DS - ダイアグラナル・ストラトス -   作:飯テロ魔王(罰ゲーム中)

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かなりお久しぶりです。
失踪しません。ただ書く時間がないだけなんです。

週に取れる執筆時間:2時間あれば御の字。

仕事以外に家庭があるとガンガン趣味の時間が削られますorz
それなのに時系列がごっちゃすぎててまとめるのを忘れてたという始末。レポートというには日記形式に近いものですが、これである程度これまでの動きが分かるかと。

動きだけでも伏線ありまくりでついてこれるか心配。そもそも見てる人少なそうw

時系列だけなのでかなり短め。山もなければ谷もない。まるでラウラの平坦な――おや? 誰か来たようd(


00-13 【ラウラ・ボーデヴィッヒのレポート】

 8月9日 昼頃

 日本の総合進学案内において、一般男子生徒がISを起動。世界初の男性IS操縦者発見という(しら)せが世界中に配信される。

 情報源は同級生が無断で行っていたAR配信。皮肉にもこの配信が功を奏し、日本政府の介入をブロック。その当事者は、かつて世界最強(ブリュンヒルデ)として名を馳せた織斑千冬の弟・織斑一夏。

 世界を震撼させたテロ事件『モンド・グロッソの悲劇』の被害者であり、DSOでも強豪プレイヤーとしても知られる『イチカ』本人だという証言が、AR配信をしていた同級生から吐露(とろ)される。

 その場には、()()篠ノ之束博士の妹・篠ノ之箒がおり、織斑家と浅からぬ仲である事も本人の口から暴露された事が即日ニュースとなり、事態は加速的に混乱の様相を見せたらしい。

 

 織斑千冬は束博士に助力を()い、自身の存在が彼の背後にいることを匂わせる為、篠ノ之箒を織斑家へ滞在する事を提案し、彼女はこれを受諾。

 日本政府が篠ノ之箒にかけた要人保護プログラムにより、傍にいる織斑一夏、及びその関係者への取材は必然的に規制されただけでなく、各研究機関も織斑一夏への接触を禁止された。

 束博士は日本に圧力をかけると共に、この状況を早急に各国にも伝達。各国も束博士の不興を買う事を恐れ、日本は過去の失態を理由に各国からも圧力をかけられることとなり、互いが互いを監視し合う監視網が完成。

 世界は織斑一夏に対し、直接的な手出しを控える事を余儀なくされる。

 

 8月10日

 昨夜未明、DSOにおいてランクスがイチカに自身のリアルと実情を説明すると共に、日本政府と疎遠であったイチカに、デュノアへの参加を選択肢の一つに提案したが、返答は保留。

 ニュースが報道された直後、ランクスからのメッセージで『彼を守る為に動いて欲しい』という連絡を受け、急遽DSOにてクランメンバーを招集。

 メンバーの一人であるエクエスの提案で、彼がこれまで公開していたレポートなどを添え、護衛計画をドイツ軍に立案。即日、緊急会議にかけられる。

 

 8月11日

 緊急会議にて一部変更こそあるものの、護衛計画そのものは受諾され、即座に専門部隊の編成が決定。

 部隊長として、私ことラウラ・ボーデヴィッヒが抜擢(ばってき)。IS代表候補選抜生から代表候補生への推薦(すいせん)が約束され、サポートに代表候補生であり、候補選抜隊の教導官代行であったクラリッサ・ハルフォーフが代表候補の引退と同時に着任。

 彼女と相談し、選抜生をそのまま部隊員にするよう提案。表向きは代表候補生の強化訓練部隊と言い張ることもできるため、DSOでもチームとして機能しているという評価から、この提案も受理される。

 早急な事態収集に向け、情報部と連携を密にする。手始めに前々から噂のあったイチカのバイト事情から調査を開始。

 

 8月13日

 情報部と連携し、まる1日かけて情報を集めた所、噂であったイチカが仮想世界で仕事(バイト)で作成した技術や理論は、各国のIS機関で利用されていた事実が確認された。

 IS技術に関しては第3世代以降の特殊兵装や、それに付随する各種理論。更には第4世代ISの基礎理論だけでなく、第5世代に言及するものさえ存在し、一部の技術は既に各国のIS機関に登録され、実装テストに入っているモノさえあった。

 その報酬額は、1件につき数万円程度。あまりにもフザケ過ぎた額で、ドイツ政府の高官達も、この金額を見て失笑どころか爆笑。

 これが表沙汰になれば、各国は非難を受けるどころか人格を疑われる次元の話で、これを回避すべく何らかの動きがあるであろうと予測される。

 

 現実では謎の襲撃者がIS関連を主軸に、主だった非合法組織を壊滅させている、との情報が入る。襲撃者が発見された要因は、亡国企業(ファントム・タスク)の実働メンバーの一人であるスコール・ミューゼルがこの襲撃者に(やぶ)れ、アメリカ軍に身柄を確保された際、彼女自身からもたらされた。彼女はプライドが高く、自身の敗北を捏造してまで第三者を生み出す可能性が低いという見解から、襲撃者の存在は真実味があると判断され、事実、次々と非合法組織が壊滅している。

 その混乱に乗じ、アメリカ・ロシアが先んじて合法・非合法問わず、織斑一夏を害そうとする組織の壊滅に(いそ)しんでいるらしく、海外にも手を伸ばし始めている情報を掴む。

 情報部は大国ゆえの先読みの速さ、というにはどうにも腑に落ちないようで、なにか焦っているような印象を受けるというコメントが添付(てんぷ)されていた。

 

 この日を境に、各国政府が男性IS適正者を探すべく適性検査を任意で実施。

 

 8月14日

 ドイツも自国を中心に、イチカやその周辺に害を為そうと計画する組織の摘発に奔走(ほんそう)するも、ほぼ同じタイミングで各国が本腰を入れて捜査を開始した為、非合法組織は本拠地(アジト)を捨てて地下に潜伏。各国の動向もつかめないまま動くのは得策ではなく、現実での捜査が難航。

 別方向から捜索しようとエクエス(数馬)が橋渡し役となって、DSOを中心にVRの情報屋へ織斑一夏(イチカ)仕事(バイト)に関する情報集めを依頼。『(ネズミ)』の二つ名を持つ彼女もこちら側についてくれたらしい。

 彼女が(もたら)した情報では、マスコミ達が一夏との接触に規制をかけられた為、DSOにおけるイチカの戦績の調査に乗り出したらしく、この日から連日織斑一夏ことイチカの話題がメディアで取沙汰(とりざた)される事となるが、情報自体はネット上で少し漁ればすぐ出てくるようなモノばかり。

 現状、驚異度は低いと判断される。

 

 各国に揺さぶりをかける為、ドイツの候補選抜生、及び代表候補生のシミュレーションに、DSOを使用している事をカミングアウト。自分達を含め、幾つかのクランがイチカ達と懇意にしている、と意図的にぼかした情報を流す。

 予想通り、未明には各国も代表選抜生や代表候補生の教育の一環として、DSOをシミュレーターとして使用している事を暴露。元々ISの経験者が企業のキャンペーガールとしてDSOをプレイしている為か、物珍しさもあってメディアの目がそちらにも向き、ドイツはあらかじめ回答を用意してあったが、各国は準備もままならないままメディアへの対応を余儀なくされる。

 

 8月16日

 各国の周りを嗅ぎまわるマスコミに危機を感じたのか、IS技術者達に動きがあり、メディアの間隙(かんげき)をついて情報部が各国の情報を集める事ができた。

 プログラム関連の情報はまだ来てないが、ISに関しての依頼元はアメリカとロシアが主流で、これが非合法組織の壊滅に動いていた理由と思われる。

 この機を利用してポイントを稼ぎ、イチカとの接点を作るのが目的、というのが上層部の予測だが、それ以外の目的も視野に入れて捜査を続行。

 この混乱を機に、IS技術者達は女尊主義の権利者達にその罪を(なす)り付けようと画策しているようだが、水面下で女尊主義者達にも動きがあり、調べてみると意外な裏事情がわかった。

 事の始まりはモンド・グロッソの悲劇において、率先して動いていた女性権利者達の謀略。義捐金(ぎえんきん)(つの)ったが、寄せられた額は尋常ではなく、有力者が支援した背景を利用し、女性権利者達はその大半を着服。

 イチカをはじめ、被害者達に支払われた金額は驚く程少なく、一部はモンド・グロッソの中止によって損失した資金の補填(ほてん)にも使われていた。

 日本政府も、本来支払うはずであった慰謝料の8割近くを改竄(かいざん)・着服したのみならず、余計な騒ぎが起きれるのを恐れ、リハビリが終わると同時に織斑一夏を日本へ強制送還している。

 ここにも何かあると踏んで、情報部は一連のカネの動きも調べ始める。

 

 8月18日

 日本メディアがイチカの行ってきた事業向けの仕事(バイト)を調べたらしく、朝刊で発表される。

 小さいものは簡単なゲームアプリの基礎プログラムから始まり、大きいものではソーシャルゲームの基本システム、果ては会社のセキュリティシステムそのものを作成していたことなどが挙げられ、中には依頼元に直接取材した内容も記載されているが、報酬の話に至るのも時間の問題であると予測される。

 世界中のメディアはこの功績に騒然となり、各国メディアもそちらからのアプローチで織斑一夏の調査を始める。

 

 先日の義捐金着服の流れを、一部ながら情報部が入手。

 被害者達のリハビリを含めた治療費は、支払われた義捐金や慰謝料でまかないきれる額ではなく、織斑千冬(ブリュンヒルデ)がドイツでのIS教導で得た収入の一部も被害者の補填(ほてん)()てていた。が、現在も被害者達の大半が高額な治療費の支払いに悩まされ、それを苦に自殺や無理心中する者もいた。

 人道的行為で金儲けをしていた、という話だけでも一大スキャンダルだが、自殺者が出ている事で権利者たちがどれだけ叩かれるかわかったものではない。

 それ以外にも権利者達は着服した資金を(もっ)てイチカに仕事の依頼をすると共に、得た技術を各国に切り売りしている事も判明。容疑者には各国の女尊主義を掲げる政治家や組織の名も浮かび、そこに亡国機業(ファントム・タスク)のみならず、有数なPMCやテロ組織の陰も見え隠れする。

 各国も一枚岩で動いているわけではない、というのが情報部の見解で、あまり時間がないかも知れないという予測もされている。

 

 8月19日

 エクエスからのメッセージで、予想通り仮想世界でも動きがあった。

 ラース、グロージェン()ディフェンズ()、シャムロックが動き、そのバックにはそれぞれ日本の仮想課、アメリカのPMC『グロージェン・ディフェンス・システムズ』と国家安全保障局(NSA)、ロシアは連邦保安庁がいるという情報が(もたら)されると共に、小姐(シャオチェ)をはじめとした悪質系(ローグ)も動き始めている。

 これらの情報から予測するに、日本は言うまでもなくモンド・グロッソの悲劇という負い目もあるが、織斑一夏の他国への流出を防ぐのが目的。アメリカ、ロシアは人材確保もだが、最悪でもIS技術の利用、もしくはドイツと同じく協力体制の基盤を作ろうと目論んでいるのではないかと推測される。

 動いている悪質系も各国の有力者がバックについており、ウィザード級の傭兵ハッカーを雇ったとの情報もある。

 

 クラン規模で動いているのは友好関係を築くのが目的で、悪質系(ローグ)を利用しているのは利権絡みから来る敵対関係、もしくは男性IS操縦者というイレギュラーの誘拐、または抹殺が目的と考えられる。

 女性権利者達がISを所持したテロリストと接触を図ったという情報以外にも、幾つもの情報が交錯して情報処理が飽和状態になりつつある。

 悪質系が関係しているのは中国をはじめとして、イタリア、ギリシャ、アフガニスタン、アルジェリア、インド、ボリビア、コロンビア、更にロシアとアメリカも参加しており、計10ヶ国。度重なる情報をまとめきれず、情報部からダウンした者達が現れ、遂に処理能力がパンク。現実での情報収集が困難になった。

 悪質プレイヤーに対抗すべく、エクエスは正統派(ヒロイック)を中心にプレイヤーを集めたらしい。VR関係はゲーム上で対抗できる分の戦力は確保し、小競り合いも始まったようだが、現実への対抗手段が少なく、後手に回らざるを得ない状況に(おちい)る。

 

 何か方法がないかと上層部からも通達を受け、イチカのレポートに何らかのヒントがないかと探る。

 

 8月21日

 意外な程あっさりと対抗手段が見つかる。

 イチカのレポートに、現状とほぼ同じ状況をシミュレートしたレポートがあり、これを元に部隊全員で仮想シミュレート、ディスカッションを行う。

 結果、護衛部隊は現地に最低でも3人のIS操縦者、後方支援(バックアップ)にフル装備の一個中隊規模(10人前後)、ないしは同規模の協力者がいなければ織斑一夏が奪取、もしくは殺害される恐れがあるという結果となった。

 このレポートを上層部に報告するも、IS3機の運用許可は即座におりたが、人選はともかく軍が使うルートで移動すれば各国に余計な刺激を与えかねないと警戒される。

 ドイツはDSOのクラン『ゾルダート』以外にイチカとの接点はなく、しいて挙げればモンド・グロッソの悲劇の際、会場の護衛部隊でドイツ軍が動いていたというマイナス要因しかない。

 既に各国のエージェントが織斑家の周りをうろついているらしく、下手な人選でこれらを刺激してしまえば、モンド・グロッソの悲劇を日本の住宅地で再現する事にもなりかねない。

 

 他に何か方法がないかと模索していた所、クラリッサより「オフ会を(よそお)って自分達が向かう方法はどうか」という提案をされる。

 流れとしては、私の代表候補生の推薦を祝うと共に、それらを日本にいるエクエスに報告。この機会に日本でオフ会をやろうという話になり、その話に賛同。

 エクエスを通じてイチカ達と面会する機会を設けてもい、状況によって護衛任務に移行する、という算段。ISも待機状態であれば税関も抜けられるため、表向きは一般人のオフ会である以上、変に周りを刺激する事もない。

 クラリッサの話では近日中に何か大きなイベントもあるらしく、その観光という形でバックアップ要員も無理なく手配できるという。

 ダメ元で上層部にこの案を挙げた所、他に良案がないという理由で認可。移動手段は一般ルートを使うにしても、現地のイベントが相当大きいのか、滞在先の手配が難しいらしい。

 最悪の事態を踏まえ、人員は私達の部隊から選出。私とクラリッサをメインとし、予備パイロット兼バックアップに10名。更には昨年軍を引退したエーリヒ・ロンメル元中佐が表向きは私達の引率として参加。

 

 8月22日

 滞在先の問題について解決する。

 ダメ元でエクエスに手配を頼んでみると、人数分の部屋の確保は済んでいた。滞在費についてもランクスが出資しており、滞在先の確保もクラリッサが彼からアドバイスを受け、事前に行動していたようだ。

 これらの情報は既にクラリッサより上層部に渡っており、報告書には私が主導で滞在先の手配を行うような命令系統になっていた。

 優秀なサポートがいると心臓に悪い、というのを初めて知りつつ、ISと装備の準備を開始。

 

 

 ドイツ時間21時07分、フランクフルト発・羽田着の飛行機のチケットを人数分確保。

 

 翌日、現地にてエクエスと合流予定。




いっくんがISを起動させてからの流れですが、もし「ココの話抜けてるよ?」とかあれば感想でツッコミ願います。自分なりに抜けがないように注意していますが、何か忘れてるような気がしてちょっと怖いw

エーリヒ・ロンメル元中佐の元ネタは第2次世界大戦のZ計画を推したエーリヒ・レーダー海軍元帥と『砂漠の狐』の異名をもつエリヴィン・ロンメル陸軍元帥。
モブの名前出しても集まらず、いっその事とはっちゃけて海軍の(ある意味)ぶっ壊れ元帥と陸軍のチート元帥の名前を混ぜたオリキャラ。名前自体はテキトーですが、今後重要な人物で、既に名無しで出ています(どこかは推測してくださいw



いっくんがIS乗るまで、あと1話。
急いで書いているのでもう暫くお待ちください。需要あるか不明だけどorz

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