ガールズ&パンツァー~黒森峰からやってきた狼~   作:疾風海軍陸戦隊

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大洗の試練です

「弱点・・・ですか?」

 

「すみません、言い方が悪かったですね。正確には足りないものがあるわね」

 

みほの問いにロスマンがそう付け加え答えた。大洗に足りないもの・・・・果たしてそれは何なのか?

皆が首をかしげる中

 

「角谷会長。確か明日は大洗に寄港でしたわね?」

 

「はい。そうだったよな河嶋?」

 

「はい。燃料補給や決勝会場へ向かうための停泊です」

 

「そうですか。それなら都合がいいですね。角谷さん。後で話したいことがありますけどよろしいですか?皆さんの足りないところを補うための特訓についてです」

 

「今ここで話すのはダメですかね?」

 

「それは明日のお楽しみに・・・・・では皆さん明日の特訓に向けてゆっくり休んでください」

 

「あ・・・・はい」

 

そう言うとロスマン先生は角谷会長を連れてどこかへと去っていった

そしてその場は解散となるのだった

 

「・・・・いったい何だろう?私たちに足りないものって」

 

「う、うん・・・・・義君は何かわかる?」

 

武部が首を傾げみほに訊くとみほは首を横に振り、義弘に何か知っているか訊くのだが・・・・

 

「・・・・・」

 

生気のない。顔色でボーと立っていた。まるで幽霊のように存在が消えかかっているような感じであった

 

「義君?・・・・・」

 

みほは声をかけるが彼は返事をしない

 

「ちょっと武藤!!」

 

「武藤殿?」

 

「・・・・・え?」

 

みほに続き武部や秋山たちが声をかけて義弘はようやく気付き振り向いた

 

「大丈夫ですか?ボーとしておりましたが・・・・・」

 

「やっぱり武藤。プラウダ戦の時の怪我まだ直っていないんじゃ・・・・・」

 

「大丈夫だ・・・・少し疲れただけだから・・・・」

 

そう言い義弘は立ち去ろうとすると、誰かが義弘の手を掴む。義弘は振り返るとそれはみほだった

 

「本当に・・・・本当に大丈夫なの?義君?」

 

心配する目で彼にそう言う。その目は若干涙がたまっているのが見えた。恐らく前のプラウダ戦の時のように倒れないか心配なのだ

彼女の表情を見た義弘は彼女の手をほどき

 

「大丈夫だよみほ・・・・大丈夫だから心配するな」

 

と、作り笑いをするのだったが、みほは義弘の赤い両目を覗き込むようにして見た後、言った。

 

「嘘だね」

 

「…………ッ!」

 

その言葉に、義弘は驚愕に目を見開いた

 

「義君。いつもそう・・・・いつも何か大事なことを一人で抱え込むとき、いつもそういう笑顔をするもん。・・・・義君。何を隠してるの?何を抱え込んでいるの?」

 

みほは鋭い視線でそう言う。その目は間違いなく西住流の娘。しほやまほと同じなんでも見通すような鋭い視線だった。

 

「(やっぱ・・・・みほはそう言うところ鋭いな・・・・)」

 

義弘は彼女の鋭さに感心しつつ。やはり自身が肺血鋲に侵されていることを言えないという葛藤があった

 

「・・・・・ごめんみほ。今は言えない・・・・でもいずれ分かる時が来る・・・・・・じゃあ」

 

そう言い義弘は立ち去るのだった

 

「・・・・・・義君」

 

立ち去る彼にみほは

 

「(どうして・・・・どうして話してくれないの・・・・どうして・・・義君)」

 

彼女と距離を取り始める彼に彼女は複雑な気持ちを抱えるのであった

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

生徒会室

 

「・・・・・以上が特訓の内容よ」

 

「なるほどね~確かにうちには足りないところだね~」

 

生徒会室では角谷とロスマン先生が明日の特訓についての打ち合わせをしていた

 

「あとは大洗の街の人に協力してもらうように根回しを・・・・・」

 

「それなら心配いらないわ角谷さん。すでに町の人とは話を付けていますから」

 

「おや?意外と早いんですね?」

 

「伊達にここのOGもとい生徒会長をやっていたわけではありませんから、生徒会の裏の根回しは20年前から代々続いてきたわけではなくてよ」

 

「それはそれは、いろんな意味で大先輩ですね教官」

 

「ふふっ・・・・」

 

杏の苦笑に思わず笑うロスマン。すると杏は

 

「教官・・・・つかぬことを聞きますが、武藤君についてどう思います?」

 

「義弘ですか・・・・・彼は私の最後の弟子です。素晴らしい才能を持っていると思います。それ以前に養子としても常に誇りに思っています。そう言う角谷さんはどうかしら?」

 

「そうだね~真面目でいい子だと思いますよ。まあちょっとやんちゃだとは思いますが、いい後輩だと思ってます。西住ちゃんと一緒に私たちをここまで引っ張ってくれたんですから、感謝してもしきれないです」

 

「そう・・・・・」

 

その言葉にロスマンはどことなく嬉しそうであったが同時に少し悲しそうな表情をしていた。それを見た杏は

 

「・・・・教官。もう一つ、つかぬことを聞きますが・・・・武藤君て肺を病んでいたりとかしていますか?」

 

「・・・・・・・彼から聞いたの?」

 

「いいえ。でもプラウダ戦の時彼が激しい咳をしたのを見たんです。そして彼が口をふさぐのに使用したハンカチを拾ったんですが、そのハンカチは血で染まっていました・・・・・・もし知っているのなら教えてください」

 

角谷はそう言うとロスマンは

 

「角谷さん。一つ訊きます。あなたは学園を救うため、一つの命を犠牲にすることは出来ますか?」

 

「・・・・・やっぱり」

 

「ええ・・・・・あと30日・・・・」

 

「え?」

 

「彼が生きていられるタイムリミットです…いえ、もしかしたら決勝であの子の命は・・・・・・」

 

「・・・・・・・」

 

「角谷さん。もう一度訊きます。あなたは彼の命を生贄にし、学園を守ろうとする覚悟はありますか?」

 

その問いに角谷杏が出した返事とは・・・・・

義弘は生存させる?

  • 生存しない
  • 生存させる
  • 生存するが長くは持たない
  • 死ぬが転生する
  • どっちでもいい
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