日常を取り戻したい主人公たちがおくる。一つの世界。 作:空色 輝羅李
第三話~一息つきたいのに~
家につき、扉を開ける。カギはかけていない。結界が常に展開されているので、部外者が立ち入れば警報がなる。つまり無防備だが警戒はできている。なんとらくなことか。
「なぁ、晩御飯なににするんだ?」
晩御飯...考えるのも嫌になる。朝昼夜と、ご飯を作っていれば、レパートリーはいつしか底を突いてしまう。むしろ何も食べたくねぇ...
が、切亜は純正の人間だ。何かを食べなければ生きていけない。
...人間て不便だな。
だが文句も言えない。俺は吸血鬼だし、たまに血液もらってるし、ことらからも対価を支払うのは、当然の義務だ。
晩御飯ねぇ...
「ポトフなんてどうだ?」
そういうと、めちゃくちゃ喜んだ。ポトフ好きなのか...
俺がキッチンへ向かうと、切亜は自室へ向かった。おそらく、道具でもいじるのだろう。
ガチャリ。玄関の開く音がする。二人分の足音だ。
「「ただいまー」」
「お帰り。紗那、姉さん。」
紗那は妹だ。そして。いつもより楽しそうに、話したいことがたくさんあるという顔をする。天真爛漫で、最高にかわいい妹だ。
相反するような、学校とは違った冷淡な目で、それでも凛とした、落ち着きのあるかわいいのは姉さんだ。最高にかわいい姉さんです。
「お兄ちゃん!お姉ちゃんに聞いたんだけどね、今日から同じ学校に通うんだよね!」
「あ、あぁ。そうだよ。」
それがうれしくてたまらないらしい。今だぴょんぴょんしてる。かわいいな。
「そうか。そんなことで喜ぶなんて、流石は我が可愛くもない妹だ。」
「そんなこと言って...後で後悔しても知らないよ?」
...なぜ素直にかわいいといえないのか...
「ねえ龍。今日の晩御飯は何かしら?」
ポトフであることを伝える。鍋補指差し、もうすぐで火にかけるところだということも。
すると、花が咲いたかのようにいつも通りの明るい顔になる。こっちもこっちでかわいい。
「いいわね、それ!今から楽しみだわ!」
...ポトフはおかずじゃないのか。メインなのか。ご飯炊くのやめとこうかな...
そういえば、今日は姉さんの帰りがいつもより早い。疲れた顔(ただし普通の人が見れば怒っているような、先ほどまでの冷淡な顔のことである。)をしていたし、なにかあったのだろうか。
「そうなの。あなたが来てからと言うもの、先生達全員が、まいあがちゃってて。」
ソーナノカー。
よし、ポトフを作ろう。
今日はジャガイモ大きくしよっと。
ジャガイモと人参とパプリカの下処理はもちろん済ませる。ジャガイモの芽なんて食べれたもんじゃないからな。多分。
ジャガイモを四等分に切って(人数分のジャガイモ。今日は四個だな)、にんじんは乱切り。キャベツはざくざく、パプリカはさいの目。玉ねぎをくし切りにする。ウィンナーに適当な切り目を入れて、鍋に水と一緒に入れていく。
コンソメなんかで味付けをして煮詰めたら完成だ。
盛り付けるときにスライスチーズとか乗せたら、うまそうだな...
―――――――
ごちそうさまでした。その一言が染みる、このために飯を作ってる気がするぜ。
「ほら、風呂入って歯を磨いてこい。」
「「「はーい。」」」
そんな元気な返事をして、三人は脱衣所に向かった。
一人だけ扉から顔を出し、小悪魔のような笑みを浮かべている。
「覗いてもいいのよ?」
「ばーか。誰が覗くか。」
まったく。姉さんという人は...
さて。食べ終わって食器や調理器具が散乱するシンク。しっかり洗っていると時間が足りない。
ならすることは一つ。
「ラスト・ワールド」
時が止まる。宇宙塵ですらも動くことはできない。俺が動けと思ったものは動くけど。
これは魔法ではなく、俺が保持している固有スキルだ。俺以外の誰もラスト・ワールドを使うことはできない。
この止まった時間で洗い物でもすれば、時間が足りないなんてこともない。なんて便利なんだ。
「ふー、終わった」
時を動かし始める。先ほどまで止まっていた時計の針も、はじくような音を再び鳴らす。
布団でも敷こうか。
―――――――
「いい風呂だった!」
「いつもと変わらんだろうに。」
切亜はたまにジジくさい。若いのに...中学生なのに...
「そろそろねましょうか。」
「うん!お休みおにいちゃん!」
...さて、シャワー浴びて寝るか。
―――――――
みんなが寝てるところを歩くのって、踏みそうだから怖いんだよな。
「んー...おやすみ、龍...」
なんだこの可愛い切亜は。ありえない。いやまあかわいいのは事実だしいつもなんだが。
「おやすみ。切亜。」
頑張って書き直していってます。
伸びたらうれしい!