ガールズ&パンツァー~黒森峰からやってきた狼~   作:疾風海軍陸戦隊

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もうすぐ準決勝です!

準決勝まであと三日。みんな二回戦突破でにぎわい学校中お祭り状態となっていた。それはそうだろう。戦車道では無名でしかも始めたばかりの学校が準決勝まで登ったんだ。それは盛り上がるのも無理はない。

それは戦車道部のみんなもそうだった。

そして現在、戦車格納庫では以前捜索して発見したルノーのレストアが終わり、今ナカジマさんたちが再修整備に入っている。

 

「うちのパンターも外装が変わったわね義弘?」

 

「ああ。砲塔の防循に顎が付いて、車体にはシュルツェンが付けられて。車輪もスチールホイルに変わったな」

 

道子の言葉に俺は自分の乗るパンターを見る。以前はなかった砲塔の防循に顎上の出っ張りが付き、側面にシュルツェンが取り付けられ、そして車輪は今までゴムが付いていた車輪からゴムの装着が少ないスチールホイルに変わっていた。それは正直言って助かった。試合が終わった後、ゴムが剥離した車輪を交換するのはいちいち大変だったからな。だが、戦車が変わったのは俺たちのパンターだけじゃない。

みほたちの乗るⅣ号も先の捜索で見つけた75ミリ長砲身を着け、見た目的にf2型のようにバージョンアップしていた。

 

「長砲身を着けたついでに外観も変えておきました」

 

「F2ぽく見えますね!」

 

「そうでしょ?」

 

「ありがとうございました自動車部の皆さん」

 

秋山の言葉にⅣ号の改装をしてくれた自動車部のナカジマさんがそう言うと、みほはナカジマさんたちに礼を言うとナカジマさんは

 

「いえいえ、まあ、大変だったけど、すごくやりがいがありました」

 

と、ニッコリと笑ってそう言うと、改装されたⅣ号を見た河嶋さんと小山さんは

 

「砲身が変わって、新しい戦車も一輌、参加できたけど・・・・・」

 

「そこそこは戦力が上がったな・・・・」

 

と、そう言うとみほが

 

「あ、あの・・・・ルノーに乗るチームは?」

 

そう訊くと、しばらくしておかっぱ三人娘がやってきた。そう生徒会のメンバーだ。 

 

「今日から参加することになった園 みどり子と風紀委員です。よろしくお願いします」

 

風紀委員チームの三人はぺこりとお辞儀をする。挨拶をした園さんは、いつも校門にいて遅刻しそうな冷泉を注意していた、あの風紀員だった。

そして角谷さんが三人のそばに立ち

 

「略してそど子だ。いろいろ教えてやってね~」

 

「会長! 名前を略さないでください!」

 

角谷さんに名前を略されたのが肌肉分かったのか、そど子…いや園さんは角谷さんにそう言うのだが・・・・

 

「何チームにしよっか。隊長?」

 

園さんの言葉をあっさり無視して角谷さんはみほにそう訊くと、みほはルノーを見て

 

「ルノーってカモっぽくないですか?」

 

みほの言葉に俺はルノーを見る。確かに言われてみれば鴨に似ているかも?

 

「じゃあ、カモにけってーい」

 

「カモですか!?」

 

角谷さんの言葉に園さんが声を上げる。まあ、ガチョウとか名付けられるよりはましだと思うけどな

 

「戦車の操縦は冷泉さん、指導してあげてね」

 

小山さんが冷泉に言う。まぁ、冷泉がこの中で一番適任だろうな。運転上手いし。

 

「私が冷泉さんに!?」

 

「わかった」

 

冷泉は嫌なそぶりを見せずに

 

「成績がいいからっていい気にならないでよね!」

 

「じゃあ自分で教本を見て練習するんだな」

 

「なに無責任なこと言ってるの! ちゃんとわかりやすく懇切丁寧に教えなさいよ!」

 

「はいはい」

 

「はいは一回でいいのよ!」

 

「は~い」

 

と、なんか言い争っているように見えるけど、俺から見たら、なんかトムとジェリーみたいなコンビができそうな予感がした。

 

「次はいよいよ準決勝! しかも相手は去年の優勝校、プラウダ高校だ。絶対に勝つぞ、負けたら終わりなんだからな!」

 

河嶋さんが次の試合に向けて、そう言うのだが

 

「どうしてですか?」

 

「負けても次があるじゃないですか」

 

「相手は去年の優勝校だし」

 

「そうそう胸を借りるつもりで」

 

ウサギさんチームの一年たちがそう言う。彼女たちの言葉にも一理ある、確かに勝つことも大切だ、。だが、負けてこそ成長につながることもある

 

「それではダメなんだっ!!!」

 

河嶋さんの一言で全体が静まり返る。それはただ勝ちたいという感情ではなく勝たなくてはならない。負ければ後がない・・・・そんな風に俺は聞こえた。

 

「河嶋の言う通り、勝たなきゃダメなんだよね」

 

そしていつも飄々としていた角谷さんもいつもと違って真面目な顔で静かにそう言う。そして、その格納庫内を静寂が支配する。

 

「西住、指揮!」

 

そしてその静寂さを変えるかのように河嶋さんがみほに声をかける

 

「あ…はい! 練習開始します!」

 

西住の号令によって本日の練習が始まる。すると・・・・

 

「西住ちゃん。武藤君」

 

急に角谷さんが俺とみほに声をかける

 

「なんですか?」

 

「実は二人に話したいことがあるから、生徒会室に来て」

 

「……………?別に良いですよ」

 

俺とみほは顔を見合わせると、頷き了承する。

 

 

 

 

 

 

 

 

その後、練習が終わった後、俺とみほは雪の降る空の中、生徒会室に連れてこられ、部屋の真ん中に置かれた炬燵に入り、生徒会メンバーの3人と彼等5人で、角谷さんが作ったと言うあんこう鍋を囲んでいた。

ガスコンロの火を受けて、鍋の中身がグツグツと音を立てている

 

「いや~寒くなってきたね=やっぱりこういう寒い日には鍋料理は格別だよ」

 

羽織を着て袖をフリフリと揺らして言う角谷さん

 

「まあ、北緯50度を超えましたからね」

 

「次の会場は北だからね」

 

「まったく、ランダムで試合会場を決めるのはやめてほしい」

 

河嶋さんがそう言う。今回の試合会場は北の雪原ステージ。そのため学園艦は試合会場の寒い北の地へと向かっているのだ

 

「あの・・・・それで話というのは?」

 

みほは呼ばれた理由を聞こうとするが

 

「まあ、まあ、まずはアンコウ鍋でも食べて体を温めようよ」

 

「会長の作るアンコウ鍋は絶品なのよ」

 

「そうですか…じゃあ、いただこうかな?」

 

「え?義君?」

 

みほは驚いて小さい頃の俺の仇名を呼ぶ

 

「まあ、みほ。まずは角谷さんが用意してくれた料理を食べよう。俺も呼ばれた理由は気になるけどさ。まずは食べて体が温まってから話を聞いても別に遅くはないよ」

 

「う・・・・うん」

 

俺が無邪気な笑みを浮かべた。

そう言われたみほは、取り敢えずはこうや俺の言う事に従おうと、具を口に運んでいく。

そして俺たちが鍋料理を楽しんでいると

 

「そう言えばさ、武藤君」

 

急に角谷さんが声をかけた

 

「武藤君と西住ちゃんって幼馴染なんだよね?」

 

「はい。小学校低学年からの仲ですよ。いつもみほと一緒に遊んだりしていました」

 

「へ~どんなことをして遊んでいたの?」

 

「そうですね?田んぼとか山に行って虫取りをしに行ったり、川で遊んだり・・・・あ、そう言えばみほ。お前。大きなシマヘビを素手で捕まえてきたことあったよな?エリカの奴、腰抜かしてたぞ?今思えばあのやんちゃで活発だったみほがここまでお淑やかになっているなんて思わなかったよ」

 

「へ~西住ちゃんの小さい頃ってそんなんだったんだ?」

 

「ちょっ!?義くん!?それは子供頃の話でしょ!?今は違うよ!?」

 

みほが恥ずかしそうに顔を赤くしそう言う

 

「あはは…ごめんごめん」

 

俺はそう言うと、俺とみほの姿を見て角谷さんは微笑ましく見て

 

「本当に仲がいいんだね。二人はちょっと羨ましいよ・・・・・あ、そうだ。珍しいものがあるんだ!」

 

「私たち一年のころから生徒会をしているの」

 

と、そう言い角谷さんは何か取り出そうとごそごそとし始める中、小山さんがそう言うと、

 

沢山の写真が入ったアルバムを持ってきて広げた。

 

最初のページには、生徒会メンバーの3人が、笑ってピースサインを向けながら校門の前で写っている写真があった。

 

「おお、コレ見てよ!河嶋が笑ってる!」

 

「か、会長!そんなもの見せないでください!」

 

普段は見せない意外な表情を見られたのか恥ずかしいのか、河嶋さんは赤面しながら言う。

 

「他にもあるんだよ。これは学園祭のときやカレー大会なんかの写真で・・・」

 

と角谷さんが楽しそうに思い出を語る。 写真には校外学習、学園祭、合唱コンクール、修学旅行、はたまた何かの行事なのか、泥んこプロレス大会と言う競技で角谷さんに技を決められている河嶋さんや、海に遊びに行ったのか、バズーカ砲のような特大水鉄砲で、角谷さんや小山さんに大量の水を浴びせ、その後ろでは大波で吹っ飛ばされている河嶋さんが写っている写真が続々と出てきた。

様々な表情が写っていたが、全員楽しそうな雰囲気が伝わってきていた。

 

「楽しそうですね?」

 

みほは写真を見てそう言うと

 

「うん楽しかった・・・・」

 

「本当に・・・・」

 

「あの頃は・・・・・・」

 

ととても懐かしむような顔でそう言う三人。そしてその表情はまるで別れを惜しむような表情でもあった。

その後、俺たちは生徒会の三人組とともに食事を楽しみ、その場は解散となった。だが、俺たちが呼ばれた理由は最後まで彼女たちが語ることはなかった。

 

「結局何だったんだろう・・・・話て?」

 

「さあな?角谷さんには角谷さんの都合でもあったんじゃないかな?」

 

学校の下駄箱で俺とみほは先ほどのことを話す。なぜ俺たちが呼ばれたのだろうか?・・・・あ、そう言えば携帯あの部屋に置き忘れた

 

「あ、俺、生徒会室に忘れ物した。俺戻るから、みほは先に帰っててくれるか?」

 

「え?・・・・・う、うん」

 

そう言いうと俺はみほを残して生徒会室に戻るのであった・・・・

 

 

 

 

 

 

 

 

「けほっ・・・けほっ・・・・気温が低くなったせいか、寒さで肺がいつも以上に痛く感じるな・・・・」

 

咳を込み、俺は生徒会室につき、ドアを開けようとすると・・・・・

 

『結局言えなかったじゃないですか・・・・・』

 

ん?河嶋さんの声が聞こえる。

 

『これで良いんだよ、河嶋。西住ちゃんや武藤君には頑張ってもらっているし、これ以上重荷を背負わせるわけにはいかないよ』

 

今度は角谷さんの声が聞こえた

 

『ですが、会長・・・・』

 

『二人には事実を聞いて萎縮するより、あのまま……………のびのびと戦車道をやってほしいからさ……………』

 

深刻そうに言う角谷さん。真実・・・・恐らく俺とみほに言いたかったことだろうか?しかもその内容は、恐らく今後俺たちにかかわる大事なことなんだろう。なら俺のやることは一つしかない

俺はドアをノックする

 

『誰?』

 

「武藤です。すみませんん。忘れ物を取りに戻りました。入ります」

 

そう言い、俺は部屋に入ると、小山さんが

 

「武藤君。今の話・・・・・聞いてた?」

 

「話?何をです?」

 

「ああ、いいんだよ。こっちの話」

 

俺はあの話を聞かなかったふりをし、忘れた携帯をとり、部屋を出ようとすると俺は立ち止まり

 

「角谷さん。先ほど俺やみほに何を伝えたかったのはわかりませんでしたが、俺は絶対にこの学校を・・・・あなたたちを優勝させて見せます・・・・・・・この命に代えても・・・・・ね」

 

「え?」

 

「独り言です。それではお疲れさまでした。アンコウ鍋美味しかったです」

 

そう言い俺は、呆けた三人の元を後にしたのだった。だが、俺は角谷さんが話す事実を試合で聞くことになること・・・・・そして自分の体が崩壊する・・・死への序曲が盛大に演奏されたことを知る由もしなかった・・・・

 

義弘は生存させる?

  • 生存しない
  • 生存させる
  • 生存するが長くは持たない
  • 死ぬが転生する
  • どっちでもいい
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