ガールズ&パンツァー~黒森峰からやってきた狼~ 作:疾風海軍陸戦隊
準決勝まであと一週間を切った。え?なんでそんなに時間がかかるんだ?それは試合会場とか練習する時間だとか?まあ、いろいろ大人の事情があるんだろうな。
まあ、それはさておき準決勝まで時間ができた。その間、みんなは戦車の練習やらで忙しい毎日を送っていた。だが、そのおかげで皆の練度は上がり準決勝に向けての支度は徐々に整っていた。
そして、今日は練習は休みとなり、皆それぞれの時間を過ごしている。
そして俺はというと・・・・・
「・・・・・」
「と、いうわけでこの戦法は・・・・」
俺は今、図書室で丸山に戦車戦の戦法や戦術論を教えている。なぜこうなったかというとそれは数日前に遡る
数日前
「・・・・・・」スウ・・・スウ
俺はいつものように学校の森の切り株で昼寝をしていた。あそこが戦車の中で寝るのと同じくらい一番落ち着くからだ。
そして風を感じながらすやすや眠っているとまた何か腕に違和感を感じる
「・・・・・ん?」
目が覚め、俺はちらっと違和感の原因である自分の右腕を見ると・・・・・
「・・・・・・」
「(またか・・・・・・)」
俺が見たものは俺の右腕をぎゅっと抱きしめて眠っている少女がいた。それはうさぎさんチームの丸山紗希だった。
「やれやれ・・・・しょうがないな。おい。丸山。起きろ」
彼女を寝顔を見てそのまま寝かしてあげたいところだが、ずっと俺の腕を掴まれても困るし、俺は彼女の肩を軽くゆすり声をかける。
すると丸山はゆっくりと瞼を開け目をこする
「おう、起きたか?」
俺が少し笑ってそう言うと丸山はいつもと同じ無表情ではあるが少し顔を赤くする
「・・・で?どうしたんだ?また昼寝に来たのか?」
俺がそう訊くと、彼女は首を横に振る。え?どうやら違うらしい
「・・・・・・・」
「え?『先輩に用があって探してたらここで寝ているのを見つけて、起こそうと思ったけど悪いと思って起きるまで待ってたら寝てしまった?』」
「・・・・・・」コクコク
いつもの無言で俺を見ているんだが、不思議に俺は彼女の言いたいことはわかってしまう。そう言えば他のうさぎさんたちも会話していたけど、それが普通なのか、俺が異常なのかわからない。
まあ、ともかく丸山は俺に用があって俺を探して見つけたはいいものの。俺が寝ていたため起きるまで待ててくれたみたいだがそのまま寝てしまったらしい。
これは少し悪いことしてしまったな・・・・
「すまないな丸山。俺が起きるまで待ててくれて」
「・・・・・」フルフル
俺が丸山に謝ると丸山は『気にしないでください』と言いたげに首を横に振る
「そうか・・・・それで丸山。なんでさっき俺の腕に抱き着いていたんだ?」
「・・・・・・」
「え?『ダメですか?』って?別にダメじゃないけどさ。そう言うのはもっと恋人とかな?好きな人ができてからにしなさい・・・・て、何お父さん的なことを言っているんだ俺は」
「・・・・・」
なんか、寂しそうな表情になった。俺、彼女とあまり接点はないが、もしかして先輩として慕ってくれているのか?でも、なんか懐かれるようなことした覚えはないんだがな・・・・まあ、それは置いといて本題に入らないと
「ま、とにかくだ。取りあえず本題に入ろうか。丸山。俺に用があるって言ったよな?」
「・・・・・」コクコク
「俺に用って何?」
俺がそう言うと丸山は俺の真正面に立つように正座し、そして俺に頭を下げる。いわゆる土下座である
「え!?ちょっと。どうしたんだいきなり!?」
いきなりの彼女の行動に俺は驚く
「・・・・・」
「え!?『弟子にしてくれ?』」
「・・・・」コクコク
俺の言葉に丸山は頷く。その後彼女の説明を訊くと。自分もかつて俺がみほたちを支えたように自分も友達である澤たちを支えたい。だから戦車の戦術や戦法を教えてほしい。だから弟子にしてください。とのことだった
「う・・・ん」
俺は丸山の言葉に頭を悩ませる。確かに丸山が言いたいことは理解できるし。気持ちもわかる。だが、俺はまだまだ学ぶ立場の人間だ。戦術だって俺はまだどんな戦法があるか勉強の最中で、はっきり言って、彼女にすべてを教えられることはできない
「・・・・・・」
でも、こんな必死に頭を下げて頼み込む彼女の願いを無下にできないし。困った・・・・・それに俺はいつ死ぬかどうかもわからない身だしな
まあ、確かに自分の後継者はいつかは作りたいとは思っている。だけど、急に弟子にしてくださいと言われて・・・・困った。本当に困った
「わかった…分かったから。頭を上げてくれ丸山。これじゃあまるで俺がいじめているみたいじゃないか」
俺が慌ててそう言うと丸山は頭を上げて。そしてキラキラと期待を込めた目で俺の目を見る
「う・・・ん。悪いな丸山。今のところ俺は弟子をとるつもりはないよ」
「・・・・」
そんなこの世の終わりみたいな顔をしないでくれ丸山よ・・・・
「まあ、話を最後まで聞けよ。俺もまだ勉強の最中だ、だから師なんて言われるほど徳は高くないよ・・・・・まあ、でも俺から戦法や戦術を盗むのなら別にいいけど。後、一緒に勉強会とかな?勉強会なら俺も大体は教えられる」
「・・・・」パアァ!!
俺がそう言うと丸山は花が咲いたような笑みをする。無表情な子だと思ってたけど結構、表情豊かな子なんだな。
そして俺は立ち上がり
「さて・・・・そろそろ行こうか」
「・・・・・・・」
「『どこに?』って・・・・図書室だよ。戦術の勉強するんだろ?手伝うよ」
「・・・・」
俺がそう言うとまたも丸山の表情は明るくなり、俺と丸山は図書室へと行くのであった。
そして現在
「うん・・・・・前に比べてよくなってきたな丸山。後は戦車の特徴をつかみ攻撃戦法を編み出すかだ」
「・・・・・」
そして今、俺は丸山の戦車の戦いの戦法を聞いていた。お題は市街地での戦い方だ。そして丸山は重戦車についてどう対処すべきか訊いてきた
「重戦車は火力、防御が強い反面、速度は遅い。しかも市街戦だと町は迷路のようになっており、足の遅い戦車はすぐに足の速いやつに先回りされて包囲される。例えば…だ」
そう言い俺は一枚の写真を見せ、市街地を描いた絵を見せる
「こいつはエレファントというドイツの重駆逐戦車だ。こいつの攻撃力はティーガー以上で防御もティーガー並みだ。まともに戦えばM3リーは勝てない。だが市街戦で戦うとしたらどうする?」
「・・・・・」
俺の質問に、丸山は指でなぞり、市街地の陰になる場所、もしくは一方通行の場合は速度を生かして回り込んで背後をとるようなジェスチャーをする
「そうだ。重戦車にとって市街地はもっとも動きにくい場所だ。しかも自走砲や駆逐戦車らの固定砲塔は砲塔が旋回できないから狭い道で背後を取られたら、反撃はできない。そこが撃破のチャンスだ。さて丸山。エレファントの背後をとっても装甲は固く撃破できない。その時はどう対処する?」
俺がそう訊くと丸山はジーと写真を見て考えるがわからないと言いたげに首を振る
「正解は・・・・・ここだ」
そう言い。俺が指したのはエレファントの後面にある丸いハッチだ
「ここは薬莢を捨てるハッチでな。ここだけ通常のと比べて薄い。そこを集中攻撃すれば撃破することが可能だ。どんなに強力な戦車でも人の作ったものだ。どこかしら弱点があるし、人の指示でもまた性能が行かされるかどうかが決まるってことだ」
「・・・・・・」
すごい尊敬のまなざしで見られている。悪い気分ではないが少し小恥ずかしい。ロスマン先生も俺に戦車戦術を教えていた時もこんな気持ちだったのかな・・・・
「さて…きょうの勉強会はここまでにしようか」
「・・・・・」
俺がそう言うと丸山は少し残念そうな表情をする
「まあ、名残惜しいけど。後は自分で考えるのも大切だよ。また時間があればやろう」
俺がそう言うと丸山は
「・・・・ありがとう・・・ございました・・・・せん・・ぱい」
「ん?……うん。どういたしまして」
かすかに聞こえた彼女の言葉に俺は彼女の頭をなでる。すると丸山は嬉しそうな表情になった。なんというか妹みたいで可愛い。
「じゃあ、解散。丸山。気を付けて帰れよ」
俺は自分の後継者になるかもしれない彼女にそう言い、図書室を出るのであった。そして丸山は
「・・・・・・・せん・・・ぱい///」
顔を赤くしたまま嬉しそうな表情で、ぽつりとつぶやくのであった。
「さてと・・・・・明日もまた練習も学校も休みだし・・・どうしようかな」
俺は帰り道そう呟く。だが明日、俺はある人物と出会うことをこの時まだ知らなかった
義弘は生存させる?
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生存しない
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生存させる
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生存するが長くは持たない
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死ぬが転生する
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どっちでもいい