「東の海の島、ですか? 何で私にそれを?」
とある日の昼頃、今日は非番だぁ、と言うことで何をするでもなく、ほっこりとお茶を飲みながら過ごしていたらガープさんがやって来ました。
曰く、ある島に預けた孫の様子を見に行くのだとか。
「良かったら来んか? ホラ、儂はオキタのお祖父ちゃんみたいなものじゃろ?」
「いえ、そこまで深い関わり合いがあった記憶は無いんですが。」
精々、拾って貰って、船内で色々世話を、、、、、私がした程度ですね。
「それにまた明日から仕事ですし。 東の海なら日帰りなんて無理ですよね?」
「細かい事は良いんじゃよ。 最悪、儂からの命令という事でゴリ押せ。」
職権濫用反対。
「ホレ、行くぞ!」
ガシッと腕を掴まれ、引きずられて行きます。
「あっ、ちょっ、せめてゼファー先生への置き手紙を! 聞いてくださいよーーー!」
「と、言う訳です。」
『災難だったな。 分かった、責任はガープに取らせるし、これは任務扱いにしておこう。』
「ありがとうございます。」
電々虫を通してセンゴクさんへの安否確認と報告を終えました。
センゴクさん、物分りが良くて助かります。
流石に何十年もガープさんと付き合ってるだけの事はありますね。
『それで、戻りはいつ頃になりそうか分かるか?』
「いえ、全然。」
『だろうな。』
「『ハァ・・・』」
二人揃って深く溜め息をつきます。
だってガープさん、あちこちの港によって行くんですよ。
帰りもこの調子となると、、、、、一ヶ月か二ヶ月くらいですかね。
ああ、せめてゼファー先生が私が帰るまでには家を綺麗にしてくれていると助かるんですが。
「よーし! 到着じゃ!」
「やっとですか。 は〜〜、長閑な所ですねぇ。」
ここが、主人公の育ったフーシャ村、ですか。
まあ、それは置いておいて、原作主人公と会うのも良いですけど、それよりちょっとだけ優先させたい事があるんですよねぇ。
「ガープさん、ここって剣術の指南所とかあります?」
「ん? 剣術? どうだったかのう? 島の反対側にならあるかも知れんが。」
ゾロさんと会うこと、では無く、くいなさんを助けること、でも無く。
くいなさんのお父さんの実力の確認である。
原作では「どうしたら鉄を切れるようになるのか?」と聞いたゾロさんに「紙を切れない者は鉄をも切れるようになる。」という事を言っていました。
これが覇気を知った上で行った言葉なのなら、くいなさんのお父さんは東の海という最弱の海に似合わないほどの実力者ということになります。
それこそ、グランドライン後半の海、『新世界』レベル。
予想通りなら、なぜ東の海にいるのかなんて理由にはこれっぽっちも興味はありません。
ただ、何か教えて貰えるかもしれない。
ただ、それだけです。
あ、でも出来ればくいなさん助けたいです。
原作からどう転ぶかは分からないけれども、それはそれで面白そうですしね。
と、言うことでやって来ました。
ゾロさんとくいなさんが居た道場。
海軍だと分かるような物は全部船に置いてきて、気合を入れるために沖田総司、第三再臨の姿で行きます。
「頼もう!! 剣術指南の表看板、只今通りすがりに御見かけした! 是非にも師範に御立会いを所望する! お取り次ぎ願おう!!」
わっふう! 一度でいいからこういう事言ってみたかったんですよね!!
「それは他流試合をお望みということですか? それとも道場破りを?」
あ、くいなさんのお父さんですね。
師範がいきなり出てきて良いんですか、こういうのって。
ナメられないように一番弟子とか、師範代とかが出てくるんじゃありませんでしたっけ。
ウチはそうだったんですけどね。
「あ、他流試合で。」
「そうですか。 しかし何事にも様式美と言うものがありまして。 まずは一番弟子、次に師範代、そして最後に師範。 このような順で戦うことになりますが、宜しいでしょうか?」
「勿論ですとも。」
やっぱりそうなるんですね。
「なら、どうぞ中へ。 くいな、師範代を連れて来て下さい。 ゾロは皆を道場に集めて下さい。」
入口の角からちょっとだけ顔を出して見てた二人を振り向かずに認識するとは。
やっぱり只者では無さそうですね。
「では、こちらへ。 道場へとご案内します。」
そのまま、くいなのお父さんの後ろに付いていきます。
名前、何でしたっけ?
暫く歩いた後、道場へと着きました。
道場に入るときに一礼してから中に入ります。
「では、少しの間ここでお待ちを。」
そう言われたので正座をしながら待ちます。
少しすると、門下生が集まり始め、五分もしない内にほぼ全員が集まったようです。
「それでは、これより他流試合を始めます。 お相手は、、、、えっと、流派とお名前は?」
「名前は沖田総司、流派は、、、、自己流ですね。」
型や技は体に染み込んでいますが、実戦で鍛え上げてだいぶ変わってしまいましたからね。
「第一試合はこの道場の一番弟子、くいな対挑戦者、沖田総司。」
腰にさしていた真剣は床に置き、渡された竹刀を手に取り軽く振ります。
互いに礼を交わし、竹刀を構えます。
まずは、、正眼でいきますか。
「始め!」
開始の合図と同時に縮地を使い、くいなさんの左斜め後ろに跳びます。
そこから体を回転させて、攻撃。
狙うは首。
「っ!!」
パァン! と乾いた音が鳴り、私の攻撃は防がれます。
そして、後ろに下がって衝撃を流されます。
なるほど、流石に子供の頃とは言え、ゾロさんに全戦全勝出来る程の実力があるわけです。
基礎能力はまだまだですが、その他は海軍のルーキーと比べても勝るとも劣らない。
これは、海賊になるにせよ、賞金稼ぎになるにせよ、海軍に入るにせよ、失くすには惜しい人物ですね。
主に、私の未来の好敵手的な意味で。
まあ、今はまだ、歯牙にもかけない程度ですけどね。
もう一度縮地を使い、今度は目の前に跳び、喉元に竹刀の先を突き付けます。
「私の勝ちですね。」
二試合目は直ぐに終わりました。
普通にくいなさんの方が強いですね。
そして本命の三試合目。
ここで構えを何時ものFGO沖田バージョンに戻します。
相手は正眼。
己の中のスイッチを切り替えます。
「いざ、尋常に勝負。」
縮地を使い、すれ違いざまに三閃。
すべて防がれ、いや、流された。
やはり、予想通り只者では無かったか。
流した、という事は力で押すのではなく、技で反撃するタイプ。
ならば、隙の出来やすい大振りは厳禁。
いつも以上に速さと技で勝負、ですか。
四閃、五閃、七閃とすれ違いざまに叩き込む斬撃を増やしていく。
しかし、全て流され、有効打は一切入らない。
それでも相手が反撃しようとしてくる様子はない。
このままでは埒が明きませんね。
一旦、大きく距離を取る。
一回深呼吸をして気持ちを落ち着かせる。
「我が秘剣の煌めき、受けるが良い!」
竹刀を構え直し、地を蹴る。
「一歩、音越え」
縮地を使って距離を詰め、再度地を蹴る。
「二歩、無間」
相手の目の前に跳び、竹刀を持った右手を大きく引く。
「三歩、絶刀」
そして三つの突きを同時に放つ。
「『無明三段突き』!」
っっ! 二発完全に流された!?
足には当たりましたので試合としては私の勝ちですが、、、、、、これが命懸けの殺し合いなら死んでますね。
ああ、出し惜しみせずに能力使っておけば良かった。
「私の負けですか。」
「はい、私の勝ちです。 ありがとうございました。」
「こちらこそ、ありがとうございました。 それで、負けた側がこんな事を言うのは烏滸がましいと分かっているのですが、ウチの弟子全員。 いえ、ゾロとくいな、入り口で角から見ていた二人にだけでも、稽古をつけてはくれませんか?」
「ええ、良いですよ。」
即答です。
ルフィ達かと思った?
残念、ゾロとくいなでした!
それはそうと、アンケートは終了してますからね?
何か、後からちょっとずつですが、アンケート回答してくる人がいますが、終わってますからね?