ガールズ&パンツァー~黒森峰からやってきた狼~   作:疾風海軍陸戦隊

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みんなで一緒にです!

戦車道の練習も終わり、皆が自分の時間を楽しんでいる頃、生徒会室では、お馴染みの生徒会三人組が何かの資料を見ていた。

 

「一回戦は武藤さんたちのおかげで勝てたけど、二回戦は今の戦力で勝てるかな?」

 

「絶対に勝たねばならんのだ!」

 

小山が不安げにそう言うと、河嶋が握り拳で机を叩き、勝つ事への執念を見せる。

 

「でも、二回戦の相手はアンツィオ高校だよ?」

 

「う~ん乗りと勢いは・・・・あるからね~」 

 

角谷会長が椅子を滑らせてそう言うと河嶋は頷き、小山が

 

「調子が出ると手強い相手です。武藤さんや西住さんたちのおかげでチームもまとまって来て、みんなのやる気も高まっているけど、今のままの数では少し厳しいかもしれません」

 

「そっか・・・・じゃあ、その点の解決策を考えないとね~」

 

と、小山の言葉に角谷は少し考えるそぶりを見せるのであった。

 

 

 

 

 

翌日の戦車道の授業時間の日戦車格納庫に集まった俺たちは河嶋さんの前にいた。そして河嶋さんは

 

「一回戦に勝ったからといって気を抜いてはいかん! 次も絶対に勝ちぬくのだ! いいな腰抜けども!」

 

「「「はい!」」」

 

「頑張りまーす」

 

「勝って兜の緒を締めよ、だぁー!」

 

「「「おォー!」」」

 

「えいえいおー!」

 

と、そう言うとみんなは一回戦に勝った影響かみんなの士気は高く元気に返事をする。そして俺たちは二回戦に向けて激しい練習をした。隊列で並びながら走ることも、射撃で遠く離れた的に当てる時も初めて練習した時に比べて徐々に練習の成果が出始めているのがわかる。そして時間はあっという間に過ぎ日が暮れたころ練習は終わった

 

「あ~今日も結構やったな~」

 

「そうね。こんなに充実した練習は久しぶりね」

 

背伸びしてそう言う俺に篠原が髪を掻きながらそう言う。パンターから降りると

 

「ご苦労様です武藤先輩。道子さん」

 

「お疲れ様です車長、篠原先輩」

 

と、パンターの装填手である小波と操縦手である服部が元気よく俺たちに声をかける

 

「おう、お疲れ様二人とも。二人ともだいぶ上手くなったな。小波の装填の速さも前に比べて早くなってるし」

 

「そうね。それに静も操縦技術が上がって良くなってたわよ」

 

「そ、そうですか?ありがとうございます!!」

 

「感謝の極みです。車長」

 

と、俺と篠原がそう言うと二人は笑顔で嬉しそうに言う。確かに二人の腕はかなり上がってきている。その腕は前の黒狼の操縦手だったアイツや装填手だった樫村先輩にも負けず劣らずの腕前に育ってきている。

え?操縦手のあいつって誰だ?赤目じゃないかって?いや、赤目は基本、通信手で操縦手は別の人がしていた。それが誰かのかはまた別の日に話そう。

 

「それでは車長。私はこの後、友人と約束がありますので」

 

「私もクラスの皆と勉強会があるから、武藤先輩、篠姉さん。じゃあ、また明日」

 

と、そう言い二人は一礼して去って行った。なんというか戦車道だと凄腕の二人だが、それ以外になるとマイペースだな。あの二人、まあ別にいいけど・・・・・・俺がそう思っていると

 

「義弘君。篠原さん。練習お疲れ様」

 

と、そこへみほ達あんこうチームの面々が声をかけてきた。

 

「ああ、みほ。お疲れ」

 

「お疲れ様、みほさん・・・・・あれ?武部さん。少しやせた?」

 

「え~わかるの!そうなのよ私、戦車に乗り始めてからやせたんだ!」

 

と篠原の言葉に武部が嬉しそうな顔をする。すると冷泉も

 

「そう言えば私も少しだけ低血圧が改善された気がする・・・・・・」

 

「血行が良くなったのでは?」

 

「血の気が増えたのかも。戦車乗りって頭に血が上る人が多いから」

 

「それ関係ある?」

 

みほの言葉に武部が首をかしげると

 

「いや、あながち間違っていないんじゃない?黒森峰でも低血圧な子がいたけど、戦車に乗ってたら低血圧が改善されたって聞いたわよ。後、性格も変わったし」

 

「え!?性格?」

 

篠原の言葉に武部が驚く。まあ確かに俺もそいつのことは覚えている確か眼鏡をかけた子で確か名前は・・・・・・そう思った時

 

「西住、武藤。生徒会室で次の試合に向けた戦術会議をするぞ」

 

「それと交換した方がいい部品のリストを作るの手伝ってほしいんだけど」

 

小山さんと河嶋さんが西住や俺に声をかける

 

「了解した」

 

「はい。わかりました」

 

と、そう返事をし生徒会室へ向かおうとしたとき

 

「先輩、照準をもっと早く合わせるにはどうしたらいいんですか?」

 

「どうしてもカーブが上手く回れないんですけど」

 

と、そこへアヒルさんチームことバレー部の佐々木と河西がみほの所へやってきてそう訊く

 

「え、えっと……、待ってね、今順番に……」

 

「隊長、躍進射撃の射撃時間短縮について」

 

「ずっと乗ってると臀部がこすれていたいんだがどうすれば」

 

「隊長、戦車の中にクーラーってつけれないんですか?」

 

「せんぱーい、戦車の話をすると男友達がひいちゃうんです」

 

「私は彼氏に逃げられました~」

 

と、今度はカバさんチームの面々がやってくる。そしてそれに続き今度はうさぎさんチームもやってきてみほにそう訊く。と言うより一年の質問に関しては最早、戦車とは関係なく個人の質問になっている・・・・・

 

「えっと・・・・その・・・・」

 

みほは完全に困った顔をしてうろたえている。すると

 

「あの、メカニカルな事なら多少私がわかりますので」

 

「書類の整理くらいなら私でも出来ると思いますけど」 

 

「…操縦関連は私が」

 

「恋愛関係なら任せて!!」

 

「砲撃や照準については私に任せなさい」

 

その姿を見て篠原や秋山たちが手を挙げてそう言う。

 

「…みんな」

 

「みんなで分担してやりましょう」

 

「みぽりん、一人で頑張らなくてもいいんだからね」

 

「そうよ。黒森峰でもそうだけど、たまには仲間を頼りなさいみほ」

 

「…ありがとう」

 

そう言うと、みほは微笑んで礼を言うのであった。

 

 

 

 

 

 

 

 

「グリスは1ダースで良いですか?」

 

「うん、お願いね」

 

生徒会室では五十鈴さんと小山さんが書類仕事をしていた。因みに冷泉はバレー部に操縦の仕方を、秋山はカバさんチームに、武部は一年生を、そして篠原は一部の砲手の子に砲撃指南をしていた。そして俺とみほと五十鈴さんは生徒会の三人とともに書類整理をしていた。

 

「そちらの書類は?」

 

「戦車関係の古い資料、ここで一緒に整理しようかと思って」

 

「お手伝いします」

 

「本当? 助かるよ」

 

と、笑顔でそう言う小山さん。すると机の上に置いてある五十鈴が置いた花に気付く

 

「あ、やっぱりお花があるといいね~。私も華道やってみたいな」

 

「小山先輩、お花の名前がついてますよね? たしか、桃さん……」

 

「私は柚子。桃ちゃんはね……。桃ちゃーん!」

 

「言うな!」

 

手を振る小山さんに河嶋さんがすぐに反応する。そんなに名前で呼ばれるのが嫌いなのか河嶋さんは?そんな中角谷さんはいつものように干し芋を頬張り

 

「武藤君。西住ちゃん。チームもいい感じにまとまって来たんじゃない?二人のおかげだよ。ありがとね」

 

と、ニコッと笑いお礼を言う

 

「いえ、礼を言われるようなことはしていません。俺はやるべきことをやっているだけですから」

 

「私もお礼を言いたいのは私の方で……。最初はどうなるかと思いましたけど。でも私、今までとは違う自分だけの戦車道が見つかるような気がしてます」

 

まあ、確かにここでは黒森峰と比べて、珍しいというかいつもと違う体験ができる。斯くいう俺もここに来ていろいろと楽しんでいる

 

「それは結構だが、だが次も絶対に勝つぞ」

 

「勝てるかね~?」

 

「チームはまとまって来て、みんなのやる気も高まってきていますけど……」

 

「問題は戦車かみほ?」

 

「うん。正直言って今の戦力だと・・・・・」

 

確かにみほの言う通り、チームの練度は上がってきている。しかし戦車の性能はいくら練度を上げても変わらない。さすがに今の人数や数ではこの先の強豪相手に戦うのは厳しい。対抗するためには新たなチームと戦車が必要不可欠だ。そんな話をしている中、五十鈴さんたちは戦車道についての書類を整理していた。

 

「戦車道てずいぶん昔からやっているんですね?」

 

「うん。そうね大体1920年頃から始まっているね」

 

「大洗が戦車道を始めたのは確か・・・・・」

 

「20年前、特にその最終期での大洗って全国大会準優勝をしたって書いてあるわ」

 

「へ~すごいですね」

 

「うん。なんでもその隊長と副隊長がチームに大きく貢献したって書いてあるわ・・・・・名前は・・・・苗字の所はかすれて読めないけど。名前が隊長がしほさんで副隊長が翔子さんって書いてあるわ・・・・」

 

「すごいですね・・・・・・・・あら?」

 

五十鈴は書類を見て何かに気付くそしてみほたちの方へ振り向き

 

「あの、お話し中すみません」

 

「ん?どうしたんだ五十鈴さん?」

 

「えっと、さっきこの書類を見たのですがどうやら書類上では他にも戦車があった形跡が……」

 

「「「・・・・・・・・・え?」」」

 

と、言うことで翌日俺たちは新たな戦車を探すことになったのだった。

 

 

 

 

 

一方、対戦相手であるアンツィオ高校では

 

「ふふふっ・・・・・・西住流の西住みほ、貴様の戦車道は弱い!戦車道に背いた君に我々は負けない。覚悟しておくんだな!アーハハハハ!!」

 

と、隊長室でアンツィオ高校戦車道部の隊長であるアンチョビが壁に貼られてあるみほの写真を鞭でたたきそう高笑いするのだが・・・・

 

「あははは・・・・・・・・てだめだ~!!」

 

と、急に頭を抱える

 

「かっこいいと思って言ってみたけど。このセリフだと私、完全に悪者じゃないかー!!」

 

とそう言いため息をつき、椅子に座る

 

「私もあの試合見たけどあいつ何一つ悪いことしてない。むしろ仲間を助けようとしたのにあんな酷い台詞を言うのもな・・・・・でも、言ってみてなぜかしっくりしたけど、なぜだ?」

 

と、そう言い彼女は公式戦の対戦相手を見る

 

「はぁ~一回戦は何とか作戦勝ちで何とか切り抜けたが二回戦の相手はあの西住流に伝説と言われたあの黒狼か・・・・そんな二人が相手だからこそ少し威厳と言うか統帥らしい所見せないとな。さて・・・・ほかにいいセリフないかな?」

 

と、エスプレッソを飲みながらそう呟く。すると

 

「アンチョビ姐さん。いるっすか?」

 

「統帥。失礼します」

 

と、そこへ副隊長の一人であるペパロニとカルパッチョが入る

 

「ん?どうしたんだペパロニ、カルパッチョ?」

 

「ついに!遂に手に入れたっすよ!!」

 

と、ペパロニが興奮してそう言う

 

「落ち着け。何を手に入れたんだ?パスタ鍋か?それともピザ窯か?」

 

「それもあるのですが違いますドゥーチェ。新型の戦車を購入できたんです!しかも二輌!!」

 

「何!?本当か二人とも!?」

 

「そうすっよ!鉄板ナポリタンがかなり受けて。おかげで資金がぐぅーんと上がったんですよ!!」

 

「ほんとうかぁ!?やったな二人とも!!」

 

と、アンチョビは大喜びする。それを見た二人は

 

「アンチョビ姐さん。喜んでいるっすね」

 

「今までcv33が主力でしたからね」

 

「セモヴェンテもあったっすけど数が少なかったからな~」

 

と二人は喜ぶアンチョビの姿に微笑んでいた。そしてアンチョビは

 

「よぉーし、お前ら新型戦車を手に入れた記念に、今日は宴会をするぞ!!」

 

「「はい、ドゥーチェ!!」」

 

と、そう言いうのであった。

 

 

 

 

 

 

義弘は生存させる?

  • 生存しない
  • 生存させる
  • 生存するが長くは持たない
  • 死ぬが転生する
  • どっちでもいい

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