Fate/second order ~二人目のマスター~   作:むこうぶち

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第一話『事の始まり』

拝啓、天国の父さん、母さん、そしてご先祖様。俺、獅堂天理は・・・・

 

「さて、言い訳があるなら聞くわよ天理」

 

歳下の女の子の目の前で土下座中です。

 

獅堂家は魔術師の家系である。他者へと秘匿し、過去へと向かい根源へと至る、と言うのがまぁ殆どの魔術師たちの在り方だろう。だがウチ、獅堂家はそもそも成り立ちからしてかなり特殊である。十三代も続いた、となれば名家として数えられてもおかしくはないが、言ってしまえば獅堂家は『変わり者』扱いなのだ。

 

記録によれば、初代はロシア人だったようだ。家系図も文字が掠れ、しかも公文書ではなく自筆なので判読は不可能だが辛うじてロシア語だと言う事は分かる。そこから代々、ありとあらゆる国の、ありとあらゆる魔術体型を結婚と言う形で片っ端から組み込み続けた結果として獅堂家の魔術とは『実戦派ハイブリット魔術』とでも言うべき限りなく異端な存在となっているのだ。

 

でだ、実戦派、なんて付けるだけあってウチは魔術師の世界の中でも『武闘派』として名が通ってるんだ。まぁ俺は両親から魔術刻印こそ受け継いだが本当の基礎しか習ってなくて、獅堂の魔術に関しては書物で学んだ程度。あとは『師匠』から学んだ魔術がメインだから正統な獅堂の後継者、とは言い難い。

 

でだ、それでも戦うと言う事に関しては『時計塔』、『アトラス院』、『彷徨海』の魔術協会三大部門からも一定以上の評価を保っていた俺を彼女、オルガマリー・アニムスフィアが訪ねてきたのは半年前の事だった。人理継続保障機関『カルデア』の成り立ち、近未来観測レンズ『シバ』が観測した『断絶された未来』、その未来を取り戻すための『時間航行』、そしてその航行者たちをありとあらゆる手管を使って集めていると言う事。俄かには信じがたい話ではあった、だがその眼に嘘を感じられなかった、だから俺は『カルデア』に身を置く事にした。

 

のだが、まぁ半年と言う期間で露呈していく俺の日常生活でのだらし無さ。それに対してマリーの対応が徐々に塩対応になるのも当たり前と言えば当たり前だったか。最初なんか「獅堂さん」とかだったのに最近じゃ「天理」とかルビに「ロクデナシ」ってふられてる時があるんだぜ?まぁ重要な会議をすっぽかして職員と徹マンしてたり、今日も某医療セクションの職員と二人でアイドル談義してて時間航行、名称『レイシフト』前のミーティングに遅刻しただけだぜ?

 

「本来、貴方は戦力として最高峰。ですがこうも毎度毎度規則違反を犯されては罰を与えなければ示しが付きません」

 

やっぱり?

 

「獅堂天理をBチームリーダーの任から解任、また特異点Fの探索終了までの間自室謹慎を命じます」

 

―――――――――

 

「「HAHAHAHAHAHA」」

「ダメだこの大人たち、何とかしないと・・・・」

 

そしてあれから三十分後、ミーティング中に立ったまま寝ると言うウルトラをやらかし同じく自室謹慎を言い渡された少女、藤丸立香の自室で俺が最も親しい医療セクションのリーダーであるロマニ・アーキマンと二人で「ニート理論」を展開してたら白い眼で見られたでゴザル(笑)。

 

「って言うか何で女子の部屋で勝手にくつろいでるんですか!?」

「人聞きの悪ぃ事を言うなよ藤丸、元々は俺たちがサボりに使ってた部屋にキミが入室したんだ」

「そもそもサボりに部屋一つを丸々使うってどうなんですか!?主に社会人として!!」

 

社会人って言われてもなぁ・・・・俺は大卒浪人中のフリーター、ロマニだってこのちょっとブラック企業に片足突っ込んでる組織の中間管理職。まっとうな社会人とは言い難いが・・・・

 

『ロマン!!貴方どこで油を売っているの!!』

 

突如、ロマニの付けるリストコムから聞こえる聴き慣れた怒声。

 

「あれ?もしかしてもう時間かい?」

『とっくによ!!』

「すぐ行くよ!!」

 

ロマニが慌ただしく部屋を出て行くと、藤丸の視線がこちらに向けられる。

 

「まぁ座れよ、ミーティング寝てて話とか全然聞いてねーだろ?同じ日本人のよしみだ、一通りの事は講義してやる」

「・・・・・・・・うん」

 

―――――――――

 

「うーんと、つまりは『未来を取り戻せ!』とか『世界の破壊者』とか『通りすがりのマスターだ』みたいな感じ?」

「そこはかとなく頭の悪さと厨二病の素質を感じるがまぁ、概ねその通りだ」

 

まるで九つの世界を破壊したった一つの世界を救おうとしたライダーみたいな事を言い出した立香。

 

「そう言えばシドさんって魔術師、なんだよね?」

 

シド、ってのは俺のカルデアに来てからついたあだ名だ。最初は名前で読んでもらおうと思ったんだがカルデアの職員の大半は西洋系、「天理(てんり)」を「テリー」とか「テンリー」とか発音が怪しかった。で、仕方ないから苗字で呼ばせようと思ったら今度は「シド」になった。んで、どっかのゲームの万能な機械整備士みたいでカッコいいなーと思ったからそのまま「シド」を定着させたワケだ。

 

「まぁな、本来ならお前も所属するBチームのリーダーを務める予定だった」

「だった?」

 

コテン、と首を傾げる立香。

 

「遅刻し過ぎて解任された」

「えー」

 

白い目再び、そんな目をすんなよ。俺だってその気持ちが分からんでも無いけどさ、俺は他の魔術師より魔力の回復効率が悪いから睡眠時間とかも必然長くなるんだよ。

 

「まぁそれはそれとして、どんな魔術使うの?」

 

めっちゃ眼を輝かせて聞いてきた、うん。コイツやっぱり厨二病(そっち)の素質が強いのかも知れない。

 

「俺のはちょっと・・・・いや、かなり特殊なんだよ」

 

元々獅堂の魔術も特殊だが、俺の師匠もかなり特殊でその術も更に特殊と来たもんだ。特に師匠から教わった方は下手すりゃ封印指定も見えてくる骨董品魔術なわけだが。

 

「へぇ?それって・・・・!!?」

 

突如響く爆発音。そして続けざまに警報。

 

「何が起きたってんだよ!?」

「あっ!待ってよシドさん!!」

 

俺と、後を追うように藤丸も部屋を飛び出していた。向かうべき場所は一箇所しか無い。

 

―――――――――

 

「ロマニ!!」

「シド!」

 

管制室前へと来れば、ロマニがいつになく慌てた様子で職員たちに指示を出している。しかも怪我人も数人いる状態で、だ。

 

「レイシフトルームが爆破された、所長以下46名のマスターたちの状況は未だ確認出来ていない」

「なら俺が行く、多少壊すが文句は言うなよ?」

「人命優先だ、いざという時は所長に二人で怒られよう」

 

互いに頷きあった頃に、息を切らした藤丸が到着する。

 

「着いてこい藤丸!」

「えぇ!?」

 

緊急事態と言う事もあり、レイシフトルームのドアセキュリティは正常可動していない。開けるには力技、この場合は・・・・

 

「『(ストレングス)』」

 

これが俺の魔術の一部、まぁルーン魔術の亜種だと思って貰えれば良い。これの効果は単純な身体能力の増強、つまり。

 

「オラァっ!!!」

 

ストレートの一撃でひしゃげて吹き飛ぶ扉、後ろで「うわぁ・・・・ゴリラ」とか言ってる藤丸は後でシメる。

 

「っ!!?」

 

熱と煙、そしてむせ返る程の血の匂い、何より・・・・

 

「何だ・・・・こりゃあ」

 

真っ赤に染まったカルデアス、半年いたがこんな状態は見た事無い。

 

「マシュっ!!マシュ!!」

「ぅ・・・・ぁ」

 

藤丸が職員の一人、マシュを見つけたようだ。だが瓦礫に半身を潰され、長くは無いだろう。

 

『シド!!立香君!!直ぐにそこから出―――』

 

『システム、レイシフト最終段階に移行します。座標、西暦2004年1月30日、日本、冬木』

 

突如響いたロマニの声、それを遮断するようにアナウンス音声が流れ始める。

 

「遅ぇよ、バカ野郎」

 

今のアナウンスと同時に中央隔壁、ここと通路を繋ぐ隔壁が降りちまってる。何より・・・・多分、藤丸はマシュを置いていく事をよしとしなかっただろう。

 

『適応番号13、獅堂天理、適応番号48、藤丸立香をマスターとして再設定します』

 

コフィンはほぼ全滅、残ってる無事なのも瓦礫が邪魔で無理。

 

「コフィン無し、サポート無しでのレイシフトか・・・・死んだな、こりゃ」

 

諸々細かい理由はあるのだが、通常はレイシフトはマスターの体調、飛ぶ時代の状況など各種事項を精査し、成功率が一定以上でないと行われない。その成功率を上げるための器具がコフィンなのだが、俺と藤丸はどうやらそれ無しで強制レイシフトをする事になりそうだ。

 

『アンサモンプログラムスタート、霊子変換を開始します』

 

『レイシフト開始まで3』

 

『2』

 

『1』

 

『全工程、完了(クリア)。ファーストオーダー、実証を開始します』

 

そして俺たちは、光に包まれた・・・・




第一話でした。

正直、うろ覚えで書いてます。なので話の運びとかところどころ原作とは展開が違うと思います。そして限りなくメインのマジ恋小説の片手間で書いてますので更新するかどうかも怪しいです。ノリと勢いで投稿してます。

さて、次話では鯖召喚になります。最初の相棒はどうしましょうかねぇ?
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