ガールズ&パンツァー~黒森峰からやってきた狼~   作:疾風海軍陸戦隊

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準決勝の暗雲です

カチューシャが大洗の試合の前のあいさつを終えかえった後、さっそく大洗チームは作戦会議を始めた

 

「兎に角、相手の部隊規模や戦術に呑まれないよう、落ち着いて行動するようにしてください」

 

集まったメンバーの前で、真面目な面持ちのみほが作戦を伝える。

 

「プラウダは引いてから反撃すると言う戦法を得意としていますので、仮に此方が有利になる時があっても、そこでさらに踏み込むなどの行動は控えるようにしてください。フラッグ車を守りつつゆっくり前進して、先ずは相手の出方を見る事から始めましょう」

 

と、みほが提案するが

 

「それもいいが、ここはゆっくり進むのも確かに良いとは思うが、此処は一気に攻めると言うのは如何だろうか?」

 

「えっ?」

 

エルヴィンがみほの考えた作戦とは全くもって対をなす発言に、みほは戸惑いを見せる。

 

「うむ」

 

「妙案だな」

 

「先手必勝ぜよ」

 

そんな中で、おりょう、左衛門佐、カエサルの3人がエルヴィンの案に賛同する声を上げる。

 

「ですがリスクが大きいと思います」

 

プラウダの戦法を知っているみほがそう言うのだが、

 

「そんなの大丈夫ですよ!」

 

「私もそう思います!」

 

「こう言うのは勢いが大事です!」

 

「此処は是非、我々のクイックアタックで!」

 

みほの言葉を遮り、アヒルさんチームのメンバーが声を上げる

 

「ですが西住隊長の言葉にも一理あると思います。しかも相手は雪上戦に強いチームです。わざわざ危険を冒してまで」

 

黒狼チーム操縦手の服部が不安げに言うとキツツキさんチームもエレーナも

 

「私も同じです。迂闊に踏み込んではあっさりと撃破されてしまいます」

 

そう言うのだが・・・・・

 

「そんなの大丈夫ですってば!」

 

「それに私達だって、曲りなりにも準決勝までやって来られたんですし、このまま行けます!」

 

「うんうん!負ける気がしません!」

 

「それに敵は、私達の事を完全にナメてましたし」

 

「一気に攻め込んで、ギャフンと言わせてやりましょうよ!」

 

紗季を除くウサギさんチームからも、そんな声が上がる。丸山紗希の方はどことなく不安そうな顔をする

 

「確かに勢いも大事だし、試合が長引けば相手が有利になるだけですからね……………」

 

「ああ、私も同感だな」

 

「こりゃ、一気にやる以外に無いねぇ~」

 

おまけに、生徒会メンバーの3人も彼女等の意見に賛同しており、現在、みほの考えた作戦に賛同しているのは黒狼チームとキツツキさんチーム。

 

「……………分かりました、一気に攻めましょう」

 

『『『『『ええっ!?』』』』』

 

そんな時、みほが作戦を変え、エルヴィンが提案した作戦へと変更し、それを聞いたあんこうチームらが驚いた

 

「みほ。大丈夫なの?。慎重に行く作戦じゃなかったの?」

 

「武部さんの言う通りよ。それで本当にいいのみほ?」

 

武部と篠原がそう言うとみほは答えを変えなかった。

 

「小山先輩の言う通り、この戦いが長引けば、雪上での試合に慣れてる相手側の方が有利になる……………それに、皆がこんなにも勢い付いてるんだし……………」

 

「それもそうだけどね・・・あんたはそれでいいの?」

 

「うん・・・・義君もそれでいいよね?」

 

とみほは義弘に声をかけるのだが

 

「・・・・・・」

 

義弘はパンタに寄りかかり下を向いていた。その顔はどことなく辛そうなな表情だった

 

「義君?」

 

「ちょっと義弘大丈夫?」

 

みほと篠原が義弘に駆け寄り声をかけると。義弘は静に顔を上げて

 

「ああ・・・・・大丈夫だ少し寒さに応えただけだ」

 

「本当に?」

 

「ああ。それよりさっきの話聞かせてもらった。・・・・・みほ。お前はそれでいいんだな?」

 

その言葉に、みほはゆっくりと頷いた。

 

「……………分かった。お前がそうするってんなら、俺等はそれに従うよ」

 

義弘の言葉に角谷が頷き

 

「まぁ、孫子もこう言ったモンだしね。『兵は拙速になるを聞くも、未だ巧の久しきを観ず』……………ダラダラ戦うのは国家国民のために良くない。チャッチャと集中してやるのが良いってコト。ね?西住ちゃん」

 

そう言って、杏がみほにウインクする、それを見たみほは頷き、再びメンバーへと向き直った。

 

「では皆さん!相手は強敵ですが、頑張りましょう!」

 

『『『『『『『『『『オオーーーーーッ!!!』』』』』』』』』』』

 

みほの言葉に大洗のメンバーは拳を突き上げる。

 

 

 

そしてみんなが戦車に乗る中、篠原は義弘にこう言った

 

「義弘がそれでいいの?あなたはプラウダの戦法がどんなのかよく知っているはずでしょ?」

 

「ああ・・・・知っている。だが他の連中は知らない。いい機会だ。それを学ぶのも勉強だ・・・・・ゴホッ!ゴホッ!」

 

義弘がそう言うと急に義弘は咳をし始める

 

「ね、ねえ義弘。あんた本当に大丈夫なの?やっぱりどこか悪いんじゃ・・・・」

 

道子が心配そうにそう言うと義弘は

 

「だ、大丈夫さ。いや~さすがは雪の試合会場。本当に寒い。肺まで凍りそうだよ。さて早くパンターの中に入ろうか。このままじゃ彫刻みたいに凍ってしまう」

 

何やら誤魔化すみたいに笑いパンターによじ登る義弘

 

「・・・・・・」

 

その義弘に道子は疑うようなまなざしをするのであった

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

その頃、観客席近くの小高い丘の上では……………

 

「この寒さに、プラウダよりも数が劣っている状態で、大洗はどうやって勝つつもりでしょうか……………」

 

丘の上に陣取っている聖グロリアーナの1人、オレンジペコが、エキシビジョンに映し出される大洗の様子を見て心配そうに言う。

その直ぐ横で紅茶を飲んでいたダージリンは、落ち着き払った様子で言った。

 

「確かに大洗は、数や練度の質ではプラウダより遥かに劣っている……………でも、そんなハンデを覆してくるのが彼女等よ。それに彼女には狼がいるわ。無敗のね」

 

そういい紅茶を一口飲むとダージリンはモニターに映る義弘の姿を見て

 

「(さて…義弘さんはいったいどんな試合を見せてくれるのでしょうね?)

 

そう言いダージリンは微笑むのであった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「ねえ、ミカ?こんな寒いところに見に来て意味があるの?」

 

「もちろん大洗の試合を見に来たんだよ、見届けにね」

 

ダージリンとは別の場所で継続高校のミカとアキが試合を見ていた

 

「でも珍しいね?ミカが他校の試合を見に行きたいだなんて?」

 

「大洗にね…友達がいるんだよ。それでどんな試合を見せてくれるか興味があってね」

 

「え?ミカに友達なんていたっけ?」

 

「・・・・アキは私をボッチだと思っていたのかい?黒森峰の隊長じゃあるまいし、私にも友達くらい入るよ…古い。古い友達がね」

 

アキにいたいところを突かれたのか若干ひきつった顔をするミカだったが、その心情を紛らわそうとカンテレを弾く。そしてミカは

 

「(義弘・・・・・あなたはどんな戦いを見せてくれるのかい?いや・・・無事に試合を終えることを祈るよ)」

 

そう言いポロロ~ンとカンテレを弾くのであったがその音色はどことなく彼女が彼のことを心配している様な音色だった

 

 

 

 

 

 

 

 

暗闇と静寂が支配する雪原に、地響きと野太い音が響き渡る。

 

その雪原では、15輌の白いプラウダ校戦車が進撃していた。

 

T-34/85が7輌に、T-34/76が6輌、カーベー2ことKV-2、IS-2が其々1輌ずつで編成されたプラウダ高校戦車道チームの戦車隊は、フラッグ車である1輌のT-34/76と、その後に続くKV-2とIS-2を、残りのT-34/85、76で守るような形で、矢印状の隊列を組んで進撃していた。

 

「良い!?彼奴等にやられた車両の乗員は、全員シベリア送り25ルーブルよ!!」

 

「……………日の当たらない教室で、25日間の補習と言う事ですね」

 

隣を走る同車のキューボラから上半身を乗り出したノンナが、カチューシャの言葉を要約する。

 

「行くわよ!敢えて相手のフラッグ車と、あのパンター戦車だけ残して、残りは皆殲滅してやる……………力の違いを見せつけてやるんだから!」

 

「「「「「Улларーーーーーーーーーーーーー!!!!!」」」」」

 

カチューシャの言葉に、プラウダ全車両の乗員から雄叫びが上がる。

 

それから一行は、ロシア民謡--『カチューシャ』--を歌い出し、士気が最高潮にまで上り詰める勢いで進撃を続けるのであった。

 

 

ついに大洗とプラウダの準決勝は始まった。だが、この時、観客はおろかプラウダも大洗もそして義弘とみほもこの時は知らなかった

 

 

 

今この時より、死へと誘う死神の狂想曲が始まってしまったことに・・・・・・

 

義弘は生存させる?

  • 生存しない
  • 生存させる
  • 生存するが長くは持たない
  • 死ぬが転生する
  • どっちでもいい
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