第壱話【嘘を知る】
嘘とは素晴らしい
ああ、いや突然こんなことを言って申し訳ない。だが、これは本音だ
世界には嘘がこれでもかと言うほど蔓延し、そして偽善に満ち溢れ、そして世はそれを悪という。
だが、それは否と言おう。
なぜ?それはこの私が嘘に救われたのだからだよ。
それは、1人の人間が1人の妖に救われた話が原点であった________
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「はぁっ、、はぁっ、」
肺が痛い。肺に入る冷たい空気が胸に刺さるような痛みを感じる。
けれど、それ以上に怖い。
なにが?後ろを振り返り、今一度現実を見直す。夢であってくれ、と淡い希望を抱いて。
「¥€♪#1€1☆+4°☆>!!!!」
結局そんな淡い希望を砕かれつつ、現実を認識させられる。泣き言は言っておれず、よく分からない音を発しながら追いかけてくる<化け物>を確認したところで前を向き直し、走ることに全力を注ぐ。
「や、やばっ!」
けれど山の中を走っていたせいか凸凹とした地面に足を取られ転んでしまう。それは普段山に行って遊んだりしている子どもが転んでしまうほど恐怖の影響で足が竦んでいるのもあるのだろう。
少年がビクビクとしながらまた後ろを振り返ると、そこには目前にまで迫った巨大な爪が空気を切り裂きながら迫り来る情景が。
そしてそんな轟音を鳴らしながら迫り来る爪スローモーションに見えるという矛盾を持ちながら大して長くもない少年の生涯を振り返らせる。
恐怖に、痛みから逃げるように目を瞑り、中々来ない死というものに疑問を抱きながら目を開けると、そこには________
「紫様ったら、またこんなに部屋の掃除をせずに…」
と、そう主人への不満をぶつぶつと募らせながらてきぱきと掃除をこなす九尾の妖、八雲藍は今日課とも言える主人___八雲紫の部屋を掃除していた。
「……あら?」
そうなれば普段目にしないものも見つかるわけで、藍が手にしたものは本。別段それは珍しくもなんとも無いのだが、外見を見る限り、相当な年季の入ったもの。
普段から知識を求め、よく本を読む藍はその本を好奇心に抗えず手に取り開く。
「………へぇ」
つい、口から感嘆のため息が出てしまう藍。
藍からすればこの本の文は少し拙く、けれどその文章からは情景が伝えられ、引き込まれる。そしてまた1ページ、とぺらぺらとめくっていくうちに100ページほどあったものを読み終え、顔をあげると
「中々よかったでしょ?その本。」
「えぇ、とても素晴らし……ゆ、ゆかり様っ!?」
そこには、心底楽しそうに笑みを浮かべる藍の主人、八雲紫がいた。相変わらずの神出鬼没だ。
「で、感想は?」
まるで読むのを分かっていたかの様に質問する紫に対して藍は、
「紫様、もしかして狙っていました?」
「さあ?なんのことからしら?」
と、白々しいほどの嘘をいう。
このまま質問したところで無意味だろう、と藍は先ほどの質問に答えるのだ。
「…そうですね。文の表現は兎も角として、この本の著者に才能はあると思います。文自体がまるで写真の様に読み手に情景を伝えさせていますから。」
その答えに紫は満足した様に、
「ええ、そうでしょ。」
と、まるで幼子が、自分を褒めてくれたような顔で笑うのだ。
長らく主人の式をやってきている藍でさえ恐らく見たことがないほどあまりにも美しく笑うのだ。
「………」
「藍?どうしたの?」
「あ、いえ」
藍が見惚れるほどに。
「あの、それで一体この本は?」
今自分が内心で思ったことを悟られてはいけないと、藍は平静を装いつつ話をずらす。
「この本はね、私の宝物。」
「宝物、ですか。」
「ええ、そうよ。大切な大切な宝物。それこそ幻想郷、とまではいかないけど私にとって大切な宝物。」
けれど藍はまたも紫を美しいと思い、それ以上に衝撃を受けていた。あの賢者である紫が幻想郷と比べるほど大切にしている宝物、と呼ばれているあの本。好奇心のあまりについ、聞いてしまう。
「一体誰が書いたんですか?その本を」
「知りたい?」
知りたいに決まっている。そんなことを頭で考えるよりも体が先に動く。我ながらすごい執着ぶりだ。
「ふふ、なら教えてあげる。けど、その前にこの人の話をするなら今一度この本を読み直しなさい。」
「……?分かりました」
なぜ著者の話をするのにまた本を読むのだろう。しかも今の今まで読んでいた本を読み返すのだ。流石にものの数分で内容を忘れてしまうわけがない。けれど有無を言わさないほどの目で紫に見つめられた藍は本を手に取り、また最初のページを開くのだ。
初投稿なので、自己紹介から。
こなまめ、と言います。以後お見知りおきを。
まだまだ文章は拙くて非常に読みづらいところがあふかもしれませんが、どうかそこは温かい目で見てくださることをお願いします。
それとまだ学生の身でありますので定期更新はできそうにありません。不定期更新です。
それでも良い方は応援お願いします!
そしていつでも批評のコメントなどをお待ちしております。