俺の転生先は『君のいる町』!!   作:修平

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青人の想い人とは仲良し

 

~刹那side~

 

あの柚希の涙事件から少し経って今は学校までの案内をしている所だ。

 

ウチには自転車が俺と青人の分との二つあるのだが、

 

 

『自転車乗れるん?』

 

『乗れない!』

 

 

という会話から俺が柚希を後ろに乗せて走っている。

 

「すごーい!速い速い!」

 

「喋っとると舌噛むで?」

 

柚希は何が楽しいのか笑いながら俺のシャツの裾を掴んでいる。

 

「まったく、自転車乗れないなんて珍しいのぉ」

 

「むぅ~、誰にだって得意不得意があるんだよ!?」

 

俺の漏らした言葉が気に入らないのか裾を強く掴み、頬を膨らめせながら俺を睨む。

 

ぐっ! 相変わらず上目遣いが上手いやんけ。

 

「そら、すませんした。なら、春からは俺が乗せていくしかないのぉ」

 

「え?いいの!?」

 

「いいもなにも、ここから結構時間かかるんやで?さすがに朝5時起きはいややろ?」

 

「うっ!それは無理かも………」

 

「なら、大人しく乗っとけや。青大のでもええけどな」

 

「いや!刹那君の後ろにする!」

 

「………青大が聞いとったら落ち込むどころやないな」

 

青大はクールで面倒くさがり屋のように思わせているが、本当はかなり繊細な心の持ち主なのだ。今の言葉を聞けば恐らく部屋で枕を濡らすだろう。

 

「あ!そ、そういうわけじゃなくてね!?」

 

自分の失言に気づいたのか、慌てながら弁解をする。

 

「分かっとるよ。青大には言わんし、そういうつもりで言うたんやないとわかっとるから」

 

そう言うとホッとしながら笑顔になる。 可愛い。

 

しかし

 

「でも、たまに青大の後ろに乗らなあかん時が来るで?」

 

「え?あ、やっぱり重い?」

 

「そういう訳やないから泣きそうな顔になるなや!部活があるんよ」

 

「へ?部活やっているの?」

 

「まぁ、入っとるというより助っ人やな。ウチの学校人数が少ないから偶に駆り出されるんよ」

 

「へぇ~、何部の助っ人なの?」

 

柚希が顔を輝かせながら聞いてくる。だが、残念ながら一つではなく、

 

「………全部や」

 

「へ?」

 

「だから、運動部系はほとんど助っ人に出てんよ」

 

そうあの神様のせいで俺の運動神経はバカみたいに上がり俺がいれば勝てんじゃね?ぐらいな程に俺は強い。陸上はアイ○ールド21を連想させるような走り、サッカーは脚力からストライカーに、野球は○郎のレーザービームも真っ青な強肩、バスケは繊細なドリブルから。だから中学時代も毎日のように勧誘があった。

 

「す、すごいね!私運動全然ダメだから羨ましいよ!」

 

俺の背中から哀愁が漂ってきたのを感じたのか、フォローを入れてくれる。

 

「ありがとな。柚希もせっかくやから何か入ってみたらどうや?」

 

「う~ん、考えてみるよ」

 

恐らく月からテニス部へ誘われるだろうからいいんだけどな。

 

すると前からトラクターを乗ったオッサンが来るのが見えた。

 

「よぉ~、せっちゃん!!」

 

「げっ」

 

「なんや、その顔は。それよか、どえらいべっぴんさん連れとるなぁ。愛車でデートか?」

 

「まためんどいオッサンが来たで」

 

「なんやと!俺のことはお兄さん呼べ言うとるやろ!」

 

「自分の年いくつか数えてみろや!親父と同い年やろ?」

 

「居候の枝葉柚希でーす!よろしくお願いしまーす!」

 

「おーう!!しくよろー!!」

 

「もう死語やん」

 

「……ってゆーか、今の人誰?」

 

「近所のオッサンだよ」

 

すると今度は前から小学生三人組が現れた。

 

「あ!刹那兄ちゃんや!」

 

「見てみぃ!女乗せとるで!!」

 

「おーう!元気かガキどもー」

 

「元気やで!またサッカー教えてや!」

 

「あ!ずるいで!俺にも野球頼むで!」

 

「はいはい、また今度な~」

 

「母ちゃんに刹那兄ちゃんが女乗せとるの報告せな!」

 

「すんなや!」

 

「「「カップル、カップルー」」」

 

「うるさい!」

 

「………///」

 

ガキども追っ払い、柚希が顔を赤くしていた。

 

「………何、顔赤くなっとんねん」

 

「な、なってないよ!?」

 

「そんな顔で言われても説得力0やで」

 

「もう!」

 

柚希が俺の背中をポカポカ殴る。可愛いなぁ~

そしてこの町唯一のコンビニといっていい所を通ると

 

「おろ?」

 

「どうしたの?」

 

「いや、知り合いや」

 

コンビニからショートカットの美少女が出てきた。

 

「おーい!神咲~」

 

「あ、桐島君」

 

彼女の名前は神咲七海。俺の敵である野球部主将の鳴海先輩の妹でいつも「お兄ちゃんがごめんね」と謝ってくれる心優しい人物であり、青大の想い人である。たしかに青人が惚れてもおかしくないくらい美少女で学校にも何人かファンがいた気がする。

 

「こんにちはー!」

 

柚希が俺の後ろから元気に挨拶をする。神咲は知らない人からの挨拶にビックリしながら

 

「えっと……あの、こんにちは」

 

「こらこら、いきなり挨拶したらビックリするで」

 

「ぶぅ~、だってすごく可愛い子だし」

 

「え、えっと桐島君?この人は?」

 

「ああ、この子は「はじめまして!今日から刹那君と一緒に住むことになった枝葉柚希です!」……かぶった」

 

「い、一緒に?」

 

「オヤジの知り合いの子でな。学校はこっちに来ることになったんよ」

 

「そうなんだ。あ、神咲七海です。よろしくね、枝葉さん」

 

「うん!こちらこそよろしくね!七海ちゃん」

 

一通り挨拶が終わると不意に柚希が神咲に近づき

 

「それにスタイルいいねー。モデルさんみたい!」

 

「そ、そんなことは………」

 

「刹那君もそう思うよねーー?」

 

「ん?まぁの。ウチの町では可愛いで有名な子やからな」

 

「き、桐島君まで///」

 

「それに胸もおっきいー!何カップ?」

 

「え!?え!?」

 

「はい、ストップー」

 

俺は柚希が神咲に迫った所で首根っこを掴み離れさせる。

 

「学校見に行くんやろ?時間なくなるわ」

 

「えーー もっとお話したいー」

 

「それは春からのお楽しみにしといてくださーい。ほんなら、神咲じゃあの」

 

「はーい。バイバーイ!七海ちゃん」

 

「う、うん」

 

俺は柚希と学校に向かったのだがどう考えても神咲の所で時間を潰し過ぎてしまいやっぱり家に帰ることになったのだ。

 

そして二人で歩いているとさっき神咲とのおしゃべり中断させられた柚希が唸っている。

 

「むぅーーー」

 

「すまんかったから、そんなに睨むなや」

 

「だってぇ~」

 

「また明日も付き合ってやるから」

 

「ホント!?」

 

「ああ、ホントや。だって約束したからの」

 

「え?」

 

そう。彼女とは約束をしたのだ。

 

「この町のいろんな所に案内してやるっての」

 

「あ………うん!」

 

 

 

 

 

 

 

 

おまけ

 

 

「青大今日は残念やったなー」

 

「何の話や?」

 

「柚希を案内しとったら神咲会えたのに」

 

「な!?会ったんか!?」

 

「おう!学校前から会うチャンスやったのに~」

 

「べ、別にそこまで会う必要ないからええんや!」

 

「………そんな後悔いっぱいの顔で言われても虚勢以外の何ものでもないで?」

 

「あれ?青大君、七海ちゃんのことが好きなの?」

 

「「………あ」」

 

「うん?」

 

「………あ」

 

「「あ?」」

 

「兄貴のせいでバレてもうたやないかーー!」

 

 

 

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