ガールズ&パンツァー~黒森峰からやってきた狼~ 作:疾風海軍陸戦隊
菊代さんが訪ねてから2日経ち、遂に迎えた、大洗女子学園戦車道チームvsプラウダ高校戦車道チームとで行われる、第63回戦車道全国大会準決勝当日。
此処は、その準決勝の試合会場。北緯50度を越えた、雪の降る夜の雪原地帯。
「ふぅ・・・・さすがは北の地。寒いな・・・」
白いと息を吐きながら義弘はそう言う。日が昇らない夜の試合会場。そのため気温も昼に比べてとても寒い
「祖国ロシアに比べれば、まだ温かい方ですよ武藤さん」
「まじか…ロシアはそんなに寒いのかよ」
隣でキツツキさんチームのリーダであるエレーナがそう言う。そしてみほたちの方はというと・・・・
「寒ゥッ!?マジで寒いんだけど!」
「北緯50度を越えてますからね……………」
あまりにも試合会場が寒いからか、沙織がガタガタと震えながら言い、華も若干寒そうにしながら言う。
まあ、いつものパンツァージャケットじゃ寒いのも無理はない。というより下手したら風邪を引きそうだ
だが、寒さに関係なく一年生たちは雪合戦をし、歴女の皆さんは何か雪像を作っている
そんな時、大洗チームの待機場所に、1台の車両--自走式多連装ロケット砲《カチューシャ》--が近づいてきた。
金属音を混ぜたブレーキ音と共にカチューシャは停車すると、両方のドアが開き、其所から2人のプラウダ高校の生徒が降りてくると、そのまま大洗チームの元へと歩みを進める。
「あれは、プラウダ高校の隊長と副隊長……………」
「『地吹雪のカチューシャ』と、『ブリザードのノンナ』ですね!」
近づいてくる2人を見て、みほと優花里がそう言い合う。
そんな2人の会話を他所に、カチューシャとノンナは大洗チームの少し前で歩みを止める。
そして、カチューシャは大洗の戦車を一通り見回した。そして・・・
「ぷっ、あっはっはははははははは!!」
と、大きな声で笑いだし
「このカチューシャを笑わせるために、こんな戦車用意したのよね!ねえ!」
明らかに大洗をバカにした発言をするカチューシャに、大洗のメンバーは表情をしかめる。
だがその場に義弘は彼女の態度が分かっていた。安い挑発だということに、わざと相手を怒らせるようなことをいい挑発し相手が冷静な判断をできないようにする。まあ、たいていのベテラン校はその手には乗らないが
戦車道を始めたばかり、しかも勝ち続けの相手には有効だろう
「やあやあ、カチューシャ。私は大洗学園生徒会長、角谷だ。今日はお手柔らかにね」
まるで気にしていないように、何時も通りの様子で出てきた角谷が自己紹介しながら、若干屈んで握手を求める。
「……………」
だが、当のカチューシャは不満げに杏の手を睨み、暫くすると……………
「ノンナ!」
いきなりノンナを呼びつける。すると、ノンナはカチューシャが何を求めたのかを悟り、カチューシャを肩車した。
「へっ?」
流石に驚いたのか、角谷達は間の抜けた声を出す。
「貴方達はね、全てがカチューシャより下なのよ!戦車も技術も身長もね!」
ノンナに肩車されたカチューシャは胸の前で腕を組み、見下したような声を上げた。
「……………」
「肩車してるじゃないか……………」
その様子に角谷は言葉を失い、河嶋はボソボソと突っ込みを入れる
「聞こえたわよ!よくもカチューシャを侮辱したわね!しょくせいしてやる!!」
「それを言うなら粛清だ。チビ」
「そうだ!言葉は正しく使えよバカヤロ」
と、樋口と天野がそう突っ込むとカチューシャは顔を真っ赤にし
「う、うるさいわね!それにチビ言うな!!」
と顔を真っ赤にしてそう言うカチューシャ
「(逆に挑発されてどうするんだよカチュ姉・・・・)」
様子を見ていた義弘があきれ顔で見ていると、カチューシャはみほに気づく
「あら?あなた西住流の……そう。あなたがヨシーシャのね・・・」
「え?」
カチューシャはみほをじっとどこか睨むような目で見る。その目にみほは少し驚くが
「まあ、いいわ。それよりも・・・・ヨシーシャはどこにいるかしら?」
「ヨシーシャ?・・・・武藤君のこと?」
「そうよ。どこに・・・・「ここにいるぞ」」
カチューシャが義弘がどこにいるか角谷に尋ねると義弘が前に出る
「あら、ヨシーシャ。久しぶりね」
「別れてから数日だけでしょ?」
「何よ。せっかく私が話しかけているのに冷たいわね・・・・・それよりヨシーシャ。顔色さらに悪くなっていない?」
「気のせいだよ」
「そうかしら。もしかして・・・・」
そう言うとカチューシャは再びみほの顔を見てまたもにらむような目をする
「みほがどうかしたのか?」
「なんでもないわよ。まあいいわ。試合前にあんたの顔も見れたことだしね。じゃ~ね~、ピロシキー」
「ダスヴィダーニャ」
そう言い二人は去っていった。そして二人が去った後
「え?何?武藤。あの人と知り合い?」
武部がそう訊くと
「ああ、俺の姉だ」
「え!?カチューシャ殿って武藤殿のお姉さんだったんですか!?」
「それにしては全然似てないな?」
義弘の言葉に秋山が驚き、冷泉は似ていないというと
「正確には姉弟子だ。みほ。お前ロスマン先生は覚えているだろ?」
「う、うん・・・」
ロスマン先生という言葉にみほは若干震えてそう言う。まあ先生の指導は結構厳しいからな。俺もみほや黒森峰のみんなもそしてカチュ姉もめちゃくちゃスパルタされたから、思い出しただけで震えるのは無理もない
「その時の先生の弟子であり俺の先輩だ。だから姉弟子になるってわけだ」
「そう。ロスマン先生の・・・・」
そう言うみほ。カチューシャがロスマン先生の弟子と知り、さらに油断はできないと思ったのだろう。
「さてと。取りあえずは作戦会議でもしよっか?」
「う、うん」
そうして、試合に向けての作戦会議が始まるのであった
一方、プラウダ陣営では……………
「それで、よかったのですかカチューシャ?」
「何がノンナ?」
陣営に戻った後、ノンナはカチュ者に尋ねた
「西住流であるみほさんや大洗の選手を挑発するために去年の試合のことを引き出さなくて」
「ああ、それね。やっぱりやめにしたわ」
「なぜです?」
ノンナがそう訊くとカチューシャはそっぽを向き
「ヨシーシャに嫌われたく・・・・・ないから。もし下手なこと言ってヨシーシャに嫌われたらいやだったからよ」
子供っぽく頬を膨らませてそう言うカチューシャにノンナは
「そうですか・・・またあの男が・・・・忌々しい人です」
「ノンナ。なんか言った?」
「なんでもありません」
「(やっぱり始末しますか?あの男を?)」
そんな二人の様子を見たクラーラが声をかけてくる、もちろんロシア語である。
「(ええ。ですが仮にも相手はあの黒狼です。そう簡単には倒せないでしょう。もしやるなら試合が終わった後にじっくりと。そしてカチューシャにばれないように・・・・)」
「(そうですか・・・でもこちらには
「(わかっています。必ずや仕留めて見せます豹の皮をかぶった狼をこの手で・・・・ところでクラーラ。あなたさっき大洗の選手名簿を見ていましたが何か気になることでも?)」
「(いいえ。大したことではないのですがこのBT7の車長のロシア人どこかで見たような気がして・・・・多分気のせいだと思うわ)」
「あなた達!ちゃんと日本語で話なさい!ノンナ、クラーラは何を言ってたの?」
「いえ、なんでもありません、単なる試合前の確認です、カチューシャ」
「あそっ!それならいいわ」
と、そう言いカチューシャは椅子に座る。そして考え事を始める
「(西住みほ・・・・・あいつがヨシーシャの・・・・それにヨシーシャのあのやつれ様・・・まさかあいつに酷いいじめみたいなことされているのかしら?でもその割にには仲かがよさそうだけど・・・・・まあ、いいわ。この試合であの西住流の子がヨシーシャにふさわしい人物か私がこの手で見極めてやるわ。)」
そう言い、いつもの子供っぽい表情からまるで氷のような鋭い視線に変わるのであった
義弘は生存させる?
-
生存しない
-
生存させる
-
生存するが長くは持たない
-
死ぬが転生する
-
どっちでもいい