日常を取り戻したい主人公たちがおくる。一つの世界。 作:空色 輝羅李
第二話~きっかけ~
「これが特技の魔法さ。」
クラスの大半が、腑抜けた顔をしている。
そりゃそうか。いきなり転校生が、道具もなしに詠唱したんだもんな。
「それだけじゃねえ、学校で一、二を争うアイドルに、何してくれてたんだ!」
そこまで切亜が人気だったとは...
それだけでなく、ここまで怒られるなんて。
確かに切亜は、友達としてもかわいいと思う。友達でなくとも、かわいいと思う。つまり切亜は可愛い。
「なんでそんなに馴れ馴れしいんだ、屑が!」
屑とまで言うか...
馴れ馴れしいのも当然だろう。ガキの頃から一緒で、同じ家で暮らしてるんだから。
他の生徒もこちらを睨むやつがちらほら。
...やらかしたかもな。これからの学生生活が不安だ。
「同じ家に住んでいる?ふざけんな、どういうことだ。」
聞かれたら答える、別に隠すようなものでなければ、隠したいとも思わないからな。
ざっくりと説明をしたが、そんな都合のいい話なわけがないだの、転校生なんだから家は遠いはずだだの。
まったく、これだから単細胞ゴリラは。
「単に、俺の行ってた元の学校が、唐木だからだよ。」
すると見る目が変わる。馬鹿を見るような目だ。もう見飽きた、馬鹿らしくなる目だ。
「唐木ってことは、お前頭悪いんじゃねーの?」
周りの生徒らから、くすくすと笑い声が聞こえる。なんだこいつら、人を馬鹿にするのが好きなのか?
「それは違うよ大埜君。」
と、俺を擁護する先生。そして、俺にこの学校へ入学するよう手紙を書いたことも伝える。
...ほかの先生まで書いてたらしい。一体何人の教師が書いたんだ。全部ごみになっただけだぞ。
その時、教室の扉が開いた。この時間に誰がくるってんだ...
「あ、龍!ちゃんと来たのね!」
...姉さん。朝言ったのに、信じてなかったのか...
昔から姉さんは、うれしいことがあると俺に抱き着く癖がある。正直人前ではやめてほしい。
「姉さん、積もる話も家に帰ってからゆっくり、ね?」
「家でゆっくりお話だなんて、照れるわ///」
照れるなよ...顔を赤くしたのか、顔に当たる姉さんの頬が、少し暖かい。
じゃあまた家で。そう言い残して去っていった姉さんを見送り、教室の生徒らに。俺は告げた。
「これ以上騒ぐな。騒ぎたいのはわかるが。」
「驚きようがねえよ...」
満場一致で、ざわつきが少し、落ち着いた。
それで先生も、変わらず落ち着いた声で
「よしみんな。もう今日は終わりだから、帰っていいよー。」
書き直しました。元の文章というか文字数が少なかったので短いです。やったね。