ガールズ&パンツァー~黒森峰からやってきた狼~ 作:疾風海軍陸戦隊
「はぁ~誰だったんだろうな・・・・」
先ほど義弘に助けられたおさげ眼鏡の少女はコロッセオにある更衣室で眼鏡をコンタクトに変えおさげ髪をツインテールの髪型に変えながらそう呟く
「まるで恋愛小説のような出来事だったな・・・・・・ん?そう言えば・・・・・・」
少女は雑誌を取り、恋愛占いコーナを読み
「ペパロニが渡した、あの恋占い・・・・・・当たっている。もしかしてあいつが私の運命の・・・・///」
そう呟いた瞬間、彼女の顔は真っ赤に染まる。すると・・・・
「ドゥーチェ。準備はできましたか?そろそろ出番ですよ?」
金髪の少女が部屋に入ってそう言うと、少女は慌てて髪にリボンをつけて
「そ、そうか!すぐに行くカルパッチョ!」
と、そう言うと気合を入れるため両手で頬を叩き
「よし!ドゥーチェアンチョビ!行くぞ!!」
そう言い部屋を出るのであった
「随分と人が集まっていますね武藤殿。皆さん戦車道部の秘密兵器を見に来たんでしょうか?」
「コロッセオの中央に何か布で隠されたのがあるし、みんなの視線もそれに向けているから、そうだろうな」
秋山の言葉に俺は頷き、そしてコロッセオの中央を見る。そこには二つのなにかが置かれていて二つとも大きな布で包まれていた。そして周りの生徒たちが
「ドゥーチェ遅いな~」
「まさか寝坊かな?」
「何のお披露目だろうね?」
と、ざわついていると急にコロッセオから音楽が流れ出し
「諸君!待たせたな!このアンツィオの統帥、アンチョビの登場だ!!」
と、コロッセオの舞台上になっているところから軍服姿でツインドリルをした少女が現れる。どうやら彼女がアンツィオ高校戦車道部の隊長らしい。確かにカリスマ性というか統帥って感じがする。鞭持っているし・・・・
「あ!ドゥーチェ!!」
「いつの間に!?」
「ドゥーチェだ!」
「「ドゥーチェ!!ドゥーチェ!!ドゥーチェ!!ドゥーチェ!!」」
と、生徒たちはアンチョビさんにドゥーチェコールをする。すごい声援だ。空気がびりびり震えているのがわかる
「すごい盛り上がりですね武藤殿・・・・」
「あ、ああ・・・・」
俺と秋山はあまりの気迫に驚いていると、アンチョビさんはコホンと咳ばらいをし代から降りると
「さて、諸君。貴殿らも知っている通り、我がアンツィオ高校戦車道部は二回戦に向けて新型戦車を投入した!しかも二両もだ!!さて、それではお披露目しよう!これがアンツィオの必殺秘密兵器だ!!」
鞭を振りかざしそう言うと布がおろされ隠されていた秘密兵器が姿を現す。その車両はイタリア軍の重戦車P40と同じくイタリアの中戦車M15/42であった。それを見た秋山は
「すごいです!!P40を生でしかも本物を見れるなんて、それにM15中戦車も!」
「ああ、俺も信じられん」
秋山は興奮してそう言い、俺もスマホでP40の写真を撮る。いや、P40って言ったらかなりレアな戦車だぞ?そんなレアな戦車を見て写真を撮らない戦車好きはいないだろ?秋山だって写真を撮りまくっているし。そして隊長であるアンチョビさんはP40の砲塔に昇り、びしっとポーズを取り
「はっ!これで大洗なんぞ一捻りだ!」
「さすがドゥーチェー!」
「ドゥーチェ。こっち向いて~」
生徒たちが呼びかけるとアンチョビさんはにこっと笑いその生徒たちにポーズをする
「現場は大変な盛り上がりです」
『『『ドゥーチェ!ドゥーチェ!ドゥーチェ!ドゥーチェ!』』』
と、また生徒たちがドゥーチェコールをし始める。ノリと勢いのアンツィオ校と言われるだけあってこれはすさまじいものだな。そしてドゥーチェコールは15分も続いた
「いつになったら終わるんでしょうか?」
「さぁ・・・・それにしてもよく飽きないな・・・・」
俺と秋山が引きつった顔をしていると
「よぉーし!いつまでこうしているのもあれだ・・・・」
おっ、やっとアンチョビさんが止めた。
「あ、ようやく終わりみたいだな・・・・」
「次は戦車練習でしょうか?」
俺と秋山はため息をつくのだが、詰めが甘かった。
「よぉーし!!このままここで戦勝祈願を宴会だー!!湯を沸かせ釜を炊けー!!」
「「「おおぉーーーーー!!!」」」
「「(ええーっまだ騒ぐのか!?)」」
俺と秋山はアンチョビさんの言葉に驚く。いや、戦勝祈願の宴会も大事だけど、練習しろよ・・・・・
「あ、秋山・・・・・・帰るか?重要な情報も手に入ったし、長居は無用だ」
「そ、そうですね・・・・」
俺たちはそのままこの騒ぎに紛れて、帰ろうとしようとしたのだが・・・・・
「あら?あなた達。今日は新型車両が入ったお祝いよ。パスタを食べて行かないなんて~よっぽど忙しいのかしら?」
「「っ!?」」
急に背後から誰かが俺と秋山に抱き着き耳元で
「それとも・・・・・早く大洗に情報を持ち帰りたいのかしら?オットボールちゃんにブラッキーちゃん?」
「「っ!!??」」
俺と秋山はまるでさび付いて動きのの悪いロボットのように後ろを向くと・・・・・
「我がアンツィオへようこそ。大洗のスパイさんたち♪」
イタリア人?なのか外国人らしき茶髪の子がとびっきりの笑顔で俺たちに言う。逃げたいが両肩をがっちりつかまれているうえ、同じく白髪と黒髪の外国人らしき少女に囲まれて逃げ道を失った。
「さて、お二人さん。あなたたちをこのまま帰すわけにはいかないわよ~」
「「あ、あははは・・・・・・」」
俺と秋山は苦笑するしかなかった。こうして俺たちは掴まってしまった。そして
「姐さん。敵のスパイを捕まえましたよ!捕まえたのはフェル姐さんですけど」
「よくやったペパロニ。フェル・・・・・・ん!?お前は?」
「え?」
アンチョビさんは俺の顔を見て驚いた顔をする。え?俺の顔に何かついているのか?
「あ…あの俺の顔に何か?」
「い、いや…何でもない。コホン。さて・・・・・我がアンツィオに潜入するなんて大胆なことをしてくれる・・・・」
「ドゥーチェ。この二人をどうしますか?」
「ふふふ・・・・・もちろん我々のやり方でもてなすに決まっているじゃないか・・・・・」
鞭をパンパンと叩きいたずらな笑みで笑う。一体何をされるのだ?もしかして試合が終わるまで拘束されるのか?そう思たのだったのだが・・・・・・
「アンチョビ姐さん。パスタ料理できました!!」
「よし!よくやったペパロニ。カルパッチョ」
「はい。ラザーニャ完成しました!」
「よろしい!フェルたちは?」
「Ok~Ok。ドルチェの準備はもうできているわよ」
「よぉ~し!完璧だ」
捕まった後、俺たちはなぜか豪華なテーブルに座らせ、アンチョビさんたちは何か料理を作っている・・・・・え?何がなんだ?
「む、武藤殿・・・・・・こ、これは・・・・・」
「俺にもわからん・・・・・」
秋山は何が起きているのかわからない顔をし俺に言う。すると
「ホイ、お二人さんお待ちどう様。わが名物鉄板ナポリタン以下豪華イタリアンのフルコースだ!!」
「どんどん食べてくださいっすよ!!」
「とても美味しいですよ?」
「そうよ。せっかくアンツィオに来たんだからアンツィオの料理を食べないで帰すわけにはいかないわ~」
「えっと・・・・つまりどういうこと?」
「つまりだ。客が来ているのにもてなさないのはアンツィオの恥ということだ!まあとにかくパスタ食っていけ!うちのパスタは絶品なんだぞ!」
「アンツィオの大事な伝統なんですよ」
「「は・・・はあぁ」」
まあとにかく俺と秋山はアンチョビさんたちが作ってくれた料理を食べると
「「美味い!!」」
屋台の時もそうだが、ここの料理は本当に美味い。
「だろ!どんどん食べてくれ!!」
俺と秋山の言葉にアンチョビさんは笑顔で言う。まあ自分の作った料理を褒められてうれしくない人はいない。すると俺は一つ疑問に思うことがあった
「なあ、俺たちどうなるんだ?」
「ん?どうなるって?」
「いや、俺たち他校のスパイだぞ?拘束されるんじゃ・・・・」
「ああ、最初はそのつもりだったけど、パーティーが終わったら別に帰っても問題ないぞ。助けてもらった礼もあるしな」
「え?」
「いや、なんでもない!」
「それに私たちの高校は女子高ですからね・・・・・」
「そうっすね」
とアンチョビさんは顔を赤くしそう言う。すると先ほどの茶髪の子が
「ねぇ?あなた・・・・・あの黒狼こと高杉義弘でしょ?」
「ああ。後今の名は武藤義弘だけどな。えっと・・・あなたは?」
「ああ、紹介が遅れたわ。私はフェルナンディア・マルヴェッツェ。アンツィオ高校戦車道部副隊長補佐をしているわ。気軽にフェルて呼んで。それよりあなたのことは我が祖国イタリアはおろかヨーロッパでも知られているわよ。それにあなたドイツでも派手にやったらしいわね。さすがは『東洋のバルクマン』ね」
「よくご存じで・・・・」
「え!マジっすか!お兄さんがあの黒狼なんすか!?」
とフェルさんの言葉にペパロニが目をキラキラさせて俺に迫る。てか近いです。
「あ・・・ああ、まあ一応そう呼ばれてる」
「マジで!?スゲー!!伝説の戦車乗りに会えるなんて夢のようっす!なあサインくれ!あ!それと兄貴って呼んでいいすか!?」
「お、おい落ち着けよ・・・・それに顔が近い」
「ああ、すまないっす。対興奮しちゃって~。あ、私副長のペパロニって言うんだよろしく武藤の兄貴!」
無邪気に笑うペパロニに、隣にいる秋山は少し複雑そうな顔をしていた。すると金髪の少女が
「あ、あの・・・・ちょっと訊いてもいいですか?」
「えっと・・・・・あなたは誰ですか?」
秋山が首をかしげてると
「あ、私は同じ副長のカルパッチョと言います。えっと・・・・」
「あ、私、秋山優花里と言います!」
「ふふ、よろしく秋山さん武藤さん。それで聞きたいことがあるんです」
「なんですか?」
「大洗には私の親友も通ってて、最近戦車道始めたんですけど、たかちゃん、鈴木 貴子って子を知ってますか?」
「「…たかちゃん?」」
俺と秋山は首を傾げ考える。戦車道メンバーで鈴木の苗字の人はいない・・・・・いや一チームだけ本名が不明な人たちがいたな・・・・・
「(武藤殿恐らくカバさんチームの人たちの誰かと思います)」
「(ああ、それ俺も思った・・・・・でも誰だろう?)あ、あの…その子の特徴わかりますか?」
「え?えっと・・・・・確かローマの歴史が好きで小さい頃から赤いマフラーをしているんですが・・・・・・」
「「ああ~」」
カルパッチョさんの言葉に俺と秋山は貴ちゃんとは誰かというのがはっきりわかった
「カエサル殿のことですね・・・・」
「そうだな・・・・と、言うよりあいつ鈴木貴子って言うんだ初めて知ったな・・・・・」
「あ、あの~」
「ああ、カエサル・・・・・たかちゃんなら元気にしているぞ学校でも友達いるし」
歴女だということは黙っていてあげよう・・・・・ややこしいことになると思うし
「そうですか、良かった」
彼女が安心したような笑みをする。するとフェルが俺のところに来て
「そう言えばあなた、ロスマン先生の弟子ですってね~」
「先生知っているの?」
「当たり前よ。ロスマン先生は有名な教官でありヨーロッパ戦車道協会の委員長でもあるからね。それに彼女の弟子は皆優秀な成績を残しているわ。あなただってその一人でしょ?」
「アハハ・・・買い被りですよ」
俺よりも優秀な先輩弟子いっぱいいるしな。特にまほ姉もそうだし、何よりもプラウダにいる姉弟子も俺より優秀だしな・・・・・・子供みたいな態度を除けば、いい姉弟子なんだけどな・・・・・
その後俺たちはアンチョビさんが出してくれた料理を堪能した。すると秋山が腕時計を見て
「あ!武藤殿!そろそろコンビニ船に乗らないと乗り遅れてしまいます!」
「まじか!急いで戻らないと!」
俺と秋山が焦るとアンチョビが
「心配するな。連絡船まで私たちが車で送ってやる」
「え!?いいのか!」
「いいっすよ。困った時はお互い様って言うし。ちょっと待っててくださいすぐに取ってきます」
と、そう言いペパロニさんは走り出したかと思ったらすぐに戻って来たしかも車・・・・・いや豆戦車cv33でそれを見た秋山が
「まさか快速と呼ばれるカルロベローチェに乗れるなんて夢のようです!!」
秋山の目がキラキラ輝いてそう言うと
「さあさあ、早く乗りなさい。船出ちゃうわよ。ペパロニお願いね」
「おう!任せてくださいフェル姐さん!」
「でもこれ二人乗りだぞ?」
「あ、これ輸送用にエンジンルームの上にシートを乗せてあるのでそこに乗ってください」
「すまない」
俺と秋山はcv33の乗る秋山は助手席で俺はエンジンルームの席に座った。そしてアンチョビが
「じゃあな武藤。また試合でな。武藤・・・いや黒狼次の試合は我がアンツィオは負けない…じゃなくて勝つ!」
「ああ、じゃあ試合でな」
「う、うむ・・・・じゃあ試合で///」
と俺は不敵の笑みで答え手を差し出すとアンチョビさんが顔を赤めて俺の手を握る。
「・・・・・・・」
秋山はそれを見てまた複雑そうな顔をするのだが義弘は気づかなかった
「じゃあ、行くっすよ客人」
と、そう言い俺と秋山はcv33に乗せられコンビニ船へと向かった。それを見送ったアンチョビは
「試合でか・・・・・」
顔を赤くし先ほど彼の手を握った手を見つめる。するとフェルは
「チョビ~良かったわね。初恋の相手が見つかって~」
「な、なにを言っているんだフェル!!わ、私は別に~」
「もう隠さないの。で、告白はいつするの?」
「え!?告白って!?」
「占いで言ってたじゃない『その人の心を射止められるのはあなたの勇気次第です』て。で、いつするの?」
「な///だから私は別に・・・・て、フェルそれとチョビ言うな!まったく角谷と言いなんで皆チョビって言うんだ?」
「さあ?言いやすいからじゃないの?それに可愛いじゃないね~チョビちゃん?」
「アンチョビって呼べフェル!!はぁ~まあいいか・・・・・」
「あはは~で、アンチョビ。対大洗戦についての作戦はどう?」
「ああ、もちろんその点について抜かりないよ。フェルとカルパッチョのおかげだよ」
「どういたしまして。で、肝心の作戦名は?」
「ふふ、聞いて驚け!作戦は3つだ、【マカロニ作戦】、【分度器作戦】、そして最後の決め手である作戦は『三種のチーズピザ作戦』だ!」
と、かなり自信に満ちた顔でそう言うのであった。
一方、義弘たちは・・・・・
「なあ、秋山。なんでそんなに不機嫌なんだよ?」
「べつに~なんでもないですよ~」
「?」
無事にコンビニ船に乗った秋山と義弘だったが。なぜか不機嫌だった秋山に義弘は疑問に思うのであった。
義弘は生存させる?
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生存しない
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生存させる
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生存するが長くは持たない
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死ぬが転生する
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どっちでもいい