DS - ダイアグラナル・ストラトス -   作:飯テロ魔王(罰ゲーム中)

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リザルト回、というか裏方全員集合回。

書いてる内にキャラが暴走してきて『混ぜるな危険』というのを初めて実感したのでこのタイトルに。
今回も誰得14000字オーバー。嵐の前の静けさって、こういうのを言うのでしょうか?


00-28 混ぜるな危険

 日本で起きたテロ事件から一夜明け、世間は上に下にの大騒ぎだった。

 平和の代名詞ともいえる日本で、前代未聞の大規模なISの投入、未知の巨大兵器が投入されるような大規模テロが発生。()()、騒ぎを聞きつけて事件を追っていたマスコミも狙われ、事態に対応していた海外のIS部隊に助けられなければ自分達も被害を受けていたかも知れなかった大事件だ。

 この一大スクープをメディアが報道しない理由はなく、マスコミは騒動の渦中(かちゅう)にいた弾達を追跡取材をしていたら被害にあったといわんばかりの内容で派手に報道。あながち嘘ではなかっただけに世間は大なり小なり騒ぎにはなったが、その報道があった直後に騒動は一旦収束に向かう事になる。

 

 表向き、テロリストが用意したIS部隊と未知の巨大兵器は、テロリストからISを鹵獲した織斑一夏と篠ノ之博士と共に事件にあたった織斑千冬、()()海上で新型機のテストをしていたアメリカとロシアのIS部隊は、アラスカ条約に(のっと)り、その極秘機体を持ち出して対応。多少の被害は出たものの、織斑姉弟と共に全機撃墜に成功した。

 市街地で暴れていた歩兵部隊も、これまた()()オンラインゲームのオフ会で日本に来ていたドイツのIS訓練部隊が日本の組織からISと対人装備を借り受け、引率として来ていた退役軍人の指揮のもと対応。IS部隊を撃墜して本土の警戒にやって来た織斑千冬の協力もあり、日本政府がテロ発生を確認してから1時間足らずで歩兵部隊の鎮圧を完了させていた。

 鎮圧後、護送車が遅れているという話を聞き、余力があったロシアの部隊が機転を利かせ、線路上にあった空の貨物列車を使ってドイツの部隊と共に無力化したテロリスト達を東京都庁まで護送。

 突如現れた9機ものISと、161名ものテロリストを確保した5つの貨物列車。上層部(うえ)から具体的な行動を制限されていた本庁の人間は、降って湧いた功績に驚き半分、喜び半分といった感じで現れたIS部隊に事情聴取の協力を申し出たが、国際問題をチラつかせられ尻込みし、そこに同行した更識の部隊が防衛庁の人間を連れて聴取はこちらがすると宣言。警察上層部はメリットとデメリットを天秤にかけ、余計なリスクを背負う必要はないと判断。変にゴネる事もなく、アッサリと手を引いた。

 そうして聴取が始まったが、まるで映画の様な前例のない大規模テロ。聞けば聞くほど荒唐無稽(こうとうむけい)な事実に防衛庁の人間は頭を抱え、更には極秘裡に動いていた篠ノ之博士の所へ一夏が合流。用意されたISを受け取り、その流れで潰したCPと巨大兵器、ISコアを保有する無人機の残骸と人員の回収に人員を()く必要になり、それで調書の作成に時間がかかっている。そのせいで一夜明けても明確な発表はなく、それがよりゴシップ好きな者達を勢いづかせ、虚実入り交じった情報が出回る始末。

 安全が確保されたスリルは民衆にとって格好の話題となり、世間はパニック寸前のお祭り騒ぎ。それを治める為に警察が動くという、なんとも奇妙な状況が出来上がりつつあった。

 このドサクサに紛れ、護衛対象は予定通りドイツ大使館に逃がす事ができ、彼女達の家族も今朝方までに日本政府より先に確保する事もできた。

 現在、護衛対象の家族はクラリッサ達ドイツのIS部隊が護衛にあたり、ドイツ大使館で国賓(こくひん)に近い扱いで保護を受けていた。

 

「――かくして、更識(ウチ)の手の者により、防衛庁はこちらに都合のいい情報で調書を作成してくれている真っ最中。裏取りにも時間も人員も割かれている状態でして」

「それで一夏が目覚めるまでの時間稼ぎができたワケですか。ありがたいといえばありがたいのですが」

「イマイチ釈然としませんね」

「まぁ、詳しい話を聞けばそれも(わか)るさ」

「私は弾君達が大人(われわれ)の話についてこれる事自体が釈然としないよ」

 

 更識の説明に千冬が呆れ、弾もラウラに不貞腐(ふてくさ)れつつも説明する気の様だが、この会話についてこれる中学生にエーリヒは疲れとも呆れともつかないため息を()いた。

 彼らがいるのは更識が所有するビルの一角。その中にある事務所には、当の更識に誘われたエーリヒとラウラのみならず、事前にいろいろと準備してくれていた弾と数馬、そして当事者の一人である千冬がいる。

 今回の騒動、被害がほとんど出ないまま収める事には成功したが、トントン拍子で物事が進んだワケでもない。

 この騒動の渦中にあった一夏は、宇宙まで行って大規模殲滅兵器(ラージハンマー)とその発射機構を潰したまではよかったが、そこで一夏は体力の限界が来てダウン。宇宙空間で意識を失ったが、ISのパイロット保護機能で生命活動にこそ別状はないものの、極度の疲労で身動きが取れない状態らしく、回収した篠ノ之博士が治療にあたっているという報告は、他ならぬ千冬自身から(もたら)された。

 その報告を受けたロシア・アメリカの両部隊は「これ以上は越権行為になる」と言って離脱。

 一夏一人でテロリストのIS4機との戦闘をはじめ、立て続けに100機近い無人機の群れと巨大兵器の撃墜。排他的経済水域から本土に来る途中でCPが用意していた切り札も潰し、本土を狙っていたミサイルも撃墜。そこから海上40kmの地点から15秒というタイムで市街地に到着。護衛対象を狙って潜伏していたテロリストの予備部隊に対処しつつ、宇宙まで行くという非常に過酷な行動で本土に被害を出さなかったという実績も作った。

 これがISに触れて1日も経っていない少年が為した結果だと言われても、当事者でなければ眉唾物(まゆつばもの)と疑われるような話だが、実際()の当たりにしたロシア・アメリカはすり合わせで幾つかの功績も譲ってもらったし、これ以上居座っても(みじ)めになるだけ――というよりは、最大の護衛対象に最も活躍された事実を隠す為に離脱したようなものだ。

 

 箒と鈴はクロエと共に一夏の看病に向かい、蘭も無理矢理ついて行こうとしたが、詩乃(シノン)を始めとした五反田家全員に取り押さえられ、祖父の(げん)簀巻(すま)きにされた挙句、クラリッサの手によって部屋に吊るされている。

 

「とはいえ、こうしてゆっくり話す事ができる時間ができたんだ。詳しい話を聞かせてくれるんだろうな? 弾」

「そんな(にら)みを効かせなくてもちゃんと話しますって。といっても、メンツが揃ってないので少し待ってもらう必要が――」

「菊岡君はあと10分ほどで到着するそうだ。弾君達にはクリスハイトという名前の方が馴染み深いかね?」

 

 更識の言葉に千冬とラウラが反応する。

 

「クリスハイト?」

生化者(なまけもの)が?」

「ああ、更識のオッサンを紹介されてな。今回の騒動に一枚噛んでる一人だ」

「ラースってクランのメンバーで仮想課の職員です。僕らとは別方向から悪質系(ローグ)とそれに関連するクランが暗躍する動きを追っていた様で、僕らが悪質系(ローグ)との対抗準備をしていた所に接触してきたんです」

 

 仮想課と聞いて、今度はエーリヒの(まゆ)がピクリと動いた。更識との繋ぎをとった際に大まかな流れは聞いていたが、ラウラから詳しい話を聞くと、頭のネジがダース単位でブッ飛んでいるファストクラスの中では『非常に(まれ)な常識枠』らしい。

 ラースというクランに所属していながら、クランへの勧誘もせず自由気ままにDSO(ゲーム)を楽しむ普通のゲーマーで、二つ名は『生化者(なまけもの)』。怠け者とのダブルミーニングでつけられたらしいが、その実力は群を抜いているという。

 つかみどころのない、飄々(ひょうひょう)とした性格と線の細い見た目からちょくちょく悪質系(ローグ)などに絡まれたりするが、実際の所は向こうが獲物(カモ)で、チーター含めた悪辣(あくらつ)なプレイヤーを心が折れるどころかすり潰すまで狩りまくる獰猛(どうもう)さを持つ反面、正規プレイヤーや新規には優しい上に面倒見もよく、向上心があるプレイヤーや実力がついてきたプレイヤーとも協働も対戦もするという、真っ当な意味でゲームを楽しむプレイヤーらしい。

 

「かなりのキレ者でな。DSOでも幾らか面識はあったんだが、悪質系(ローグ)潰す為に正統派(ヒロイック)に声かけてたのもアイツだ」

「? 正統派(ヒロイック)は元から集まっていたのではないのか?」

「クラン規模ではな。横の繋がりから情報が共有されちゃいたが、ソロやフレンド規模の未所属までは手が回らなかったんだ」

「それをクリスハイトが仮想課からアプローチするだけでなく、鼠のアルゴに依頼して悪質系(ローグ)に情報回らないように注意しつつ皆を集めててくれたんだよ」

 

 弾と数馬の説明でラウラは納得する。悪質系(ローグ)もプレイヤー次第で能力はピンキリだし、厄介なヤツにこちらの動きが悟られるのを避けたのだろう。これは“鼠のアルゴ”という有名な情報屋が陰で動いてくれたのが大きい。

 現実の方もそうだが、仮想世界の話も内容が相当なものになっているようだ。

 

「まぁ、こっちの方はメンツが揃いそうだからいいんだが、出来れば一夏本人か、篠ノ之博士の関係者が来てくれれば――」

「それに関してはたった今連絡が来た。束がリモートで顔を出すそうだ。そこで一夏の状況も話してくれるらしいから、場が整ったら私から連絡する」

 

 いきなりのビッグネームにその場がザワつく。てっきりクロエがこちらに来ると思っていたが、一夏の状況も知れるのは嬉しい誤算だ。

 そうこうしている内に、事務所に線の細い眼鏡をかけたスーツ姿の男が()()やってきた。

 

「やあやあ皆さんお揃いで」

「菊岡君。予定より早い到着はいいのだが、そちらは――?」

 

 黒縁眼鏡の男が菊岡らしく、男は飄々(ひょうひょう)とした掴み処のない態度で隣の男を紹介する。

 

「昨日、ちょっとレクトに行く用事がありまして。今後の動きに必要になるかと思い、事情を話して来て頂いた次第で」

「茅場晃彦の代理で来ました。レクトの須郷信之です」

 

 そう言って須郷が一礼するが、いきなりの人物にエーリヒと更識のみならず、弾と数馬は驚きを隠せないでいる。

 レクトの須郷といえば、常務取締役――いわゆる副社長の地位にいる人物で、多忙な茅場に代わり現場指揮を一手に(にな)う、茅場の右腕的存在。メディアに顔出しこそしないものの、事ある毎に茅場が彼の名前を出しているので、その筋では割と有名だ。

 

「レクトは先日の悪質系(ローグ)正統派(ヒロイック)の抗争の原因、ある程度把握していたそうで」

「ゲームのプレイルール内で収まる様な話であれば、こちらも関わる必要はないと考えていたのですが……現実世界でDSOが関係してきた以上、こちらも対策が必要になりましてね」

「――現実でDSO(ゲーム)の機体が現れた事で、レクトがこの事件の容疑者に入る可能性が出てきた。その対策をする為、こちらとの合流を希望する。と?」

 

 更識の質問に須郷が(うなず)く。少し考えれば行き着く答えだ。

 敵味方問わず、この騒動で未確認の機体が海上で暴れていたのはあちこちで認知されている。現状では未確認の新型ISという認識だろうが、ネット上でDSOが話題になるのは時間の問題だ。

 

仮想課(こちら)としても、今回の騒動は他人事(ひとごと)と割り切るのは困難でして。更識のご当主に相談してこちらに合流させて頂いた次第です。打開策に必要な情報はある程度集めましたし、僕の構想と魔王(ヴェクター)の策、博士の知恵があればなんとかなるのでは、と」

 

 言って、菊岡が弾を見る。それに対して須郷の眉がピクリと動いたが、何か言う気はないようで、話を促すように首肯。

 弾は更識とエーリヒに目配せすると、二人も話の続きが気になるようで、視線で合図する。

 

「話を進めたいのは解るが、まだ面子(メンツ)がそろっちゃいねェ。博士と一夏がいない事には――」

『呼ばれて飛び出て束さーん! お、今のはちょっと語呂よかったね。皆のアイドル束さんだよぉ~』

 

 弾が言い終えるより早くウィンドウが開き、やたらハイテンションな束が現れた。

 突然の奇行に一同は面食らうが、千冬は溜息(ためいき)()きつつ、束にツッコミを入れた。

 

「束、久々に人と喋るのにテンション上がるのは(わか)るが『ちょっ、人をボッチみたいに言わないで「一夏はどうした?」まさかのスルー!?』

「一夏はまだ会話もまともにできない状態か。後遺症とかは?」

『……キミのような勘のいいガキは嫌いだよ』

 

 弾の冷静な指摘に束がスンッと冷めた顔になるが、ネタを仕込むだけの余裕はあるらしい。弾は肩をすくめて顎先で千冬を指し、詳しい話をしないと彼女が動き出すぞと暗に示した。

 

『……いっくんの治療自体は終わってる。けどあれだけ暴れたせいで頭まで栄養が回ってないみたいでね、今は箒ちゃんとクーちゃん、リンが交代で看病中。いっくんは短いスパンで食っちゃ寝を繰り返して体力回復させてるけど、ちょっとアレな感じになって甘えんぼさんになってる』

「命を(けず)りかねないギリギリまで肉体と脳ミソを酷使した結果か。死ぬかも知れないほど自身を追い詰めるって、一体何をやらかしたんだ?」

「あのバカは単一仕様能力(ワンオフアビリティ―)をDSOの特殊攻撃か何かと勘違いしたみたいでな。宇宙空間で考えなしに発動させ、高度3000km以上を亜光速で移動し大規模殲滅兵器(ラージハンマー)6発と発射拠点の破壊。あいつは今日一日でどれだけの功績を生み出したんだろうな?」

 

 束による一夏の現状、千冬による戦果の説明はかなりの劇薬だったようで、エーリヒと更識のみならず、菊岡と須郷も絶句。ラウラも驚きとも呆れともつかない表情のまま固まり、弾と数馬も頭を抱えている。

 

「一夏のヤツ、引っかき回すにも限度ってのがあるだろ」

「まぁ、お蔭で()()()の計画も見えたし、次の手を考えるってのが俺の役割か」

「……魔王がいるなら、それも可能――か?」

 

 気負う事ない弾の発言に大人達が呆れる中、DSOで何度も遭遇しているラウラだけはゲンナリしながらも信頼する姿を見せている。こいつは典型的な参謀タイプではなく、単機でも他を圧倒できる指揮官タイプでイチカの上位互換ともいえる、関係者の中でも絶対敵に回したくない人物(プレイヤー)

 状況を的確に把握し、打開策を秒で見出すだけでなく、時間さえあれば切り札は量産するし、場を引っ掻き回す手段も尽きない。敵に回せば反撃の手段も思いつかない怒涛(どとう)の攻撃は、苛烈(かれつ)にして緻密(ちみつ)

 『たった一人で過剰戦力』という言葉を体現したようなファストクラスに情報を与えたら――否、ここに最高の頭脳と政治と企業という手札が揃っている以上、敵は可哀想な事になる程度で済めば御の字。下手な動きをしていれば悲惨な末路だってありえる。

 

「って事で博士、一夏の戦闘ログは回収してんだろ?」

『モチロン! それであの巨大兵器(デカブツ)を相対してる時に面白いモノが撮れててね』

 

 別ウィンドウで一夏の戦闘シーンが再生され、追い詰められたフリをしている部分から映し出され、千冬をはじめとした大人達は絶句したが、弾と数馬は平然とし、ラウラに至っては別の意味でドン引きする。

 

「イチカのヤツ、足止めの為とはいえココまでするか!?」

「ギリギリまで手札を隠していた連中だし、確実に動きを止めるなら妥当だと思うけど」

 

 左腕部(マニピュレーター)は破壊され、左脚のユニットも一部が消失。更には機動力の要である背部非固定部位(アンロック・ユニット)も破損し、残っているのは右腕とブレードぐらい。体力も限界に近いのか、大きく肩で息をしていて、かなり追い詰められているのが分かるが、数馬達が何を言っているのかわからない。

 

「どういう事だ?」

「ダメージコントロールだよ。意図的にダメージを受けて追い詰められているフリをして、勝てそうと思わせる事で足止めしてんだ」

 

 弾の説明を聞いても納得できない。どう見ても追い詰められているのは一夏の方だ。

 こんな状態からどうやって一夏が逆転まで持っていったのかも疑問だったが、そうこうしている内に巨大兵器からの通信と、乗り込んでいた熟女(ババァ)達が映し出され、その面々を見て更識達が驚愕する。

 

「なッ、(きし) 結華(ゆうか)議員!?」

「IS特務部門のトップが後ろにいたとは、なかなかのスキャンダルですね」

「隣にいるのは如月技研の前会長です。レクトの主要株主の一人でもあり、数日前から連絡が取れなかったのですが」

「後ろにいる二人は、中国とイギリスのIS研究所の元所長ですな。ここ数日のドタバタで姿が見えなくなったというのはドイツ(ウチ)の情報部から報告を受けてましたが――まさか彼女達がこの事件の首謀者とは」

 

 錚々(そうそう)たるメンバーに、大人達だけでなくラウラと千冬も驚くが、動画内で一夏が『あんたらが今回の黒幕か』という質問に肯定すると共に、彼女らが一夏のバイトの依頼元であり、その利益も着服していた事を匂わせるような発言もあり、皆の中で点と線が繋がった。

 

「なるほど。自分達の不祥事(ふしょうじ)有耶無耶(うやむや)にする為、テロリストと手を組んでこれだけの騒ぎを」

「それだけじゃない。これを出したって事は、おそらくテロリストが用意したISと無人機(レギオン)にも共通点――いや、コアの方に何かあるのか?」

『頭の回転が速いヤツがいると話が早くてイイね。テロリストが用意したISのコア、束さんとは違うルートで生産された新規コアでね。一部の無人機にも同様のモノが搭載されてた』

 

 再度、場が騒然となる。ISコアは篠ノ之博士以外に生産不可能な筈だったのに、ここにきて新勢力の存在が浮上するのは刺激が強すぎる。

 

「……で、その他にもIS委員会が関係するモノも見つけたと」

「何故そう思うのだ?」

「これだけ(こす)い連中が揃ってるんです。自分達の立場を守れる保険を(いく)つか用意しているのは定番ですから」

 

 数馬の言葉に千冬が疑問を持つが、ラウラはさも当然といった態度で答える。DSOで似た様な経験をしてきたのか、それとも映画や漫画からの聞きかじりか。しかしその考察は正しかったらしく、束は満面の笑みを浮かべて『正解!』と答えた。

 

『無人機に搭載されたコアに、IS委員会が所有する未分配のコアもあった。新規コアがテロリストの分も含めて20、対して未分配コアは35。これは委員会が所有するコアと同数』

「……やっぱり博士と情報を共有して正解だな。連中の描いていた絵空事(シナリオ)が読めた」

 

 そうして弾と数馬が話し始めた内容は荒唐無稽(こうとうむけい)でありながら、しっかり筋の通るものだった。

 

「今回のテロ、というか()()は、成功も失敗も二の次。それどころか一夏がISに乗る乗らないも重要度は低い方だった。既に目的は達成されてるしな」

「そういえば、アメリカのデボラ中尉も『この作戦は失敗が前提』と言っていたな。軍事利用の布石がどうとか」

「本当の目的は、平和と言われる日本で一夏を狙ったテロが起きたってのを口実に、対抗策でISを軍事利用できる大義名分が欲しかったのと、日本政府の対応を(にぶ)らせ、日本以外の勢力で騒動を鎮圧したという事実を作る。これらを使ってIS市場を活性化させ、市場で堂々と日本をハブれる状況を作り上げようとしたのが本当の狙い」

「そして狙い通り、日本は上層部(うえ)が指示を出さなかったせいで警察どころか自衛隊も動けなかっただけでなく、現地の少年とオフ会で僕達の所に来たドイツからの友人(ラウラ)達が主軸となって市街地のテロを鎮圧。オマケに重要人物であった一夏が戦う事になったせいで篠之博士と共に織斑千冬(ブリュンヒルデ)が戦線に参戦し、アメリカ、ロシアも最新のISを投入なんて危ない橋を渡ってまでテロ鎮圧に協力した。

 弾の機転で更識と縁を(つな)いでまで日本のIS(打鉄)と人員を用意したのは、日本の為ではなくラウラ達に殺人をさせないようにするのと、単純に戦力を増強する為です。最も、それが功を奏して日本は首の皮一枚でなんとかなる状況を作れる可能性があるんですけどね」

 

 一見すると弾が更識を利用して対抗できる戦力を整えた様に聞こえるが、逆を言えば中学生の意見を聞いてなければ対抗できるだけの状況を作れなかったという事。それに気づいた千冬は横目で更識と菊岡を見ると、当の二人はそっと視線をそらすだけ。

 それはともかく、気になる部分が出てきた。

 

「黒幕が未分配コアを投入した理由は、背後にIS委員会がいるという事を匂わせる為、で合ってるか?」

「一部はな。残りは自身の地位とか見つかるとヤバい証拠なんかを盾にして、世界中がこの事件に関わっているという()()を、自分達ごと隠蔽(いんぺい)させる為。他にも隠し財産の一部とか、自分達が消されないようにする方法とか使って司法取引で新しい身分を作らせつつ、場合によってはこの騒動に博士が絡んでるというのを匂わせてヘイトコントロールする魂胆だったんだろ。で、博士がコアを回収したのは、逆にこっちの手札にする為」

『その通り。束さんじゃただ公開するぐらいしか思いつかなかったけど、魔王様ならイイ感じに使ってくれるんじゃないかなーと思って』

「一夏もそれが狙いだったろうし、手札さえ揃えばなんとでもするさ。ランクスもそれが狙いなんだろうし」

「ランクス? 一夏の相棒が何故ここで出てくるんだ?」

「千冬さんでも気づかなかったのか? きっかけは俺達がDSOでおおっぴらに動いたのに(あわ)せてランクスが現実で動いたからだぞ」

「は? ランクスが動いてたのはイチカを守る為では――」

「守る為じゃなくて助けになる為。ドイツ(そっち)の親玉にも『初動は気にする必要がない』とか言われなかったか?」

「ぅ、た、確かに初動は問題視する必要がない、とは言われたし、それに対する布石も既に打っているとも言われたが……」

「初動は僕達で、布石はラウラ。ランクスが動いたのは敵味方問わず状況が動き出したのを知らしめる為。連中が準備もままならない状態で現状出せる戦力を全部吐き出す事態になれば、しばらくはどこも大人しくしてるでしょう?」

 

 数馬の言葉に千冬もラウラも絶句する横で、エーリヒが小さく「あのクソババァ……」と呟いたが、弾達はスルー。一歩間違えれば大惨事になりかねない綱渡りの行動を(とが)めるのは、大人(エーリヒ)に任せることにして、自分達が動いた理由も説明する。

 

「僕達は仲間であっても仲良しこよしじゃない。打算ありきで動いてても、それを利用し合う立場です。僕だって状況を加速させる為、一夏のレポートをドイツに流すようラウラに助言しましたし」

「なッ!? お前、自分が何を言って――」

「元々俺達が見ていたのは、黒幕の傀儡になっているテロリストだけだった。それだけならローラと日本の戦力だけでどうとでもなると踏んでたからな。黒幕気取りの存在は俺も盲点だったが、一夏はそいつらの目的に気づいて先に動くしかなかったんだよ」

 

 ジロリと千冬と束を(にら)みつけ、ついで更識と菊岡、須郷を流し見ると、大人達は揃って閉口する。反論できる余地はあるが、それでも言い負かされる気がして大人達は黙るしかない。

 

「しかし、イチカはどうやってランクスと連絡を取り合っていたんだ? 私達でさえ『テロリストが動くかも知れない』という不確定な情報でしか動けなかったんだぞ?」

「連絡なんざ取ってねェよ。一夏(あいつ)はマスコミの情報とDSOの動きからランクスのメッセージに気付いた。だがいつまで経っても大人達が動かないから、仕方なく自分で何とかする方に(かじ)を切ったんだ」

 

 弾の指摘に、ラウラは何度絶句したのかわからない。

 ファストクラスという人外は、状況とヒントだけで最適解を導き出すような変態だが、そんな不確定なヒントで動くとは思いもしなかった。

 

「だが、なぜ一夏は黒幕気取りを――いや、もしかしてこの黒幕気取りが自作自演でテロリストを相手取ろうと?」

「ハズレ。このババァ共はテロリストだけでなく、千冬さんを含めた協力者もまとめて始末するつもりだったんだ」

『……黒幕気取りの後ろにいるヤツの希望を叶える為、かな。テロリストとは違う第3勢力の存在を匂わせ、ISの軍事利用を加速させる下地を作ろうとしていたのを誰も気づかず、いっくんが潰すしかないから動いた』

「正確には未曽有(みぞう)の敵を生み出すのが目的。世界規模で共通の敵を作り、いるはずのない敵を追いかけるフリをしてISの軍事利用を加速させようとしたんだ。一夏か、周りにいるIS適正者を復讐に駆り立てるのも視野に入れてな」

「なッ!?」

 

 次々と出てくる衝撃的な内容に、さすがの千冬も絶句したが、束の方は顔を青ざめさせる。

 

『まさか、黒幕気取りとテロリストの目的は……』

「状況を整理する為に、順を追って話そうか。テロリストはIS部隊を二人一組(ツーマンセル)で行動させていたのは一夏だけでなく、ラウラ達もあぶり出すため。市街地で偶然の遭遇を(よそお)い、派手に暴れてコラテラルダメージを誘発させようとした。その隙に歩兵部隊が護衛対象と民間人を狙い、戦火を拡大させようとしていたが、これは俺達が真っ先に動いた事で出鼻をくじいた」

「っ!? まさか、数馬(エクエス)が案内を申し出たのは、我々とテロリストが序盤でブッキングするのを防ぐ為に――」

「当たり前だ。その為に数馬に言って、わざとホテルを複数とってそれぞれ距離のある所をチョイスしてもらったんだ」

「距離ができたのは偶然もあるけど、合流に手間取る事で双方のファーストアタックを未然に防ぐ為です。人数が人数だけに、意図的に距離をとったと思わせ、向こうに警戒させる意味もありました。気づいてなかったかも知れませんが、予約したホテルの近辺にテロリストが潜伏してたし、全ての部屋がその潜伏先を監視できる所をとっていたんです」

 

 普通であれば、部隊を分けて予約したホテルに距離があるなら各個撃破されそうなものだが、そんな伏線を仕込まれていれば警戒もする。というかテロリストの潜伏先の情報をどこで入手したのかが気になったが、視界の端に不敵に笑う更識を見つけ、こいつらが情報を流したのかと察する。

 

「本来ならドイツが現地入りした時点で行動を起こすはずが、動きを察知されたと勘違いしたテロリストは作戦を変更。織斑家周辺を彷徨(うろつ)いてドイツか千冬さん、もしくは博士の勢力を釣りだそうとしたが、これも一夏が先に動いてISを鹵獲(ろかく)したお陰でファーストアタックが狂っただけでなく、一夏は自身を(おとり)にしてIS部隊を海上に誘い出す事に成功した」

「そうして現地に残ったのはIS2機と歩兵部隊。それで騒ぎを起こそうとしたけど、黒幕気取りが余計なチャチャを入れたお陰で次の展開も狂い始めた。別勢力が参戦してきたと思ったテロリストはそちらの対応にも追われ、更識も動き出してこっちの動向は監視に留めるぐらいが関の山。その間に僕らは悠々(ゆうゆう)と合流する余裕もできた」

「……我々が観光を(よそお)って市街地を散策するのも作戦内に織り込み済み、という訳か」

 

 エーリヒの意見に弾は首肯。先読みの的確さにドン引きするが、弾は構わず話を続けていく。

 

「そうしてCPは作戦が狂ったのを知って、次の計画(プラン)へシフトした。現場の歩兵達を見捨てて大規模殲滅兵器(ラージハンマー)の発射準備を進めた。同時に黒幕気取りは当初こそ博士と千冬さんを狙っていたが、予想以上に一夏が仕事をしたんで狙いを一夏に変更。それで一夏は大ダメージを受けたが、一夏の回収を優先したお陰で千冬さんはマークから外れた」

『やっぱり。黒幕気取りの狙いは最初はこっちか――いっくんがいい仕事をしすぎたから狙いを変更せざるを得なくなった?』

 

 流れはわかったが、話が繋がらない。一夏を回収して束の所に向かったのを見ていたのであれば、そのまま千冬(こちら)を追撃できたはずだ。

 

「一夏君を優先した事で黒幕気取りは織斑女史に興味をなくし、搭乗していた巨大兵器(ローゼンクロイツァー)を取引先に持っていこうとしたのかな?」

「……そうか。問題の巨大兵器がなくてもテロリストごと消し去る兵器が既に動いている以上、未曾有の敵という存在を世界に知らしめる準備は出来ている。その後どうなろうと彼女らの今後に支障はないから次のプランに移行しようと」

「本当に悪知恵が働くものですね。敵の敵を利用するとは」

 

 今までダンマリを決め込んでいた菊岡と更識、須郷も考察に参加し、自身の推論を展開するが、それでも千冬は納得いかない所がある。

 

「一夏が巨大兵器を追った理由はわかった。だがその役目は私でもよかったのではないか?」

「千冬さんは市街地から海に向かう以上、その途中でCPに足止めくらうのは目に見えてる。だから一夏は自分が動くしかなかった。あの時点でもテロリスト側は今後の為にも世界最強(ブリュンヒルデ)の失脚は必要だったろうしな」

「なぜだ? 引退した私を狙ったところで――」

世界最強(ブリュンヒルデ)のネームバリューは千冬さんが思ってるよりもずっとデカいんだ。今回のテロは御披露目(デモンストレーション)としては十分すぎるし、千冬さんでも太刀打ちできなかった巨大兵器、欲しがる所はいくらでもある。

 逆に現状無名に近い一夏が向かえば、失敗しても賞賛こそあれ責任は問われない反面、成功すれば巨大兵器は素人にも負ける欠陥兵器として世に認知される。あいつはそこまで考えて動いたんだ」

『……CPが潰されても、黒幕気取りが逃げ切れれば火種は残り、後々も延焼し続ける。それを防ぐ為にもいっくんが動くしかなかったのか』

 

 テロリストとIS部隊を無力化すれば一件落着――そう考えていた千冬は、どれだけ自分が楽観的な考えでいたのか、対して一夏達が何十手先まで見ていた先見の目に舌を巻くと同時、あの時弾が『一夏を世界の敵にしたくないなら動くな』と言っていたのが今になってわかった。

 

「――あの時、弾が止めてくれなければ、私はすぐさま海上のCPや巨大兵器を潰そうと動いていただろうな。もしそこで私が失敗すれば、一夏の立場はおろか、弾や鈴達の立場も危うかったのか」

「ああ。俺の予想じゃ千冬さんは8割方負けると思ったから止めた。DSOでもこんな状況を単独(ソロ)で攻略した事ないだろ?」

 

 言われてみると、DSO(ゲーム)でもこんな経験はなかった。やっても企業案件で受けた大規模レイドによる攻略や、突発的な救援ミッションなどで遭遇するぐらい。イチカのように単機で積極的に向かった事がなかったのを思い出し、知らず知らず自身の向こう見ずな行動を止められていた事に、だんだん顔が青ざめていく。

 

「まぁ、反省会は後で自分でやってくれ。こうして一夏が活躍してくれたお陰でこっちは大した被害もなく、テロ鎮圧という偉業も達成。協力してくれたアメリカとロシアに功績の一部をくれてやった事で(くさび)を打つことにも成功したワケだ。今後、何かあればいろいろ手を貸してくれるかもな?」

「……DSOというのは相当な魔境なのかね? そんなポンポン対策が思いつかれると、大人(われわれ)の立場というものが……」

 

 エーリヒはそう言うのが精一杯だった。

 ただの日本の中学生が、武力含めた政治情勢にまで視野が明るく、それを踏まえた算段をつけておくとか、エーリヒには考えがつかない。

 何気なく更識の方に目をやれば、あちらも同じだったのか、すっごい顔でドン引きしている。そして同時に菊岡と須郷の方に目をやると、ドヤ顔でこちらを見ていてイラっとするが、お構いなしに弾が束に水を向ける。

 

「ま、なんだかんだいって、現実(リアル)の方は千冬さん含めこちらに有利になるような流れを作れたが、残るはネットと政治関連。今後はそれらを黙らせる、もしくはこちらにちょっかいをかけてこれない状況を作っていく、というのが次の目的でいいか?」

『ついでにいっくんの周りに手を出せばタダじゃ済まないっていう注意喚起をしつつ、馬鹿どもが大人しくなるような状況を作れればベストって所かな。必要とあれば束さんが表に出て説明するのも構わない』

 

 それだけ聞くと、弾は顎に手を当て長考。ブツブツと呟きながら時折こちらを見たりするが、それを見ているラウラは気が気じゃない。

 

「な、なぁヴェ、じゃなくて弾。あまり派手な事は――」

「わかってる。今回は注意喚起程度に抑えるさ」

 

 そう応える弾にラウラの頬がひきつる。何故そこまで警戒するのか、エーリヒも更識も、千冬すらわからない。

 

「なぁ、ラウラ。弾は一体――」

「博士、一夏の戦闘ログは全部回収してるのか?」

量産機(ラファール)の時とビルト・フリッケライのデータは吸い出せるだけ全部回収してる。ついでに巨大兵器(デカブツ)のスペックデータと映ってたババァどもの情報も集めきってある』

「ISコアは全部回収済み?」

『戦闘中に破壊されたのもあるし、修復不可能なモノも幾つかあるよ』

「テロリストが使ってたISは残ってないかな?」

『クーちゃんがいっくんから預かってたのがひとつ残ってて、何もいじってないデフォルトのままだけど?』

 

 矢継ぎ早に情報をやり取りする二人に周りは取り残されているが、お構いなしに次々と情報をやり取りしていく内に、弾の中でシナリオが出来上がっていく。

 

ローゼンクロィツァー(巨大兵器)のデータ、すぐに起こせるか?」

『DSOでってこと? それなら2時間もあればできるけど』

菊岡さん(クリスハイト)、聞きたいことがあるんだが」

仮想課(ぼくら)DSO(こっち)側だよ?」

「更識のおっさん、協力してくれるのはどこまでだ?」

「日本が不利にならない限り、可能な限り協力する事は約束しよう」

「レクトはどういう落とし(どころ)を?」

「最低限、経営に悪影響が出ないようにしたいのが本音です。先日デュノアと技術提携をしたばかりですし」

「相手はランクスか?」

「ご存知でしたか。もしかして、君がヴェクターというプレイヤーで?」

「ああ。もしかして、何か伝言が?」

「ええ。手加減はしても手心は加えなくていい、と」

 

 須郷の言葉がトドメとなったか、弾の顔が悪どいものへと変わっていく。それを見ているラウラの顔色は青から土気色に変わっていき、今にも吐きそうな顔をして引いている。

 

「た、頼むから世界大戦が始まるようなマネだけは!」

「ンなつまんないマネするかよ。ピンポイントで黒幕にお仕置きしつつ、世界には注意喚起程度で済ませるさ。とりあえず、策は練り上がった」

 

 そうして、弾の口から語られた内容に、エーリヒはおろか千冬までもがドン引きし、更識は頬をひきつらせ、束に至っては大爆笑してノリノリでよりデンジャラスな提案をしていく中、菊岡と須郷は揃ってメガネを光らせ、その計画に加わっていく。

 一方は利権の匂いに、もう一方はカネの匂いを嗅ぎつけヤル気十分。絶対ロクな事にならない予感しかない。

 

 それを見ていたラウラと数馬はお互い顔を見合わせ、連中が魔王(ヴェクター)を敵に回した不幸に、そろって苦笑するしかなかった。

 

「世界大戦は起こすな、とは言ったが――」

「まだ戦争になってた方がマシなんじゃないかな、コレ……」




ようやく主要メンバーと更識パッパ、菊岡と須郷(レクト)が合流。悪党どもへの反撃(というか報復?)はこれからが本番。魔王サマは一体どんな計画を立てたんでしょうね?
菊岡(クリスハイト)が二つ名持ちというのは元から考えていたのですが、どのあたりの強さに据えるかをかなり悩み、安直ですがファスト(最上位)クラスのキレ者というポジションであれば納得しやすいかなと思ってこの位置にしたのですが、こいつがファストクラスにいればオーディナル()スケール()への布石張れる事に気付いて現在プロット制作中。OSに関してはIS学園入学後になりそうですが、結構面白く出来そう。

こうして見ると、ほぼ一夏だけが危険な役回りを先行し、弾の知恵を借りて千冬やラウラ達がとりこぼしを処理した形になっていますが、本来であれば原作キャラ(SAO側含む)のモブが後遺症の残る大怪我をする予定でした。が、半端な展開は無駄なヘイトを買うからやめろと言われ、ならいっそ突き抜けるかと開き直り、役割作って適材適所で魔王サマは今回参謀&策謀役に徹して世界をひっかき回す仕事にしたのですが……正直悪党どもは地雷原でタップダンスしてる方が生存率高いかも。知り合いに先行でプロット見せたら「真綿で亀甲縛りするような展開」と言われました。

自分で書いててアレだけど、こいつら本当に日本の中学生か?w

無能な上層部と悪役共は心を折るどころかすり潰した所からのスタートが確定。フロムゲーはだいたいこっからスタートだから問題ナイナイw
プロローグは残す所あと1話、次回はざまぁ&始末回。
読者に『スカッとした』と言われたいので、なるべく手加減しつつも手心加えないような話でいきます。

余談ですが、話の途中にある『先見の目』は誤字ではなく、ちゃんとこういう言葉があります。
意味は「物事が起こる前にそれを見抜く見識」ですが、明と目では見る範囲が違い、目の方がより遠くを見据えていることを指します。もっとわかりやすく言えば、千冬が見ていたのが『先見の明』で、弾が見ていたのが『先見の目』。明かりが届く範囲しか見てなかったか、もっと遠くまで見ていたかの違い。
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