ガールズ&パンツァー~黒森峰からやってきた狼~   作:疾風海軍陸戦隊

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赫い雪に沈む狼

《試合終了!大洗女子学園の勝利!》

 

『『『『『『『『ワァァァァァアアアアアアアッ!!!』』』』』』』』

 

アナウンスが流れると同時に、観客席では歓声と拍手喝采が上がる

勝利の理由はプラウダのフラッグ車が角を曲がった瞬間。雪の中に隠れていたカバさんチームの三突に至近距離で砲撃されたからだった

 

 

 

試合が終わりそれをモニターで見ていたしほたちは

 

「どうやら、あなたの娘が勝ったようね。しほ?」

 

ロスマンがそう言うとしほは

 

「あの子が勝ったのは相手が油断をしていたからよ」

 

と、無表情でいるとロスマンは

 

「素直じゃないわね。確かに開いても油断もあったかもしれない・・・・けど、何より…まほさん。あなたはわかっているわね?」

 

ロスマンがまほを見るとまほは頷き

 

「はい。みほの実力があります。みほはマニュアルにとらわれず臨機応変に対処する力があります。そして義弘も同じく・・・・今回の戦いはみほの判断とそして、心を合わせたチームの勝利です」

 

みほがみほの戦い方を称賛すると・・・・

 

「あれは邪道よ・・・・「そうかしら?」・・・先輩?」

 

「確かに西住流にとってはそぐわない戦法・・でもね王道がすべてではないのよ。西住流の戦い方以外の戦法が邪道であるなら・・・・私のやり方も邪道ということになるのかしらね・・・・しほ」

 

「それは・・・・」

 

「まあ、いいわ。王道、邪道。どちらが勝つかは決勝で判断すればいいから。仮にみほさんが勝てば他の頭の硬い西住流連中も黙るでしょう」

 

「ええ・・・・・まほ。決勝戦では王者の戦い方を見せつけなさい」

 

「…はい、西住流の名にかけて・・・・・必ず、叩き潰します」

 

そう言いまほはモニターに映るみほを見る。その目は姉としての目ではない。ライバルを見る西住流の戦車乗りとしての目であった

 

「(やれやれ・・・・素直じゃないわねしほは・・・・・さて)」

 

ロスマンはモニターに映る義弘を見て

 

「(そろそろあの子にもきちんと話をつけないとね・・・・・)」

 

いつものにこやかな表情とは違い、厳しい顔つきをしていたのだった

 

 

 

 

 

 

 

一方、カチューシャはT-34のキューボラから見ていたカチューシャは、未だ信じられないと言わんばかりの表情を浮かべて唖然としていた。

だが、だんだんとはっきりした

自分は負けたのだと・・・・・

 

「………クッ!………うぅ………」

 

その事実を知ると悔しさがこみ上げ、弟弟子の前では泣かないと決めたはずなのに、ついに我慢できずカチューシャは目尻に涙を浮かべる

 

「どうぞ………」

 

その時、何時の間にかIS-2から乗り移ってきたノンナが、ハンカチを差し出す。

 

「な、泣いてないわよ!」

 

そう言って強がりながら、カチューシャは差し出されたハンカチで鼻をかむ。

 

「それにしても、こっ酷くやられたわね………………」

 

そう言って、カチューシャは後ろを見やった。共に振り返ったノンナも、ただ無言で頷く。

彼女等の視線の先には、クラーラが乗っていたT-34と、自分達の戦車の3輌を除いた全車両が白旗を上げていた。

その光景は、正に台風の後だった。

 

「本当に・・・・・強くなったんだ・・ヨシーシャ」

 

と、ぽつりと呟く。その表情は寂しそうにも見えたが同時に嬉しそうな表情でもあった

 

「カチューシャ?」

 

「なんでもないわ!それより行くわよノンナ!」

 

そう言いカチューシャはノンナを連れてどこかへと向かうのだった

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「なるほど…雪の中にか。すごいなみほ」

 

「ううん。私だけのせいじゃないよ」

 

大洗の集合場所に戻った一行は、試合後の挨拶を終え、今回の試合の事で盛り上がりを見せていた。

 

「今回の試合も、西住ちゃんと武藤君の活躍あってのものだね。ありがとう」

杏がそう言うと、続いて桃も頭を下げる。

 

「フラッグ車を撃破したのはみほ達なんだ。俺はプラウダの連中に殴り込みしただけだよ」

 

「謙遜しちゃって~」

 

笑みを浮かべながら言う義弘を杏がからかっていると、其所へ、肩車をしているからか、1つに合わさったように見える2つの人影と、独立した1つの人影が近づいてきた。

 

「せっかく包囲網の一部を緩くして、そこに引き付けてぶっ叩くつもりだったのに、まさか正面突破されるとは思わなかったわ」

 

カチューシャとノンナ、そしてクラーラだった。

 

「私もです」

 

「…え?」

 

「あそこで一気に攻撃されてたら…負けてたかも」

 

「それはどうかしら、もしかしたら…と、とにかく、あなた達、なかなかのもんよ。言っとくけど、悔しくなんてないんだからね!」

 

完全なツンデレ台詞に、大洗のメンバーは唖然とした表情を浮かべる。

 

「ノンナ!」

 

「はい………………」

 

それを余所に、カチューシャはノンナの肩車から降りてみほの前に立つと、無言で右手を差し出した。

 

「あっ………………」

 

その行動に、一瞬戸惑いを見せたみほだが、やがてその表情に笑みを浮かべて右手を取り、握手を交わした。

 

「決勝戦、私たちも見に行くわ。カチューシャをガッカリさせないでよね?優勝しなかったら、許さないんだから」

 

「!はいっ!」

 

その激励に、みほはしっかりとした返事を返した。

 

「それと・・・ヨシーシャのことなんだけど」

 

「義君のこと?」

 

「ええ。そうよ。あの時義弘を渡していたら私はあなたのことを認めなかったわ。でもあの戦いを見てわかったわ・・・・」

 

そう言うとカチューシャは軽く頭を下げ

 

「弟弟子のこと任せるわ・・・・・・カチューシャにとっては大切な弟弟子なの。だから・・・・アイツのことお願いできる?」

 

そのことにみほは少し驚くと

 

「・・・はい!任せてください私にとっても義君は大切な人だから」

 

「そう・・・・安心したわ」

 

そう言い二人は再び握手をするのだった

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

一方、その頃

 

『何ですか?こんなところに呼び出して?』

 

BT7の車長であるエレーナがクラーラとロシア語で会話していた理由はクラーラが彼女を呼び出したのだ

 

『やはり…あなたでしたか・・・・・氷の妖精』

 

『何のことですか?』

 

『とぼけてもダメです。ロシア戦車でその名をとどろかせた戦車乗り・・・・・・『氷の妖精エレーナ』かつてあなたが呼ばれた名よ。あの軽快な動きそしてあの戦いに見せたあなたの顔。忘れようも忘れないわ』

 

クラーラはそう言う。どうやらクラーラはロシアでエレーナと面識があるみたいだ。実はエレーナは日本に来る前はそれなりにロシアでは有名な戦車乗りだったのだ。どんなに砲撃をしてもひらりと躱し、そして砲塔から顔を出し、その見せる笑顔に。相手からはまるで氷の妖精だと言われたため氷の妖精と仇名された。

 

『二年前、突如ロシアから消えたあなたがなぜ・・・・・』

 

それに対しエレーナは

 

『昔の話です。それに私は小さいころから日本が好きでね。親の仕事も都合があって日本に引っ越してそして大洗で生活していた。ただそれだけの話です・・・・まさか再び戦車道をするとは思いませんでしたが』

 

『プラウダに来る気はないかしら?あなたがこっちに来れば・・・・・』

 

『せっかくのお誘いだけど、私はロシア風の水よりも、ああいうほのぼのした水の方が好みなのよ。それに今の学校生活も悪くないわ』

 

『そうですか・・・・残念です』

 

エレーナの言葉にクラーラが残念そうに言うと

 

『縁があればまた会いましょう・・・・』

 

そう言いエレーナは仲間の方へと戻っていくのだった

 

 

 

 

 

「何とか勝てたな・・・・・」

 

場所は戻り、大洗チームでは皆が帰る準備をしていた。そして義弘は勝てたことに安心していた。今のところみほたちが廃校を回避するための道も一歩、進むことができたからだ

 

「あとは・・・・黒森峰か」

 

次の相手は黒森峰。正直かなり厳しい相手だ。生半可な戦法邪倒すことができない強敵。

義弘はそう気を引き締めようとした瞬間

 

「ぐっ!!!」

 

強烈な激痛が体を走り、義弘は苦しそうに肺を押さえしゃがみ込んだ

 

「義君!大丈夫!?」

 

それを見たみほたちは慌てて義弘のもとへ行き彼に言うと

 

「ああ・・・・大丈夫だ」

 

みほたちに心配かけないようにそう言う義弘だが、彼の今の姿に説得力はなく

 

「そんな風には見えないよ!」

 

「そうですよ!苦しそうじゃないですか!」

 

沙織と秋山がそう言うと道子が

 

「やっぱりあんたどこか具合でも悪いんだろ?早く病院に!」

 

「篠原さんの言う通りだ無茶はするな」

 

冷泉もそう言うとみほも心配そうな顔で

 

「みんなの言う通りだよ義君。病院へ行こう。ね?お願い義君」

 

みほがそう悲しそうに言い義弘を説得しようとする

 

「みほ・・・・・・ぐっ!」

 

「義君!!」

 

義弘が何か言おうとした瞬間。義弘はみほの前に倒れ雪に埋もれる。

 

「(どうしたんだ!?体が・・・・動かない!?)」

 

体が急に動かなくなったことに驚く義弘。そして

 

「ゴホッゴホッ!!」

 

「っ!?」

 

苦しそうに咳をし、そして急に額から血が流れ雪を真っ赤に染める。それを見たみほは

 

「義君!!!」

 

と叫ぶ。みほが義弘を呼びかけるが義弘は答えず苦しそうな表情をし、そして真っ赤な血を吐いた

 

「義君!」

 

「武藤殿!」

 

「武藤!」

 

「武藤さん!!」

 

みんなが慌てる中ン、義弘の意識はだんだんと薄れていく

 

「(くそ・・・・・やっぱり時間切れかよ)」

 

血を吐き、体も動かない彼が最後に見たのは、泣きながら自分の名を呼ぶみほの姿であった・・・・・・

義弘は生存させる?

  • 生存しない
  • 生存させる
  • 生存するが長くは持たない
  • 死ぬが転生する
  • どっちでもいい
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