漂流者 ~異世界転移~   作:ぺこぽん

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第二話 待ちの一手

 

レイトは夢を見る。

睡眠啓発でもなく、幼い頃から繰り返し見る夢。

 

暗闇の中をただ、溺れるように泳ぐレイトは、ただただ手を伸ばす。

その先には一筋の光が輝いている。

 

そこにはきっと、素晴らしい何かがあって、レイトはそこに辿り付きたい。

だからこそ何度も手を伸ばし……

 

『脳は計測、基礎律動以上なし』

 

「……っつ」

 

『レイト中尉の覚醒を確認。蘇生成功である』

 

レイトは気がつくと、暗闇の中でモニターの光を感じた。

ゆっくりとシミュレーターシートが上がっていく。

 

「うっ……ここは……」

 

『緊急プログラムに基づき貴官の生体機能を人口冬眠によって保管した。経過時間は32万1418分』

 

『当機も自閉モードにより全システムを停止をしていたが外部刺激に伴い、30分前に再起動した』

 

「何があった……」

 

『事態はパイロットの状況判断を必要とするものである。よって貴官の覚醒プロセスを遂行した』

 

モニターにいきなり、金髪の女性の姿が映し出された。

レイトは、その姿に思わず息を飲み、言葉を失った。

次に女性と同じ黒い頭巾を着た男達が、レイトの機体を取り囲んでいる。

 

「……こいつらは何者なんだ?何を話してる?」

 

『未知の言語である。いくつかの古代言語に類似性が認められる。現在、解析中なれどデータが不足』

 

「人類銀河同盟じゃなくて、漂流部族か……もしかしてまた、助けられたのか?」

 

『疑義提示。また、とはどういう事か』

 

「開拓部隊にいた頃助けられたろ?……ああ、お前は大破して機能停止してたっけか?」

 

レイトはふとモニターを見つめると、カメラに近づいた金髪の女性の胸部がアップで映し出されていた。

 

『レイト中尉のアドレナリン分泌量に異常値を計測。顔面部の毛細血管の膨張を確認』

 

「なっ……黙れ!」

 

レイトは急いでモニターの表示を変え、動き回る人々を観察する。

 

「こいつらもしかしてマシンキャリバーを解体しようとしているのか?」

 

『同意。当機を損壊しようとする意図が観察されるが実行手段がない模様。極めて文明度の低い集団であると推測されるのである』

 

「これじゃ、ハッチを開けられないだろ……それよりもアインここはどこだ?どうしてこんな状況になっているのか説明しろ」

 

レイトが最後に覚えている記憶はヒディアーズと戦っていたものだ。

ラモラックから離艦した後の事は、よく覚えていない。

 

『座標の特定は不可能。計測基準点を喪失しているのである』

 

「なんだと……俺はヒディアーズと戦っていたはずだ」

 

『報告。当機は空母ラモラックを離れ、味方の援護に向かった事により、空母ラモラックのティレモシースイングに巻き込まれ、ワームホールの崩壊に巻き込まれた後、無作為に選定された位置情報において通常空間に同期した』

 

「何!?……なんてこったよ」

 

『出現した空間が脱出不可能な場所であったため、救難信号を発ししつつ、パイロットの保護を優先。人口冬眠に移行した。だが当機は先の戦闘で、量子インテーク破損により、エネルギーが残り少ないため、当機も自閉モードに移行。しかし通常空間に移動させられた事により、当機は起動。そして事態は静観しがたい方向に推移しつつある。方針を検討されたし』

 

「現在のお前のエネルギー残存値は?」

 

『約1%である。後256分で貴官の人口冬眠に回すエネルギーも尽きていたのである』

 

「危ね~。回復度はどうだ?」

 

『エネルギーを充填中。しかし量子インテークの破損により充電率の低下が確認される。また各部の破損によるダメージは、ドックにて修理が必要である』

 

レイトはため息をついてから、目の前の人々をじっと見る。

 

「こいつらが協力的な漂流部族なら、助けてもらうって手もあるが……意図がわからない限り、白旗は上げれないな」

 

『隔壁の構造は極めて脆弱でであると予想されるが、現時点での当機の出力では、破壊して脱出することは不可能』

 

「どの手も駄目か。……仕方がない、こいつらが諦めていなくなったら、外の様子を確認しに行く。お前は言語の解析を急げ」

 

『了解』

 

レイトは息を長く吐くと、指を組み、ヘルメットの後ろに回した。

 

 

 





いやあ、適当設定ですね。
てなわけでアインはエネルギーが少ないため、ほとんど行動出来ない事にしました。
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