといいたいけどブラッキーに免じて30分だけするからね」

 

と、そう言い先ほどまで青ざめていたアリサの顔は若干和らいだが、まだ顔を青ざめていた。そして隣にいたナオミは

 

「まあ、自業自得だアリサ・・・・」

 

と呆れたように溜め息をつきながら彼女の頭をポンポンっと励ますかのように叩くのであった。するとアリサはナオミを見て

 

「ナオミ・・・・・その手に持っているのは?」

 

「ああ、これか?サインだよ。篠原道子の」

 

「篠原って・・・あの黒狼の砲手の?」

 

「ああ、私の憧れの砲手だ」

 

「あんたあいつに負けて悔しくないの?」

 

「悔しいさ。上には上がいるって言うのを改めて思ったよ、だがその時はまた努力して彼女より強くなってリベンジすればいいだけさ」

 

と、そう言いナオミはそのサインを大事そうに持ち

 

「(道子・・・・そしてブラッキーまた会おう)」

 

そう呟くのであった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

その後の夕方、俺たちは学園艦へ帰っていくサンダースのM4シャーマンを見ていた。夕日に輝く戦車・・・うんやっぱりロマンだな。秋山も俺と同じ思いなのか写真を取りながら幸せそうな顔をしていた。そして武部が

 

「さあて、此方も引き上げるよ!記念にパフェでも食べに行く?武藤のおごりで」

 

「行く」

 

「え!?俺が奢るの!?」

 

「当たり前でしょ!ここは男を見せないと、それに武藤、さっきいい思いしたんだからパフェ奢るぐらい安いでしょ?」

 

「え?いい思いって何が?」

 

「それは自分の心に聞きなさいよ」

 

と武部がそう言う。そしてその場にいたみんなもうんうんと頷く。先ほどから思うのだがケイさんと話した後、妙にみんな冷たいような・・・・・気のせいかな?うん気のせいだ。気のせいでありたい。

 

「・・・・はあ、ま、いいか。財布のお金、足りるかな・・・・」

 

と、俺は財布の中をチェックする。みほが

 

「大丈夫、義弘君?やっぱり私も一緒に払おうか?」

 

「い、いや、だ、大丈夫だ。質素にすれば何とか・・・・・」

 

と、そんな会話をしている時、突然猫の鳴き声が聞こえ始めた。それは冷泉の携帯の着信音だった。

 

「麻子電話が鳴っているよ?」

 

「うん・・・・」

 

そう言い冷泉は携帯を取る

 

「誰からだ?」

 

「・・・・・知らない番号だな。誰だろう?」

 

と、そう言い冷泉は通話ボタンを押す。

 

「はい、もしもし……………………えっ?…………あ、はい」

 

と、冷泉は誰かと話す。すると急に顔色を変えて動揺した表情を見せる。そして冷泉は電話を切ると武部が

 

「麻子、どうしたの?」

 

「いや・・・・・なんでもない」

 

と冷泉はそう言うがその手は震えそして携帯を落とす

 

「大丈夫なわけないじゃない!」

 

と武部が心配そうな顔でそう言うと冷泉は悲しい顔で

 

「・・・・・おばあが倒れて・・・・・病院に」

 

「「「「「!?」」」」」

 

その言葉にみんなが驚き

 

「麻子大丈夫!?」

 

「早く病院へ!」

 

「でもどうやって大洗に・・・・」

 

「学園艦に寄港してもらうしか…………」

 

「撤収まで時間が掛かりすぎます」

 

と、みんながそう言うと冷泉が制服を脱ぎ始めた。それを見たアンコウチームは必死に止める

 

「ちょっと麻子!?何をしているの!?」

 

「泳いでいく!!」

 

「バカ言うな冷泉!ここから大洗まで百キロ以上離れているんだぞ!体力尽きて溺れ死ぬが席の山だ!!」

 

「でも、早くいかないとおばあが!」

 

と、俺の言葉に冷泉が涙目でそういう。すると・・・・ 

 

「私達が乗ってきたヘリを使って」

 

と、後ろから声がし振り向くとそこにはまほさんやエリカがいた。そしてまほさんはエリカの方へ顔を向け

 

「エリカ・・・・」

 

「はい。ほら貴女。時間がないんでしょ?急いで!」

 

と、エリカがそう言うと冷泉は頷きエリカは冷泉を連れてヘリポートへ連れて行く。そしてヘリポートでは黒森峰が所有するフォッケ・アハゲリスFa223 ドラッヘがありエリカが操縦席に乗っていた。エリカ、いつの間にヘリの操縦及び免許を取ったんだ?

 

「エリカ操縦頼むぞ」

 

「はい隊長。ほら、あなたも早く乗りなさい!」

 

と、エリカがそう言うと冷泉は二人に頭を下げて、ドラッヘに乗る、すると・・・・

 

「私も行く!」

 

と、幼馴染が心配なのか武部も付き添いとして乗り込む。そしてそれを見届けたまほさんは後ろを向きそしてそのまま無言で立ち去ろうとする。そしてちょうどみほとすれ違いそうになった時、

 

「お姉ちゃん・・・・ありがとう」

 

と、そう言うのだったが、まほさんは無言でその場を離れる。だがみほの言葉を聞いた時まほさんは口元だけ少しだけ微笑んでいた。そしてまほさんが俺の所へ来た時、

 

「ありがとう。まほ姉・・・・・・」

 

と、そう礼を言うとまほさんは

 

「・・・・・これも戦車道だ」

 

 と、そう言いその場を立ち去り、それと同時に冷泉や武部を乗せたドラッヘは上昇し病院のある大洗へと向い、俺やみほたちはドラッヘがみえなくなるまでその様子を見守るのであった。

 

 

 

義弘は生存させる?

  • 生存しない
  • 生存させる
  • 生存するが長くは持たない
  • 死ぬが転生する
  • どっちでもいい

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