嘘を伝え歩く者   作:こなまめ

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ようやく続きが書けました……。
自分で書くのって本当に難しいですね(今更)
しかも長文が考えれない……。オラに文才を分けてくれ!


第弍話【嘘をつく】

少年は嘘を知った。

 

____偽善を知った。

 

世界では一般的に悪と捉えられる嘘を知った。

けれども、そんな嘘を少年は、

 

美しい、と思った

 

愛しい、と思った

 

格好良い、と思った

 

そうしてそんな少年は今も世界に嘘を伝え歩いているのである。

 

 

 

________________________________________

ぺらり

「……え?」

 

藍は次のページをめくり、困惑した。

無いのだ、次のページが。いや、正確に言うのならば文字が書かれたページが無いのだ。空白。なにも書かれていない空白のページがそこにあったのだ。

 

 

おかしい、少なくともわたしが先ほど見たときは空白のページなど存在しなかったはず。

 

 

私の勘違い?いや、それは恐らくない。

ならば妖術によるものか?否、それでもない。

とにかく、今分かることはこの本が普通ではないということ。

 

一体、どういう原理で……?

 

と、いうかそんなことよりもこの本の内容が、先ほどのものとは________

 

 

「ふふ、それはねぇ…」

藍が思考の海に沈んでいると、唐突な紫の声によって引き上げられる。まるでこうなることを予想していたかのように。いや、予想というよりも分かっていた、というべきであろう。

 

 

「開くたび、本が内容を変える不思議な本。それも元人間が作った本よ。」

 

この本を人間が?いや、別に中身を見てみれば人間が書いたような本であると言える。と、いうか本に書き記すという行為そのものが人間の独特な文化である。それ自体には驚きはしない、けれど魔力も霊力もまったく感じない________いうなればどこにも違和感など感じられないこの本に驚いている。

 

「……っけど、この本には異常なチカラは感じられません…。」

 

「そうねぇ。私もよ。」

 

「え、」

 

言葉に詰まる。あの紫が?誰に聞いても最強の一角とも言われるあの八雲紫すらも感じられないチカラとは一体…?そしてこの本を作った人間とは…?

 

「でもね、その本の作者なら知ってるわよ?」

 

「へ?」

 

「言ったでしょ?その本の作者は元、人間。つまりは今はもう妖として生きているのよ。」

 

毒気を抜かれるとはこのことを言うのだろうか。この得体の知れないチカラを使う人間が怖くて怖くて、けれどそれすらを通り越してなにかよく分からない感情すら出ていた先ほどの緊張がまるでなくなった。

 

…確かに、先ほどの言葉を思い出してみればそのようなことを言っていた記憶がある。けれどそれ以上に強烈なことがありすぎて抜け落ちてしまっていた。

 

そんな緊張がほぐれた藍に再び緊張を取り戻す紫の一言が、

 

「丁度いいし、会いに行ってみる?」

 

いつも通り、なんらおかしい事をいっていない、至って普通の声色で言うのだから藍は当然反応に遅れてしまうのも無理がないだろう。

 

「・・・へ?」

「あの子、最近こっちに帰ってきてないし生存確認的な意味でも会いに行こうかなって思ってたのよね〜」

 

いや、そんな軽く言われてましても。

 

 

 

「・・・はあ、まあここに来た理由はわかりました」

 

そんなちょっとした小噺から数刻後ある一軒家の居間で三人の人…否、妖が向かい合って話していた。

見た目青年の男は溜め息を零しつつ、そんな紫の暴挙に呆れ、見た目妖狐の女性はそんな主人の馬鹿を恥ずかしいと思っているのか顔を上げておらず、当の本人は澄まし顔で出されていたお茶をゆっくりと味わっている。

 

「まあ、確かにここ最近顔出して居ませんでしたね…」

 

だが、青年には自分にも非があるとある程度は自覚しておりそこまで怒っているという訳でもなく寧ろ謝罪している。

 

「じゃあ、改めて自己紹介しましょうか」

そんなギクシャクな雰囲気を直そうと青年は自分の言葉に顔を上げた妖狐の方を見てしっかりと目を見て告げる。

 

「私があの本、【嘘語らい】の作者である

天泣 空(あまなき そら) というものです。」

 

(………違和感、いや、これは……異物?)

 

それは藍であるが故に気づく『違い』。

長い刻を生き、かつて人間の世を過ごし溶け込んだことのある妖獣である藍、むしろ人の世を過ごしたからだろうか。

 

普段あるものに紛れた『違い』を感じとった。

人間としての本質。

未知よりも既知、異常よりも通常、不思議よりも普通。それらを好む人間と共に生きた藍だからこそ気づいた。

 

(なんだろう…これ?どこもおかしくない…筈なのに、不思議と本能が伝えるこれは?)

 

恐怖?否。憤怒?否。幸福?それこそ否。

なら、一体なんなのだ?この歯痒い感覚。

 

「藍?」

「え?」

「え?じゃないでしょ?挨拶くらいは返しなさいよ。」

「……はっ!もももも申し訳ございません!少し考え事を…」

「あはは、大丈夫ですよ」

 

 

 

その様なやりとりがあり、現在________

 

「久方ぶりの幻想郷ですね…」

「そうねぇ…一体何年振りでしたかねぇ…?」

 

勿体ぶった言い方で此方を見る紫さん。たまらず苦笑してしまう。

ああ、けど本当に懐かしいな…。

そんなことを考えると紫さんが少し前に歩み、此方を振り向く。

顔には八雲紫、としててばなく高位の妖怪であり幻想郷の賢者である者としての表情を浮かべ

 

 

『ようこそ幻想郷へ』

 

 

また一頁新たな物語が刻まれ始める________




誤字訂正コメントいつでも受け付けております。

これからものんびりと上げていきますので何卒温かい目で読んでくださると嬉しいです。
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