とあるlevel2の絶対零度   作:ガリレオガリレイの備忘録

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お久しぶりです!!

遅くなってしまい本当に本当にごめんなさいorz。
最近忙しくて仕方無いです。

誰か作者に時間をくれぇぇぇぇ


第3話 ノート

 

 

「お待たせしました。ご注文の品は以上でお揃いでしょうか?」

 

形式染みた言葉を並べ終えた目の前の女性に対して零は適当に返事を済ませた。

 

(可愛らしい人だな)

 

栗色の髪をサイドテールにまとめ、自分よりも年上に見えるがどこかあどけなさの残る店員に気づかれないよう横目で眺めていた零はそう感じた。

 

「.....ねぇ」

 

喫茶店は基本的に相席を想定したスペースを主としている。学園の花園の中にある喫茶店と言えどもその例に漏れない。その証拠に零の目の前には金色の髪を有し、女子中学生とは思えないほどに恵まれた身体を持つ人物が座っている。

 

「なに」

「今、あの店員さんに見惚れていたでしょ」

「かもね」

「貴方ってば昔から目移りしやすいわよねぇ」

「.....余計なお世話だよ」

 

あたかも年上であるかのような口調で話す人物に目を細めつつ、零は手元のコーヒーに手をつけた。

 

「ねぇ、私の能力であの店員サン堕としてあげよっか」

「やめなさい」

「もう、つまんないわねぇ.....」

 

冗談か本気か分からないことを言い出す幼馴染みに文句の一つくらい言いたくなったが、そうこうしていては一向に話が進まないので零は本題に入ることにした。

 

「そうそう、また宜しく」

 

他人にとってこの発言は何を言っているのかよく分からないかもしれないが、この二人の間では頻繁に飛び交う言葉である。

 

「またぁ?この前やったでしょ?能力の使用って疲れるのよねぇ」

「LEVEL5がよく言うよ」

「あら、貴方もそうでなくて?」

 

LEVEL5という言葉を発した瞬間、向かい側の席に座っている女子学生2人が零たちの方を見たが、こんなところでLEVEL5が呑気にお茶しているいる筈がない、という結論に至ったのだろう、すぐに目線を戻した。

 

「またまた、俺なんかLEVEL2だよ」

「.....ほんと、よく言うわよ」

 

金髪の少女「食蜂 操祈」は紅茶を嗜みつつ、皮肉交じりにそう呟いた。

 

「一応聞くけどなんでまた必要になったわけ?」

「まあ、色々あって警備員に能力がバレかけてるからかな」

「全く、気を付けてほしいものねぇ」

「ほんとだよ」

「貴女のことよ、貴女の」

 

はぁ、と食蜂は目の前の不注意極まりない幼馴染みに呆れ、溜め息を漏らした。食蜂にとっては零の頼みを断るつもりは無い。だが、タダ働きも癪に触る。しばし思考した上で食蜂はこう提案した。

 

「わかったわ、その代わり来週の土曜日あそこのラグジュアリーショップに付き合ってね♪」

 

零は口に当てていたコーヒーを盛大に吹き出した。

 

「はあ?何の罰ゲームだよ!」

「あら、別に断ってもいいのよ。 その場合、能力は使わないけど♪」

「何でラグジュアリーショップなんだよ!」

「その方が貴方は反省するかなぁって思って」

 

ぐぬぬ、と零は苦渋の決断を迫られ唸ったがそうしたところで状況は変わらない。迂闊に自分を世にさらけ出せない零に選択肢は無い。

 

「.....わかったよ」

「よろしい♪」

 

何故か満足そうな幼馴染みを横に、来週の土曜日に自分に突き刺さる絶対零度の視線を思うと零は溜め息をつく他無かった。

 

 

 

 

 

 

 

食蜂と別れ、喫茶店を後にした零はとある目的地に向けて歩みを進めていた。

 

(何だかんだで久しぶりなんだよなぁ)

 

建物自体は新しいがどこか懐かしさを感じさせるマンションの階段を昇りながら、時折視界に現れる夜空を楽しんでいた。星を観るには空気が澄んでいる冬が適しているとよく言われるが、春の星座も負けてはいない。比較的高い位置にいるせいだろうか、去年の冬に見た空よりもずっと美しい星々が夜空に広がっていた。

 

そうこうしているうちに目的地、マンションのとある一室に零は辿り着いた。

 

「ふぅ.....よし」

 

覚悟を決めた零は心高々にしかし静かにドアを開けた。

 

「今日は早いね」

 

ドアを開けた途端、何かを踏んづけている紅色の長髪を有している人物が視界に、女性にしては低いがよく響く美しい声が耳に入ってきた。気取ることの無いラフな服装だがそれがかえって着ている人物の大人っぽさを醸し出しているように見える。

 

「その様子だと、少しは反省しているのかな?」

 

その言葉が零の耳に届くより前にとある女性は間合いを詰め零の服の首もとを掴み、その緋色の目は目の前にある零を食い殺すかのごとく睨み付けていた。

 

常人ならば気絶してしまう状況に置かれた零は決して心の動揺を見せないよう悪魔で冷静に発言した。

 

「その件なら心配ないよ、アイツがなんとかするだってさ」

「ふむ、随分強気だね」

 

食い下がる気配を見せない女性に対して零は現状考えられる最適の言い訳を開始した。

 

「代わりに超電磁砲に接触したが」

「.....」

 

表の学園都市の頂点に君臨するLEVEL5は現在7人しかいない上にそのほとんどが人格破綻者である。さらにその超能力者の名前を知ろうにも手段は限られている。そのため接触しようにもその機会は僅かどころか無いに等しい。実際、学園都市の中でも特異な存在である零でも個人的に交流があるのは第一位と第五位だけである。

 

「なんなら超電磁砲と親しい関係にある奴らとも交流したし、連絡先も手に入れたけど」

 

どうだ、と普段の状況であれば零は勝ち誇った様子を見せるのであるが、状況が状況である。すっかり血の気が引いた零は下される審判を待つしかなかった。

 

「いいわ、今回はそれで許してあげる。ただし、次は無いからね」

 

口元は笑っているが、目は笑っていない、そんな器用な人がいるのかと零は常日頃から疑問に思っていたが目の前の女性を見ては肯定せざるを得なかった。

 

彼女は「アイネ」、といっても本名では無いらしく、彼女が周りの人間にそう呼ばせているのである。本名では名字は2文字名前も2文字らしい。

因みに彼女もまた零と同じ、記録外《レコードアウト》である。

 

 

零が先程開けたドアは開いたままであり、春といえどもまだ冷たい夜風が部屋に浸入することを許している。夜風が通る音がまるで聞こえるかの如く二人は依然沈黙を続けている。

 

 

 

「なにしてんの?」

 

飴玉とまではいかないものの、チョコレート程の甘さを感じさせる声が二人の間の沈黙を破った。

振り返った零は常磐台の制服に身を包んだとある少女を目にした。

 

(なんてタイミングで来やがるんだ)

 

「ねぇ、私の零になにしてんの?」

 

零には甘いはずの声は夜風よりも遥かに冷たく二人の間に突き刺さったように思えた。アイは零の首本を掴んだままとある少女の方に顔を向けた。

 

「あら、遅かったね」

「ねぇ、私の零になにしてんの?」

 

(やばいやばいやばいやばい)

 

緋色の目のアイスブルーの目がぶつかる。冷戦という言葉がこの二人を表現するには最も適しているだろう。このまま放っておくといつぞやのケンカ(コロシアイ)の続きを始め兼ねない。

 

「落ち着けって柚紀!ただ話してただけだって!」

 

零は依然目の前にいるアイネを睨みつけた。

 

「お前もいい加減放せよ」

「.....ほんとに次は無いからね」

 

ようやく手を放したアイネは春を忘れさせる声色で言葉を発し、部屋の奥へと姿を消した。

 

(ふぅ.....…)

 

取り敢えず危機から脱した零は未だドア付近に立っている少女に視線をやった。

「北城 柚紀」それが彼女の名前であり、中等部の三年に籍をおいている彼女も零、アイネと同じ範疇に位置している。

 

「ああ、えーと、ちょっと注意受けてただけだから.....」

「ふーん、その割には良い雰囲気みたいだったけど」

(どこがだよ)

「誤解だよ」

「それなら.....」

 

言い終わると同時にポス、と柚紀は零の胸に飛び込んだ。

 

「私がこうしてもなんの問題もないよね」

 

柚紀はまるで味わうかの如く零の胸に顔を埋めた。零は零とてすぐにでも引き剥がしたいのだが如何せん彼女の機嫌を損ねてしまっては今夜の仕事に支障を来してしまう。取り敢えずは好きにさせておこう、零はそう判断した。

 

「あぁ、しあわせぇ.....一ヶ月ぶりの零の匂い♪」

「何が一ヶ月ぶりだよ、一昨日会っただろ」

「普段の零も良いけど、やっぱり仕事前のきりっとした零が一番だよ♪あ、ついでに頭も撫でて」

 

(こいつ、黙ってれば可愛いのに)

 

何故か好かれている少女のダークブロンドの長髪を撫でると、淡い髪の匂いが鼻を打つ。それは世の男性を怪しくするには十分だったが花粉症に悩まされている零にとってはそこまでの効力は無い。むしろ自身に押し付けられている発達の順調な胸の方が問題である。

 

(だから嫌なんだよなぁ)

 

隙を見て入り込もうとしている魔を抑えることに零は終始苦心していた。

 

 

 

 

「うぅ.....」

 

 

急に呻き声が聞こえてきた。振り替えるとつい先程まで踏んづけられていたモノが言葉を発しているようだ。

 

「お前ら良いのか?こんなことをして上層部が黙っちゃいねぇぞ」

 

零は意外にもはっきりとした声で話す男の方に視線を向けた。

 

「そっちこそ大丈夫ですか? うちに手を出して 

 お仲間も多分あなたと同じ運命になりますよ?」

 

悪魔で丁寧に、年上に敬意を払って零は答えた。

 

「まぁ、軽い気持ちで俺達を調べに来ているわけではないでしょうけど」

「強がりはよせよ。お前らは明日にでもこの学園都市から消え去っているだろうな。何せ学園都市暗部最強の組織がお前らを潰しにかかるのだからな!」

「へぇ、その組織何て名前なんですか」

「冥土の土産に教えてやるよ。ノートって言うらしいぜ」

 

 

 

「さっきからうるさいんだけど」

「は?」

 

久々の幸せを邪魔されたことに余程腹が立ったのだろう、珍しく柚紀の声のトーンが低い。獲物を刺し殺すかのような視線を向けている。

 

「もういいよね、おじさん 私たちの目の前から消えて」

「おいおい、さっきの話ちゃんと聞いてたのかよ。俺を消せば........

 

 

 

 

ほんの一瞬、男とその周りが真っ暗になった。すぐに元の明るさに戻ったがそのときにはもう男の姿は無かった。

 

「ふん!」

「仕事前にあんまり能力使うなよ」

「私と零の時間を邪魔したあの男が悪いんだよ!」

 

柚紀は再び顔を零の方に戻すとさっきより一層強く零を抱きしめた。

 

(それにしても)

 

しがみつく柚紀をそのままに零は先程まで男が位置していた場所を見つめ笑みとともに一言漏らした。

 

 

「ノートって俺達の事なんだけどな」

 

 





質問回答ですがネタバレになるといけないので個人個人で返していきたいと思います。次回も遅めになると思いますがどうぞ宜しく、と叫んでから殴る!!
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