ガールズ&パンツァー~黒森峰からやってきた狼~ 作:疾風海軍陸戦隊
「…君・・・・義君!!・・・・義君!!」
誰かが俺を呼ぶ声がする。暗い闇の中に響く凛と澄んだ声・・・・・
「・・・・・・」
うっすら眼を開けるとそこは白い部屋・・・・どうやら病室のようだ
「義君!良かった・・・・目を覚ました」
目を覚ました俺に涙を目に溜め安堵するみほの顔があった
「みほ・・・・どうしたんだよ?涙目になって?」
状況が追いつかない俺はみほにそう訊くとみほは
「どうしたんじゃないよ!!」
「っ!?」
いつも引っ込み思案な時とは違う大きな声でそう言うみほに俺は思わず驚いてしまう。
「どうしたのじゃないよ!義君、急に血を吐いて倒れるし!何度、名前呼んでも返事してくれなかったし・・・・・もう目を覚ましてくれないと思ったんだから・・・・」
泣きながらそう言うみほ。
「みほ・・・・すまない心配かけた」
そう言い俺はみほの頭を優しくなでた。すると俺は
「そうだみほ。俺はどのくらい寝てたんだ?それにここは?」
「義君が倒れてから1日ぐらいだよ。急いで近くの病院に運んだんだよよ・・・・・先生が言うには脳震盪で倒れたって」
「脳震盪?」
「うん。審判の人がモニターで確認したら、義君が他のプラウダ校の車輛と戦っている最中にソフトボールぐらいの石が着弾の時飛んで義君の頭に当たっていたって・・・・」
・・・・あのときか
「それで先生が言うには翌日には退院できるみたい」
「そうか・・・・」
俺はみほの言葉に少し息をつきながらそう言う。倒れたのは肺血病の症状もそうだが、大きな理由としては石が頭に当たって脳震盪を起こしていたようだな・・・・だがそう言うことなら俺の病気のことはばれていないということなのか?・・・・・俺は少し肺を押さえる
「義君?・・・」
「みほ・・・・実は」
俺が彼女に肺血病のことを言おうとしたが、時・・・・
「あっ!武藤良かった。目が覚めたんだ」
そこへ武部たちが入ってきた
「武藤殿大丈夫ですか?」
「秋山か・・・すまない、心配かけた」
「ほんとだよっ!みんなすっごい心配してたんだよ!」
「沙織の言う通り、本当だ・・・・死んだかと思ったぞ」
「本当です一時はどうなるかと思いましたよ?」
と、みんなそれぞれ心配そうに俺にそう言う。
「本当に済まないみんな・・・・」
俺はただ謝ることしかできなかった。
「でもよかったです。武藤さん。何事もなくて・・・・・」
「ああ・・・・普通なら大怪我じゃすまない。下手をすれば脳挫傷を起こしてもおかしくなかった・・・・」
「でも!武藤も武藤だよ!体の具合が悪いのにあんな無茶して、篠原さんめちゃくちゃ心配していたよ!なんで体の具合が悪いなら悪いってはっきり言わなかったの!」
「あはは…本当にごめん。後で謝りに行くよ・・・・・それで俺は本当に脳震盪で倒れたのか?」
「医者の話によればそうだ」
「そうか・・・・・」
俺は再び、この病院の医者は俺は肺血病にかかっていることに気づかなかったみたいだ・・・・・その後、俺とみほたちは軽く話した後、面会時間終了の時間になり
「じゃあ、義君。また明日、学校で会おうね」
「ああ・・・」
そう言いみほは退室した。そしてしばらくして部屋の中で一人になった俺は
「・・・・・結局言えなかったな・・・・」
一人でぽつりとつぶやくのだった。すると・・・・・
「それは肺血病のことかしら?」
「っ!?」
聞き覚えのある声、俺は声のする方を見ると、そこには中学生と思えるぐらいの短身で銀髪の女性が立っていた
「・・・・・・先生」
そこにいたのは、戦車道での師匠である。エディータ・ロスマン先生だった。
「なんで・・・・」
「なんでここに?かしら?決まっているでしょ?大バカ弟子の様子を見にドイツからわざわざ来たのよ。到着したのは準決勝の前日だったかしらね?」
そう言う先生だが顔は笑っていなかった。それは怒っているときの表情だということはわかる。先生は少しきつめの表情で
「義弘・・・・私がここに来た理由・・・・・わかっているわよね?」
流暢な日本語でそう言う先生。
「はい・・・約束を破った俺を叱りに来たのですか?」
「最初はそのつもりで来たけど、もはやそれを通り越して呆れているわ。義弘」
と、あきれた声でそう言う先生。そして・・・・
「・・・・で、永琳からあなたの症状を聞いたけど…これ以上やると本当に死ぬわよ?」
厳しい目線で俺に言う先生。これはお願いでもなければ提案でもない。あの目を見てわかる。
それは「もう戦車道を辞めろ」という命令に近いものだった
「今回は診断では脳震盪という扱いだったけど。そっちも危ないけど何より肺血病の症状が出て倒れたのも一つの原因でしょ?あの医者はあなたが肺血病だということを見抜けなかったみたいだけど。もうこれ以上は止めなさい・・・・これは師匠としての命令よ」
「・・・・・・先生。俺は」
「言っとくけど拒否権なんてあると思わないで頂戴。義弘。もう潮時よ」
「だが・・・今大洗は優勝しなければ廃校になる。そうなればみほやみんなの居場所がなくなる・・・・俺が抜けるわけには」
俺は先生にそう言うと・・・・・
「己惚れるな!!武藤義弘ッ!!」
「っ!?」
今まで聞いたこともない怒声に義弘は驚く。いつも修行の際怒られたことは何度かはあったがここまで怒鳴られ怒られたことは一度もなかったからだ
「お前は一人だけの力で大洗を勝利に導いてきたと思っているの?お前がいなければ大洗は試合に勝つことができない弱いチームだと?思い上がるのも甚だしいわよ!!あんたが思っているほどあの子たちは弱くはないわよ」
「そうは思っていない!今までの勝利はみほの作とそしてチーム全員でなしえたことだと思っている・・・だが、決勝の相手は黒森峰・・・・かつて俺やみほがいた場所。そして、まほさんがいる学校だ。今までの相手とはわけが違う」
「・・・・・・それで?」
「黒森峰はいわば王者の学校。そして相手がたとえ無名だとしても絶対に容赦はしない。特にみほが率いるのならなおさら・・・・恐らく」
そう言い俺はアレの存在を先生に言う
「なるほど・・・・確かにみほさんの戦術は黒森峰には相性が悪い・・・それにまほさんならそれを投入してもおかしくはないわね・・・・20年前もそうだったし」
「え?」
「いいえ。なんでもないわ。こっちの話よ。それより話をそらさないで。なに?アレが出るかもしれないから試合に出してくれと。私がそれを許すとでも?」
目を細め、厳しい言葉で俺に言う先生。
「俺は中途半端なことが嫌いなの先生は知っているでしょ?」
「だったら死んでもいいの?」
「・・・先生。永琳先生から聞いているならわかるだろ?俺の命はもうすぐ尽きる。しかも症状はいつ死んでもおかしくない状況。こうして普通に話すこともおかしいぐらいなのになぜ俺は生きて・・・・いや生かされているのか。それは俺の命は・・・・・」
俺がなぜ自分が生かされているのか言おうとした時・・・・
「これ以上言うのは止めなさい義弘。ここから先は聞きたくもないわ」
と俺の言葉を遮る先生。そして
「あなたの言いたいことはわかった。私がどう止めようとあなたは無理にでもやるでしょうからね・・・・もう好きにしなさい。やっぱりあなたは大バカ弟子よ・・・・だけどそれと同時に息子のように誇りに思ってるわ」
「先生・・・・・」
「でもね義弘。あなたの我儘で悲しむ人たちがいること。決して忘れてはいけないわよ?」
「・・・・・わかっています・・・・皆に迷惑をかけることになってしまうことを。でも俺は簡単に死ぬ気はありませんよ・・・・今病院で過ごすよりも戦車に乗ってこの病を乗り越えたいと思っています」
「そう・・・本当に母親と同じね…その頑固で我を通す所はね」
「すみません先生」
「本当よ。殴って気絶させてもあなたを連れ戻そうと思ったけど、あなたのことだからすぐに逃げ出しそうだしもう諦めたわ。あなたほど困った弟子は本当にいないわ」
頭を抱え、ため息交じりに言うと看護婦さんが入ってきて
「あの・・・もう面会時間は・・・」
「ああ。すみません・・・・じゃあ義弘。今日のところは帰るけどさっきの話決して忘れてはダメよ」
「はい」
そう言い先生は部屋を出ようとすると立ち止まり
「ああそれとね・・・・私はバカ弟子の命が掛かっているのに何もしないほど愚かじゃないわ。明日・・・・彼女たちの決意…いえ実力を試させてもらうもらうわよ」
「何をする気ですか?」
「単純にあなた無しであの子たちがどれだけ戦えるか・・・・試すだけよ。決勝までまだ時間があるみたいだしね」
「それって・・・・」
「余計な心配。一切無用。あなたは決勝まで温存しておきなさい・・・・永琳が言うにはあなたが試合をできるのはあと1回が限界みたいだからね・・・・言いたいことわかるわね?」
「はい・・・・黒森峰戦・・・・それが俺の最後の戦いです…あとは天に任せます」
「そう・・・・」
そう言い先生は部屋を出てしまう・・・
「・・・・最後か・・・」
俺はそう言う。もしかしたら俺は近いうちにみほとちゃんと話し合わなければならないのかもしれない。そう思った
久しぶりに書いたのでうまく書けているかどうか少し自信がありません。感想かもしくは指摘の方、書いてくれると助かります
義弘は生存させる?
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生存しない
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生存させる
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生存するが長くは持たない
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死ぬが転生する
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どっちでもいい