ガールズ&パンツァー~黒森峰からやってきた狼~ 作:疾風海軍陸戦隊
翌日、大洗の学園艦は母校である茨城県大洗港に到着した。数か月ぶりの本土上陸に学園のみんなや学園艦に住む人たちは皆ウキウキとした表情だ。
そんな中、大洗学園戦車道部は・・・・
ブッブ~!!
「うわっ!なんですかこのブーブーゲートは!?」
なぜかブーブーゲートを通っていた。そしてアラームが鳴ったことに秋山は生徒会三人衆に訊くと
「船内の筆記クイズで合格点にならなかった物はブザーが鳴る仕組みだ」
河嶋が答え、次に冷泉がゲートを通ると正解を示すピンポン音が鳴り響く
「さすが冷泉さん全問正解ね」
「朝早く起こされて,雑学テストをされたのはこのためか・・・・・・」
小山の言葉に冷泉は眠たそうにそうぼやく。そして次にみほが通ると、ピンポン音が鳴る
「ふ~私もセーフ・・・・・」
「さすが西住殿です!!」
合格なことに安心するみほに秋山が嬉しそうにそう言うと
「よぉーし!一人ずつ順番に降りて来い!!」
河嶋の言葉に皆、一人ずつゲートを通るのであった。
そして全員がゲートを通り、波止場に降りると
「全員下船したわね?」
特別講師のロスマン先生がそう言うと
「あの教官!なぜ私たちをここに集めたのですか?」
秋山がそう訊くとロスマンは
「今回あなた方には3つの試練を受けていただきます」
そう言うと皆がざわつく。
「先生!まさか黒森峰時代のあの特訓をするんですか!」
義弘がそう訊くと
「え?どういうことですか武藤先輩!」
梓がそう訊くと
「むかし、俺とみほとエリカ三人がした特訓だ!」
「ど…どんな特訓だったんですか?」
義弘の重々しい空気に皆は生唾を飲み込む
「ああ・・・・重い亀の甲羅を背につけ、毎朝牛乳配達と昼は素手で土木工事をし、さらにはなぜか淡水なのに狂暴なサメがいる湖で遠泳されたりと・・・・・」
「違います!!」
「あいたっ!」
ロスマンが教鞭杖で義弘の頭を軽くたたく
「確かに三人には特別な指導をしましたが、そんな特訓はい一度たりともしたことはありません!それは全くの別人です!!」
ロスマンが義弘の言葉を否定すると
「でも、重りの付いたリュックを背負わせて、黒森峰にしか生息しない熊から逃げる特訓させたのは事実でしょうが?」
「何か言ったかしら?」
「・・・・なんでもありません」
「あはは・・・・・」
ジロリとロスマンに睨まれ義弘は黙り、それを見るみほは苦笑する。だがみほの表情から昔の彼女の指導は厳しかったのは事実みたいだ
「こほんっ!!それではまず第一の試練を始めます!名付けて!!」
咳ばらいをし、ロスマン先生は試練を開始する、そしてその第一試練は
「「チーム対抗!!大洗横断ウルトラクイズ!!」」
ロスマンと角谷が同時に発表したのだが・・・・・
「「「「「「はぁ?」」」」」」」
案の定。皆は、ぽかんとした表情になる。それもそのはずだ。試練。しかも戦車道内では有名な教官であるロスマンの考えたものだからきっと厳し特訓だと思ってたのが、まさかのクイズ大会なのだ
「これから大洗4か所のチェックポイントでクイズをします。最下位の人はそのまま脱落ね」
「優勝チームには大洗店舗で使える商品券が授与される」
「せっかく久しぶりに陸に上がったのに何でクイズ大会をやらなきゃいけないの?」
小山と河嶋の説明に武部が不満そうに言うと河嶋が答えた
「会長と教官が考えた特訓だ」
「あの~戦車道とクイズって関係がないのでは・・・・」
秋山の言葉に皆が頷くとロスマンが
「確かに関係なさそうに見えますね・・・・ですが、作戦指揮を西住さんに任せてばかりなのも問題があります。もし仮に敵が西住さん、あんこうチームを撃破したとしましょう。残ったあなたたちで戦闘しなければいけません」
「でもその時は武藤先輩が・・・・」
梓がそう言う。大洗の戦車道チームではみほが隊長。副隊長が河嶋。そしてその補佐に義弘がいるのだが、事実上の副長は義弘になっている
だから、仮に西住がやられても武藤が指揮を取ればいいのではないかと主張すると
「もし、その彼もがやられたとしたらどうするのですか?」
「それは・・・・」
ロスマンの指摘に梓は口ごもってしまう。
「万が一そうなってしまった時、もしくは通信が途中で途切れたりしたら各自の判断で動かなければいけません。そのためには知力と臨機応変さが必要不可欠です。そのためのクイズ大会です」
「そう言うわけだから、貴様たちにはこのクイズ大会で知力を養うためクイズ大会をするのだ」
河嶋が説明すると一年生たちが
「知力の特訓なら、河嶋先輩も出た方が・・・・・」
「しれっと出題側に出ているよね?」
「おかしい!絶対におかしいよ!」
「そんなこと言っちゃだめだよ~」
「だって~~」
と小声で言うとロスマンはクスリと笑い
「安心して頂戴。河嶋さんも出てもらうことになっているからね」
「え!?」
「あら?なんで意外そうな顔をするのかしら河嶋さん?」
「お、お言葉ですが教官、私たちは出題の準備や司会とか・・・・」
「チーム対抗なんでしょ?ならばカメさんチームも出なきゃダメでしょ?特例は認めません」
「しかし、なんで私なんですか?」
「出題準備や司会の役は小山さんが適任ですし、角谷さんは正直言って出ても、他の皆さんに圧勝しちゃうと思うから勝負にならないし・・・・それで消去法で河嶋さんしかいなかったのよ」
「で、ですが・・・・私は・・・・・」
「つべこべ言わない!私は特別扱いはしない主義です!したがって拒否権はありません!いいですね!」
「は・・・・はい」
ロスマンの鋭い視線に河嶋は頷くしかなかった。
「では、まず最初のチェックポイントに向かいます!」
「あの教官!」
「ん?なんですか磯辺さん?」
「私たちアヒルさんチームは全員ゲートでぶっぶ~だったんですけど失格でしょうか?」
アヒルさんチームのリーダーでありバレー部のキャプテンである磯辺がロスマンに心配そうに訊くとロスマン先生は首を横に振ると
「いいえ。あれはただの雰囲気づくりの物ですから、心配ありません。次からは本番ですから頑張ってください」
「よしっ!まだ戦えるぞ!!」
「「「はいっ!キャプテン!!」」」
磯辺が気合よく言うと後輩である三人も力強く返事する。そんな中カバさん事、歴女チームは
「特訓とは名ばかりでクイズ大会をやりたいだけでは・・・・・」
「酔狂ぜよ・・・・・」
「生徒会にも劣らぬ歌舞伎ぶりだな・・・教官殿は」
「戦略的にも戦術的にも意味が見出せん・・・」
と、あきれたように言う
「アハハ・・・・相変わらずだね。ロスマン先生は」
「うん・・・・そうだなだが、無関係に見えてこういうのに意外と戦車道とかの訓練に関係あったりする者なんだよな・・・・・」
みほと義弘は苦笑いしながらそう言う
「こほっ!こほっ!」
と、義弘はまた咳をする
「義君?大丈夫?この頃、咳ばかりしてるけど・・・・」
「ああ・・・心配ないよ。ほら。早く行かないと第一チェックポイントへ向かうバスに乗り遅れるぞ」
「あ!義君!!」
義弘はみほの言葉を遮り皆が乗るバスへと向かい、みほもまた彼の後を追うのであった
義弘は生存させる?
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生存しない
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生存させる
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生存するが長くは持たない
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死ぬが転生する
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どっちでもいい