ガールズ&パンツァー~黒森峰からやってきた狼~ 作:疾風海軍陸戦隊
「医者としてはっきり言うわ高杉君。あなたは長くは生きられない。最悪…春を迎える前にあなたの命は尽きるわ。」
永琳先生に言われた俺は
「やっぱり…そうか」
自分の体のことは自分で分かっているつもりだった。俺の予想ではもっと早くかと思ってたがまさかそんなにまでとはな
「わかってたの?自分の状況?」
「ええ。自分の体のことですから何となく・・・・・やっぱり桜は見れないか・・・・」
「桜?」
「ええ、昔、みほとエリカと約束したんですよ。今度の春一緒に桜見ををしよう・・・てね」
「そう・・・・・」
俺の言葉に永琳先生はじっと見て考え込む。正直言って花見をしようと約束したのは3年前。こんなこと知ってれば肺血病にかかる前に一緒に行けばよかったと珍しく後悔しているよ。
すると先生は
「高杉君……あなた。戦車道をしているわよね?」
急に俺が戦車道をしていることを聞く永琳先生。
「え?ええ…‥していますが?」
「さっき言った診断結果は戦車道をしないで生活することを前提に行ったことなの」
「・・・・つまり」
「戦車道をやれば、余命は縮むことになるわ。激しい振動に大きな砲撃音、そして脈を上げるような興奮感。それはスポーツとしてはいいものよ。でもね。あなたの体のことを考えるとそれはあなたの体に激しい負担がかかるの。だから・・・・・」
「戦車道をやめろ‥‥…そう言いたいのですか?」
俺はそういうと永琳先生は
「戦車道が好きなあなたにこういうことを言うのは酷だけど。はっきり言うわ。ええそうよ。医者として命の危機に瀕している患者にスポーツをやらせるわけにはいかないわ」
「ドクターストップってやつですか?」
「ふざけないで。私は真剣に言っているのよ」
真剣な表情をしそういう永琳先生。やっぱり永琳先生は筋金入りの医者だよ。いつも患者のことを大事に思ってる。だからこうして俺に戦車道をやめるように言ってくれている。
少しでも俺に生きてもらいたいと・・・・・・・でも
「先生…‥お心遣いはありがたいです。でも俺はこのまま続けたいと思います」
「っ!?馬鹿なこと言わないで!!」
バンッと机をたたきそういう先生
「あなたの体の状況、本当にわかっているの!あなたは今に死んでもおかしくない状況なのよ!いいえ!今こうして話して普通に生活できるのが不思議なくらいなのよ!あなたの体はもう限界なのよ!!」
「わかってます。あなたからもらった薬・・・・肺血病の痛みを和らぐ為の薬を飲んでもあまり効かなくなっていたことから…俺の体はもう薬でもどうしようもないほど危険な状態。そうなんでしょ?」
「だったらなんで!!」
そういう永琳先生に俺は
「はっきりとは言えないけどさ‥…なんだか大洗で何か大変なことが起きる予感がするんだよ。しかも戦車道と関係があるような何かがね・・・・そんな予感がしちゃったら放っておくことなんてできないよ」
「それは予感なんでしょ?」
「ああ…予感。だけどさ。今回ばかりは本当に起こりそうな気がするんだ。この大洗にとって何かが大きく変わりだすというか・・・・何というかね。上手く説明できないことがちょっと悔しいけどね」
正直、俺は嫌な予感がしていた。何か大洗が危機に瀕している。そんな予感が。だから俺がこうして戦車道ができているのは何か使命があるからじゃないのかなっと思って仕方がない
「それであなたは戦車道を続けるの?あなたは自分の母親と同じ運命をたどる。そういうの?」
「母をご存じなのですか?」
「ええ。私もあなたのお母さんと同じ、大洗女子…いまは共学の学園だけどその時の彼女の先輩だったのよ。あなたのお母さんのことは昔から知っているわ。そして医者になった私の元に来たのは肺血病を患っていたあなたのお母さんだったのよ」
そういうと昔のことを思い出しているのか先生はこう続けた
「彼女を診察した当時の私は肺血病のことは少しだけ知っていた。だが今現在でも直す方法がないといわれるあの病を治すことができなかった。だから私は翔子・・・・・あなたのお母さんに解決方法が出るまで戦車道はしないでと言った。でもあの人は聞き入れなかった。そして最後は・・・・・・」
「・・・・・・・」
「私は激しく後悔した。後輩を‥‥まだ幼かったあなたのお母さんを助けることができなかったことを・・・・そして今その息子であるあなたも母親と同じ道を歩もうとしている。だから私は同じ道を繰り返したくはない。だからね義弘君‥‥戦車道は・・・・」
そういうと俺は立ち上がり、先生にこう言った
「戦車道は‥‥・やめませんよ永琳先生」
「っ!?どうして!!」
そう言い俺は出口のドアのドアノブをつかみ
「俺はもう助からない。そしてじっとしても来年を迎えてすぐにポックリだ。解決方法が見つかるまではまだ先が長い。正直言ってそんな方法が見つかるまでじっとして苦しみながら死ぬなんてまっぴらごめんさ。永琳先生が俺のことを気遣ってくれるのは心の底から嬉しい。でもねやっぱり・・・・」
そう言い俺は永琳先生に振り返り
「最期くらい好きな戦車道を思う存分にやって死にたいよ・・・・・」
「っ!?」
その言葉に永琳先生は目を見開く。そして俺は
「先生・・・・こんな遅くまで俺の体を診てもらってありがとうございました。でも先生の言うとおりにまでとはいきませんが、戦車戦では無茶しない程度にやりますよ・・・・じゃあ」
そう言い俺はドアを開き、診療所を出ていくのであった。
そして一人残った永琳先生は義弘のカルテを手に取り先ほどの言葉を思い出す
「最期くらい好きな戦車道を思う存分にやって死にたいよ・・・・・か」
永琳先生は先ほど義弘の言った言葉をつぶやきある言葉を思い出す。それは彼の母親である翔子に病が完治するまで戦車道をしないでほしいといった時であった。
『先輩・・・・あの子を置いていくのは辛いけど、私の命はもうすぐ尽きる。だから最期くらい好きな戦車道を思う存分にやって死にたいわ。あの子に私は元気っていうのを伝えるためにね』
「・・・・・親子二代そろって大馬鹿ね・・・・・翔子。もしあなたが生きていていたらあなたは止めたかしら?あの子のことをどう思ってたのかしらね?」
悲しい口調で、永琳はそう言うのであった。
「諦めるのはまだ早い・・・・・・私のとれる最善策をしないとね」
そう言い彼女はある書類を出すそれは肺血病について研究していた資料だった。そして永琳は電話を出し
「それと、彼女にも連絡をしないとね。あの人なら多分、あの子を止められると思うから」
そう言い永琳先生はとある人物に電話をかけるのであった
一方、義弘は自分の寮に帰っていた。そしてドアを開けようとすると・・・・
「あれ?義弘君?」
「みほ?」
隣の部屋のドアから、幼馴染であるみほが顔を出した。
「今帰ったの?」
「うん。ちょっと用事で遅くなった」
「じゃあ、ご飯は食べてないの?」
「そう言えば…食べてなかったな」
「じゃあ、一緒に食べない?今日はクリームシチューを作ったんだけど。少し多く作りすぎちゃって・・・・」
「じゃあ、お言葉に甘えようかな?」
「うん。じゃあ、入って入って」
そういう美穂に義弘はニコッと笑って彼女の部屋に入る。義弘は美穂に自分の病について話していない。いや、話すことができないのだ。
「(言えねえよな・・・・・言えるわけねえよ。だってみほは俺にとって・・・・・)」
「ん?どうしたの義弘君?」
「いいや。なんでもないよ。皿出すの手伝うよ」
「うん。ありがとう」
義弘はそう言い、その後、みほと二人で食事をした。
二人がこうして食べている間にも彼の命のタイムリミットがどんどん近づいていることにこの時、みほは知る由もしなかった
義弘は生存させる?
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生存しない
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生存させる
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生存するが長くは持たない
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死ぬが転生する
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どっちでもいい