久々にこっちの投稿です。あ、ちなみにFGOで今年入ってから呼符でなんとなく引いたら猫耳狩人さんと英雄王来ました。
……やったぜフィイイイイヽ(‘ ∇‘ )ノ
あのあと何とか逃げ(捕まかけた時は強行手段をとったが)その放課後に綾斗と話していた。
「ん、綾斗そろそろいいか?」
「え?ああ、じゃあよろしく」
わざとと分かる咳払いをして、視線を惹きつけてそのままスムーズに話すユリスにその言葉の意味を察しいつも通り喋る綾斗。
「何かあるのか?」
「ユリスに学園を案内してもらおう約束なんだよ。海斗も一緒に来る?」
「ユリスがいいなら行くよ」
ふとユリスを見ると少しばかり不機嫌な顔をしたけど溜息一つついて了承を得た。
「海斗帰ろ?」
そこで雫が話しかけて来たがクラスの男子がギョッとこちらを見てきた。
おい、なんだよお前ら。そんなに見るな、マジで怖いから。
「悪いな雫、俺このままユリスに学園案内してもらうから先に帰っ「私も行く」おい…」
説明の途中だと言うのに……。まぁいいか、綾斗達は先に廊下にいるしそん時説明すれば。
いざ廊下に出るとクローディアとユリスと青い髪の眠たそーな目の少女(なんでも綾斗の幼馴染らしい)がいがみ合ってるではありませんか。
「なんだこれ…」
「終わるまで待と?」
「はぁ…そうだな」
なんでもいがみ合ってる理由は誰が綾斗を案内するのに相応しいとか何とか。
いやいやクローディアは生徒会の仕事?があるんだから無理やないの?
──────
結局のところクローディア以外が行くこと(雫の時はあっさりと承諾)になったんだが……。
「ここはクラブ棟だ。うちのクラブは一部を除いてそこまで活発に活動はしてないが、報道系のクラブに文句を言うのならここに足を運ぶことになるだろうな」
「……なるほど」
「ここは委員会センター。福利厚生に関する要望、申請はここを通す必要がある」
「……そうだったのか」
「食堂は……一応、学園内にはカフェテリアを含めて七箇所の食事処がある。その日の気分で食べる場所を変えるのも一興だろう」
「……初めて知った」
「……沙々宮。私はお前を案内していた訳ではないんだぞ?」
中庭のベンチで一休みしながら、ユリスはいちいち自分の説明に頷いていた沙々宮に向かって言った。対して、沙々宮は胸を張ってみせる。
「……私方向音痴だから」
「それで何故、自分が案内するなんて言えたんだ?」
「えへん」
「それ褒められてないぞ?」
「でも海斗も方向音痴だよね?」
「それは言わないでくれませんかね雫さん……」
ド直球で言う雫。首を傾げて言ってくる……まぁ可愛いよね。
おいそこ、チョロいとか言うな。死ぬ気の炎で焼くぞ?
「方向音痴まで昔のままとか本当に変わらないね紗夜は」
「……そんなことはない。ちゃんと私も成長している」
「そう?昔とあんまり変わんないと思うけど」
幼馴染というだけあり、とても仲が良さそうだ。二人の会話を見て嫉妬するなよユリス。
「何か言いたいことでもあるのか松原?」
「いえ何も……」
何でこう女子って生き物は感が鋭いのかな……。
「女の子は特別だから」
際ですか…。いやなんで雫も俺の考えてること分かるんだよ。
「飲み物買ってくるけど、ユリスは何がいい?」
「え、飲み物? そ、そうだな、では冷たい紅茶を頼む」
「俺も行くか。雫は何がいい?」
「じゃあ100%のオレンジジュース」
「はいよ」
「私は」
「りんごジュースでしょ?濃縮還元のしてないやつ」
流石、綾斗。分かってる、と沙々宮は自動販売機に向かって行く綾斗の後ろ姿に親指を立てた姿が見えた。綾斗と俺は近くにある噴水を回り込むようにして高等部校舎へと走っていった。
said雫
海斗達が姿が見えなくなってから紗夜がユリスに聞いた。
「……リースフェルト、もう一度聞きたい」
「何をだ?」
「何故、リースフェルトが綾斗を案内するに到ったかその経緯について」
「私も知りたい」
正直私も気になっていた事だった。あのユリスが他人と仲良くするところなんて見たことがなかったから。
「お前も意外としつこいな……まぁ、減るものでもないし答えてやる。私はあいつに借りが出来た。それでその借りを返すために学園を案内することになった。それだけのことだ」
「借り?」
「もしかして決闘の?」
一瞬、驚いた表情をしてユリスは答えた。
「お前も見ていたのか…。そうだ決闘の時に助けられた」
「……決闘? 何で綾斗がリースフェルトと決闘を?」
流石にそれはプライバシーに関わるので答えなかったが、紗夜は暫くの間、綾斗が決闘? と首を傾げていたが、すぐに別の疑問を見つけた。
「……決闘の結果は?」
「途中で邪魔が入った故、不成立だ」
「……それはおかしい」
「おかしいって?」
「綾斗と戦って、リースフェルトが勝てるはずがない。ましてや引き分けは尚更」
予想もしなかった紗夜の言葉にユリスは目を白黒させた。冗談、という訳では無さそうだ。その証拠に紗夜の目は真剣そのものだった。
ユリスを見ると額にしわが寄っていて、イラつき始めたのが分かった。
「それはどういう事だ?」
「リースフェルトは強い。少なくとも、私と同じくらいには。でも、本気の綾斗に勝てないはず」
そんなことない、と思いつつ、ユリスは心当たりがあることに気付いた。決闘の最中、終始余裕がない中彼はユリスの炎を斬った。それは私も見た事実。それなら海斗が不思議そうに見えていたのも納得がいく。
(あいつはあれでも本気ではなかった……?何故だ?あの様子だとあれが限界のはずだ……)
ユリスの脳内で疑問がぐるぐると渦巻く。しかし、それについて深く考える時間は無かった。不意にユリスは目を鋭くさせた。私も反射的にベンチから離れていた。それとほぼ同時に乾いた音を立てて、数本の光の矢がベンチに突き刺さる。昨日の決闘で海斗が防いだものと同じものだ。
「ユリスあれ」
私に言われ、ユリスが矢の飛んできた方へ視線を向ける。すると、噴水の中から黒ずくめの格好をした襲撃者が顔を覗かせていた。その手には矢を放ったであろうクロスボウ型の煌式武装が握られている。
「また不意打ちか。芸のない」
嘲笑しながらユリスは星辰力プラーナを集中させ始めた。前回の同一犯と見て間違いないだろう。
「咲き誇れ、
ユリスの声に呼応して現れた炎の槍は襲撃者へと刺し貫かんと飛び掛った。だがそれは間に飛び込んできた他の黒い影に防がれた。
「新手……それも私の炎を防ぐだと!?」
「なら…!」
私も腰にある二つある愛銃の一つを抜く。抜くと同時に
「やっぱりこれなら効く」
そう言い、再び撃とうとした瞬間
「……どーん」
周囲一帯を震わす重低音が響いたかと思うと、大男が天を舞っていた。十数メートルも打ち上げられ、そのままきりもみ落下して頭から地面に突っ込む。ピクリとも動かなくなった。
「え?」
まさかと思い、後ろを振り返ると爆風が荒々しく吹き荒ぶ中、大男に銃撃を叩き込んだ紗夜へと視線を向ける。その手には紗夜よりも遥かに大きい銃が握られていた。
「……沙々宮。それは何だ?」
「三十八式煌型擲弾銃ヘルネクラウム」
「グレネードランチャー?!」
思わず声を上げてしまったが驚くのも無理はないと思う。あの小さな紗夜(私とあまり違わないけど)が身の丈に合わないものを放ったのだ。
頷きながら紗夜は再び噴水へと銃口を定めた。
「……バースト」
銃身が微かに輝き、マナダイトが光を増していく。急激に高まった星辰力が集中していく。
「
ユリスが声を上げ驚く。だが噴水の中の襲撃者は逃げようともせずにいた。
(あれを受けても大丈夫だと思ってるのかな?)
「……どどーん」
可愛らしくも覇気が全く無い掛け声と共に放たれた光弾は襲撃者に当たらず、新しく現れた黒い影とさっき吹き飛ばされた二人が斧を重ねて受け止めた。
「……うそ?」
紗夜のそんな声が聞こえると同時に噴水の中にいた襲撃者が再び矢を放とうとしていた。
「……いい加減鬱陶しいよ」
小さく呟いた言葉はユリスにも聞こえていたのかチラッと見られた。だがユリスは何か恐ろしいものを見たような顔をして一歩後ずさった。
「紗夜のがダメでもこれなら効くでしょ」
そう言いながら、愛銃に死ぬ気の炎をさっきよりも
「吹き飛んで!!
先程のものよりも大きく撃った炎は鮫の形を模している。効くとわかっているものに当たるつもりは無いのか避けようとするが襲撃者達に直撃する。
今の一撃で噴水ごと吹き飛ばした。……噴水ごとは流石にまずかったかな。
ぽっかりと開いた穴から覗いた基底部分が狂ったように水を噴射し、シャワーのように撒き散らしている。
「大した威力だな」
「……ほんと。そんな小さな拳銃でよくあの威力が出る。もしかしなくてもオーダーメイド?それでもあの威力出すにはマナダイトが少ないすぎると思う。どういう仕組み?」
素直に賞賛してくれるユリスはまだしも私の銃を、いや今の一撃を見てなのか武器オタクである紗夜がものすごく怖い…。
「あ、あの紗夜落ち着いて」
「……落ち着いてる。だから早くその銃について教えて」
「おーい!」
そこで海斗と天霧くんの声が聞こえた。二人が来たのならと少しばかり安心できる。
……今の紗夜はものすごく怖い。ほんとに怖い。大事だからもう一回言っとく。怖いよ。
side out
海斗と綾斗が自販機で飲み物を買って帰ろうとした時、中庭からものすごく大きな音が聞こえた。それに伴って青い死ぬ気の炎が見えた。
「!(今のは雫の
「うん!わかった!!」
綾斗も
(海斗は
そんな考えをしながらも中庭に着いた二人は言葉を失った。
見るとあったはずの噴水は全壊、更に周囲の木々も酷い有様。
「おい、一体全体何が起こった!? ばかでかい音がしたと思って来てみりゃ噴水が消し飛んでるし」
「色々あったんだ。な、沙々宮」
「……そう。色々あった。ね、雫」
「そう、色々だよ」
海斗が問うも三人は乾いた笑いを浮かべながらいなすだけだった。
「……それよりもこれ着ろ雫」
「え?」
そう言い自分の制服の上着を雫にかける海斗。綾斗は頬を紅くしながら後ろを向いていた。
「制服」
言われるままに制服を見ると納得した。周囲は雫が壊した噴水から放たれる水で水浸しになっている。当然、その水を三人は浴びてるわけで、生地の薄い夏服が透けて豪いことになっていた。
「み、見るな! 見たらただじゃ済まさんぞ!?」
「み、見てない!見てないから!!」
「……スケスケ。これはエロい」
「いいから早く隠せ!!」
「海斗?もしかしなくても二人の見たよね?」
笑顔(黒い)を浮かべながら海斗から受け取った制服で隠しながら近づく雫。それを見てまずい!?と思った海斗は全力で否定した。
「み、みみ見てません!!ホントに見てません!!だからその笑顔やめて!?」
「じゃあなんで今紗夜に隠せ、なんて言えたのかな?それは見たからだよね?」
早くも詰んだ海斗。そんなことをしてる内に人が集まり始めたのでその場から慌てて離れた五人であった。
ちなみに次の日、ボロボロで学校に来た海斗を見て雫は怒らせたらいけないと思ったのは三人だけの秘密である。