ガールズ&パンツァー~黒森峰からやってきた狼~   作:疾風海軍陸戦隊

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ダイコンウィーを見ましたがラストシーンを見て何か別の作品を見ている気分で面白かったですww


雪の中の演奏

義弘があるものを取りに行っている間、大洗陣営では偵察部隊が戻り、敵の状況が分かった。

だが、義弘を待つ間、降伏時間までは残り一時間を切った。修理も終わり、偵察から得た情報で作戦も組んだ大洗メンバーだがその士気は低い。

 

「いつまで続くのかな…この吹雪」

 

「寒いね…」

 

「うん」

 

「お腹すいた…」

 

ウサギさんチームは六人で一枚の毛布にこたつのように入りながら静かに呟き合う、そこに普段のやかましさは無い。

 

「やはり…これは八甲田」

 

「天は…我々を見放した」

 

「隊長、あの木に見覚えがあります!!」

 

カバチームは…わりと余裕がありそうに見えなくもないが、八甲田をネタにしている時点でいろいろといっぱいいっぱいなのだろう。

 

「良いことを考えた、ビーチバレーじゃなくて、スノーバレーってどうですかね?」

 

「良いんじゃない…知らないけど」

 

まさかのあのアヒルチームでさえ、バレーをやる気力すら残っていない。

 

「…う、Zz」

 

「寝ちゃ駄目よ、パゾ美」

 

カモさんチームも三人で毛布にくるまってじっと待っている。

 

「そう言えば、食料はどうなっている?」

 

「こうなるとは流石に予想出来なかったので、非常食程度の菓子パンくらいしか無いよ………………」

 

「それで後1時間、持つかどうか………………」

 

沈んでいるメンバーを見ながら、桃と柚子はそんな会話を交わし、杏は何も言わず、ただ立っているだけだった。

 

「そう言えば、プラウダの人達がボルシチ食べたりコサックダンス踊ったりしてたって、さっきエレーナさんたちが言ってたよ………………?」

 

沙織がそう言うと、あんこうチームのメンバーは、火を囲んでボルシチを食べたり、コサックダンスを踊ったりしているプラウダの生徒を窓越しに見た。

 

「美味しそうだな………………食べた事は無いが」

 

「ええ。それに暖かそうです」

 

それを見た麻子と華は、そう呟いている

これが今の大洗学園の現状である、どのメンバーも士気が落ち、テンションが低い。理由としてはやはりこの寒さと残り一時間という時間だ。

三時間という猶予をくれたカチューシャではあったが、その理由は睡眠時間を取るため、そしてもう一つはこの寒さの中で三時間という時間の中で敵の士気が落ちるのを待っていたからだ。士気が落ちれば戦う意欲もなくなる。そうすれば相手はあっさりとこちらの降伏勧告に乗るという寸法だ。

そしてカチューシャの目論見は見事的中。現在の大洗の士気はかなり下がっていた。

 

「学校、無くなっちゃうのかな………………?」

 

「そんなの嫌です………………私はこの学校から離れたくない!皆と一緒に戦車道やっていたいです!」

 

不意に沙織が呟くと、優花里が声を張り上げる。

 

「そんなの、皆同じだよ………………」

 

「でも、どうして廃校になってしまうのでしょうか………………?此処でしか咲けない花だってあると言うのに……………………」

 

「………………」

 

そんな優花里に沙織が返し、華が呟くと、麻子も複雑な表情を浮かべる。

 

「皆、どうしたの?元気出していきましょう!」

 

「うん………………」

 

そんな中、みほはチームを励まそうと声を上げたが、帰ってきたのは沙織からの力無い返事だけであった。

 

「さっき言ったじゃないですか!降伏せずに、最後まで戦い抜きましょうって!」

 

『『『『『『『『『『『は~い………………』』』』』』』』』』』

 

「分かってま~す………………」

 

何とか元気付けようと激励するみほだが、メンバーから返された返事はこの有り様である。

 

「これでは士気が下がる一方だ………………西住、何とか出来んのか?」

 

「ええっ!?いきなりそんな事言われましても………………」

 

それを見かねた桃がみほに無茶振りをして、みほが慌て出した時だった。

 

「あれ?どうしたんだ?みんな出かける前と比べて元気ないけど?」

 

そこへ大きな寸胴鍋を背負った義弘が戻ってきた

 

「義弘・・・・・戻ったの」

 

「ああ、今さっきな・・・・それで状況は?」

 

「ええ、実はね・・・」

 

道子は状況を説明した

 

「なるほど、確かにこの寒さじゃそうなるな・・・・・・・篠原。早速作るか」

 

「そうね善は急げね。材料は?」

 

「すでに刻んで鍋に水入れて火にかけられるようにしてある。ガスバーナーはもってきているよな?」

 

「ええ。すぐ用意するわ」

 

そう言い義弘と篠原は何か準備をし始めるのだった。二人が準備をする中みほたちの方は士気が下がり、

 

「これでは試合どころではない。西住、何とかしろ」

 

「ええっ!?いや、だから!いきなりそんな事言われても困ります!」

 

「この状況を何とか出来るのはお前しか居ないんだ!隊長だろ!」

 

みほはたじたじになりながら言い返すものの、桃が畳み掛けてくる。

 

「桃ちゃん。落ち着いて」

 

「これが落ち着いていられるかー!!」

 

と、ピリピリした状況の中、突然教会内部からいい匂いが漂ってきた

 

「あれ?この匂いは?」

 

「なんだかいい匂いがしますね?」

 

武部と五十鈴が内部に漂う匂いに気づく。すると

 

「お~い」

 

「よ、義君?」

 

そこへ義弘がやってきてみほたちに声をかける

 

「義君。この匂いは・・・・」

 

「ああ。この寒さじゃ寒いし、おなかもすくだろうと思ってな。それにプラウダがボルシチ食って暖まってるなら、此方はシチューでも食べて温まろうってね」

 

と、そう言うと彼の後ろには日に温められている寸胴鍋の中に、シチューがあり、道子がそれをかき混ぜていた

 

「降伏時間まで一時間あるんだ。残りの一時間はシチューでも食べて温まろうや」

 

とニコッと笑う。その笑顔とシチューのいい匂いで先ほどまで士気が低かった大洗のメンバーたちは唖然として互いに顔を見合わせると次々とシチューの入った寸胴鍋に向かい道子たちからカップを受け取り、シチューを中に入れる

そしてシチューが全員にいきわたったとき

 

「では、食べますか!せーのっ!」

 

『『『『『『『『『『『いただきまーーす!!』』』』』』』』』』』

 

先程の意気消沈した雰囲気は何処へやら、すっかり元気を取り戻した大洗のメンバーは、シチューを堪能する

 

「うん!おいしい!」

 

「ほんとだ!体が温まるね」

 

とみんなシチューの味に笑顔になる

 

「それにしてもこのシチューの材料。全部パンターに積んでいたんですか武藤殿?」

 

「ああ。そのせいでちょっと狭くなったけどな」

 

「私なんか荷崩れしないように運転するのが大変でしたよ」

 

優花里の問いに義弘が答え、荷崩れしないように注意しながら運転していた静は軽く笑ってそう言う

 

「そう言えば義弘?その背中にしょっているのは?」

 

「ああ・・・これか」

 

武部が義弘の背中にしょっている物を指さすと、義弘はそれを武部たちに見せる

 

「これは・・・・・三味線?」

 

そう、それは少し古びた三味線だった

 

「ああ、ちょっと家から持ってきたやつなんだがな」

 

「武藤さんは弾けるんですか?」

 

「まあ、少しな」

 

そう言うと義弘は三味線を弾き始めた。少し荒々しい音色だがどことなく人を引き寄せるようなそんな音色だった

 

「なんだか、心に響きますわね・・・・」

 

「ちょっと荒々しいがな」

 

「でも武藤殿らしい音色です」

 

「うんうん。でも武藤が三味線弾けるなんて意外だな~」

 

「先輩。すごく上手い」

 

「まるで上杉謙信のようだな!」

 

「いや、三味線なら奇兵隊の高杉晋作ぜよ」

 

「「「それだっ!」」」

 

と、各々義弘の弾く三味線の音色を聞いていた。そして三味線を弾き終えると・・・・

 

「すごい!すごいですよ先輩!」

 

「お見事です武藤殿!」

 

みんなが拍手をした。そしてシチューと義弘の三味線の演奏のおかげか一応試合を続行しようと言う意思は見え始めていた。

だが、カチューシャから告げられた『3時間』のタイムリミットが迫ってくるにつれ、大洗チームに緊張の波が押し寄せてきた

戦闘が始まれば大洗の全車、両教会から出て敵の防衛網を突破しなければならない。

だが激しい砲撃の中潜り抜けられるのかが心配なのだ

そのみんなの不安にみほは気づいていた

 

「(どうしたら・・・・みんなの緊張を解くことができるのだろう)」

 

みほはそう思っていた。そして考えに考えた末、一つの解決策を思いついた。それは聖グロリアーナに負けた時の罰ゲームとして踊る予定だったアノ踊りだった

 

「(皆の緊張を解くなら、アレしか無い!)」

 

決心を固めたみほは、義弘の方へと歩み寄る

 

「義君。ちょっといいかな?」

 

「ん?どうしたんだみほ?」

 

義弘は振り返りみほに訊くと

 

「お願いがあるんだけど、ちょっと来てくれない?」

 

「ああ・・・いいぜ」

 

そう言い三人義弘は教会の隅っこに移る

 

「・・・・で、どうしたんだ?」

 

「うん、それがね………………」

 

そうしてみほは、義弘の耳に顔を近づけ、自分が考えた案を伝えた。みほの案を聞いた義弘は

 

「え?本当にアレをするつもりなのか?あんなに恥ずかしがっていたのに」

 

「うん。せめて、皆の緊張が少しでも解けたら、踊っても意味はあるかなって………………」

 

「後悔は?」

 

「しない。みんなを元気づけるためなら・・・・だから義君にも手伝ってほしいの」

 

少し微笑みそう言うみほに義弘は

 

「・・・・わかった。いいぜ。みほに頼まれたんじゃ断れないしな」

 

「ありがとね義君」

 

「ああ・・・・お前の決心分かったよ。それでこそみほは大洗学園戦車道部村の神輿…いや軍神だな。雅楽は俺に任せろ」

 

「ありがとう・・・・義君」

 

そう言いニコッと笑い義弘は先ほど演奏した三味線を手に持ちそう言うのであった

 

義弘は生存させる?

  • 生存しない
  • 生存させる
  • 生存するが長くは持たない
  • 死ぬが転生する
  • どっちでもいい
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