ガールズ&パンツァー~黒森峰からやってきた狼~ 作:疾風海軍陸戦隊
サンダース戦から翌日、俺とみほたちは今とある大きな病院の中を歩いていた。目的は冷泉のおばあさんのお見舞いだ。
「えっと・・・・冷泉さんのおばあさまの病室ってどこでしょう?」
と、きれいな花を持ち奇麗なワンピースを着た五十鈴さんがそう訊くと秋山が
「確か武部殿のメールでは1029号室といっていましたが・・・・」
と、ボーイッシュな服を着た秋山がそう言う1029号室って確か・・・・
「ああ、あの部屋ならそこを曲がってエレベーターの乗って5階ぐらい上がったところにあるぞ」
「え?義弘君。なんでそんなこと知っているの?」
と、みほが不思議そうに俺を見る無論みほだけじゃない。秋山や五十鈴さんも意外そうな顔をしていた
「まあ、この病院には去年世話になったからな・・・・」
と俺は去年のことを思い出してそう言うと秋山が
「そう言えば武藤殿、去年1週間ぐらい学園休んでいましたけど、もしかしてその時に?」
「まあな」
「え!?大丈夫なの義弘君!どこか怪我をしたの!?」
と、みほがすごい剣幕でそういう中、五十鈴さんも
「武藤さん。なぜ病院に?まさかどこかの波止場の銃撃戦に巻き込まれたとか?もしくは二股をして女性に刺されたとか?」
「いや、違うから。どこのヤクザ者とスクー〇デイ〇だ。」
五十鈴さんて、家元のお嬢様のせいなのか、たまに天然っていうかなんというか・・・・ありえない発想を言うな。たまに・・・・・
「じゃあ、なんで病院に?」
とみほがそう訊くと俺は両手を頭につけ
「去年の健康診断にちょっと引っ掛かった。それで検査のやり直しに一時、学校を休んで通院していた。それだけの話だ」
「「「・・・・え?」」」
俺の言葉が意外だったのか三人は目を丸くする。
「なんだよ?俺が重病だったらよかったのか?」
「い、いや別にそんなわけでは・・・・・」
「義弘君。それで検査は?」
「ああ、無事に問題なくなったよ」
「そう。よかった・・・・・」
と、みほは安心してそう言う。そんな話をする中、俺たちは冷泉のおばあさんの病室につく
「ここですね・・・・」
と、五十鈴さんがそう言いドアをノックしようとした瞬間
『もういいから帰りな!!』
「「「「っ!?」」」」
と、ドアの向こうでものすごい怒鳴り声が聞こえる。その言葉に俺はおろかみほたちもびっくりする
『いつまでも病人扱いするんじゃないよ!あたしの事はいいから学校行きな!遅刻なんてしたら許さないよ!!』
とまたドアの向こうから怒鳴り声が聞こえみんなうろたえる秋山に関しては完全にビビっている。そんな中、怒鳴り声はまだ続く
『なんだいその顔?人の話ちゃんと聞いてんのかい!全くお前はいつも返事も愛想もなさすぎなんだよ!!』
『そんなに怒鳴ってるとまた血圧上がるから…』
怒鳴り声が聞こえる中、今度は冷泉の声が聞こえた。どうやらエリカは無事に冷泉を送り届けてくれたんだな。後で礼を言わないと。・・・・
「あ、あの・・・・帰ります?」
いつまでもドアの前でたちつくししていると秋山がそう提案する。どうやらあの怒鳴り声で完全に負けて入る勇気がないらしい。
「秋山・・・・それじゃあ見舞いに来た意味ないだろ?」
「武藤さんの言う通りですここは突撃です!」
と、五十鈴さんが拳をぎゅっと握りそう言う。
「五十鈴殿って肝が据わっていますね・・・・・」
と秋山が感心してそう言うと五十鈴さんはドアを開けてそれに続いて俺たちも入る
「失礼します」
「あ、華!みぽりんにゆかりん、そして武藤も入って入って」
と、そこには武部がいて俺たちを招く。そして冷泉のばあさんが
「なんだい?あんた達は?」
「一緒に戦車道をやっている友達」
「戦車道?あんたがかい?」
と、不思議そうな顔をすると冷泉がそれに答える。そして麻子のばあさんは意外そうな疑うようなまなざしでそう訊くと冷泉は頷く。すると武部が
「わたしたち全国大会の一回戦に勝ったんだよ!」
「一回戦くらい勝てなくてどうするんだい」
そう自慢気に話すが冷泉のおばあさんは呆れたような顔でそういう。まあ、彼女の言葉には一理ある。そんな中冷泉のおばあさんは
「で、戦車さんたちが・・・・・・ん?あんた、去年もこの病院にいたね。なんだい。また体を悪くしたのかい?」
俺を見て冷泉のおばあさんがそう言う。そう言えば去年、少しの間入院していた時、よくこの病院でものすごく元気なおばあさんと同室だったような気がしたんだが、まさかあの人が冷泉のおばあさんだったとは…でも言われてみれば目が冷泉にそっくりだ。
「いいや、この通り健康そのものだよ」
と、そう言うと冷泉のおばあさんがジーと俺を見る
「あ、あの・・・・俺の顔に何かついていますか?」
「・・・・・・・似ている」
「え?」
「いや、なんでもない。ただ以前に比べてやつれたように見えたんだが気のせいかね?・・・・で、戦車さんたちがどうしたんだい?」
「試合の後、おばぁが倒れたって連絡が、それで心配になってお見舞いに…」
「あたしじゃなくてあんたを心配してくれたんだろ!!」
「…わかってるよ」
と、おばあさんの怒鳴り声に冷泉はたじたじになりそう言う。あのおばあさん。怒ったロスマン先生並みに怖いな・・・・・・
「だったらちゃんとお礼言いな」
と、おばあさんの言葉に冷泉は恥ずかしいのか少し顔を赤く染め
「わざわざ…ありがとう」
「少しは愛想よく言いな!!」
「…ありがとう」
「さっきと同じだよ!!」
「だから、また怒鳴ったら血圧あがるって・・・」
と、冷泉が心配顔でそういうとおばあさんがまた反論をする。まあ、おばあさんも本気で怒っているわけじゃないのはわかる。すると五十鈴さんが
「あの?花瓶あります?」
「ここにはないけどナースセンターにならあるかもよ?」
と、そう言い武部と五十鈴さんは部屋を出る。すると冷泉のおばあさんが『はぁ~』とため息をつき
「それよりもあんた達もこんな所で油売ってないで戦車に油を注したらどうだい?」
「え?」
意外な言葉にみほは首をかしげると、おばあさんは冷泉の方へ向き
「お前もさっさと帰りな、どうせ皆さんの足引っ張ってるだけだろうけどさ」
「そんな…、麻子さん、試合の時いつも冷静で助かってます」
「それに戦車の操縦がとても上手で、憧れてます!!」
おばあさんの言葉にみほや秋山がフォローするがおばあさんの眉が少しぴくッとなり
「戦車の操縦が上手いだけじゃ、おまんま食べらんないだろう?」
と、何やら意味を含めた言葉でそういう。なんだろう、このおばあさん戦車の操縦のことを良く知っているような・・・・・しばらくして武部たちが戻ってきて花瓶にきれいな花を添え終えると
「・・・・・・・じゃあおばぁ、また来るよ」
冷泉はおばさんにそう言うと部屋を出る。そしてそれに続きみほたちも出ようとすると
「…あんな愛想のない子だけどね、よろしく」
と、静かにそう呟く冷泉のおばあさん。なんだかんだでやっぱり孫である冷泉のことが大好きなんだな。その言葉にみほと俺は
「はい!」
「ああ、任しておけ」
笑顔で返事をし、俺とみほは部屋を出るのであった。そして病院を出た後、街の中を歩いていると冷泉は急にうとうとし始める。今にも倒れそうだ。
「ちょっ!?麻子大丈夫!?」
「おい、大丈夫か冷泉?」
俺と武部がそう訊くと冷泉は・・・・
「すまない・・・・・武藤、沙織・・・・悪いが・・・・・もう、限・・・・界・・・・だ」
と、そう言い目をつむると冷泉は急に倒れる。俺は間一髪のところで彼女をキャッチする
「冷泉さん!?」
「麻子さん!?」
「冷泉殿!?」
いきなりのことにみほたちは慌てるが俺は冷泉を見ると
「すぅ・・・・すぅ・・・・・」
「・・・・・・・・寝てる」
そう、冷泉は可愛い寝息を立てて眠っていた。どうやらおばあさんが無事で安心したのだろう。だがここで眠ってもらっては困る。かといってここに置き去りにするわけにもいかないし
「仕方がないな・・・・」
と、俺は冷泉を背中に担ぐ。すると武部が
「ごめんね武藤」
「いや、いいさ。これくらい」
と、そう言うと俺たちは大洗港へ向かう駅まで歩くのであった。
一方、その頃病室にただ一人残った冷泉のおばあさんは机から何かの写真を取り出す。その写真には少し若い自分とそして冷泉に似た大洗の学生服を着た少女が写っていた
「・・・・まさかあんたの親友である高杉翔子のせがれと西住しほの娘がうちの麻子と戦車道をしているなんてこれも何かの縁かしらね・・・・そうだろ。朝子?」
そう独り言を言うのであった。
義弘は生存させる?
-
生存しない
-
生存させる
-
生存するが長くは持たない
-
死ぬが転生する
-
どっちでもいい