俺の転生先は『君のいる町』!!   作:修平

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兄は弟のために一肌脱ぐ

 

 

~刹那side~

 

 

俺、桐島刹那の朝は居候をしている美少女でも弟でも母ちゃんでもなくヤツの手で起きる。

 

「ニャッ!」

 

「うぷっ」

 

ドラの肉球である。どういう訳が知らんがコイツは毎朝7時になると俺の部屋やってきては柔らかい肉球で俺の顔を叩く。

 

「……おはようさん、今日もありがとうな」

 

「ニャー」

 

気にすんなというように声を上げる。それに苦笑しドラを膝の上に乗せて撫でる。ドラも気持ちよさそうに目を閉じる。

 

「刹那くーん!起きてるー?」

 

そして部屋に入ってきたのは今桐島家で居候をしている枝葉柚希である。

 

あと二分早ければ柚希に起こしてもらえたのにと落胆しながらも

 

「おはよう。起きとるよ」

 

「おはよー。またドラちゃんに起こしてもたったの?」

 

「ああ、今じゃ目覚ましいらずやな」

 

「ニャー」

 

任せとけとでもいう鳴き声に俺と柚希は顔を見合わせて苦笑する。そして気づいた。今の柚希の格好に。

 

彼女はキャミソールに短パンと朝から男子高校生に刺激的な格好をしていた。

 

「な、なんて格好しとんや?」

 

「え?あ、ごめん!気にしてなかった」

 

「朝から刺激的な格好せんといてくれ。俺も我慢するの大変やからな」

 

「わ、分かった……って我慢してるの?」

 

「へ?」

 

「へ?」

 

二人の間に気まずい空気が流れる。

 

「(俺なんてカミングアウトをしてんのやー!)」

 

「(そっか、我慢してんだ……それって私魅了的に見えてるのかな?///刹那君って意外と筋肉があってたくましいなぁ~」

 

「………おい、途中から漏れとるで?」

 

「え?」

 

「だから、筋肉から自分喋っとるで?」

 

「あ………」

 

「「………」」

 

再び気まずい空気に。

 

「ニャー」

 

「「…はっ!」」

 

ドラの声でなんとか正気を取り戻し

 

「さ、さっさと起きますか!」

 

「う、うん!そうしよう!」

 

ニ人とも何もなかったことにしたのだった。

 

 

 

 

青人から弁当を受け取り支度をする。俺も料理はできるが青人が料理好きで俺がする必要がないのだ。

 

そして授業が終わり昼休みになると

 

「柚希ちゃん、お弁当一緒に食べよー!」

 

「あっ、じゃあ七海ちゃんも一緒に食べようよ」

 

「あ…うん」

 

柚希は月と神咲と一緒に食べるようだ。仲良くなってくれて嬉しいと思う親になった気分だ。

 

「刹那くーん!」

 

「ん?」

 

「一緒に食べようよー」

 

「ま、柚希ちゃんからのお誘いじゃしゃあないの」

 

「神咲、一緒に食ってええか?」

 

「もちろんじゃ」

 

神咲からも許可をもらったので一緒に食べようと思う。行く途中青大の背中を叩く。

 

「な、なんや?」

 

「なんやあらへん。飯食うで?」

 

「俺も一緒でええんか?」

 

「青大も一緒でええよな?」

 

「もちろん!」

 

「おかず一つちょうだーい!」

 

歓迎のようだ。神咲の方を見てみるとニッコリしながら手を招いていた。青大はめっさ嬉しそうな顔をしていた。

 

いつの間にか尊も現れ六人で食べることになった。

 

柚希が俺の弁当にトマトを寄越したり、神咲が青人に料理の話を振ったりと穏やかな時間が流れていた。

 

その時

 

「あ、桐島君」

 

「「なんや?」」

 

二人で返事をしてしまった。

 

「あ、刹那君の方や」

 

それを聞いた月が笑いながら

 

「名前の呼び方変えたらどうなんよ?」

 

と、提案した。青人は奥手なので俺が一肌脱いでやろう!

 

「なら、青大の方を下の名前を呼んでくれや」

 

「え?」

 

「あ、兄貴!?」

 

「俺、刹那って厨二みたいな名前であまり好かんのよ」

 

俺は笑いながら言うと俺の意図に気づいた月と尊も乗ってきた。

 

「確かにちょっとカッコ良すぎやな」

 

「ちょっとト○ンザム!!って言ってみてくれや」

 

「絶対嫌じゃ!」

 

そして三人で笑う。すると神咲は少し考える素振りを見せて青人に

 

「じゃあ、青大君って呼んでええ?」

 

「あ、ああ!もちろんじゃ!」

 

青大は俺のことを『感謝感激!!』とでも言うべき目で見てきた!

 

俺はみんなに分からないようにウィンクをする。

 

すると隣に座っていた柚希が手を握ってきた。

 

なんぞ?と思いみると、

 

「ふふっ」

 

優しい笑顔で笑った。それにつられて俺も笑う。

 

「あーー!何刹那、柚希ちゃんと通じ合ってんねや!?」

 

「そういうわけやない」

 

尊の絡みを軽く流すと神咲の方へ向き

 

「んで?俺に何か用かい?」

 

「あ!そうやった。お兄ちゃんが今度部活に顔出せ言うとったよ?」

 

「………俺、野球部ちゃうんやぞ?」

 

それから青大が調子に乗って料理部入部発言をし、しかし神咲は野球部マネージャーへ入部するらしい。青大の絶望した顔は忘れられない。

 

柚希は結局月に誘われテニス部に入った。

 

 

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