ガールズ&パンツァー~黒森峰からやってきた狼~ 作:疾風海軍陸戦隊
カチューシャの策略によって包囲された大洗チーム。その様子を観客席の丘陵エリアではダージリンたちが見守っていた
「完全に囲まれてますわね………………それなのに、何故プラウダは攻撃しないのでしょうか?言って良い事なのかはさておき、大洗を殲滅するなら今がチャンスなのに」
オレンジペコがそう言うと、ダージリン溜め息をついて言った。
「カチューシャは、この状況を楽しんでいるのよ。相手から彼是と搾取するのが好きだもの」
そして、また溜め息を1つつくと、ダージリンは紅茶を飲もうと、マグカップを口に近づけ試合を見守る
「(さて…みほさんと武藤さんはこの状況をどう打開するのかしら?)」
一方、別の場所では西住しほとまほが観戦していた
「‥…帰るわ。こんな試合を見るのは時間の無駄よ」
そう言い立ち上がるしほ。この言葉を見るにただ冷たいように感じる人もいる。だが、彼女の本音はこれ以上、みほが包囲され、みほ自身が苦しい顔を見るのが辛いから。すると
「待ってください」
「まほ?」
「まだ試合は終わっていません」
まほは真剣な顔でしほに言うと
「そうね・・・・まだ試合が終わってないのに帰るなんて。しほ。あなたは戦車乗りとしてまだまだ未熟ね」
「「っ!?」」
背後から声がし二人が振り向くとそこには14,5歳くらいの少女が立っていた。その少女を見たまほは
「・・・・・・ロスマン先生」
まほは少し驚いた表情で彼女の名を言う。そう二人に声をかけたのは同じく試合を観戦しに来た義弘の師、エディータ・ロスマンであった
「お久しぶりねまほさん。中学校の時以来かしら?」
「は・・はいかれこれ三年ぶりです」
ニコッと笑うロスマンにまほは思わず直立不動の姿勢を取り挨拶をすると
「そんなに緊張しなくてもいいのよ?」
「い、いえ。これが私の普通の姿です」
と、強張った表情でそう返事するまほ。なぜ彼女がロスマンに対し緊張した態度をとるか?中学の恩師ということもあるが、中学時代にめっちゃくちゃスパルタされたのと、思い出したくない黒歴史を彼女に握られているからである。だがそれは、まほだけでなく彼女の指導を受けた生徒みんながそうである。
そしてロスマンはしほの隣に立ち、小声で
「さて、しほさん。まほさんの言う通り試合はまだ終わっていないわよ?最後まで見届けてあげなさい」
「ですが先輩・・・・」
「たしかに今の状況は、バカ弟子やみほさん達大洗側に非常に不利となっております。ですが、だからと言って、私は彼等が簡単に負けるとは思いません・・・・それはあなたが20年前に経験しているでしょ?かつて大洗にいた時、今の試合のように灼熱の砂漠エリアで敵に包囲されたときも私たちは負けたかしら?」
「それは・・・・・・」
「否、みんな最後まで諦めなかったわ。一度たりとも勝負を捨てる真似をしようとはしなかった」
「ですが、あの時と同じように今のチームも同じとは・・・・・」
「大丈夫よ。大洗戦車道部の魂は彼女たちが知らずのうちに引き継がれていると思うわ。なんたって昔から大洗は逆境に強かったから。でなければここまで来ることは出来やしないわ」
「『戦車道にまぐれ無し、あるのは実力のみ』・・・・あなたから教わった言葉ですね」
「ええ。だからしほ。今は最後まであの子たちを見守ってあげなさい。母親として、そして大洗の先輩としてね・・・・」
「分かりました」
ロスマンにそう言われ、しほは静かに座るのだった
それから場所を移し、此処はプラウダの野営地。
其所では移動用として用意されていたのであろう軍用スノーモービル--RF-8--の操縦席に、毛布を被せながら座っているカチューシャがボルシチを食べていた。
「それで降伏の条件として、土下座に加えてウチの草むしりと麦踏み、ジャガイモ掘りを3ヶ月やらせましょうか?」
完全に捕虜扱いと捉えられてもおかしくないような事を言いながら、カチューシャはボルシチを口に運んでいく。
意地悪く笑みを浮かべるカチューシャにノンナは
「それでカチューシャ。武藤さんについてはどうしますか?」
「ヨシーシャ?そうね。あの子はカチューシャの弟だし。執事として扱おうかしら?そして頭を撫でてもらおうかしら?あ、逆にヨシーシャに膝枕をしてあげるのもよさそうね。ふふっ…ヨシーシャがプラウダに来るのが楽しみね、ねぇノンナ、クラーラ」
「「………」」
「ひっ!ふ、二人共、なんか…怒ってない?」
「いえ、なんでもありませんよ、ですよね、クラーラ」
「ロシア語)『そうですね、彼がプラウダに来たらいろいろと″やりやすい″ですから』」
「『ですが、下手にやるとカチューシャに嫌われる危険性があります。あの彼に対しての溺愛は私たちに通じるものがありますから。それに彼は見た目に反して手強そうです。ここは慎重にやる必要があります』」
「だから!ちゃんと日本語で会話してくれないとわからないでしょ!!」
そう怒鳴るがすぐにカチューシャは食事を終えた
「ふぅ、ご馳走さま。食べたら眠くなっちゃったわ」
そう言いながら、カチューシャはRF-8に寝そべり、毛布を布団代わりにかぶる。
「敵に時間を与えたのは、お腹が空いて眠かったからですよね?」
「違うわ!カチューシャの心が広いからよ!シベリア平原のようにね!・・・・それに頭を冷やさせる必要があったしね」
「え?」
「なんでもないわよ!おやすみ」
からかうように言うノンナにそう言い返すと、カチューシャは会話を打ち切って寝てしまう。
そんなカチューシャを微笑ましそうに見ながら、ノンナはコサックの子守唄を歌い始めるのであった。
場所は大洗陣営に戻り
「問題はこの包囲網をどう突破するかだな」
「敵の正確な位置がわかれば良いんだけど…」
西住みほと生徒会のメンバーは地図を広げて今後の作戦を練る。
「…偵察を出しましょう。でも誰を出すか・・・・・」
みほがだれを偵察に出すか考えると
「西住殿、偵察ならお任せ下さい!!」
だが、秋山は自分からその危険な偵察役を買って出てくれた。
「優花里さん…ありがとう、でも…一人じゃ危険かも」
「だったら私も行こう」
「エルヴィン殿、よろしいのですか?」
「もちろんだ、グデーリアン」
エルヴィンが立候補し、秋山と共にチームで偵察に出る事になった。
「この広さだともう一チーム必要ですね」
とはいえ一つのチームだけで吹雪の中を偵察に出るのは厳しい。
「だったらそど子、冷泉ちゃんと行って来なよ」
「私が冷泉さんと!?」
「確か二人共視力が2.0あったし、仲も良いしね」
「仲良くなんてありません!それとそど子って呼ばないで下さい!!」
「文句言っている暇があるなら行くぞ、そど子」
「何よ!あなたなんて冷泉麻子だから、れま子よ。れ・ま・子!!」
「はいはい。行くぞそど子」
「だからそど子って言わないで!!」
そんな冷泉とそど子のやり取りを見ながら、やっぱり仲が良いんだなぁ…と西住みほは少し微笑んだ。そして二組が出て少し後、すると義弘は建物を出ようとする
「義弘どこに行くのよ?」
道子が呼び止めると
「パンターに積んであるものをここに卸してくる。気温も下がっているうえ天候も悪くなってきているから例の物を持ってこようと思ってな。万が一吹雪いちまったら取りに行けないしな」
「確かに三時間この寒さをしのぐにはあれを持ってくるのはいい方法だけど・・・・・一人で大丈夫?私も行こうか?」
「大丈夫だ。一人で行ける」
そう言い、彼は建物を出るのだった。
「やはり雪が積もってきているな・・・・取りに来て正解だったな」
廃教会から出て廃村地帯を抜け、パンターを隠している地点についた義弘は大型の寸胴鍋の中に何やらいろんなものを入れその上に布をかぶる
「よし、あとは縄を使ってこれを背負いやすくなるようにするか・・・・・・あ、そうだついでにこいつも・・・」
とそう言いかけた瞬間
「ゴホッ!!ゴホッ!!!ゴホッ!!!!」
急に肺が締め付けられ大きな咳が出る
「(くそっ!またか・・・・)ゴホッ!!ゴホッ!!)」
肺血病の症状が出た義弘は顔をゆがませ地面にしゃがみ込み右手で口を押える。その瞬間喉から熱いものがこみ上げる。そしてそれは義弘の口から漏れ出た
それは真っ赤な鮮血だった。しかもその血の量はまるで肺が破れたかのように勢いよく飛び出し真っ白い雪を真っ赤に染め上げた。
「・・・・・」
その血の多さを見た義弘は。以前、永琳先生との会話を思い出した
『戦車道を続ければ、残り少ない命をさらに縮めることになる』
その言葉を思い出しつつ、義弘は万が一道子たちに見られないように血の付いた雪の上に白い雪をかぶせ見えないようにした。
「まだだ・・・・まだここで終わりたくはないんだ。だからもう少しだけ時間をくれ・・・・せめて大洗の廃校が阻止できたこと・・・・優勝したのを見届けるまで」
そう小さく呟き彼は大きい荷物を持ち廃村地帯へと歩き始めるのであった
義弘は生存させる?
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生存しない
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生存させる
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生存するが長くは持たない
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死ぬが転生する
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どっちでもいい