ガールズ&パンツァー~黒森峰からやってきた狼~   作:疾風海軍陸戦隊

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死神の狂騒曲です

「行くぞ篠原!」

 

「おうよ!」

 

「服部さんかっ飛ばせ!今から奴らと取っ組み合いになるぞ!」

 

「了解しました!」

 

そう言い義弘たちの乗るパンターはカチューシャのいる主力部隊へと突っ込んできた。それはさながら白熊の群れへと襲い掛かる狼のようであった

それを見たカチューシャは

 

「上等じゃないの!ノンナたちはあの快速戦車とフラッグ車を叩きなさい!他の車輛はあのパンターを叩き潰しなさい!」

 

『『『『『『『『『だ、Да!!』』』』』』』』』」

 

 

カチューシャの指示で、他のT-34の軍団が、一斉に砲口を向けさらに義弘の乗るパンターもT-34軍団に向けて砲口を向ける。

だが、向かってくるその戦車は臆する事無く、軍団に向かって突っ込むと、その内の1輌に強烈な体当たりを仕掛け、弾き飛ばしたのだ

 

「なっ!?」

 

その光景にプラウダの生徒たちは驚く

 

「よくもやったわね!!」

 

「カチューシャ!」

 

「ノンナ!クラーラ!私のことはいいから早くフラッグ車を仕留めなさい!それですべてが終わるわ!!」

 

「「は、はいっ!」」

 

ノンナは大急ぎで車内に引っ込み、カチューシャの命令通りにフラッグ車を倒すべく砲撃する。こんな暗闇でも彼女にかかれば一撃必中。確実に仕留められる。しかしそのフラッグ車を護衛するBT-7に阻まれる

そんな中、フラッグ車を狙うノンナとクラーラに対しカチューシャとその他のプラウダ生徒のT34/85はパンターと激しい戦いを繰り広げていた。数では圧倒にこちらが上だが、味方の撃つ砲撃は次々と躱されパンターを打ち取るどころか逆に次々と撃破されていった。

素早い砲撃と運転技術。それは車内にいる乗員たちの息がぴったり出なきゃこんなことは出来ない技術だ

 

 

「まるで侍の居合斬りね・・・・そうまるで幕末の人斬りのような・・・・」

 

観客席で見るしほはそう呟くと隣にいるまほは

 

「はい。義弘は遠距離の狙撃や偵察もそうですが、一番の得意な戦法は至近距離から多数の敵を撃破する格闘戦術です。三年前の練習試合で義弘はその戦法で無傷で勝利しています」

 

まほは昔のことを思い出す。三年前。義弘やみほがまだ中学二年あたりだったころの話だ。西住流崇拝者の先輩たちに喧嘩を売られたときがあった。理由は西住流のやり方にそぐ合わない義弘の戦法や戦術が西住まほに気に入られているということであった。

そして彼女たちは義弘の乗る戦車一両に対し50両。しかも相手はベテランばかりであったのにもかかわらず義弘はそれを無被弾で全車両撃破したのだ。そのことは黒森峰では半ば伝説となっている

 

「あの子は高杉流の最期の子・・・・そして高杉流の得意戦術は奇襲と接近戦による格闘戦術。かつて流派殺しと恐れられた高杉流の戦い方よ」

 

そう言いモニターを見るロスマン

 

「(あのバカ弟子・・・・・結局無茶な戦い方をしているのね)」

 

と彼女もまたモニターを見て弟子である義弘の試合を見ているのだった

 

 

 

 

 

『此方4号車!やられました!』

 

『5号車、右履帯を破壊され、きゃああああっ!!』

 

圧倒的な数で向かっているにもかかわらず一両…また一両と味方の車輛が撃破されている光景にカチューシャは恐怖を感じた

 

「さすがヨシーシャね・・・・敵に回すとこんなに怖いだなんて・・・・」

 

冷や汗をかきながらカチューシャは呟く。 ある戦車は履帯や転輪を粉々に吹き飛ばされ、またある戦車は、横倒しになって黒煙を上げている。

次から次へと、悲鳴に近い声がインカムから響いてくる。

もし義弘と出会う前の彼女だったらあまりの恐怖で泣き叫んでいただろう。だが今の彼女はプラウダの隊長の前に義弘の姉弟子。弟弟子の前でみっともない顔はできなかった

 

「でも負けるわけにはいかないわ・・・姉弟子として弟弟子に負けるわけにはいかないんだからっ!!」

 

そう言いカチューシャは車内にいる操縦手や砲手らに的確な指示を出しパンターを砲撃しパンターもまた砲撃をする。ただ暗い中しかも双方最大速度で走行しているので砲弾はなかなか当たらなかった。するとカチューシャのT34の放った砲弾がパンタのすぐそばに着弾するその時、雪の塊が大きく宙に舞うその中に、雪に交じったソフトボールくらいの石が義弘に向かっていった

 

「っ!?」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

一方ノンナとクラーラは一刻も早くフラッグ車を撃破すべくまず敵フラッグ車である八九式の護衛につきそしてこちらを挑発しているBT-7を撃破しようとしていたが、BT-7はまるでスケート選手のごとく可憐に避けていた

それはノンナの狙撃でも撃破することができなかった

 

「あのBT-7・・・・何者でしょう?」

 

不思議に思っているノンナに対しクラーラは

 

『あの動き・・・前にもどこかで見たことが・・・』

 

そう思った瞬間BT-7のハッチから車長と思わしき人物が身を乗り出しそしてこちらへ振り返り笑う姿を見た

 

「「っ!?」」

 

暗闇の中で雪に雫に反射し見えるその姿はクラーラと同じくロシア人で短い銀髪の少女の姿だった

 

『あの人は・・・・・・まさかっ!?』

 

クラーラは最初、彼女を見かけたときどこかであった気がした。そして今この戦場で戦いそして笑みを見せる彼女の姿を見て彼女が何者か思い出したのだった

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「いや~なかなか当たらないね・・・・ねえ義弘?」

 

パンターの車内で道子がそう言うが義弘は返事をしなかった。彼は今キューポラから身を乗り出しているとはいえインカムで会話が聞こえているはずだ。そのため返事がないのに不思議に思った

 

「車長?どうしたんですか?」

 

装填手である小波がそう訊くと、

 

「え?・・・・ああ大丈夫だ・・・」

 

身をかがませ頭を押さえた義弘がそう答える

 

「義弘?どうしたの?」

 

「いや。大丈夫だなんでもない。それより。次で決めるぞ。篠原頼むぞ」

 

「ええ。わかったわ」

 

そう言い再び彼はキューポラから上半身を出す。そしてカチューシャも

 

「次でおしまいにしてあげる!!」

 

次で決着をつけるためカチューシャは全速でパンターに向かい。そしてパンターもT-34に向かっていくそして

 

「「撃てぇっ!!!!」」

 

両者が怒声に近い大声で言った瞬間、両社から砲弾が放たれた。そしてT-34の砲弾はパンターの砲塔のすれすれで外れ、そしてパンターの放った砲弾はT-34の砲塔の防楯の下に当たり弾かれ車体に命中。いわゆるショットトラップにより撃破された

 

「よしっ!敵隊長車撃破!」

 

道子がそう言うと

 

「やったか・・・・・」

 

義弘が安心した表情をした瞬間

 

「ぐっ!!」

 

急に肺を抑え込むのだった

 

「大丈夫義弘?」

 

「ああ・・・大丈夫だよ問題ない」

 

と彼がそう返事するのだった

 

 

そして同時刻、廃村エリアでは雪に埋もれたⅢ突が砲口から白煙を上げ、その真ん前では、プラウダのフラッグ車であるT-34/76が黒煙を上げていた。

そして………………アナウンスが鳴り響いた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

《試合終了!大洗学園の勝利!!》

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

義弘は生存させる?

  • 生存しない
  • 生存させる
  • 生存するが長くは持たない
  • 死ぬが転生する
  • どっちでもいい
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