日常を取り戻したい主人公たちがおくる。一つの世界。   作:空色 輝羅李

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第14話

第二十五話

 

さて、いつも通りくそみたいな授業は終わり、午後にある魔法詠唱の授業が始まる。

 

...始まる前から、嫌な予感がしているのはおそらく俺だけだ。

 

「さて、今日はクラス全員対柊君です。」

 

...はぁ。なぜ予感というのは、嫌なものほど当たってしまうのだろうか。

そしてなぜ、俺一人で全員...

 

「はじめ!」

「おい!勝手に始めんな!」

 

全員が血相変えてこちらをにらむ。俺何かしたか!?

 

「あーもういい!「ソラトニックアロー」!」

 

自分の上部以外に矢を放つ。厳密には矢の形をした魔力だが。

これで誰も近づかないだろう。

 

「...ボクが行く。」

 

...あれは...確か、沢城雅...

クラスでは大人しめの女子だ。誰かと話してるところを見たことはないが...まぁ何とかなるだろう。

 

「...剣舞「アサルトダンス」」

「...なるほど?剣戟で矢を落とすか。だが、量を増やせばなんとも...」

「まだまだ!こっちは全員だぞ!!「強化:腕」!」

 

...オークの腕力をさらに強化して、腕で防ぎながら進むのか...オークらしいといえばそうだがいかんせん...

 

「オレだって!「神炎」!」

「僕も。「ソラトニックアロー」」

 

ふむ、連携をとっているわけじゃないが、少しづつこちらに近づいているな...

そろそろちゃんと()()()やるか。

 

「展開「魔力の貯蔵庫(ゲートオープン)」」

「うわっ...流石にオレでもこれは...ちょっと弾くくらいしか...」

「俺の腕も...限界だ...」

「ボクも...魔力限界開放(エレクトリック)が耐えきれない...」

 

...連携の意味を知らないのだろうか。まったく...

 

「中断しよう。そして作戦会議といこう。」

「なんでだよ。お前を倒すためだぞ?」

それでも、今のままじゃ連携なんてとれるもんか。」

「...それは...」

 

とりあえず。

 

魔法が得意な奴。その中でも補助魔法と攻撃魔法に分ける。

物理が得意な奴。その中でも体と武器とで分ける。

 

おおざっぱであるが、このくらいでいいだろう。

 

「補助魔法が得意な奴は、攻撃するやつらに必要な強化を施し続けるんだ。例えば湧廼には身体強化、特に腕力を強化すればいい。回復をするのもありだ。」

「なるほどな。俺は確かに腕力を強化されると威力を上げられる。」

 

お前の場合身体強化が十分な練度だから回復してもらうだけで大丈夫だろ。

 

「攻撃魔法が得意な奴は、俺の放つ飛び道具なんかを撃ち落とせ。直接俺を狙うのはいいが、あくまで注意を引く程度にするんだ。武器を使って俺を狙うやつの邪魔にならないように。」

「なるほど...オレの魔法は広範囲なのが多いし、やりやすいかも!」

 

それはしらん。

 

「で、物理。何も考えず交代で俺に向かってこい。いっぺんに来るのは相当慣れてるペアでないとできないからな。」

「...わかった。」

 

雅とは剣でしっかり斬りあえそうだ。

 

「さて、では再開といきますか。あ、先生も行きますね!」

 

そんなさわやか笑顔で殺しにかかろうとするのはやめていただきたい。

 

「まったく...ほら、かかってこい―――!」

「おらああ!!」

 

最初に向かってくるは湧廼。とりあえずすることは...

 

「無視だ。お前は俺に触れられないからな。」

「やってみなきゃわかんねえだろ?」

 

といって、俺に殴打を繰り返す。だが

 

「なん...だと...」

「何かしたかい?」

「どういうことだ!」

 

俺に物理は通らない。理由は簡単だ。体の周りに結界を張っている。無駄だとしか言いようがない。

...そりゃあ、結界ごとえぐるように殴られたら当たるのは当たるけど。

 

「さて、展開「魔力の貯蔵庫(ゲートオープン)」これはしておかないとね。」

「強すぎだろそれ!?」

 

だが先ほどとは変わって、後方で魔法を使い撃ち落とすやつらが増えた。それでも全部を防いだりはできないようだが。

...まぁ、マシにはなったよな。

 

「僕も...何かしなきゃ...「炎弾」」

「「炎弾」」

「わっ...はやい...」

「那斗、連続で打つんだ。」

 

わかった、とうなづく。果たしてうまくできるかね...

 

「大埜、次はボクが行く。」

「...わかった。」

「へぇ...雅、剣をエレクトリックに変えるのは結構だが、それはもろくなるだけだぞ。」

「知ってる。でも、エンチャントしながらこの子を使えるから。」

 

...思い入れがあるのだろうか。なら少しいいことを教えてあげよう。

 

「エンチャントだけじゃなく、硬化も使え。その方が長く使えるぞ。」

「...わかった。」

「じゃあ俺も、「爆破斬」結月刀「付喪」」

「...二刀流...」

 

...?

少し動きが鈍くなったか?

 

「「炎弾」!」

「うわっ!爆破斬「業火」!」

「剣舞「アサルトダンス」」

「なんで火の中で平気なんだよ!?」

 

後方でにっと笑う姿...雷花!?

 

「一応同じクラスだしね!」

 

...属性耐性を付けたか...

だがまぁ...ゲートの武器の量を増やせば...

 

「展開「晴天の霹靂」」

「本当にやるのかよ!?あーくそ!!「創世ヲ呼ブ雷ノ杖」!」

 

剣をストレージへしまい、杖を持つ。どんなことができるかはその場のノリだ。何も知らないから。

 

「結界「雷霆ノ床庭」玄豪「電閃」」

「へぇ...結界で属性を、そして、雷龍との契約によるスキルで身体強化をしましたか。」

「...体壊れない?」

「彼の体のことを考えれば...問題はないですね。」

 

さて、ものすごく頭が痛い。なにが問題はないだ。大いにあるっての。

じゃ、本番と行きましょうかねぇ?

 

「見せてやろう...一振りで生まれる、回帰の雷を...「轟雷一閃」」

「うぇえ?流石に防ぎきれないよ!?」

「しょうがありませんね....降参です。授業も終わりですしね。」

「...そうか。つまんねえな。」

 

チャイムが鳴った。いろいろなところから、安堵のため息が聞こえる。そのため息に囲まれながら、杖をしまった。

 

「―――俺の勝ちだな。」

「また負けてしまいましたね。全員だったというのに。」

「はっ、俺に勝てるのは、俺だけだぜ。」

 

―――――――――――――

 

 

さて、昨日言っていた物事の整理でもしようか。

管理塔の現トップはあのくそ野郎...柊信義。つまりこいつをどうにかしなければ、俺は常に狙われ続ける。もしも俺が負ければ、宇宙は初期化され、今までがなかったことになる。

...それだけはさけなければならない。なんとしてでも。

次に、雷龍との契約によって使えるあの杖。あれはひどい。今の俺ではまだ完全には扱えない。これだけ魔力を有する俺を飲み込むくらいに魔力をもってやがる。

...今日あそこで止まってなければ、まずかったかもしれない。

あ、そうだ、木龍君に会いに行かなきゃ。

 

「...そんなノリで行くみたいに来ないでくれるかな?」

「だって...お前いつの間にか俺の家来てんじゃん。自由人かよ。」

「帰ったらあの子たちに怒られちゃうかもね」

 

おいおい...お前そんな子供みたいな見た目するからだろ...中身も子供か

 

「君よりは大人だよ!」

「どうだか。で、だ。さっさとくれよ。」

「仕方ないなぁ...ほら、地図。」

 

なんで地図...ん?これは...

 

「ダンジョンじゃないか。それも開拓済みの」

「そ。そこに、君を必要とする人物がいる。」

「..?知り合いか何かか?俺の。」

 

木龍は首を横に振る。じゃあなぜ俺を必要とするんだ。

 

「彼女は君を知らないし、君も彼女を知らない。でも、君じゃなきゃ彼女を救えない。だから言ったんだ。」

「言い方ってもんがあるだろ...」

「いいから行って来い!!!」

「ちょ、転移をいきなり―――

 

 

――――

 

 

するなよ!!」

 

無茶苦茶だ。

なんでもうダンジョンの目の前にいるんだ!!!

 

....

 

 

「はぁ....行くか....」




2021/10/08更新!

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