とあるlevel2の絶対零度   作:ガリレオガリレイの備忘録

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遅れてすみませぬ
できれば一週間に一本書きたいなあ。早速守れていないです。
多くの人がこの小説を見てくださり、そして何とお気に入り登録までしてくださった方もいて嬉しい限りです。


第2話 絶対零度 後編

桜も盛りを過ぎ、誰もいない夜道にその花弁を落としている。春ももう終わりに近づいているのであろうか、そんなことを考えながら零は静かな夜道で歩を進めていた。時刻は2時30分、ついでに言っておくとこの日は金曜日である。零は二人の少女との会話をゆっくりと思い出していた。

 

(面倒なことになったな.....)

 

零は手元のスマホをいじりつつ、はぁ、と溜め息をついた。隠し通すのには無理があると思い、少女らに一ヶ月前の能力者が自分であることを告げたが零は早くも後悔し始めていた。

 

(あの日は仕事柄明けで眠かったからなぁ。完全に後処理忘れてた.....)

 

一ヶ月前の己の失態を嘆きつつ零はぼんやりと言い訳を考えていた、言い訳の相手は少女らではないが。

 

(あいつ、許してくれるかなぁ)

 

と、微かに期待をしてはみるものの結果は既に見えている。所謂、セ・ッ・キ・ョ・ウ・カ・ク・テ・イである。いや、零にとっては説教よりもそれに伴うと予想される喧嘩の方が心配であった。その喧嘩を止めるのは他ならぬ零であるから。

 

「~♪~♪」

 

急に手元の携帯が無機質な音楽を鳴ら始めた。完璧にブルーな気分にあった零は最悪のケースを予想して急いでスマホを耳にあてる、当然、相手など確認する余裕は無かった。

 

「もしもし.....」

 

零は気弱に日本共通の挨拶を呟いた。

 

「お前ェ、どこいンだよ」

 

耳元から聞こえてきた声は幸か不幸か零が恐れていた人物のものではなかった。

 

「なんだ、一方通行か」

「なんだじゃねェだろ。こっチはもう5分も待ってやってんだよ」

「今向かってるって」

 

5分なら遅れた内に入らねぇだろ、と遅刻魔は相手に聞こえないよう呟いた。

 

「たっく、あと30秒以内に来ねェとあいつに.....」

「もうすぐ着くから切るわ」

「おい!」

 

嫌な予感がした零は電話を切った。一方通行の機嫌を損ねないよう出来るだけ早く行こう、と自分に言い聞かせ零は歩みを速めるのであった。

 

 

 

 

(たっく)

 

一方通行は唐突に静かになったスマホを眺めながら電話の相手について考えていた。

 

(なァンでこんなヤツとつるンでっかなァ.....)

 

誰かに説明する訳でもないが一方通行は小さく呟いた。

 

(記録外《レコードアウト》ねェ.....)

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

木漏れ日が心地よくそして優しく降り注ぐ中、佐天はベンチに腰かけ、クレープを満喫していた。佐天のような一般的な女子高生にとってクレープは少々高級に感じるが、だからこそ目の前のクレープがより美味に感じるというものだ。隣には初春が座っており、同じくクレープを頬張っている。両手にクレープを持っていることは言わずもがなである。よくもまぁそんなに食べれるものだ、と佐天は半ば呆れていた。

 

(結局、この前の人て何なんだろう)

 

そんな疑問を浮かべつつ、周囲を見渡してみる。先程知り合ったばかりの二人の少女らのじゃれあい(?)、無邪気に駆け回っている小さな子どもたち、ベンチに座り気持ち良さそうに寝ている少年.....といった光景が佐天の目に映った。

 

(ん?)

 

何か引っ掛かった佐天はもう一度辺りを見渡す。

 

「あああああ!」

 

 

 

ベンチに腰かけ、睡眠をとっていた零は近くから聞こえて来た声に目を覚まし、声の方向へ目をやった。

 

(げ)

 

そこにはあまりというか全く会いたくない人物二人の姿が確認されてしまった。一瞬、逃走という選択肢が思い浮かんだが、二人の少女の連れにみえるもう二人の少女の姿が目に入ると零はその選択肢とは完全に逆の選択をすることに決めた。

 

(超電磁砲じゃん。ラッキー)

 

言い訳が一つ出来そうだ、と零は少々嬉しさを感じ、再び目を瞑った。

 

次の瞬間、爆発音が鳴り響いた。零はすぐさま目を開け、爆発音の聞こえた方向、広場の向こう側の道路の方を向くと慌ただしく走っている三人組の男を発見した、と同時に三人組の前に中学生らしき人物が突然に現れた。

 

(へぇ、超電磁砲じゃない方は空間移動つかえるんだ)

 

女子中学生らしき人物は体術や空間移動で鮮やかに男達をあしらっていく。三人のうち一人は発火能力を有しているようだが風紀委員は問題なく処理している。零は自分の出番は無いことを確認すると、道路側に出ようとしている女性がふと目についた。目の前で怪我人が出ることをあまり良しとしない零は注意しようと女性の方へ歩を進めた。

 

 

 

 

「子どもが二人いないんです!」

 

零が辿り着いたとき既に先客がいて、女性から話を聞いていた。

 

 

 

 

零より先に駆けつけた御坂美琴、初春、佐天は出来るだけ手短に女性から情報を聞き出していた。

御坂美琴はLEVEL5であるが、比較的まともな性格をしている。さらに困っている人がいたら進んで手を差し伸べる性格である。

 

(二人見当たらないのか 私一人じゃ難しいか.....)

 

美琴は出来るだけ速く子供を見つけることを第一とした。

 

「じゃあ、私と初春さんで.....」

「私も行きます!」

「俺も手伝うよ」

 

佐天の他に聞き覚えの無い声が聞こえた美琴は後ろを振り返った。

 

「あんた誰?」

「人手は多い方がいいだろ」

 

零は美琴の怪訝な反応を楽しんでいるかのように答えた。美琴は見知らぬ学生に警戒心を抱いたが状況を考え、決断した。

 

「わかった、二手に別れて探そう」

 

 

 

 

「まったくどこ行ったんだか.....」

「もっと必死に探してください!」

 

数日前、一応の自己紹介を済ませている零と初春は広場の向かい側にある歩道で捜索を続けていた。やる気がないようにみえる零に少なからず怒りを感じつつも初春は小さな子が隠れていそうな場所を必死に探している。

零はというと、手を口元に当て歩道の中央で立ち止まっていた。

 

「うーん、この辺かな?」

 

そういうと零は歩道に植えてある並木のあるうちの一本に近づき上を見上げた。

 

「そんなとこにいるわけ」

「しーっ」

 

初春が言い終わる前に零は人差し指を口元に当て初春にウインクをした。

 

見ると、木の上に女の子が気持ち良さそうに寝ている姿が捉えられた。零は慣れた動作で木を登り女の子を抱き抱え、木から飛び降りた。

 

「遊び疲れて眠ったんだね」

「よかったあああ」

 

女の子一人が見つかったのでひと安心である。初春は安堵の溜め息を漏らした。

 

 

「おいそこのガキ共!!!」

 

後方から大声が聞こえ、零と初春は後ろを振り返った。さっき黒子に投げ飛ばされ伸びていた男が銃を手に持ちこちらを向いている。

 

「全員こちらに来い!!!」

 

どうやら計画が崩れてしまったため男は人質をとって逃げたいらしい。銃口をこちらに向けてはいるものの、男の表情に焦りがみえる。

 

「どっ、どうしましょう?!」

 

平常心を崩した初春を横目に零は溜め息をついた。

 

(仕方ないか)

 

能力を使うことに躊躇いはあるものの、このままアンチスキルまで呼ばれると後々面倒なことになる、ならば気は進まないがさっさと終わらせて後処理(?)をアイツに頼んだ方がマシである、そう考えた零は演算を開始した。

 

 

「さっさと来い..........よ?」

 

一刻もこの場を去りたい男はさらに催促をしたが、突然男の目の前に蒼い光の線が現れた。光の線は数メートル先の少年の元へと伸びている。男が不思議に思ったその半秒後、突如、男は銃を握りしめている手の甲に不自然かつ高温の熱を感じた。

 

「あち!!」

 

突然の熱さに男は手にしていた銃を離した。光の線が輝きを一層強めたその瞬間、銃はまるで銃自体が弾丸であるかのように蒼い光の線の軌道を辿り、零の手の中へと収まった。

 

ここで説明を加えておこう。零の能力は「氷点突破」《アイスクリエイト》、定温以下の水に触れることでその水の温度を0度にすることができる。ただし、これはバンク内の情報での話である。

 

零の真の能力は「絶対零度」《ヘルブリザード》、触れたもの全てにおいてその温度を自在に操ることができる。

そう、全てである。

零は大気中の酸素の温度を下げ液体とした。液体酸素は蒼く、そして磁力を有する。男の手の甲に大気を通して熱を与え、男が銃を離したときを見計らって、自分のもとから男の手元まで液体酸素の軌道を用意し、磁力で銃を引き付けたという訳だ。

 

あまりに突然の出来事に男の理解が追い付くはずがない。しかしそれと同時に、男は能力を有していない自身の唯一の武器が奪われたという事実の重大さには気付いたようだ。残念なことに、この男は愚か者であった。人質を自身の腕力で獲得しようとしたのである。思考よりも行動を優先した男はガキ共目掛けて歩道の並木の木がその葉を揺らすぐらいの全力疾走をした。

 

こちらとて、理解の追い付いていない初春は迫ってくる男よりも隣で平然と手元で銃を回している零の方が気になって仕方がなかった。

 

(マジかよ)

 

大抵の人間は驚き、零のことを恐れるのだが迫ってくる男はどうやら違うらしい。

 

(面倒くせェ)

 

零は大気中の水蒸気を男の足元に集め、一気に凍らせた。急に足が動かなくなった男は頭から地面に激しいキスをし、運よくぶつかったのだろう、そのまま気絶した。

 

呆気にとられる初春をよそに零が広場へ戻ろうと振り替えるより前に激しい音がしたかと思えば、上空から車が零から2、3メートルとういギリギリ怪我をしない位置の道路に突き刺さった。

 

「...............おい」

 

零は視界の先にいて、身体に蒼白い閃光が走っており、気高く髪をでなびかせている少女にジト目を向けた。




質問は適時後書きの方で応えていきたいと思います。
(これはルール違反なのか.....?分からない)

幻想御手ですが、主人公はその恩恵をあづかってはいません。
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