おつるさんから頼まれた急ぎの書類を斜めがけの大きなカバンに入れて廊下を走り、目当ての場所へと到着しました。
おつるさんの部署は基本はデスクワーク。
たまに、この前のように外洋遠征に出る程度です。
その為、本部内の書類の殆どがここで作成され、集められ、受理されたり拒否されたりします。
そんな中で私は書類配達の仕事をしてます。
いや、デスクワークは普通に出来るんですよ?
ただ、おつるさんから急ぎの書類を目的の部署に渡す時に私が行くと早かったから。 という理由でこのような状態になってるだけで。
雑用の仕事ですよね、コレ。
足が早いから、という理由でパシリにされてる私って、、、
それはさておき、書類を手にしてクザンさんの部屋に入ります。
「失礼します。 クザンさん。 追加の書類です。 サイン、、、、皆さーん!! またクザンさんが脱走してまーす!!」
クザンさんのサボり癖は酷くて酷くて。
ここに来ると大体、3分の2はクザンさんとの追いかけっこ(但し追いかける側限定)をしてます。
ええい、海に出られると厄介です。
「いつも通り、海岸までの道全てに見張りを。 私はクザンさんの自転車の方を見てきます。」
っていうか、何で私が指揮取ってるんですかね。
それから数時間後、あえなくクザンさんはお縄につき、執務室の椅子に海楼石の鎖で縛り付けられました。
・・・・何でこんな事に海楼石の鎖の使用許可が出るんでしょうか。
クザンさんを椅子に縛り付け、既に片付けた書類を回収した後、次に訪れたのはボルサリーノさんの所です。
「ボルサリーノさーん。 追加の書類です。」
「オォー、分かったよ。 そこに置いておいてくれるかい?」
言われた場所に書類を置き、
「終わった書類は何処ですか?」
「コレだよぉ。 よろしく頼むね。」
「はい。 失礼しました。」
ボルサリーノさんはちゃんと期限までに書類を終わらせてくれる人なので、助かります。
そしてサカズキさんの所に来ました。
「サカズキさん。 申し訳ありませんが書類追加です。」
サカズキさんはチラリとこちらを一瞥して、手元の書類に目線を戻しました。
「そうか。 そこら辺に置いとけ。」
「はい。 ここに置いておきますね。」
それにしてもいつ見ても凄い量の書類ですね。
サカズキさんは外洋遠征が三大将の中でも期間が一番長くて、その分帰ってくる度にこうして書類仕事に追われています。
お節介かもしれませんが、お湯を沸かし、緑茶を淹れてサカズキさんの机の上に置きました。
そして机の上においてあったサイン済みの書類をカバンの中に入れ、
「ちょっとした息抜きにどうぞ。 緑茶にはリラックス効果があるそうですよ。 失礼しました。」
「センゴクさん。 書類の追加でーす。」
次に来たのはセンゴクさんの部屋です。
「ああ、ここに置いておいてくれ。 終わったのはこっちだ。」
「はい。 その湯呑み、空ですね。 淹れましょうか?」
「ん? ああ、スマンな。 そうだ。 少し余裕もある事だし、オキタも飲んでいかないか?」
「すみませんね、この後もあちこちに届けなきゃいけないんですよ。」
「そうか。 なら仕方あるまい。」
「はい、どうぞ。 それじゃ、失礼しました。」
パタン、とドアを閉めて、駆け出します。
「さてと、次は、、、、おっと。」
丁度曲がり角から人が出てきたので書類がグシャグシャにならない様に抱えて、上に跳んで避けます。
「すみませーん! 急いでいたもので!」
そして去り際に謝ります。
そして最後にやってきたのはガープさんの所、、、なんですが、、、
「ガープさん、は、、、、、ああ、やっぱり居ませんね。」
クザンさん以上のサボり魔ですからね、あの人は。
しかもトラブルメーカーというオマケ付き。
仕方ありませんね、書類置いておつるさんの所に戻りますか。