ガールズ&パンツァー~黒森峰からやってきた狼~ 作:疾風海軍陸戦隊
それから後に義弘たちは本来の目的である。お茶会を始めていた
「話がかなりそれてしまいましたが。準決勝進出、おめでとうございます。カチューシャ」
「フフンッ!まぁ、このカチューシャにかかれば、そんなの朝飯前ね!」
「勝負は時の運と言うものでしょう?」
「運を味方につけるのも勝利の秘訣って奴よ」
ダージリンの言葉にカチューシャはそう帰し義弘は無言で紅茶を飲んでいた。なぜ、彼は話さないかというと・・・・
「(気…気まずい)」
姉弟子との再会で少しばかりはしゃいでいた義弘だったが、今ではすっかり冷静になり、そして今この空間で男子は自分だけで結構気まずい感じがしていたのだ
「それにしてもダージリン。まさかあなたが去年カチューシャに負けた高校に負けるなんてね・・・・・・・・あ」
皮肉そうに言うかチューシャ。だがすぐにすぐそばにかつて黒森峰に所属していた義弘を見て気まずそうな顔になると義弘は
「去年の試合を私はテレビで見ましたが、あれは悪天候と悪路で行った黒森峰の失策です。それに先ほどダージリンさんが言ったように勝負は時の運。強者が常に勝ち続けるわけではない。弱者が強者を打ち負かすことだって不可能じゃないからな・・・・・」
「ヨシーシャ?それはこのカチューシャのプラウダが弱者って言いたいわけ?」
「物の例えです。他意はないです」
義弘の言葉にカチューシャは目を細めてそう言うと義弘は軽くため息をつきそう返すのだった。三人が話している間、ノンナさんは紅茶、そしてジャムとお菓子を配ってくれた。
「どうぞ」
「ありがとう。ノンナ」
「いいえ……………」
ノンナと呼ばれた少女は、淡々と返事を返し、再びカチューシャの傍らへと戻る。
その光景を見て軽く微笑んだダージリンは、ジャムをスプーンで掬い、紅茶に入れようとする。
「違うの!」
だが、それを見たカチューシャが突然、ダージリンの行動に待ったをかけた。
「本場のロシアンティーわね。ジャムは中に入れるんじゃないの! 舐めながら紅茶を飲むのよ」
そう言いながら、カチューシャはスプーンで掬ったジャムを口に含み、続けて紅茶を飲む。しかし口の周りがジャムだらけであった
「付いてますよ」
「余計な事言わないで!」
ノンナは、カチューシャの口の周りにジャムが付いている事を指摘するが、カチューシャはそう言い返す。
子供っぽさを思わせるカチューシャの姿に、ノンナは微笑む。すると
「はぁ・・・・カチュ姉。そのまま・・・・」
そう言い義弘はハンカチを取り出すとカチューシャの口周りを拭く。
カチューシャはカチューシャでいうと。一旦呆けた顔をしたかと思えば、すぐに義弘に微笑み
「あら、気が利いているじゃないのヨシーシャ。どう?何ならこっちに転校して私の執事にでもなる?」
「遠慮させていただきます。今の学校生活も気に入っているので」
「そっ、残念ね。もしかしたらノンナと良いコンビになると思ったのに」
二人のやり取りを見たダージリンは複雑そうな表情をし、そしてノンナはというと・・・・
「(私ですらカチューシャの口を拭いたことがないのに、この男は・・・・・)」
いつものように表情は変わっていないのだが、まるでその瞳は絶対零度といっても過言ではなく、まるで怪談話の幽霊のような恨めしそうな目で義弘を見ていた
「(っ!?な、なんか寒気が・・・・それに殺気を感じるんだけど?)」
急な殺気に義弘は身震いすると。ダージリンが
「次は準決勝なのに余裕ですわね。この前電話で話したように練習はしなくていいんですの?相手は義弘さんのいる学校ですのよ?」
「練習を使用がしないかはこっちで決めるわ。ただね相手がヨシーシャなら、私は一切の手加減はしないつもりだから。ねえ、ヨシーシャ?」
「ええ、俺もカチュ姉に・・・・・姉弟子に手を抜いてもらおうなんてこれっぽっちも思っていないよ。戦いは全力で手を抜けば相手側にも失礼だからな。俺たち大洗も全力であなたを倒しにかかりますよ」
「そう・・・・楽しみね」
二人は静かに睨み合う。今の二人はプラウダの地吹雪のカチューシャ、大洗学園の黒狼、武藤義弘ではなく。エディータ・ロスマンの教え子であり姉弟弟子のカチューシャと義弘として信念をぶつけていた。
そしてしばらく二人はにらみ合うとカチューシャはため息をつき
「さ、次の試合での話はこれでお終い。お茶の時間を楽しみましょ。ねえダージリン?」
「え・・・ええそうね」
二人の威圧に先ほどまで黙っていたダージリンが頷くとノンナがいつの間にか恐らくクッキーか何かなのであろう菓子が乗せられた皿を置く。
「ピロージナエ・カトルーシカとペチーネもどうぞ」
ノンナは流暢なロシア語で言いうと、カチューシャが
「ねえ、ヨシーシャ。一つ訊いてもいいかしら?」
「なんでしょう?」
義弘がお菓子を食べながらそう返事をするとカチューシャは真剣な表情で
「・・・・あなた。やつれたかしら?ちゃんと睡眠とか食事はとってるの?」
「そう言えば義弘さん。前に会ったときに比べて、疲れ顔みたいですけど・・・・・」
カチューシャの言葉にダージリンは義弘の顔を見てそう言う。確かに今の義弘の顔は以前に比べて少しやつれており肌の色も少し青白かった
「ええ…最近戦術を練るのに徹夜をすることが多くなったのでね・・・・・」
「それはよくないわよ。睡眠はちゃんととらないと体にも影響する品によりいい作戦を練ることはできないわよ。ノンナもそう言ってたし。ねえ?」
「はい」
カチューシャの言葉にノンナは頷く。そしてダージリンも
「カチューシャの言う通りですわよ。義弘さんもっと自分の体を大切にしませんと・・・・・」
「アハハ・・・大丈夫ですよ。あ、すまない。俺少し席を外します」
二人が心配そうに言う中義弘は席を立つ、
「どこに行く気?」
「ちょっと・・・・用足しにね?」
「なるほど・・・・・ノンナ。案内してあげて」
「・・・・はい」
義弘の言葉にカチューシャは軽くため息をつくとノンナにトイレのある所へ案内させるのであった
「・・・・・・こちらです」
「すみません・・・・・」
ノンナにトイレのある場所へ連れてってもらい、義弘は男子用トイレに入る。そして個室に入ると・・・・
「コホッ!コホッ!コホッ!!」
口を手で押さえ咳をする義弘。そして・・・・
ピチャリ・・・・
何かが垂れ落ちる音がし、義弘は自分の手に名何か生暖かいものを感じた。そして自分の手を見る
「・・・・・・・」
その手は真っ赤に染まっていた。そして義弘は
「(さっきのアンツィオの宴会の時は気のせいかと思ったけど、やっぱり…それだけじゃない今この咳もどんどん悪くなっている・・・・・・)」
義弘は真剣な表情をするがやがて個室を出て赤く染まった手を洗い、トイレを出ると。ノンナがロシア人の生徒と何か真剣な話をしていた
「・・・・・」
「・・・・・・」
義弘はただ黙ってその話を聞いて終わるのを待っていた。そしてノンナは
「では、クラーラ。お願いします」
「Д」
そう言いクラーラと呼ばれた少女は去りそしてノンナは
「お待たせしました。用事は終えましたか武藤さん?」
「ええ、おかげですっきりしました」
「そうですか・・・・では戻りましょう」
そう言い義弘はノンナに連れられカチューシャやダージリンのいる応接間へと向かう。その中ノンナは
「武藤さん。一つ訊いてもいいですか?」
「なんでしょう?」
「あなたは、同志カチューシャのことをどうお考えですか?」
冷たい目でそう言うノンナに義弘は
「いい姉貴分だと思っています。確かに子供っぽいところがありますが、ですが、それでも自分の信念を曲げない強い心を持っています。それに少し安心しているんです」
「・・・・安心?」
「はい。俺と別れた後、カチュ姉が一人じゃないかと思って心配していましたが、ノンナさん。どうやら姉弟子はあなたという最高のパートナーに巡り合えたようですね」
「おだてても何も出ませんよ。あまり調子に乗られるとたとえカチューシャの弟分でもタダではすみませんよ・・・・・」
少し殺気じみた目でそう言うノンナに義弘は
「世辞じゃありません。本心でそう言っているんですよ。恐らく俺では彼女を最後まで支えていくのは無理でしょう。無論違う学校っていうのもありますが、彼女には俺ではなく、あなたが最適だ。あなたたち二人を見て俺はこれで安心だと、そう感じました」
「・・・・・・」
「ですから、彼女の弟弟子である武藤義弘として言わせてください。ありがとう・・・そして今後も姉弟子のことをお願いします」
「言われなくてもそのつもりです。それと武藤さん・・・・・まるで遺言のような言い方ですね?何か後ろ暗いことでも?」
「いいえ、ただあなたにお礼が言いたかった・・・・・それだけです」
「・・・・そうですか」
ノンナは義弘の言葉に違和感を感じながら二人で部屋へと戻るのだった
そして時は経ち
「では、カチューシャ。私たちはこれで」
「そうね。ヨシーシャ。またいつでもカチューシャのプラウダに来なさい。いつでも歓迎するから」
「ええ、その時は友人と一緒に来ます。では準決勝で・・・・・」
義弘とダージリンはそう言い、プラウダ高校を後にしようとしたとき
「ああ、そうだノンナさん」
「はい。なんでしょう?」
義弘に声をかけられノンナは返事をすると・・・・
「(先ほどのクラーラさんという方の会話。全部わかってますよ。何か俺を抹殺する計画を企てるなら本人がいないところで話すことをお勧めしますよ)」
「っ!?」
流暢なロシア語で不適の笑みでそう言う義弘にノンナは驚く。
「ちょ、ちょっとヨシーシャ何を言っているの!?の、ノンナ?」
ロシア語が分からないカチューシャは慌ててノンナに通訳を求めるが、ノンナは唖然としていた
「では…また」
そう言い、義弘はダージリンとともに去っていった。
「ねえ!ノンナってば!ヨシーシャはなんて言ったの?」
と、そう言う中ノンナは
「(まさか。彼がロシア語が話せるなんて予想がいでした・・・・・武藤義弘。侮りがたし・・・・・・・それにしても)」
ノンナは先ほど、義弘との会話を思い出してた
「(彼は何であんなことを・・・・それにあの表情・・・・まるでもうすぐ死期が近い。そう言う覚悟をしていたような・・・・・・私の気のせいだといいのだけれど)」
ノンナは彼の言った言葉を不審に思うのであった。だが、彼女の考えたことが実はそれほど間違っていないことは誰にもわかるはずがなかった・・・・・・・・
義弘は生存させる?
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生存しない
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生存させる
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生存するが長くは持たない
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死ぬが転生する
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どっちでもいい