【凍結中】その一握の気の迷いが、邪なものを生んだ(旧版)   作:矢柄

28 / 45
028

 

 

「存外壮健そうじゃの」

 

「来られるならご一報を頂きたかったのですが」

 

「思い付きじゃったからな」

 

「相変わらずですね。まあ、おかげで命拾いしたんですけど」

 

 

ちょっとしたホテルの部屋が丸々2つ入りそうなほど広い部屋は清潔で白く、病室の中央には目的の少女が横たわる大きなベッドが鎮座していて、その周囲の棚や机の上には色とりどりの花が活けられた花瓶が置かれている。

 

老師と少女は笑いながら歓談しているが、完全にアウェーである自分にとっては酷く居心地が悪い。

 

なんというか、病院自体がかなりの厳戒態勢となっていて、迷惑そうにする入院患者や医師たちを横目に多くの軍人たちが銃を片手に警備を行っていて、まるで軍施設に足を踏み入れたかのようだった。

 

特に俺はエレボニア帝国の出身ということで、厳重な身体検査を受けさせられてうんざりしてしまった。老師の付き添いでなければ牢獄の中かもしれない。

 

そして病室である。中に入った瞬間、濃いブラウンの髪の少女の鋭い視線が俺を貫いた。明らかな敵意を含んだ視線に息が詰まるほど動揺してしまうが、黒い髪の少年が少女をなだめてようやく敵意が弱まり息を吐く。

 

そうして苦笑いする病室の主、痛々しいほどに体中を包帯で包んだ寝間着姿の栗色の髪の少女に挨拶をした。

 

 

「しかし、リィン君でしたか。だいぶ待たせてしまったみたいで、申し訳ないです」

 

「あ、いいえ、そんな怪我をされたんですから当然の事かと。むしろ、会ってもらえただけでも光栄です」

 

「ふふ、先生の手紙の通りの人柄ですね」

 

「えっと、ちなみにどんな?」

 

「生真面目で、謙虚だと。あとは、自分に自信が持てないとか」

 

 

その言葉に、一瞬たじろぐ。

 

いや、まあ、その通りで、図星を突かれたが故なのだけれども。そんな自分の動揺は顔に出てしまったらしく、栗色の長い髪の少女はクスリと笑みを浮かべた。

 

少し恥ずかしくて顔を赤らめてしまい、そして彼女の後ろにいる濃いブラウンの髪の少女の視線が厳しくなる。

 

 

「エ、エステル博士は……」

 

「博士は付けなくていいですよ。堅苦しいですしね」

 

「あ、えっと、エステルさんは、その、剣の道についてどう考えているんですか?」

 

「剣の道ですか? そうですね、実の所、私は剣の道を歩んでいるわけではありません」

 

「は?」

 

 

気の抜けた声を上げてしまう。

 

剣の道、自分がどうあるべきか迷うこの命題に対して、少女は特に茶化した様子もなく、しかしあれほどの剣の腕前を持ちながらも否定してしまった。

 

彼女は《剣聖》に限りなく近い存在だと信じていた俺は、そんな彼女の言葉に戸惑いを隠せなかった。

 

 

「《道》とは何らかの頂に達するための方法論あるいは根本的な原理ですね。この場合は武の《理》とでも言えばいいのでしょうか? 興味はありますが、私の目指す所ではありませんね」

 

「え、いや、では、どうして八葉一刀流をっ?」

 

「必要と判断したからです。身を守る術、誰かを守るための手段。その方法として私は八葉一刀流を修めました。理由なんて人それぞれですよ。まあおそらく、剣を修める中で、剣の道を目指したいという奇特な人物が出てくるわけです」

 

「お主な…」

 

「いや、でも、最初から剣の道なんて語りながら八葉一刀流の門を叩く人なんているんですか?」

 

「おらんな。大抵は成り行きというのが殆どじゃろう」

 

 

理由。そうだ、理由はある。結局のところ、剣の道などと言いながらも、自分もまた彼女と同じように八葉一刀流を手段として捉えていた。

 

なんて馬鹿な話。『剣の道』など語る事すらおこがましい。あの雪の日の、あの恐ろしい獣に打ち勝つために、剣を利用しようとしただけだ。

 

 

「八葉一刀流に出会ったのは、父が修めていたからです。そんな偶然が無ければ、別の手段を探していたと思いますよ」

 

「ふん、えらく軽い扱いじゃの」

 

「何にどれだけ重きを置くかは人それぞれですよ。別に剣を軽んじているわけではありませんが」

 

「ふむ、怪我が治ったのなら、今のお主の力を測ってやろう。《銀》との命の遣り取りをしたのならば、良い経験になったじゃろう」

 

「あんな経験はもうまっぴらですが、お願いします。といっても、一か月も入院すると、身体がなまりそうですねー」

 

「おとなしく、養生せい。退院したら少ししごいてやろう」

 

「やだー」

 

 

そう言って笑いあう二人は、どこか祖父と孫娘の会話を見ているよう。

 

老師に剣の教えを受けていた時から薄々分かっていたが、彼もまた剣の道についてどこか飄々とした態度で向き合っているようにも思える。

 

剣を握った時はまた違うのだけれど、深く思い悩む自分との違いを思い知らされた。そして思わず声を上げてしまう。

 

 

「あのっ」

 

「?」

 

「なんというか、他人じゃなくて、自分の中にあるものに打ち勝つために剣を握るというのは…、間違いなんでしょうか?」

 

 

思わず何も考えずに出た言葉。そんな言葉にエステルさんは耳を傾けて、すこし考えた後、俺の目を見た。

 

 

「事情は良く分かりませんが、己に打ち克つという意味で言うなら、方法論の一つとしては間違いではありませんよ。ただ、リィン君、貴方からは一般論でいう克己とは違う、もっと具体的な問題を感じます。間違っていたら謝りますが」

 

「い、いえ、そうですね…」

 

 

少女の言葉に動揺する。まるで見透かされたかのような感覚。一瞬全てを話してしまおうかと思ってしまったが思いとどまる。

 

初対面の相手に話す事ではないし、それにこういった人の多い場所では話すべきことではない。そうして俺は気付かないまましばらくの間沈黙してしまう。

 

だが、その沈黙と逡巡が相手に確証を与えてしまう。

 

 

「ふむ、何か事情がありそうですね。まあ、無理には聞き出しません。ただ、立ち止まらずに歩き続けようとする君なら、いつかは答えに辿りつけるかもしれませんね」

 

「そう、ですか?」

 

「そう信じていないと、何も得られませんよ。必ず答えが見つかるなんてそんな都合のいい事は断言できませんが、君の血肉となる何かを得る事はきっとできるでしょう」

 

「…そうですね」

 

 

俺は何かを得る事が出来るだろうか。

 

 

 

 

「…えっと、エリッサ、よく我慢しましたね」

 

「ん、斬りかかったらエステル、怒るでしょ」

 

 

ユン先生がリィン君を連れて出ていった後、少し不機嫌そうなエリッサを見て苦笑いする。隣のヨシュアも頬をかきながら、どこか安心したような表情を浮かべて笑顔を見せた。

 

最初はすごく険悪な雰囲気を放っていただけに、何事も無くて一安心だ。

 

 

「エリッサはエステルの言う事はちゃんと聞くからね」

 

「ヨシュアもエステルも私を何だと思ってるのよ」

 

「んっと、“斬れば分かる”なんて平気な顔で言いそうだったので…」

 

「もうっ、酷いんだから。いくら帝国人が嫌いだからってユン先生の顔を潰すなんてしないわ!」

 

「あ、そういうことですか」

 

 

かつてはエレボニア帝国の人間を皆殺しにしたいと狂気に染まっていた少女が成長した姿に少し感動する。

 

というか、私に怒られたり、ユン先生の面子を潰したりしなければ斬るのだろうか。斬らないと信じたい。うん、信じたい。

 

ヨシュアはそんなエリッサの言葉に少し呆けた表情をした後、笑った。

 

 

「うん、エリッサはすごいね」

 

「何よ、ヨシュア」

 

「いえいえ、私も純粋にすごいと思いますよ」

 

「ちょ、何よ二人して。なんかくすぐったいよ」

 

 

照れて頬と耳を真っ赤に染めるエリッサ。まだまだ未熟である。ヨシュアと二人でそんなエリッサをニヤニヤ観察する。

 

 

「あの帝国人はどうでもいいけれど、ユン先生が戻ってきてくれたことは嬉しいかな」

 

「そうですね。元気そうで安心しました」

 

「先生が元気じゃないのなんて想像できないよ」

 

「確かに」

 

「二人はユンさんに剣を師事したんだよね」

 

「カシウスおじさんもだけどね」

 

「《剣仙》か。僕も稽古をつけてもらおうかな」

 

 

しかし、八葉一刀流とか極めると、みんなああいう風な飄々とした性格になるのだろうか? もっとこう、厳格な感じとかでないのだろうか?

 

 

「何よ、私の方が先なんだからね。姉弟子をそんちょーしなさい。というか、アンタはとっとと怪我治しなさいよ」

 

「ハハ。うん、ありがとうエリッサ」

 

 

なんだかんだでエリッサとヨシュアは家族をしている。

 

どちらかというと、この二人の方が普通の兄妹っぽいような、あるいは悪友といった雰囲気で付き合っている。そんな二人の遣り取りは、傍から見ているととても面白い。

 

 

「ヨシュアはリィン君をどう思いましたか?」

 

「そうだな…、悪い人間じゃないと思うよ。何か悩んでいるっていう雰囲気は感じたかな」

 

「ユン先生に見放されかけてるんでしょ?」

 

「見放しているなら、エステルに会わせようなんて思わなかったんじゃないかな」

 

「素質はあるんでしょうね。壁にぶつかったという感じでしょうか。あの歳で悩み過ぎというか、苦労性の相でもあるんでしょうかね」

 

「…帝国人も案外普通なのね」

 

「ハハ、エリッサは帝国人どんなイメージを持っていたんだい?」

 

「なんていうか、人間味が無いっていうか、もっと威圧感があるっていうか、怖いって感じだったかな」

 

「典型的な帝国人のイメージですね」

 

 

武力を信奉し、残酷で冷血漢で表情に乏しく暗い。それは7年前の侵略によって植え付けられたリベール王国人の多くが抱くエレボニア帝国人の印象だ。

 

そして同時に戦争遂行時において王国が士気高揚のために広めたプロパガンダでもある。殺す相手を人間味のない悪魔のような連中だと思わせたし、思い込んだのだ。

 

事実、エレボニア帝国では質実剛健が尊ばれているし、武を重視する国是を持っている以上、彼らは戦争を賛美する傾向にあるのは確かだ。

 

内戦を勝ち抜いたドライケルス帝を至上の英雄と見做し、また武を尊ぶが故に貴族ですら剣技を磨く義務を負っている。

 

現在彼らが拡大政策に再び舵を取っていることもそのイメージに拍車をかけている。クロスベルを巡っては常に共和国と鍔迫り合いを繰り広げてきた歴史を持つ。

 

そして帝国最大の工業メーカーは武器工房に端に発するし、何より彼らの国のシンボルは戦争と侵略を色濃く想起させる『黄金の軍馬』だ。

 

とはいえ、帝国人が武のみを重視して文化的なものを軽視しているかと言えば、それもまた違う。帝国はオペラが盛んであるし、オーケストラや歌劇団などの音楽団体もたくさんある。

 

楽器で有名なリーヴェルト社は帝国の会社であるし、西ゼムリアの華美な宮廷文化を現在まで伝えるのもエレボニア帝国の特徴でもある。

 

 

「帝国人で東方の剣術に手を出すって言うのも珍しいけれどね」

 

「帝国で有名どころはアルゼイドですか」

 

「《鉄騎隊》の流れを汲む実戦派だね。貴族には正統派の宮廷剣術が人気みたいだけれど」

 

「アルゼイドは聞いたことあるかも」

 

「ユン先生がアルゼイドの《光の剣匠》と一戦やりあったとか。殺し合いになる寸前で理性が働いたみたいですけど。やですね、ユン先生みたいなのがゴロゴロ転がっているとか」

 

 

その試合が楽しすぎて一日中剣をぶつけ合っていたとか。脳筋、バトルフリーク、戦闘狂。まさに蛮族の思考である。

 

 

「ハハ、流石にあれぐらいの達人は五本の指に収まるぐらいしかいないと思うよ」

 

「剣聖だけで4人、S級遊撃士は5人なんだよね」

 

「……20人ぐらいかな」

 

「その人たちを集めたら国が一つ落とせますね」

 

「ハハ…、冗談じゃないよ」

 

 

 

 

 

 

「デルタ翼でまとまりましたか。一時はどうなるかと思いましたがね」

 

「いえ、まあ、特に指定がありませんでしたから。最終的には堅実な設計になってしまいました」

 

「堅実でいいんですよ。未経験の技術を導入してもらっても困るのです」

 

 

私の病室には毎日色々な人がやってくる。ヨシュアやエリッサ、ティオは毎日お見舞いに来てくれるし、お父さんも時間を見つけては果物を片手に会いに来てくれる。

 

ティータやエリカさん、ラッセル博士もたまに顔を見せてくれる。モルガン将軍とクローゼの言付けを受けたユリア中尉なんかも来てくれた。

 

そしてやってくる人たちの目的はお見舞いだけではない。例えば今日などは病室の私のベッドの周囲を技術者たちが囲んでいる。

 

私が入院中で、研究所や大学、ZCFに行くことが出来ない事は仕方がないが、だからといって病院にまで押しかけてくるのはどうかと思う。

 

テーブルには設計図やグラフなどが書かれた書類が積み重なる。今、目の前に広がるデータや図は、航空宇宙研究所で開発中のジェット戦闘爆撃機のものだ。

 

次期主力機として生産が始まった《ラファール》《ミラージュ》は極めて高性能で、追随を許さない空戦能力を誇るものの、輸出用としては機密情報の塊過ぎた。

 

現在の帝国や共和国の軍事事情から言えば、超音速機が他国で開発されるまでには10年以上かかると考えられており、輸出用としてこれらの機体を輸出することは技術流出につながる。

 

だが、国際市場における戦闘機・爆撃機のシェアを他国に譲る気もなければ、共和国の独自開発も阻止したいという思惑もある。加えて、輸出用ジェット機を販売して今までの研究開発費を回収したかった。

 

そこで、輸出用の安価で技術的にも数世代下の機体の開発が始まったのである。

 

 

「しかし、これ、5000万ミラに収まるんですか?」

 

「軍が要求した価格には抑える事が可能です」

 

「チタンを減らして、アルミ合金やガラス繊維強化プラスチックを多用したのが正解なんでしょうがね」

 

 

要求された性能は《ラファール》や《ミラージュ》から一世代か二世代ほど劣るといっても良い物で、はっきり言えば超音速を実現する必要すらなく、戦術爆撃と空戦がある程度可能であれば良い。

 

よって軍の要求は音速以下の速度性能、短距離空対空ミサイルの運用能力、3トリム以上の爆弾搭載量、30,000セルジュ程度の航続距離、そして《ミラージュ》の1/3以下の調達価格というものが提示された。

 

そして、それを実現するのはさほど難しい作業ではない。要は今までの開発データを流用し、エンジンをダウングレードし、機体の部品点数を減らし構成を単純化する。

 

さらに機体の構造材をアルミ合金や鋼鉄主体とし、内蔵するレーダーや導力演算器の性能を落とし、ソフトウェア開発にお金をかけなければいい。

 

第5世代ジェット戦闘機クラスのエンジンが完成している以上、エンジン出力で様々な問題をねじ伏せる事が出来るからだ。

 

とはいえ、私は第5世代ジェット戦闘機や宇宙往還機などの研究開発をメインに据えていて、性能の低い航空機の開発に割く時間を惜しんでしまった。

 

そういうわけで、私はこの戦闘機の開発を他の技術者たちに丸投げしたのである。

 

これは私以外の技術者にも航空機の設計を一から行うと言う経験を積ませるうえで良い経験になり、またそこそこの機体であれば、将来的に輸出用の戦闘機としても利用できる。

 

私以外の研究者からの異なる設計思想が生まれるかもしれないし、私は他の研究に集中できる。つまり、一石三鳥のすばらしいアイデアだったはずなのだ。

 

そう、それが間違いの始まりだった。気づいた時には遅かった。どうしてこうなった。

 

 

「F-86ぐらいの性能でも良かったんですがねぇ」

 

「博士?」

 

「いえ」

 

 

ZCFには元より技術的挑戦を尊ぶ気風があり、これはアルバート・ラッセル博士が創始した黎明期からの伝統のようなものだ。

 

世界最大の研究機関・重工業メーカーとなったZCFの研究者・技術者にもそのような気風は脈々と受け継がれている。

 

これは時に技術的暴走という形で表面化することが時々ある。ままある。…よ、よくある。というかだいたい…。

 

今回の要求は安ければ安い方がいいというものだった。やろうと思えば1,000万ミラ程度の機体だって作れたはずなのである。

 

なのに連中は軍が要求した《ミラージュ》の1/3という数字丁度に目標を設定してきたのだ。1/3という調達価格に収まるならば何をしてもいい、そんな免罪符の元に彼らはやりたい放題やりつくした。

 

 

「あ、それとカナードは却下です。ストレーキで十分だと思います」

 

「いやしかし…」

 

「推力偏向ノズルと前進翼は試験研究機でやってください」

 

「ですが、それだと《ミラージュ》には勝てないじゃないですかっ」

 

「誰が《ミラージュ》に勝てる機体を作れと言ったのか」

 

 

バカじゃねーのお前ら。

 

彼らの野望は開発開始からしばらくして明らかになる。彼らは空戦において《ラファール》や《ミラージュ》を上回る最強の戦闘機を作ろうと目論んでいたのだ。

 

限られた予算の上限の中でどれだけ無茶が出来るか。そこには彼らの間違った方向に突っ走った情熱の軌跡が見て取れた。

 

結果として最初に彼らが持ってきた案を見た時、私は思わず咳き込んで取り乱してしまった。特徴的な前進翼とカナード翼、そして推力偏向ノズルを採用。

 

それはまさしくXの世界でグラマン社が世に送り出したXプレーンズの1つ、X-29であった。何コレすごくカッコイイ。

 

さらに仕様書には他にも渦流制御器や、グラスキャノピーではなくセンサーで得られた外部情報を導力演算器で処理して網膜に投影する密閉型コクピットの採用など、先進的過ぎる案が満載されていた。

 

個人的にはすごく気に入った。できればGOと言いたかった。でも、予算内に絶対に収まらないことが分かり切っていたので却下したのである。

 

前進翼は安定性が低くなる、つまり運動性が高くなるという特徴があり、フライ・バイ・ワイヤが実現できるならば格闘戦の性能を高める手段としては有効である。

 

ただし、翼に一定以上の強度が求められるため、炭素複合素材などの高価な素材を用いなければならない。推力偏向ノズルも研究中の技術であり、輸出用の戦闘機に用いるのはお門違いだ。

 

ということで、何度かダメ出しを行い、仕様書にある様々な技術案については試験研究機において研究を続行することで妥協させた。

 

そうして目の前にある設計図が最終案となるだろう。おそらくXの世界のフランスの戦闘機、ミラージュⅢによく似たマルチロール機になるはずだ。

 

 

「だいたい、アビオニクスとエンジンで負けてるのに、どうやって勝とうと思ったのですかね」

 

「ど、ドッグファイトでは勝てたかもしれないんです!」

 

「機体の構造材にチタンや炭素複合素材を使っていないですし、G軽減用の導力器を搭載する余剰空間もないんですから機動性でも勝てるはずないじゃないですか」

 

 

この世界には重力制御技術が存在し、《ラファール》や《ミラージュ》にはその重力制御によってパイロットへの慣性力による負荷を軽減するだけの演算能力を持つコンピューターが搭載されている。

 

ブラックアウトを気にする必要がないのなら、無茶な機動により相手を圧倒することは十分に可能だ。しかも、目であるレーダーもまた圧倒的に優位にある。

 

これからの戦闘機の性能はコンピューターとアビオニクスの出来に左右されるといっても過言ではなく、それが劣っているのなら空力学的にいくら洗練されていたとしても勝てるはずがない。

 

 

「まあ、機動性なんてミサイル技術が進展すれば二の次になるんでしょうけど」

 

「…納得はできないですがね」

 

 

ミサイル万能論は危険だが、しかしミサイルの性能が向上するにつれてドッグファイトの出番はほとんどなくなるのが予測される。高価だけれど。

 

ただし、少しばかり性能が高すぎてすぐに輸出できなくなってしまったのが玉に瑕か。事実上の第2世代ジェット戦闘機相当の能力。

 

エンジンを換装し、エリアルールを適用して、ショックコーンを取り入れるといった多少の工夫で音速の壁だって超えられるはずだ。

 

まずは練習機を少しばかり再設計して、第一世代相当のものを売りさばき、次にこの機体を販売すればいいだろう。

 

 

「しかし、博士も戦略爆撃機は随分先進的な設計を取り入れているらしいじゃないですか。確か、全翼機だとか」

 

「全翼機は技術実証用の実験機でしか試してないです。あれを実用機に用いるのは随分先になりそうですね」

 

 

B-2スピリットとかああいうのはお米の国じゃないと運用はしんどいのです。ぱないの。

 

 

「しかし、随分変わった形状でしたよね?」

 

「新型機と同じ、無尾翼機ですよ。垂直尾翼はついてます。ちょっと風変わりなのは認めますがね」

 

 

ただし主翼が菱形だったり、垂直尾翼が外側に傾斜していたり、エアインテークが菱形だったり、排気口が機体上部に開口していたりする。

 

機体形状や素材、塗料によるレーダー反射断面積の低減を実証するための実験が繰り返されており、実機はまだ作られていない。

 

そもそも戦略爆撃機としてはカラドリウスが優秀であり、これを迎撃できる防空システムを構築している国が存在していない以上、ジェットエンジンを搭載した戦略爆撃機はまだまだ不要である。

 

なので、次世代の戦略爆撃機の開発はそれほど焦らなくてもいい。第6世代機などを目標に、地道に技術を積み重ねていく時間はある。

 

 

「しかし、そうですね。新型機ですが、名称は《ヴァンクール》でいきましょう」

 

「勝利者ですか…、悪くはないですね」

 

 

 

 

 

 

「これはこれはリシャール大佐、わざわざこんな場所までご足労頂き…」

 

「長話はいい。それよりも…」

 

「ええ、ええ、分かっておりますとも。大佐の愛しのあの方が怪我をなされたこと、そのご心痛お察しいたしますとも。ですが、研究というものは焦っても良い結果が出るとは限らないものでして。いえいえ、わざと研究を長引かせて予算を浪費している訳ではございませんとも。ただ、あの方のように異常な…、いえ、違いましたな、奇跡のような成功を望まれても、私のような凡俗には少々厳しいものがございますな」

 

 

樫の長机を挟んで向こう側のソファーに座る男はヘラヘラと笑いながら長話を続ける。気味の悪い男だ。別に容姿が醜いというわけではない。

 

いやむしろ女性には人気が出るかもしれない、背が高く、気の良さそうな紳士を思わせる。濃いブラウンの髪と口髭はしっかりと整えられており、表情は柔和で、発声も流暢だ。

 

だが、多くの人間を観察してきた自分にはこの男が放つ腐臭にも似た悪質を察することができた。同じ科学者でも、目指すモノ、志すモノが違えばこのような化け物になるのだろうか?

 

本当はこのような男に会いたくはなかったし、このような悪趣味な場所には来たくなかったのだが、事情が事情だけにそうも言っていられないのが実情である。

 

 

「メイゼル博士、アルジャーノン大隊については現場では高い評価を得ている。あれが極めて強力であることは認める所だ。しかし、今回の件のような場合に対処するにはアレでは困難だ。我々は超兵計画の成功を痛切に望んでいる。分かるかな?」

 

「ええ、分かっております。ですがご安心ください。計画は順調に進展しており、臨床試験の結果をお見せすることも出来ましょう」

 

 

長机の上に問題の錠剤が置かれていた。《グノーシス》。情報部が秘密裏に研究を進める特殊な薬品だ。

 

共和国で大規模な事件を起こしたカルト教団が開発していた薬品であり、教団が行っていた人体実験の中核ともいえる存在だ。そして、その特殊な効能は当初から情報部と科学者たちの注目を集めていた。

 

プロレマ草と呼ばれる七耀脈の集まる特殊な条件でなければ生育しない植物の成分を精製し、いくらかの化学的な処理を行うことで作成される薬剤。

 

投与した人間の霊感とも呼ばれる第六感を先鋭化させると共に、潜在能力を引き出し、果てには《運》と呼ばれる形而上の概念にまで関与する、医薬の常識を覆す未知。

 

この研究は《彼女》の支持も得て動物実験を中心に分析が行われていたが、その《彼女》にも知らされていない研究がこの秘密研究所では行われていた。

 

その研究は目の前の男、メイゼル博士を中心とした特殊な化学者、医学者、薬学者、生物学者などのチームによって遂行されている。

 

このメイゼルという男の正体はD∴G教団の司祭である。情報部の秘密作戦によって制圧したロッジにおいて確保された教団における人体実験を指揮していた幹部司祭であり、

 

制圧作戦の際に自害などすることなく、助手たちを引き連れて我々に投降し、そして自らの有用性を情報部に訴えた。

 

未知の薬剤である《グノーシス》の研究には確かにそれに携わっていた人物の協力が不可欠であり、我々は厳しい管理と研究成果の独占を引き換えに彼らに研究環境を与えた。

 

彼らにとってD∴G教団の教義などどうでもいいことらしく、この《グノーシス》の可能性、先にあるものを見る事だけに興味があるようで、彼らは厳しい情報部の管理にも不満は特に漏らさなかった。

 

研究は劇的とは言わないまでも、順調に成果を上げ続けていった。会話や人間並みの複雑な思考を可能とする魔獣の作成に成功し、これを従順に躾けることで従来の常識を打ち破る高度な軍用魔獣の作成の道を開いた。

 

情報部では既に人間と高度なコミュニケーションをとる犬型や猫型、ネズミ型の魔獣を実戦投入し、諜報活動において大きな成果を上げている。

 

 

「ほう、では今日こそは見せてもらえるのかな?」

 

「もちろんでございますとも。きっと軍の方々にも満足していただけるでしょう」

 

「そこまで言うのならば、期待せずにはおれないな」

 

 

そうして男に促されて立ち上がり、私は秘書と護衛を兼ねる役割を押し付けてしまったカノーネ君と共に彼に連れられる。

 

研究施設は剥き出しのコンクリートで、通路の天井側には用途不明の無数のパイプが連なっており、いやに明るい導力灯と共に施設の非日常性、無機質さを際立たせる。

 

 

「…大佐、何度来てもここには慣れません」

 

「慣れる必要はないよカノーネ君。人間性を失いたくないならね」

 

 

私の後ろを歩くカノーネ君が若干先ほどから居心地が悪そうな表情をする。この研究所の独特な雰囲気、どこか地獄の底に通じているようなそれは、私でも慣れるものではない。

 

そうしてしばらく彼の後ろを歩いていると、奥の方から小銃を発砲する音がかすかに響いてきた。

 

 

「なっ、大佐、これは?」

 

「メイゼル博士、何事かね?」

 

「演習でございます。先日より被検体の評価試験を行っておりまして、結果と詳細については後ほど報告書にてご覧ください」

 

 

階段を上ると演習場を見晴らすことが出来る大きなガラス窓が張られた展望室になっていた。眼下では市街戦を想定しているのか、コンクリートで再現された街があり、そこで無数の魔獣と戦闘を行う十数人の兵士たちが見えた。

 

その装備は今年度に配備された小銃を持つものの、王国陸軍の歩兵の標準的な装備と言える。とはいえ、分隊支援火器については異様と言えた。

 

6本の銃身を持つ0.7リジュ口径の導力式ガトリング銃は本来は重機関銃に分類される兵装であり、歩兵が手に抱えて運用する代物ではない。

 

にもかかわらず、彼らはそれを軽々と取回して演習場を駆け回っている。

 

また、その錬度は異様だった。遠目から双眼鏡で見るだけでは詳細は分からないものの、まるで全員が感覚を共有しているような、あるいは視界を遮るものなど無いとでも言うような動きをする。

 

攻撃においては必ず数人の兵が敵を挟撃する位置に移動して見事な十字砲火を加える。ごく自然に敵を誘い出して、別の班が形成した即席のキルゾーンや対人地雷の罠に引き込む。

 

迫撃砲の運用は見事と言う他ない。まるで以心伝心のような砲撃支援。誘い出し、あるいは味方の兵が敵の近辺にいるにもかかわらず、味方を巻き込まずに精密な砲撃を実行して見せた。

 

魔獣に襲い掛かられれば、別の位置にいた味方の兵が小銃による見事な支援射撃でそれを阻み、狙撃兵はそれ以上の働きをする。

 

一糸乱れぬ統率、部隊は一様に生物の体の如く有機的に連携し、そして見るからにその錬度は標準的な軍の部隊を超えている。

 

その戦いぶりは歴戦の猟兵を思わせ、隣で一緒に観戦するカノーネ君すら唖然とその様子を呆けるように見つめるほど。

 

 

「か、彼らは猟兵なのか? それともどこかの軍の精鋭なのか?」

 

「いえ。確かに元猟兵はいますが、全員がそうではございません。むしろ、半年前までは戦闘経験すら持たない素人が大半でございます」

 

「半年でこの練度…。あの魔獣たちは弱そうには見えないが」

 

「経験をつんだ遊撃士でも手こずる相手でしょうな。捕獲には武装飛行艇を使わなければなりませんでしたから」

 

 

彼らが相手にしている魔獣は、関所の守備隊が相手にするような一般的なそれとは格の違う強力なものばかりだ。

 

しかし彼らは魔獣の行動を巧みに制限し、魔法を使おうとすればそれを巧妙な連携で阻害し、一方的に撃破していく。

 

小銃では効果的なダメージを与えられない魔獣には、簡単なトラップや迫撃砲により姿勢を崩したその絶妙のタイミングで携帯用の無反動砲の一撃を叩き込む。

 

40リジュの圧延鋼板を貫く成形炸薬弾の直撃は主力戦車をも葬るものであり、巨大な魔獣をも一撃で沈めることが出来る。

 

 

「しかし、例の《銀》のような達人を相手取るのは難しいのではないか?」

 

「達人とはいえ人間。0.7リジュのライフル弾が命中すれば致命的な傷を負うはずです」

 

「だが、当てることが難しい」

 

 

カシウス・ブライトしかり、ユン・カーファイしかり。エレボニアのアルゼイド子爵や共和国の《銀》らは結局のところは人間であり、0.7リジュ口径の小銃弾を急所に受ければ致命傷は避けられない。

 

だが彼らはその異様なほどに冴えた直感や戦闘経験、技術をもってそれを未然に防いでしまう。同じ人間とは思えない程の正確さで。

 

 

「ええ。しかし、彼らはまだまだ強くなるのです。そしてそこには上限がないと言うべきでしょう」

 

「どういうことかね?」

 

「超兵計画によって我々が生み出したレッドキャップス中隊には、グノーシスによるいくつかの超常能力が付与されているのです」

 

 

メイゼル博士が薄ら笑いを浮かべながら、私とカノーネ君についてくるよう合図を送ってくる。私たちは博士の背中を追いながら、彼の話に耳を傾ける。

 

最初彼は被検体たちに何を施したのかをこと細かく説明しだしたが、専門知識に欠ける私の知るところではないので、彼の生み出した部隊の具体的な能力を話すように促す。

 

 

「グノーシスには潜在能力を引き出す効果がありますが、あれの本質はもっと形而上的で霊的な、七耀で言うところの『幻』に属する、すなわち認識、無意識、因果律に関わる力を引き出す薬効にこそ注目すべきなのです。我々はこれによりいわゆるテレパシーよりも上位の超常能力を被検体に付与することに成功したのです」

 

「テレパシーの上位? 勿体つけるな」

 

「ええ、それはすなわち魂の共有と言うべきでしょうか。あれが教団の言うところの《D》に服用者の経験や記憶を送っていることは理解されていましたが、私は今回、《D》ではなく、それらの情報を個体と《D》の中間点にノードと言うべき場所を形成することに成功しました」

 

 

メイゼル博士が地下への階段を降りる。そしてその奥の、幾重にもわたって厳重に封鎖された分厚い鋼鉄の扉が開かれていく。

 

そしてその奥には手術室のような部屋があり、手術台のようなベッドの上にいくつものチューブや電極のようなものを取り付けられた少女を見た。

 

 

「そして、そのノードに人間の脳を置くことで、200人の被験者たちの個々の精神、記憶、経験、技術、習得した能力を共有し、他の個体にフィードバックさせるシステムの構築に成功したのです」

 

「経験を共有する…。なるほど、つまり一人の猟兵が培ってきた戦闘経験、技術を全体が等しく共有した姿が、先ほどの…。しかし、個々の才能や身体能力には違いがあるのではないか?」

 

「ええ。ですが、共有と言うのは単純に情報の遣り取りをしているわけではないのです。個々の脳が脳細胞の1つとして機能する。すなわち、彼らは身体こそ別々にしていますが、一つの霊的に統合された巨大な脳の統率下に置かれているということになります。そして被検体の肉体は手足のようなものであり、彼らは既に別々の個ではなく、一個であるのです」

 

 

霊的に統合された巨大な脳はその圧倒的な処理能力によって、それぞれの技術をそれぞれの肉体に最適化された形で運用することを可能とする。

 

また、その肉体に宿る特異的な才能さえ、この《脳》は個々の身体に重大な影響を引き起こし、再現せしめる。博士は歌うように語る。

 

 

「そして、彼らは個々の肉体の数だけ経験をつむことが可能であり、そしてそれを統合することが出来る。すなわち、通常の人間の数百倍の効率で学習や鍛錬を行うことが出来ます。それだけではない。彼らが持ちえない才能や能力を、それを持つ個人をこの《脳》に喰わせる事で、新たに外部から導入することすら可能なのです」

 

「い、いや…。しかし管理は可能なのか? 不特定多数の人間の精神を外部から導入すると言う事は、《脳》が我々にとって不都合な悪意に汚染される可能性もあるのだろう?」

 

「そのためのノードです。彼女は《脳》の中核を担うと共に、その基盤ともいうべき存在でもあるのです。彼女にはグノーシスを始めとした様々な薬剤を用いることで深層意識に王国軍への絶対的な忠誠心を刻み込んでいます。よって軍組織の上位からの命令には被検体たちが逆らうことはありません。よしんば、何らかの問題が起きたとしても、彼女を処理すれば《脳》は瞬く間に崩壊し、彼らは彼らを構築していた記憶や技術を失い、また死のフィードバックを受けて昏睡するでしょう」

 

 

嬉々と笑い説明する博士をよそに、カノーネ君は少女に憐みの視線を投げかけている。

 

少女には既に思考があるとは思えず、そして二度と人間らしい生活が送れないのではないかと思えば、同情したくなる心情は十分に察することが出来る。

 

 

「博士、この少女はどういう経緯でここに?」

 

「あ、ええっと、ああ、カルバード共和国の娼館が廃棄する予定だった者たちを人身売買組織を通じて納入したと聞いていますが、何か?」

 

「あの…、廃棄…とは?」

 

「カノーネ君は知らなかったか…。聞いてもあまり気持ちの良い話ではない人体実験の素体にされることもある。好事家の中には《食材》や《薬剤》としてこれを求めるものもいるという。まあ、そういう市場があるということだけだ」

 

「…はい」

 

 

カノーネ君が押し黙る。人体実験に用いる素体は導力革命において生化学や微生物学などの急速な発展に伴い需要が増している。

 

また古くから人体の一部は媚薬や不老長寿の薬として珍重され、これも死刑囚から製造された製品に紛れる形で比較的大きな市場を形成していた。

 

 

「ところで、彼女はこの実験の被検体になることに賛同したのかね?」

 

「ああ、その事でしたら念書をとっております。先ほどのレッドキャップス中隊に参加している者たちの中に、彼女の幼馴染の青年がいるんですよ。性病を患い、死にかけていたのですが、その青年を助けることを条件にと。抗生物質で事足りたのですがね」

 

「その青年とやらは?」

 

「少女の事を知り、酷く狼狽していましたがね。今では隊を牽引する小隊長ですよ。なかなか優秀でして、我々も驚いている次第で」

 

「君は下衆だな」

 

「よく言われます」

 

「ふっ、このような所業に手を貸している時点で私も君と同じ穴の狢なのだろうがね」

 

 

数か月後、王国軍情報部において一つの特殊部隊が設立される。

 

 

 




お久しぶりです。皆さん生きてますか? 私は冬眠中です。

というわけで、長い間更新をお休みしていましたが、ゆっくり徐行運転で再開です。

閃の軌跡の続編が今年中に発売されるそうで、なんとも楽しみです。きっとロボット大戦になるんですね、分かります。

ヴァリマールとゴルディアス級が空中戦するとか、そういうのだったら萌える。

今回はグノーシス関連の続きということで、怪しげなマッドサイエンティストが出てきました。ええ、もちろん悪役です。

新型機はミラージュシリーズから。作者の趣味が前面に出ていますね。好きなんですデルタ翼。タイフーンとかカッコいいですね。

前進翼もロマンなんですけどね。雪風とかカッコいい。Su-47が配備されなかったのは超残念。ステルスとか追及すると、エイとかヒラメみたいになって外連味が足りないんですよねぇ。


▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。