~刹那side~
今日から高校の入学式である。と言っても、ほとんど顔見知りであるのであまり変わり映えはしないのだが柚希は楽しみなのか朝早く起きて準備をしていた。
親父とばあちゃんと青人で飯を食べている。青大よ、そんなにのんびりしておいていいのか?
「ご馳走様。青大、早く行かんと遅刻するで?」
「マジでか!?もうそんな時間かいな!?」
俺の忠告に青人は急いで飯を口の中に入れる。
「入学式の日ぐらい早ぉ行く気にならんのかお前は」
親父は青人のマイペースに呆れている。
「先行ってるで?」
「ま、待ってや兄貴!」
「待たん!」
「裏切り者ーーー!!」
学ランに着替えドラを撫で回し外に出る。既にもう柚希は玄関の所で待っていた。
「もう!遅いよ~」
「柚希が早すぎるんや。まだ間に合う時間やぞ?」
「早く学校に行きたいの~」
「はいはい、早く着くよう努力しますから後ろに乗ってください」
「はーい!」
柚希は元気よく返事をし、後ろに乗る。
「そのまま学校に行くけどええか?」
「へ?」
念のためにと聞いてみたが柚希は何を言ってるか分からないという表情小首をかしげながらで俺をみる。その仕草が可愛いと思いつつ苦笑しながら
「朝から2ケツで学校に行ったら変な噂がたつからの」
「ああ、そういうこと!私は全然気にしないよ?あ、でも刹那君は気になる?」
「いんやむしろこんな美少女を送り迎えできるとは嬉しい限りやな」
「び、美少女///」
「ほな、行こうか!」
「う、うん!」
他者から見ればお腹いっぱいな光景に気にせずペダルをこぐ。
学校に近づくに連れて学校の奴らがちらほらと見えてくる。みんな揃って俺たちのことを見るのだが
「あれ、刹那君よね?」「あ、ほんとだ!女子と一緒だ!」「か、彼女かしら?」「うっそー!ショック!」「おい!誰やあの美少女!」「また刹那か!」「男の敵め!」
「ま、普通はこうなるな」
「こ、こんなに注目されるとは思わなかった」
柚希がおっかなびっくりというような顔で周囲を見る。自分で言うのもなんだがこの展開予想はできていた。柚希は来たばっかであまり知られてない上に美少女だというだけで注目されるし、ある意味有名な俺とが2ケツで来たらそらこうなるわ。
教室に行き男たちからの質問攻めに拳で答え、まともに紹介できない内に入学式になってしまった。
式の最中校長がもっともらしいことを言ってるなか、柚希はキョロキョロと珍しそうに周囲を見渡していた。
そして式が終わりクラスへ向かうと
「なーなーその子!?刹那んとこに住んでる東京の子って!」
声がして振り向くと金髪碧眼美少女が立っていた。ほんま俺の近くは美少女が多いな……
「うっわー!カワイー!髪の毛綺っ麗ーーー!」
「え、えっと」
「ああ、コイツは幼馴染の……」
「加賀月!刹那と青大は小学校の時から一緒なんよ!」
「あ…枝葉柚希です。よろしくね!」
「ゆ、柚希ちゃん!田舎どう!?慣れた?」
そしたら後ろから尊が柚希に迫っていって自己アピールをしている。
ほんま諦めない男やな。
すると、月が話しかけてきた。
「一目惚れしたんやろ?笑っちゃうわ~。じゃけぇ、協力してくれ言われたんよ」
「そうだったんかい」
「ええの?」
「あん?いいも何も最後に決めるのは柚希やからな。」
「ま、刹那に勝てるなんて思えないけどな」
と笑った。
それからHMも何事もなく終わり、柚希を連れて帰ろうとすると
「あ、青大君だ」
「ん?」
柚希に言われて見てみると青大が下駄箱から誰かを覗くという不審者と言われても文句言えない状態だった。
「………何しとんや?」
「………さあ?」
弟のおバカ度合いにこめかみを押さえる。柚希もなんとも言えない顔をしていた。
よく見てみると青大の視線の先に神咲がいた。なるほど。
「柚希、ちょっと寄り道していかんか?」
「うん!」
俺の意図に気づいた柚希が微笑みながら頷いてくれた。
がんばれ青人!
ちなみに帰ってきた青大はめっさ上機嫌だった。