エレシュキガル当たって種火周回してたら遅くなりました。
「と、言うわけで第一回鍋パーティーinゼファー先生の自宅! を始めるのじゃ!! こんなん緊張してナベの味なんか分かるわけ無かろう!!」
ややヤケクソ気味に開始を宣言したノッブ。
「因みに第一回では無いですよ。 ゼファー先生、時々訓練兵連れてきてこういうことしますからね。」
「…………第一回のトコだけカットで頼むのじゃ。」
何かメタそうな事言ってますね。
「時にオキタ少尉殿? わし、風の噂で聞いたんじゃが、何でもボッ、」
スッ、とノッブの喉元に菜箸を突き付けます。
「何か?」
「い、いえ、何も。」
「全く失礼ですね。 仲良い人くらい私にだっていますよ。 ……大半上司ですけど。」
「それを世間ではボッチと言うんじゃ。」
「あーー!! 言ってはいけない事を言いましたね、バカノッブ!!」
「な、バカとはなんじゃ! そんな暴言吐いて、それでもわしの上司か!?」
「ええ! 上司ですよ! 上司だから許される事だってあるんですー!」
「いっそ清々しいまでに言い切りよったな!!」
ギャーギャーと騒がしく言い合いながらも、険悪な雰囲気には全くならず、むしろ楽しいとまで思えてきます。
そして沢山、具の入っていた鍋も空になり、夜空を見上げながらノッブと二人でのんびりとお酒を呑んでいます。
「時にノッブ。 ノッブはどうして海軍に入ったんですか?」
「うん? また急な質問じゃのう。」
「因みに私は住んでた村が海賊に襲われて、全滅したからです。」
「重っ! さらっと言った割に内容が重いぞ!」
「さあ、私は言いましたよ? ノッブは?」
「んん〜〜、まあ、良いか。 他には内緒じゃぞ。」
そう最初に言ってからノッブは語り始めました。
「まあ、最初はな、革命軍やら海賊やらにでもなろうかと思っとったんじゃが、まあ、このご時世、情報は大切じゃろ? そこで、世界中の情報が集まる海軍に来たというわけじゃ。 そうすれば転職する時も海軍の内部事情と世界の情勢、それも裏の世界のモノという最高の情報を知っている状態なワケじゃ。 それを手土産にすれば、まあ、最初は信用されなくともスルッと入れることはほぼ間違いなし。 信用やら信頼やらは後々からでも上げられるしのう。」
…………うわぁ。
さすがノッブ、汚い。
「そんな事、私に言っていいんですか?」
「構わん構わん。 ブラックなトコばっかの世界政府じゃが、海軍は信用できる人間が多いしのう。 ま、信頼しとるのは……二人、といったところか。」
「そうですか。 まあ、納得しました如何にもノッブらしい理由ですしね。」
「そうじゃろう、そうじゃろう。」
「…………」
「…………」
くいっ、と持っていたコップを傾け、中に入っていた酒を飲み干します。
「オキタ少尉…………この呼び方面倒じゃの。 プライベートの時は呼び捨てで構わんか?」
「ええ、良いですよ。 で、何ですか?」
「でっかい爆弾作りたいんじゃが、良いエネルギー源知らん?」
「知りません。 そういうのは開発部に聞いて下さい。 ところでノッブ。 ノッブはFate、という言葉を知ってますか?」
「うん? フェイト? どっかで聞いたことある気はするがの。 何じゃったか。」
惚けてるような感じはしませんね。
「英語、という言語で意味は運命です。 こうして私達が出会えたのも何かの運命。 どうせなんで乾杯しましょう。」
「…………プッ、アハハハハハハハハハハ!! 何じゃ急に。 オキタらしくないぞ!」
「む、良いでしょうそれくらい。 酔ってるんですから。」
「ククク、なるほど。 酔ってるなら仕方あるまい。 わしとオキタの出会いに。」
「出会った運命に。」
「「乾杯。」」
と、いうわけで、ノッブの説明回でした。
ノッブなら普通にこういう事やりそう。